WOWOWのオリジナルドラマ【怪物】の最終回のネタバレと感想をまとめています。
父親と中橋の会話を盗聴していた真人は覚悟を決め、富樫に音声データを託して父を捕えるための罠を仕掛ける。果たして最強の怪物を捕えることができるのか?
【怪物】最終回のあらすじ
・─『連続ドラマW #怪物』─・
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) August 31, 2025
第九話をご覧いただきありがとうございます!
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最終話 9/7(日)午後10:00放送・配信🔥
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八代正義(渡部篤郎)と中橋陽平(橋本じゅん)の話を盗聴していた八代真人(水上恒司)は、富樫浩之(安田顕)のところに言って録音データを聞かせる。そして怒る富樫を説得し、自分が罠を仕掛けて父を捕えると約束する。
一人で戦おうとする真人を、富樫だけでなく遠藤翔子(遠藤翔子)や課長の森平三郎(光石研)も手伝うといい、一丸となって正義という怪物を捕えようと動く。
正義と中橋も知らない秘密を握る田所加代(高畑淳子)に、富樫は接触して情報を聞き出そうとする間、真人は田所幹男(藤森慎吾)を病院から連れ出して署に出頭させる。
幹男の供述により、正義たちの足並みが乱れるのを狙うが……。
【怪物】最終回のネタバレ
田所が自分のために母親が柳や署長を殺したのだったら、自分は自殺すると供述していると伝え聞いた加代は、とうとう隠していた秘密を話す。
正義や田所が琴音をひいたのを見ていた柳は、その後、田所が琴音をひいた際に落としたギターピックを、阿部香織殺害現場に移動させる。そして加代に施錠された場所の鍵を貸すよう迫りながら、田所が琴音をひいたのを見ていたと脅す。
加代は正義が琴音をひいたとは知らずにいたため、ずっと柳に場所を提供していた。しかし、違うとわかったため、柳と署長を殺したのは正義と中橋だと供述した。
その結果、中橋は逮捕され拘留される。留置所で富樫に殺される夢を見た中橋は、思わず正義の指示でやったんだと白状した。
真人は録音データをマスコミに渡し、25年前に正義が飲酒運転でひき逃げしたと報じられる。自殺しようとする正義だが、間一髪真人が止めに入り、やってきた富樫に手錠をかけさせ逮捕した。
そして翔子に引き渡すと今度は富樫が真人に両腕を差し出し、逮捕するよう迫る。真人は拒むが、富樫に諭されて手錠をかけた。
地獄へ道連れ
八代正義(渡部篤郎)は「息子を殺すのか」と中橋陽平(橋本じゅん)に問われても答えず、理由を問うばかりだった。中橋は「誰のせいでこうなった」と責め立て、正義は「小さなミスだ」と言い放った。
息子は自分より母親に似て、ただ待つばかりで自ら手を伸ばせない弱い人間だとし、誰かが手を差し伸べても受け取れず冷酷を装い、偽り続けた末に壊れていく愚かな存在だと断じる。そして「息子自体がミスだったら、切り捨てるまでだ」と吐き捨てた。
柳辰夫(小手伸也)が死ぬ前に「田所から聞かなかったのか」と中橋に問い、「お互い秘密が多いね」と笑った。秘密について中橋は「探ってみる」と言って車を降りた後、一人になった正義は「全員消すしかないか」とつぶやく。全てを聞いた八代真人(水上恒司)は雨の中に立ち尽くした。
やがて真人は富樫浩之(安田顕)の家を訪れ、スマホに録音した音声を聴かせる。富樫はそれを聞いて外へ出ようとするが、真人が止める。「僕がやります。僕が捕まえます」と言い、録音は盗聴のため証拠能力はなく、父は中橋に罪をなすりつけるだろうと続けた。
富樫が「2人とも殺せばいい」と言うと、真人は「僕がやります!罠を仕掛けます。僕が餌になります。僕が怪物になって、父を抱えて最も高い場所から一緒に地獄に落ちます」と宣言する。そして「もし僕ができなかったら録音データを公開してくれ」と頼み、「僕が地獄に行きます。父と共に」と決意を示した。
