【検事・佐方~裁きを望む~】のネタバレと感想|3年ぶりの佐方貞人シリーズ

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12月26日にテレビ朝日で放送された【検事・佐方~裁きを望む~】のネタバレと感想、ロケ地などをまとめました

3年ぶりに放送された佐方貞人シリーズの第4弾となります。今回の話は遺産相続の話で、婚外子と遺族の遺産を巡る争いに隠された罠とは?佐方が進退をかけて事件解決に挑みます。

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【検事・佐方~裁きを望む~】過去作の見逃し配信

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ドラマスペシャル 検事の死命 2016年1月17日放送
ドラマスペシャル 検事の本懐 2016年12月3日放送

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【検事・佐方~裁きを望む~】の基本情報

  • 放送局:テレビ朝日
  • 放送日:2019年12月26日(木)21時~23時5分
  • 原作:柚月裕子 『裁きを望む』(KADOKAWA刊『検事の信義』所収)
  • 脚本:酒井雅秋
  • 監督:兼﨑涼介
  • プロデューサー:佐藤凉一(テレビ朝日)、和佐野健一(東映)、大西文二(東映)
  • 制作:テレビ朝日、東映
  • 公式HP

その他の柚月裕子原作ドラマ

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【検事・佐方~裁きを望む~】のキャスト

  • 佐方貞人(上川隆也)
    米崎地方検察庁検事
  • 庄司真生(松下由樹)
    米崎地方検察庁刑事部検事。佐方と同期で刑事部のエース
  • 小田薫(水崎綾女)
    米崎地方検察庁の検察事務官
  • 筒井義雄(伊武雅刀)
    米崎地方検察庁公判部部長。佐方の上司
  • 本橋信次郎(松尾貴史)
    米崎地方検察庁の次席検事
  • 芳賀渉(渡辺大)
    勝一郎の婚外子。運送会社の契約社員
  • 芳賀明美(石野真子)
    渉の母。2019年3月に病死
  • 児島隆雄(利重剛)
    郷古家の顧問弁護士
  • 郷古勝一郎(津嘉山正種)
    大手不動産会社『GOKO ESTATE』の前・代表取締役社長
    2019年4月にがんで他界
  • 郷古麻恵(立石涼子)
    勝一郎の妻
  • 郷古勝哉(池内万作)
    勝一郎の長男。『GOKO ESTATE』の現・代表取締役社長
  • 郷古恭治(黄川田雅哉)
    勝一郎の次男
  • 吉田高子(山下容莉枝)
    郷古家の家政婦
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【検事・佐方~裁きを望む~】のあらすじ

 2019年5月、米崎地裁、第1回公判――。米崎地検の公判担当検事・佐方貞人(上川隆也)は、ある空き巣事件についての冒頭陳述を行っていた。
 その事件とは――大手不動産会社『GOKO ESTATE』前社長・郷古勝一郎(津嘉山正種)の通夜の晩、郷古家に男が侵入し高級腕時計を盗んだというものだった。物音に気づいた長男・勝哉(池内万作)らに現行犯で取り押さえられたのは、亡き勝一郎が30年前、元秘書・芳賀明美(石野真子)との間にもうけた“婚外子”、芳賀渉(渡辺大)だった。防犯カメラ映像には、裏の壁を乗り越えて侵入する渉の姿が映っており、時計が入っていた書斎の引き出しにも渉の指紋が付着。当の渉も郷古家に侵入したことを認めており、状況証拠や証言、すべてが有罪を示していた。なにより、この事件の起訴を手がけたのは東京地検特捜部への栄転が内定している米崎地検刑事部のエース・庄司真生(松下由樹)で、落ち度などあるはずはないと思われていた。
 ところが――突如、法廷で渉が「俺は、やっていない!」「あの腕時計は父から譲り受けたものだ。郷古家のやつらにハメられた」と声を張り上げたのだ。渉は、盗んだとされる高級腕時計は、都内のホテルで生前の勝一郎から譲渡されたものだと主張。しかし、逮捕されたショックで記憶がぼんやりしており、譲り受けた日にちや詳しい場所も思い出せないと話す。
 起訴してくれといわんばかりの不利な証拠を現場に残し、有利な事実を忘れたと言い張る渉の言動は明らかに不自然であり、まるで自ら“裁きを望んでいる”かのように思える…。彼の狙いは何なのか、佐方は疑問を抱きながらも、真実を求めて補充捜査を開始する。しかし、もし渉が無実であったならば、いわゆる“問題判決”となり、真生の栄転も白紙に戻ってしまいかねない。はたして、事件の裏に潜む、驚くべき真相とは…!?
 しかも、四十九日法要を終え、勝一郎の遺言書を開示した郷古家では、一族を揺るがす衝撃の事態が発覚! 郷古家から糾弾された佐方は、ついに辞職の危機に立たされ――!?

