【科捜研の女19】19話ネタバレ感想|藤倉刑事部長の鑑識姿と割れ窓理論

科捜研の女 2019秋ドラマ
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【科捜研の女19】の19話目は藤倉刑事部長がメインの回でした。藤倉刑事部長の親友が登場し、容疑者となってしまいます。果たして本当に彼が事件に関わっているのか?マリコがその謎を解き明かします。

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【科捜研の女19】19話のあらすじ

 榊マリコ(沢口靖子)は、府警本部の刑事部長・藤倉甚一(金田明夫)に、地域課巡査の平野頼通(菅原大吉)が親しげに声をかけるのを見た。小中高が一緒で親友だという2人。片や、警察組織の頂へ昇りつめた藤倉と、対照的に地域課の仕事にこだわってきた平野の友情は、階級や立場を越え、変わらず続いていた。
 巡回中の平野巡査が資材置き場で若い男の遺体を発見。被害者は深田明良(永沼伊久也)で、死亡推定時刻は遺体発見の直前だった。死因は脳挫傷で致命傷は後頭部の傷。傷口の形状から凶器はモンキーレンチと推定されたが、現場に該当する物はなく犯人が持ち去ったらしい。深田は特殊詐欺で逮捕され、執行猶予中だったことも分かる。
 現場で鑑識係の発見した血液の付着したガラス棒を鑑定する科捜研の面々。大麻などを吸引するパイプの一部と分かり、被害者の唾液と、被害者以外の指紋が検出されるが、その指紋はなんと平野巡査のものだった!
 平野は被害者と面識はなく、パイプにも見覚えがないというのだが、その態度にマリコは不審を抱く。同じ交番に勤務する同僚巡査からは、平野が被害者を恫喝していたという証言もあがり…!?
 平野と関係の深い藤倉は捜査を外されるが、捜査資料に疑問を抱いて独断で現場へ向かい、鉢合わせたマリコと再検証を行う。やがてマリコは、藤倉が現場に来た理由に思い当たり、すべての証拠を元の現場に戻してとある前代未聞の試みに出る!そして見えてきたのは、あまりに意外な真相で…!?

公式HPから引用
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【科捜研の女19】19話のネタバレ

深田明良殺害犯

本原邦彦(坪田秀雄)

動機

本原は雇っている従業員の中に薬をやっている人物から取り上げて、店の経営が傾いていたためそれをネットで売買していた。売れ残りの大麻を吸っていたところを深田に発見され、口止めに大麻を勧めて持っていたパイプを深田の唇に押し付ける。だから深田のDNAが吸い口に残っていた

深田は平野に相談しようか迷っていた。平野はポケットからガラスパイプを見つけ、最初は疑うが深田が否定するのを聞いて「一度だけ信じる」と言う。絶対手を染めるなと力説している最中に、ガラスパイプを折ってしまい怪我をしてしまう。そのため、平野のDNAがガラスパイプについていた

深田は自首を本原に勧め、本原は小屋へ深田を呼び出す。深田が待っている間に大麻を吸っていた本原は、現れた深田に「まだそんなことやってるのか」と言われて驚きパイプを落としてしまう。暗い中だったため見つけられず、物音に気を取られた深田が後ろを振り返った隙を見て、持ってきたモンキーレンチで殴る

警察にチクられたら、店も俺の人生もダメになると思った本原は深田を殺害した。

逮捕までの道筋

藤倉刑事部長が現場の小屋を見に来ていたことに、マリコは何か意味があるのではと考える。そこで、鑑識が回収した証拠を借りて、再び小屋の中に事件当時の現場を再現する。藤倉刑事部長を呼び、鑑識として作業をしてもらうよう頼む

藤倉は一つずつ札を置き、証拠を紙に書き込んでいく。全て終えた時に実際の表や写真と見比べてみると、札がずれていることと、表に書き直した跡があることが分かる。科捜研で消した跡を復元してみたところ、ガラスパイプがもう一本あったことが判明した

