2020年3月13日に放送された剣客商売シリーズ第6弾【剣客商売 婚礼の夜】のネタバレと感想をまとめました。
今作から息子大治郎役に高橋光臣さん、三冬役に瀧本美織さんがキャスティングされました。新しい2人の剣客商売はどうだったのか?
【剣客商売 婚礼の夜】のキャストとスタッフ
- 秋山小兵衛…北大路欣也
- おはる…貫地谷しほり
- 佐々木三冬…瀧本美織
- 秋山大治郎…高橋光臣
- 四谷の弥七…山田純大
- 生島次郎太夫…山田明郷
- 飯田粂太郎…内野謙太
- おみね…栗田よう子
- おつぎ…山下裕子
- 傘屋の徳次郎…竜川剛
- 浅岡鉄之助…内田朝陽
- 平山市蔵…谷田歩
- おとみ…光原エミカ
- 西山団右衛門…小野了
- 千代乃…川面千晶
- 横山梶太郎…鎌倉太郎
- 庄三郎…谷本貴彦
- 金子孫十郎…中原丈雄
- 小川宗哲…古谷一行(友情出演)
- 田沼意次…國村隼
- 原作:池波正太郎「婚礼の夜」(新潮文庫刊『剣客商売(3) 陽炎の男』所収)
- 脚本:金子成人
- 音楽:大島ミチル
- 監督:山下智彦
【剣客商売 婚礼の夜】のあらすじ
秋山小兵衛(北大路欣也)は、妻・はる(貫地谷しほり)と仲むつまじく暮らしている。小兵衛は、息子・大治郎(高橋光臣)の「秋山道場」を訪れるが、あいにく留守。その頃、大治郎は師範代を務める田沼意次(國村隼)屋敷の道場で、田沼の娘・三冬(瀧本美織)らと稽古に励んでいた。
その後、四谷まで足を伸ばした小兵衛は、旧知の目明かし・弥七(やしち/山田純大)らが、僧侶が殺害された上に金銭を盗まれた事件を追っていることを知る。弥七によれば、事件の犯人とおぼしき浪人たちが付け狙う人物が、大治郎の「秋山道場」に入っていったと語っていたという。小兵衛が尋ねると、大治郎は浪人たちが狙っているのは浅岡鉄之助(内田朝陽)ではないかと答える。大治郎は、剣術の修行で諸国を回っていた際に大阪の道場にいた浅岡と知り合った。大治郎によれば、浅岡は江戸で仕官の誘いがあったものの、父親が死ぬまで浪人だったため自分に武家勤めができるのか不安に感じている上に、誘いを断れば友である大治郎と別れ大阪に戻らなければならないと思い悩んでいる様子とのこと。そんな謙虚で友思いの浅岡が、物騒な浪人に付け狙われることに納得がいかない一同。
今回は静観を決め込む小兵衛。その後、大治郎は友である浅岡のことが気がかりで、弥七に探索を依頼。果たして、浅岡が浪人たちに付け狙われる真相とは?そして、小兵衛と大治郎は、浅岡を救うことができるのか!?
公式HPより
【剣客商売 婚礼の夜】のネタバレ
浅岡を守るために大治郎の取った手段
平山たちがたまり場にしている代々木八幡裏の百姓家へ乗り込み、自らの剣の腕が立つところを見せて一味に入る。そうして内情を探っていたところ、浅岡が一人になるタイミングを見計らっていることを知る。浅岡が出稽古に行く時いつも一人になることを手下から聞き、翌日浅岡を襲撃しようと計画を立てる。
しかし、大治郎は平山は労咳であることや、既に七人殺害しているため捕らえられれば死罪になることを弥七から聞く。そこで、その日の内に大治郎自ら平山たちを始末しようと考えた。
浅岡が付け狙われる理由
平山は大阪での悪行を江戸では知られていないと思い、大治郎には嘘をつく。浅岡が女を襲っていたのを弟が咎めたら、切り捨てられたので敵討ちをするという話だった。だが、大治郎は浅岡から直接話を聞いていたため、それが嘘であり平山が逆恨みしているだけだとすぐに分かった。
浅岡が大阪にいたころ文を届けに行った帰りに、平山ともう一人の男が女を襲っていたのを見かける。浅岡は咎めて二人を縛り上げ、奉行所に引き渡した。平山はさらし者にされ、百叩きの刑を受けて大阪市中から追放される。
その当時、名のある道場の門人だった平山は、いずれその道場の師範代になると言われていたが、浅岡に簡単に捕らえられた上に、素行の悪さも明らかになって道場を破門された。その時一緒にいた男は弟でもなんでもなく、遊び仲間の浪人だった。
対決の行く末
浅岡襲撃前日、大治郎は今ここで平山たちと決着をつけることにする。前祝いと称して酒を飲み始める者たちを横目に、酒を飲むと切っ先が鈍るという大治郎はその場で剣を抜く。
元々弥七たちに見張りをつけていたため、小兵衛の耳にも大治郎が決着をつけようとしていることが知らされる。そこに駆けつけた小兵衛だったが、すぐに助太刀には入らず大治郎が友を守るという意思を尊重する。