公式HPより
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【検事・佐方~裁きを望む~】のネタバレ

時計窃盗事件の判決

無罪。渉は時計を盗んだふりをしていただけだった。

窃盗事件の動機

一事不再理を狙い遺言書の入れ替えた罪では裁けないようにするため、窃盗の容疑で起訴される必要があった。そのため、わざと取調べで供述をしなかったり、机の引き出しに指紋を残したり、現行犯で捕まるように2階に逃げたりした。

渉の真の狙い

遺言書を入れ替え、遺産を奪い取ろうとした。さらに父親が自分を認知したということを、遺族に見せ付ける意味もあった。

入れ替えた動機

母親が亡くなった後、勝哉が金を持って来て父親の勝一郎に近づかないよう告げる。そして母が送った手紙をその場で燃やされてしまう。さらに勤めていた運送会社を、勝哉が圧力をかけてクビにされてしまう。

自分と母親が侮辱されたと思った渉は、仕返しに遺言書を入れ替えて自分が相続しようと考えた

結末

郷古家は検察への告訴を取り下げ、渉への訴訟も渉の出方次第ということで保留した。なぜなら、勝哉が渉へしたことが公になり会社のイメージダウンを避けてのことだった。

渉は父からもらった腕時計と勝哉から渡された3千万、さらに元々入っていた遺言書を返しに郷古家へ来る。お手伝いの吉田に渡し、認知も相続も放棄すると告げる。

それを見ていた次男の恭治が時計は父が認めた証だといって渉に返し、自分のところへ仕事をしに履歴書を持っておいでと告げた。

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【検事・佐方~裁きを望む~】の感想

久し振りに放送した佐方貞人シリーズは、タイトル通り検事時代の話です。主役の佐方を上川隆也さんが演じてる関係で、最後の手紙を渡すシーンなんかは【遺留捜査】が思い浮かびました。

最初に起きた事件の謎を解くとさらに出てくる謎、その真の狙いが狡猾な話です。しかし、犯人側に非常に肩入れしたくなるような話なため、被害者側が酷く見えるという展開でした。特に長男勝哉はとんでもない人物なため、こいつを裁く罪は何かないのかとすら思えてきます。逆に次男の恭治は非常にいい奴です。

裁判は最初の窃盗についてしかないので、法廷での検事の活躍というより刑事のような捜査がメインとなります。

今回起きた事件の詳細、渉の目的、最終的にどうなったのかについて掘り下げます。

ネタバレの詳細となります。未見の方はご注意ください。

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事件の詳細

今回起きた事件としては窃盗事件が1つ起きるだけなのですが、2つの意味が込められた事件となります。それぞれの事件についてまとめました。

事件1:腕時計窃盗事件

ドラマの冒頭で渉が郷古家に侵入し、腕時計を盗んで現行犯で逮捕されます。

  • 4月4日午後11時30分頃に郷古勝一郎の書斎に侵入
  • 引き出しにあった腕時計を窃盗
  • 恭治と勝哉により取り押さえられる

現行犯逮捕な上、引き出しから指紋が検出されます。防犯カメラには裏手の門を乗り越える姿も映っています。明らかに窃盗目的で侵入していました。しかし、渉は突然「俺はやっていない」と言い出します。そこで佐方は捜査を始めると、いくつか気になる点が出てきました。

  • 勝哉が事件前日に腕時計を見た
  • 見つかった後になぜか2階に逃げる
  • 通報は午前0時37分で1時間以上滞在していた
  • 机の横からは指紋が検出されない