一人じゃない
富樫は母・紀子(内田慈)のもとを訪れ、真犯人を突き止めたことを告げた。これまで何を語っても無反応だった母は、初めて「浩之」と名を呼び、「喧嘩しちゃだめ。学校で喧嘩はだめ。友達は大事にしなきゃ、助けてあげなきゃ」と諭した。富樫は涙を流しながら「うん、そうだね。そのつもりだよ」と誓った。
部署に戻ると真人は休みを取っており、富樫は森平三郎(光石研)と遠藤翔子(遠藤翔子)に話を持ちかけた。真人は父の罪を償うつもりなのだろうと推測した。
一方、真人は父のもとを訪れる。いつもと違いノーネクタイで現れ、雰囲気は変わっていた。「いるべき場所に戻ろうかな」と切り出し、スマホに録音した音声を聴かせる。だが父はスマホを奪い壊し、真人の頬を打った。何が望みだと苛立つ正義の問いに真人は、望みは父の長官への就任であり、連中との関係を断ち、自分の経歴に傷をつけるなと懇願した。
その後、富樫は真人を「飯を食おう」と誘い、炎炎亭に向かった。そこには課長や翔子も同席していた。富樫は「一人じゃ無理だ。俺達も一緒に戦う。嫌とは言わせない」と言い切る。課長は動きやすいように配慮すると述べ、捜査本部に正式に加えることを約束した。
つかんだロープ
正義は中橋に盗聴の件を告げ、田所加代(高畑淳子)が柳からどこまで何を聞いているのかを知りたがっていると語った。
中橋は加代と会い、柳が言っていた秘密について探ろうとする。しかし加代は「隠し事なんてない」と答える。その様子を富樫が見ていた。
富樫は加代のもとを訪れ、田所幹男(藤森慎吾)の居場所を尋ねるが加代は教えない。富樫は「中橋は追い詰められており、口封じに加代や幹男を狙うかもしれない」と警告する。そして「田所の前に琴音を轢いた人間がいる」と明かし、柳から何か聞いていないかと問う。しかし、加代は何も答えなかった。
富樫は「琴音を最初に轢いた者は、息子さんに罪を着せようとするでしょう。死人に口なしです」と言い残し、立ち去った。動揺した加代は息子を別の病院に移そうと電話するが、すでに姿はなかった。
実は真人が田所を連れ出しており、羽多野署へ出頭させるための行動だった。そこへ五十嵐(早乙女太一)から電話が入り、「田所幹男が署にいるらしいな」と探りを入れてきた。真人は「母親と中橋にも聴取する予定だ」と告げる。五十嵐が「お父さんはこのことを知っているのか」と問うと、真人は答えた。
「五十嵐さん、いい加減手を離したほうがいい。あなたが掴んだロープは完全に腐っている。もうすぐ切れる。いや、その前に僕が切る。ロープを掴み続けて一緒に落ちるのか、時期を見て手を離すのか、選ぶのはあなた自身だ」そう告げて電話を切った。
加代の秘密
富樫は加代を署に連れて行こうとし、同時に翔子たちは中橋を連行した。加代の聴取には富樫と真人があたった。加代は「息子は病気なのだから、言うことを真に受けないでほしい」と弁明する。
富樫は田所の供述を示した。路上に倒れていた琴音を轢き、母に電話して助けを求め、事故の処理を中橋に頼んだという。しかし加代は覚えていないと否認する。
田所は「ギターピックを現場に落としたかもしれない」とも供述しており、そのピックが阿部香織の殺害現場にも落ちていた。加代は「誰かが拾って葦原の現場に置いたのだろう。柳の仕業よ」と主張する。富樫は「柳からギターピックがそこにあった理由を聞いたのではないか。それがあなたの秘密ではないか」と問い詰めた。
2000年――柳から加代は「頼みがある」と言われ、あの場所の鍵を渡してほしいと求められたことを思い出す。その時、柳は「息子さんが琴音ちゃんを轢いて殺しただろう?全部見ていた。自分が拾って阿部香織の死体のそばに置いた。田所に罪を着せようとしたが、代わりに富樫が捕まった」と笑った。
加代が「そんなこと誰も信じない」と言うと、柳は吃りながら「み…みんな、こ…こういうふうにしゃべる人間の言葉は、しっ、し…信じる…ものです」と皮肉を込めて答え、自分を真面目で純粋な馬鹿だと思っていると嘲笑した。そして「鍵をくれ」と迫り、何をするつもりかと問われると「そいつは知らないほうがいい」と笑った。