鑑識の菅野に話を聞きに行くマリコ、最初は誤魔化そうとする菅野だったが、証拠を突きつけられて真相を話し出す。当日鑑識作業中、汗がパイプに落ちてしまい証拠を汚染してしまった。ミスを隠すため証拠を持ち帰ってなかったことにする。ミスをしたことが記録に残り、今後の昇進に響くと思いやったと言う。だが、証拠は今も持っていてそれをマリコに託す。

渡されたパイプを鑑定したところ本原のDNAが発見される。警察とマリコたちは家宅捜索をした結果、凶器のモンキーレンチが見つかった。証拠を押さえられた本原は深田の殺害を自供した。

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【科捜研の女19】19話の感想

藤倉刑事部長が鑑識姿になったり、その親友として出てくる人物との関係性など、今まで知らなかった藤倉刑事部長の新たな面が発見される回です

また、“割れ窓理論”という犯罪抑止のための考え方は非常に興味深かったです。その理論に元付いて自ら望んで交番勤務を続ける平野、対して組織全体をコントロールする立場になった藤倉。正反対な立場である2人の友情というものが清々しくもありました

今回は脚本が作りこまれていて、刑事部長と平野の友情、平野と深田の関係、鑑識の菅野と刑事部長の関係、深田と本原の関係といったものがうまく絡まり、最終的に事件解決へと繋がります。どれか一つに話を絞るのではなく、私たちが暮らす現実世界と同様、様々な人物がそれぞれに関わっていることが表現されてました。

平野と藤倉刑事部長の関係と、割れ窓理論について今回は掘り下げていきます。

ネタバレの詳細となります、未見の方はご注意ください。

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平野巡査と藤倉刑事部長の関係

刑事部長と巡査、全く階級が違うのにタメ口で話しかけてきたのが平野です。関係を知らない周囲は何が起きたのかと驚きますが、この二人はタメ口で話し合えるような友情がありました。

藤倉甚一平野頼通
出身京都府京都府
採用一般採用一般採用
最初の配属先奈良県警鑑識課京都府警地域課
現階級警視巡査
現役職刑事部長なし

同じ頃に警察に入ったのにここまで差がつきました。単純に比較してみると、平野がヤバい警官なのではと思いそうですが、平野は自ら望んでこの立場にいます。あえて昇進試験を受けません。その理由は“ふもとからしか見えない景色がある”からです。要するに地域住民の安全を守りたいという信念があります。

なぜタメ口を聞けるほど仲が良いのか?その理由は小・中・高と同級生だからです。また、藤倉刑事部長が京都に配属になった時、平野は馴染みの店を紹介します。それ以来、藤倉刑事部長はその店に通うようになったそうです。

ラストシーンで二人で仲良く歩いていく後ろ姿は、何とも微笑ましいものでした。また登場してくれないかなと思えるいい関係です。

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割れ窓理論とは?

今回、マリコが藤倉刑事部長と一緒に話していた“割れ窓理論”なる理論について、興味深かったので調べてみました。まずは、ドラマ内での説明をまとめます。

  • 窓が割れた建物を放置すると人の目が届かないサインになる
  • よって犯罪が起きやすい環境になる
  • 不法投棄などの軽犯罪が住民の治安意識を失わせる
  • やがて凶悪犯罪が起きる

割れた窓の建物があると凶悪犯罪に繋がるという理論です。風が吹けば桶屋が儲かるに近いものがあります。一見、無関係に見える事象が実は関係あるという理論となっています。

なぜ割れた窓なのか?調べたところ最初にアメリカで発表された論文に出てくる言葉が“Broken Windows Theory”だったからです。その割れ窓理論の論文を読むと、面白い実験がありましたので引用します。

スタンフォードの心理学者、フィリップ・ジンバルドは、壊れた窓ガラス理論を試した実験結果を1969年に公表した。ナンバープレートを取り外し、ボンネットを開けたままにした乗用車を、ブロンクスとカリフォルニアのパロアルトのそれぞれに置いてみた。ブロンクスに置かれた車の方は、10分もたたないうちに“破壊者”によって襲われた。最初に手をつけたのは父親、母親、若い息子からなる一家族で、ラジエーターとバッテリーを持ち去った。24時間後には価値のあるものは全て取り去られた。