まず佐方は勝哉が前日に時計を見たという証言を崩します。それは、勝一郎と渉がホテルのラウンジで会った日に、渉はもらった時計を鑑定しに行き、さらには時計をメンテナンスに出しています。時計は4月4日に受け取っているため、事件前日の4月3日に時計を見ることは不可能だと証明します

佐方は拘留されている渉になぜ1時間もいたのかと聞くと、父との別れを惜しむためだったと言います。引き出しに触った理由については、たまたま触っちゃったんじゃないかと答えます。まるで裁きを望んでいるようだと、佐方は違和感を覚えますが窃盗に関しては無罪と考えます。

その結果、渉は時計窃盗に関しては無罪となり、住居侵入罪のみ裁かれました

事件2:遺言書の入れ替え

渉は釈放された頃、郷古家で遺言書の開示が弁護士立会いで行われました。そこに書かれていた内容はこうです。

遺言者郷古勝一郎は、次の通り遺言する。

芳賀渉は遺言者と芳賀明美との間の子であるから、遺言者はこれを認知する。

渉を認知するというものでした。以前見た遺言書には渉のことの記載はなく、自宅の土地と上物を妻である麻恵名義にし、残りの資産を勝哉と恭治で分配するというものでした。では偽の遺言書なのか?筆跡は勝一郎のものに間違いないと弁護士は言いますし、渉が入れ替えたに違いないと言います。

なぜなら、金庫の開閉記録を見ると4月4日23時58分となっていて、渉が家に侵入した日時だったからです。金庫の中の遺言書を入れ替えるために渉は侵入したのです

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渉の目的

時計窃盗で逮捕された渉は証拠が出てきて無罪になります。その後、遺言書を公開すると渉を認知するという内容のものに変わっていました。この時、再逮捕すればいいと思いますがそれはできません。なぜか?

一事不再理

憲法第39条何人も、すでに無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。また、同一の犯罪について重ねて刑事上の責任を問われない。
芳賀渉は、すでに窃盗についての無罪判決を受けた。今新たに遺言書の窃盗が判明しても、同じ日時場所で起きた同等行為は、重ねて処罰される事はない。

要するに時計の窃盗は見せかけで、渉の狙いは最初からここにありました。渉は大学が法学部で法律に精通していました。なので、窃盗の罪で“裁きを望んで”いたのです。

トリック

起訴されるために渉がやったことはこうでした。

  • 引き出しの取っ手にわざと指紋を残す
  • 見せかけだから机の脇に指紋はなかった
  • 滞在時間が長かったのは現行犯で捕まるため
  • 2階に逃げたのも現行犯で捕まるため
  • 時計の譲渡を取調べで証言しなかったのは起訴されるため
  • 時計店にメンテナンスを依頼したのは、無実を証明するためのアリバイ作り

こうして逮捕時の謎は解けます。しかし、新たな謎が浮かび上がってきます。それは、遺言書をなぜ勝一郎が書いたのか?金庫のパスワードをなぜ渉が知っていたのか?遺言書をなぜ盗んだのか?です。

渉はすでにDNA鑑定で親子と認められています。わざわざ入れ替えなどしなくても、遺産目的なら認知訴訟をすればいいのに、わざわざ遺言書の入れ替えをします。渉の動機は一体なんなのか?

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謎の解明

遺言書入れ替えで浮かび上がった謎が、佐方の捜査によって解き明かされます。

謎その1:勝一郎が遺言を書いた理由

DNA鑑定で親子と証明されたのをきっかけに、明美の思いもあり認知だけでもしてやりたかった。しかし、病になり家族を説得する時間も気力もなく家族には知らせなかった。その時、書いた遺言書を腕時計と一緒に勝一郎は渉に渡した

謎その2:金庫のパスワードを知っていた理由

上着を洗いにいった時に内ポケットから手帳が落ち、パスワードが書かれているのを偶然目にして知った

謎その3:渉の動機

勝哉が3千万を持って父親に近づくなといい、母が勝一郎に宛てた手紙を燃やしてしまう。その後、何日かして勤めていた運送会社を渉はクビになってしまう。佐方が調べたところ圧力をかけていたのは勝哉だった。

母親と自分を侮辱した勝哉に対し怒りを覚えた渉は、遺産を奪い取ろうと考える。ただ奪い取るのではなく、認知をした直筆の遺言書に入れ替えることで、父親の遺志も見せつけてやろうと考えた。