平山との対決には水を差さず、その周りの浪人どもを一人だけ残して斬る小兵衛。病んでもなお剣の使い手である平山との対決を見守る。そして大治郎は平山の膝を踏み台にして飛び上がり、着地後振り向きざまに平山の腹を斬って勝利した。
もし、平山と浅岡が真剣で斬り合ったとしたら、どちらが勝ったかと小兵衛は大治郎に問う。五分五分だという大治郎、もし病んでなければ平山が勝っただろうと言う。だから、友の命を守るため前日に片を付けたのかと、小兵衛はその時知った。
【剣客商売 婚礼の夜】の感想
今回から新しく大治郎に高橋光臣さん、三冬に瀧本美織さんがキャスティングされました。前回までは斎藤工さんと杏さんの長身コンビでした。新たな二人のコンビも思ったほど悪くなく、これはこれでありかなと思って視聴できました。
それ以外のキャストの変更はなく、おはるは貫地谷さんですし、弥七は山田純大さんが引き続き演じてました。何があって二人だけを変更したのかは分かりませんが、今作以降はしばらくこのコンビでやっていくのだと思われます。
話としては大治郎と浅岡の友情を主に描いたもので、友を守るために大治郎が一人奔走します。浅岡に実は裏の顔でもあるのかと思いきや、そのままのいい人です。逆に平山がとんでもない逆恨みをしてくる人物でした。
現代でも知らないところで恨みを買ってしまうことはあるのかもしれませんが、やはり誠実に生きている人にはちゃんと味方が現れます。
浅岡はみなが嫁にするのを遠慮するような千代乃とも打ち解け、見た目ではなく彼女の本質を好きになります。浅岡があまりにいい人なため、ちゃんと幸せになってくれるオチでよかったです。
ただ、ラストの一番盛り上がる殺陣のシーンで、ファイナルファンタジーみたいなエンディングの曲がかかる演出は、緊迫感よりも爽やかさを強調したいということなのか?謎です。
その後の登場人物たち
- 浅岡鉄之助:西山家に婿養子として入る
- 平山市蔵:大治郎に斬られて死亡
- 平山の仲間:一人を残して小兵衛に斬られる
- 生き残った仲間:市ヶ谷の目明し半五郎に引き渡す
- 西山団右衛門:鉄之助を婿養子として迎える
- 千代乃:浅岡と結婚して妻になる
浅岡は千代乃と結婚して西山家に婿養子として入ります。両親を亡くし天涯孤独の身であった浅岡は、こうして家族を得ることができました。
平山は身から出た錆にも関わらず、道場を破門になり大阪に居られなくなったことを、浅岡のせいにして逆恨みしていました。労咳を患っていたこともあり、復讐だけが生きる支えになっていたようです。
大治郎は三冬から借りた五両を道場の手当てから月々差し引いて返すことにしますが、三冬は納得がいきません。直接顔を合わせて返すべきだと主張します。それは、金を返す際に大治郎と顔を合わせたいという乙女心のようなものでした。
そんな三冬の気持ちにまったく気づかない大治郎、春は遠いなと小兵衛もぼやきます。
歴代の剣客商売
剣客商売は何度となくドラマ化されているため、それぞれのイメージがあると思います。簡単に表にすると以下のバージョンがあります。
秋山小兵衛 | 秋山大治郎 | 佐々木三冬 |
---|---|---|
山形勲 | 加藤剛 | 音無美紀子 |
中村又五郎 | 加藤剛 | 新井春美 |
藤田まこと | 渡部篤郎 | 大路恵美 |
藤田まこと | 山口馬木也 | 寺島しのぶ |
北大路欣也 | 斎藤工 | 杏 |
北大路欣也 | 高橋光臣 | 瀧本美織 |
どういう人が配役されるのか、何となく想像つくかと思います。個人的には藤田まことさんと山口馬木也さんバージョンと初代の組み合わせが好きでした。今でも時代劇専門チャンネルあたりで、過去作品が視聴できるかと思います。なぜかFODでは現時点では配信されていませんでした。
【剣客商売 婚礼の夜】のまとめ
2年ぶりに放送された2020年版【剣客商売】も面白かったです。新しいキャストも思っていた以上に悪くありませんでした。今後しばらくこの組み合わせでいくと思われます。
毎日どこかしらのテレビ局で放送されていた時代劇はなくなり、今では大河ドラマなどをNHKが作るぐらいです。時代劇俳優として鳴らした北大路欣也さんも現代劇に主に出演しています。高橋英樹さんに至ってはバラエティーにも出演しています。
折角殺陣の技術があるのに、それが生かされないのが非常にもったいなく感じます。なので、こうして時々時代劇でその姿を見れると嬉しいです。今後も制作されることを楽しみにしている作品の一つです。