後日、再び柳と会った加代は問い詰めた。「あなたはずっと人を殺してきたの?あの鍵を使って何をしたの?娘を殺したの?」柳は「生意気だったからね。俺の言うことは全然聞かないし、母親のことを悪く言うし…」と答え、再開発のイベントでは被害者の父親として振る舞い、再開発に賛成するつもりだと語った。そして「あんたもうまく芝居してよ。いつも通りにね」と笑った。だが加代は柳から聞いた内容を、決して明かさなかった。
一方、田所の聴取は翔子と紺野(堀井新太)が担当していた。田所は「母は25年間、人が殺されていくのを自分のために……」と言いながら、気が狂ったように頭を机に打ちつけていた。
富樫は「今、自分の犯した罪を一人で悔いている。もとより繊細な男だから、耐えられないかもしれない」と息子の状況を加代に教える。
田所は富樫に謝罪し、一つだけ頼みを口にした。「柳と署長を、自分のために殺したのか。正直に聞いてほしい」と。もし事実なら自ら首を切って死ぬとまで言った。
富樫がこの言葉を加代に伝えると、加代は涙ながらに「違うの、私じゃない…」と答えた。「署長に脅されていたことは話した。柳は違う。私じゃない。あの2人よ。あの2人がやったのよ」と叫んだ。
中橋の聴取は翔子と真人が担当していた。真人は加代が名前を言ったと連絡を受け、中橋の逮捕状を請求した。
震えて眠れ
正義は五十嵐に電話し呼び出そうとするが、五十嵐は断る。「次長、もうここまでにしませんか。今までお世話になりました。生涯感謝します」と言い、電話を切った。その後、五十嵐は「大事なコネをなくしたかな」とつぶやき、正義の連絡先を削除した。その後、正義は真人に電話するが無視される。
中橋を取り調べる真人は「一つ忠告しましょうか。あなたの周りの人間が誰の味方なのかを把握したほうがいい」と言い放ち、「父は息子ですら裏切る人間ですよ。誰かが罪をかぶる必要がある」と告げた。中橋が「罪を着せるなんてありえない」と否定すると、真人は中橋が車を出た後の録音を聴かせた。そこには「全員消すしかないか」という正義の声が残されていた。
その場に翔子が入り、「次長から連絡があった。厳正に法に則って処理しろ、とのこと」と伝える。そして「切り捨てられたのね」と中橋に告げた。中橋が「芝居はやめろ」と言うと、翔子は中橋と結婚した理由を明かした。
彼女が結婚を決めたのは「自分の手で町をつくりたいという欲望が、とても新鮮で純粋に見えたから」だった。続けて離婚理由を語る。「怖かったの。その欲望に取って食われそうで。だから逃げた。食われたくなかったから」と。そして最後に翔子は「今、あなた自身がその欲望に食われそうになっている」と警告した。
留置所で一人考え込む中橋は、今日言われた言葉や起きた出来事に疑心暗鬼となる。柳を殺す前、柳が言った言葉が脳裏をよぎった。「あんたも長く生きられないよ。全てを知ったら富樫があんたを殺すから…」。
暗闇の中、誰かが近づいてくる。やがて杖を振り上げて襲いかかる、富樫の姿が現れる。中橋は絶叫し、「やめろ!白状する、俺じゃない。次長だ、八代次長だ!あいつの指示で全部やったんだ!」と叫ぶ夢を見ていた。
目を覚ますと、柵の向こうに杖を手にした富樫が立っていた。
【怪物】最終回の結末
部下からの連絡を受け、正義はテレビをつけた。そこでは「25年前の死亡事故 八代次長に飲酒ひき逃げの疑い」というニュースが流れていた。さらに真人が流した音声データがマスコミに渡り、同時に放送されていた。
正義はその場に崩れ落ち、天を仰いで立ち上がると、引き出しから薬を取り出し自殺を図ろうとした。そこへ真人が駆けつけて止める。正義は「息子だろ、父親の最後の頼みだ。死なせてくれ」と懇願するが、真人は「息子だからこそ許さない。罰を受けてもらう」と言い薬を捨てた。
そして「母さんが自殺したとき、あなたが吐き捨てるように言ったことを覚えてますか?弱い人間がする最悪の逃避だと。同じことをするんですか?」と突きつけた。