その後、手当たり次第破壊され始めた。窓ガラスは割られ、座席のカバーは裂かれ、様々なパーツが引き剥がされ、そして子供達は遊び場として用いた。ほとんどの大人の“破壊者”は、身なりの良い白人であった。一方パロアルトに置かれた車の方は、一週間以上誰も手をつけなかった。

窓割れ理論~[日本語訳]

ブロンクスは治安の悪い場所として知られてますが、このパロアルトとはどういう場所かと言いますと、シリコンバレーの北東部に位置し、スタンフォード大学やヒューレット・パッカード、テスラモーターズなどがあるようなハイテク企業の本拠地です。よって、治安のいい場所だと思ってください。

しかし、ジンバルトがハンマーで部分的に破壊したところ、面白い結果が出ます。

そこでジンバルトが大槌で部分的に破壊してみたところ、すぐに通行人らが関与してきた。数時間後には、車はひっくり返され、完全に破壊された。ここでも“破壊者”は身分の良い白人であった。

窓割れ理論~[日本語訳]

少し壊れた状態で置いておくと、ただ放置しておくよりもずっと短時間で破壊活動が始まるという実験です。このことについて論文ではこう考えます。

 放棄された物は、楽しみを探してぶらぶらしている人だけではなく、普段法を犯すことなど考えた事もない人にとっても、利益をもたらす格好のターゲットになるのである。車の破壊や窃盗などが日常的に起こるブロンクスでは、“誰も気にしない”その地域性から、落ち着いた街であり個人の所有物は守られるべきだと考えられているパロアルトよりも先に破壊が始まったと思われる。

 しかし、“誰も気にしない”というサインを出す行動によって、保たれてきた秩序を守ろうとする風潮が揺るがされたとき、破壊はどこでも起こり得るのである。

窓割れ理論~[日本語訳]

割れ窓理論がこの実験で少し分かるかと思います。“誰も気にしない”は悪いことをしたくなる感情を揺さぶります。「みんながやってるのだからいい」なども同じ感じです。また、“匿名性”というのも同様に犯罪を誘います。誰にも見られていない、誰も気にしないは犯罪を誘発させがちだということが論文から分かります

非常に長い文章ではありますが、興味がある方はぜひ論文を読んでみてください。面白かったです。

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【科捜研の女19】19話のロケ地

多幸金

藤倉刑事部長と平野の行きつけの店

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【科捜研の女19】19話のその他気になったこと

  • 刑事部長が偉いと知らない呂太
  • 海老芋が入ったので臨場要請される藤倉刑事部長
  • その名の通りヒラの巡査がお似合いと自分で言う平野
  • 藤倉刑事部長の鑑識姿を見て「コスプレ?」と呟く呂太
  • キャップを後ろに回してヤル気満々な藤倉刑事部長
  • 凶器のモンキーレンチは直ぐ見つかる
  • あちこちで吸いまくる本原
  • 飲み代は常に“割り勘”な藤倉刑事部長と平野
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【科捜研の女19】19話のまとめ

藤倉刑事部長の親友が登場する回でした。二人の仲は見ていて微笑ましく、学生時代も仲が良かったんだろうなあと、歩いていく後姿を見て思い起こさせます。結末としては悲しい話ではありますが、二人の仲の良さがそれを和らげます。

土門さんにマリコが若い頃一緒に刑事を目指した人はいないのか?と聞き、土門さんは意味深な態度で話せるようなことはないと言います。これは後に該当する人物が登場するフラグなのか?どうやら、返答の感じが歯切れが悪いのであまりいい思い出ではなさそうな予感がします。

次回は11月14日放送予定です。また飯テロな回になりそうです。納豆とヨーグルト、さらに前妻と後妻という揉めそうな話です。

今回のいいセリフ

仮にシロでも死んだあいつにはもうそれを弁明する機会すらない。なら俺がそれだけは守ってやる。それがあいつへの最後の手向けだ。

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