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明美の思い

最後に佐方がお手伝いの吉田から手紙を借りて渉に見せます。そこに書かれていた内容は、今後も裁判で闘い続けるという渉の頑なな心を揺さぶります。

  • 夫の借金は自分の生命保険で清算できた
  • 不妊治療を諦めたが渉を授かった
  • 産めば迷惑がかかると分かっても諦めれなかった
  • 渉は自分の希望だった
  • 渉は大学を辞めて弁護士になる夢を借金返済のため諦めた
  • 自分が死んだら天涯孤独の身になってしまう
  • 父親が生きていることを伝え、決して一人ではないと伝えたい

手紙を要約するとこういうことが書いてありました。もし裁判で闘い続けるのなら、この遺言書を無効にするよう法廷に訴えることになる。法律によって守られる代わりに、遺言書は法律によって否定される。それでもいいのか?と佐方が渉に言います。

渉は最初から遺産が引き継ぎたいという欲で始めたことではありません。ただ母親に遺言書と時計を見せて、父に息子だと認められたということを伝えたかっただけだったとここで言います。しかし、母親は見せる前に亡くなってしまったため、今回のような事態になりました。

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【検事・佐方~裁きを望む~】の結末

結局、郷古家と渉の闘いは今後どうなるのか?分かった部分をまとめました。

郷古家

  • 郷古家の検察への告訴は取り下げ
  • 遺言書の無効化に尽力する
  • 渉への訴訟は渉の出方次第で検討

  • 本物の遺言書を返す
  • 勝哉が持ってきた3千万円を返す
  • 認知も相続も放棄する

渉は腕時計も返そうとしますが、次男の恭治が父が息子だと認めた証だから持っておけといって渡してくれます。さらに、自分の会社に履歴書持って来いとまで言ってくれます。

渉は血の繋がった父も母も死んでしまいましたが、天涯孤独の身ではなく腹違いの兄弟がこうしています。そんな余韻を残すエンディングでした。

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【検事・佐方~裁きを望む~】のロケ地

現時点で分かったところを記載しています。

神戸税関

米崎地方検察庁の外観と1階ホール
公式HP

草津市役所

米崎地方検察庁の一部と次席室として登場
公式HP

神戸学院大学

米崎地方裁判所の外観
公式HP

神戸ポートピアホテル

勝一郎と渉が会ったホテル
公式HP

oomiya京都店

渉が時計の鑑定にいった店
公式HP

Asia One Center

GOKO ESTATEの外観
公式HP

木津川橋梁(京阪電気鉄道)

佐方と薫が話していたそばにある鉄橋

宇多野病院

明美が入院していた米崎中央病院

男山展望台

佐方が吉田や渉と話していた高台

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【検事・佐方~裁きを望む~】のその他気になったこと

  • プレッシャーに弱いの知っているだろという佐方
  • アプリで当てた金で母に焼釜をプレゼントした恭治
  • 情報より噂が好きな薫
  • 男子トイレを覗いて他の人に不審がられる薫
  • クリーニング屋でのバイト技術でジャケットを綺麗にする渉
  • 運送屋でのバイト技術で番号を瞬時に暗記する渉
  • 火をなぜか手で消そうとする渉
  • 路頭に迷ったらふくろうで皿洗いを勧められる佐方
  • いつでも使えるように辞表を返される佐方
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【検事・佐方~裁きを望む~】のまとめ

渉のしたことは結局意味があったのか?佐方が言うように遺産をもらうために認知裁判を起こして、勝一郎の残した遺言を証拠として提出したらよかったのではないのか?その時に父親に自分は認めてもらったと主張したほうがよかったのではないのか?そんな気がしてなりません。

なにげに入れ替えた本当の遺言書を、どうやって持ち出したのかが不明です。入れ替えた家で現行犯で逮捕されて、すぐに警察に連れていかれます。拘留された時に持ち物検査で本当の遺言書を出して、その後返してもらったのか?謎です。

細かいことを気にしたらキリがありませんが、普通に楽しく視聴できました。原作付きのドラマなため、次がいつになるかは分かりませんが、続編が放送されるのを楽しみにしている作品の一つです。

今回のいいセリフ

罪はまっとうに裁かれなければならない。

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