正義は「なぜ音声を公表した。自分の人生も台無しになる」と問いただす。真人は「それが僕の望みだからです。父さんと一緒に地獄に落ちることが」と答えた。そこへ富樫が現れ、真人は富樫の手で手錠をかけるよう迫る。
富樫は「八代正義。あなたを殺人容疑で逮捕します」と告げ、手錠をかけた。マスコミが大勢待ち構える中、正義は顔を隠さず車に乗り込んだ。
その後、真人は部屋に飾られていた父との写真を伏せ、富樫に深く頭を下げて謝罪した。「父のしたこと、本当に申し訳ありませんでした」。富樫は「やめてくれ」と返すが、真人は頭を上げ、「警官を辞めます」と言う。
富樫は「だめだ。申し訳ないと思うなら、死ぬまで刑事として生きろ。それが俺への謝罪になる」と告げた。そして「罰は罪を犯した人間が受けるものだ。美緒の指を遺棄して捜査を妨害した俺、が罰を受けなきゃならない」と述べ、真人に逮捕を迫った。
真人は「自分にはそんな資格はない」と拒むが、富樫は「お前以外に自首するつもりはない」と言い、両手を差し出す。だが、真人は手錠を持ちながらもかけられずにいた。
すると富樫は真人の手を握り「八代、しっかりしろ」と励ます。ようやく真人は富樫の手に手錠をかけ、「あなたを証拠隠滅罪の容疑で逮捕します」と告げた。富樫はその言葉を聞き、柔らかく笑った。
1年後、富樫は海辺の町で制服警官として職務に就いていた。その姿を真人は遠くから見つめ、頭を下げた。
埠頭で向かい合った2人。真人は「みんなが待っている」と声をかける。富樫は「駅で待っててくれ」とだけ告げた。真人は「必ず来てください」と言い残し、歩き出す。そして最後に「似合ってますよ、それ」と富樫の制服姿に言葉を投げかけた。
【怪物】登場人物のその後
登場人物が最後どうなったか、分かっている人のみ記載しています。
- 富樫浩之(安田顕):真人に逮捕された1年後、海辺の町で制服警官として勤務
- 八代真人(水上恒司):父と富樫を逮捕した後も、刑事を続けている
- 田所幹男(藤森慎吾):精神病院から真人が連れ出して波多野署に連行、25年前の罪を供述した
- 遠藤翔子(真飛聖):真人と富樫から正義を引き渡され、署に連行した
- 五十嵐(早乙女太一):真人から正義に見切りをつけるよう忠告を受け、正義に手を貸さなかった
- 柳美緒(久保史緒里):父親に殺害され、富樫が犯人を暴くために切断された指を柳の家に並べた
- 秋山(利重剛):正義を脅迫したことで、中橋に殺害された
- 柳辰夫(小手伸也):連続殺人犯として逮捕された後、中橋にずっと追っていた妻の死亡を知らされて留置所で自殺
- 中橋陽平(橋本じゅん):加代の供述により逮捕
- 田所加代(高畑淳子):警察で事情聴取を受け、柳殺害が正義と中橋の指示だと供述
- 八代正義(渡部篤郎):25年前、飲酒運転で琴音をひき逃げした殺人容疑で逮捕
【怪物】最終回のまとめと感想
真人のお陰で正義は逮捕され、中橋も捕らえられたという話でした。
最終回を見て怪物とは何だったのか、1つの答えが提示されます。それは欲=怪物ということでした。柳は人を殺したい欲があり、正義は政界進出という野望がありました。そして富樫も妹を殺した犯人を捕えたいという欲望がありました。
結局、この街に住んでいた人たちはなんだったのか?中橋は足が悪いふりをしていたり、柳も実は馬鹿なふりをしていたことが分かります。表面上見えていることは、その人物のほんのわずかに過ぎず、醜い欲望を抱えていることは分からないということが、彼らを見ているとまるで教訓のように伝わってきます。
今回の話は駆け足ではありますが、ところどころセリフの言い回しが印象的です。真人が富樫に語る覚悟や、真人が五十嵐にいう腐ったロープの例え話、さらには翔子が中橋にいう結婚と離婚の理由などです。もう一度聞いてみたく何回か見返しました。
ただ、誰がどういう罪に最終的になったのかが分かりません。はっきりとした判決が知りたかったです。真人も波多野署にいるのか、別の署なのか不明です。
全体的な感想としては、柳の逮捕からが本番ではありますが、そこに至るまでの話もミステリーとして面白いです。日本版を見て面白かったので、韓国版のほうも見てみようと思いました。