【かばん屋の相続】第4話「かばん屋の相続」結末までネタバレ解説|先代が仕掛けた“最後のゲーム”の真相

WOWOW
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WOWOWで放送された「かばん屋の相続」は、池井戸潤原作による全4話・完全オムニバス形式のドラマです。

この記事では、第4話「かばん屋の相続」の結末までを含め、老舗かばんメーカーを巡る相続トラブルと、先代社長が遺した“最後の意図”をネタバレありで解説します。

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第4話の結論

  • 松田かばんの先代社長の遺言をきっかけに、兄弟間の相続争いが表面化した
  • 遺言書は長男・亮に全株式を相続させる内容だったが、亮によって誘導されて書かせたものだった
  • 先代は会社が潰れること、兄弟が対立することをすべて見越した上で、亮に「人の道」を学ばせるための仕掛けを残していた
  • 結果として松田かばんは事実上倒産するが、弟・均が新会社として事業と職人を引き継ぐ形に落ち着いた
  • 信用金庫は経営者としての資質を重視し、均の再出発を支える融資を決断した

第4話は、「相続」とは何を受け継ぐことなのか、そして経営者として本当に試されるものは何かを問いかける最終話です。

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第4話のネタバレあらすじ

葬儀と不可解な遺言

松田かばんの社長の葬儀に、湊信用金庫・上町支店の行員小倉太郎が参列する。課長の高坂は今後の取引に支障が出ないかを気にするが、太郎は「問題ない」と答える。

その後、太郎は松田かばんを訪れ、専務の妻・加代子 から衝撃的な話を聞かされる。

先代は遺言状を残しており、松田かばんの株式はすべて長男・亮に相続させるという内容だった。

しかし、会社を実質的に支えてきたのは次男の均だった。亮は銀行員で、長年かばん屋を馬鹿にしていたという。

遺言は偽造ではないかという声も上がるが、均は「裁判は避けたい」とし、まずは話し合うと太郎に告げる。

遺言を巡る違和感

信金に戻った太郎は、支店長の八田に状況を報告する。
遺言状の日付は亡くなる一週間前で、病状が悪化していた時期だった。

その場にいたのは、先代と亮、そして亮が連れてきた弁護士・木島の三人だけ。
筆跡が本人のものであっても、正常な判断能力があったかは疑わしい。

太郎は、これは大きく揉める可能性があると感じていた。

兄弟の決裂

亮は弁護士を伴い、工房や作業場を視察する。
高給取りの職人が多すぎる、機械化すべきだと主張する亮に対し、均は反発する。

やがて遺産分割協議がまとまり、亮が株をすべて相続し、均は相続放棄したと太郎に報告する。

均は「親父に相続放棄しろと言われていた」と明かす。
均にとって遺言が本物か偽物かはもはや重要ではなく、亮が会社を侮辱し、奪おうとしたこと自体が許せなかったのだという。

均は松田かばんを去り、妻とともに新たに「松田屋」という会社を立ち上げる決断をしていた。

新社長の暴走

亮は白水銀行出身の森脇を専務取締役として迎え、松田かばんの新体制を発表する。
職人が次々と辞め、品質よりコスト削減を優先する経営方針が明らかになる。

亮と森脇は、信用金庫に1億円の融資を要求する。
しかし業績は不透明で、職人流出の影響も大きい。

太郎は強い違和感を覚える。
人間味のない経営、金のためなら何でもする姿勢に、どうしても納得がいかなかった。

明らかになる連帯保証の罠

そんな中、大口取引先だった西京アパレルが不渡りを出す。
松田かばんは、その借金の連帯保証人になっていた

その保証は、父が若い頃に結んだもので、いつの間にか 5億円まで保証する内容に書き換えられていた。

亮は預金を引き出そうとするが、高坂と太郎はこれを拒否する。
融資も、もはや不可能な状況だった。

そこへ均が現れ、すべてを告白する。
父は病床で、均にこう言っていたという。

「この会社は潰れる。俺が死んでも継ぐな。職人たちと、もう一度会社を作れ」

そして、連帯保証の存在もすべて教えていた。

均は涙ながらに訴える。

「あんな遺言を、親父が自分の意思で書くわけがない」

遺言の真相

実際には、亮が弁護士・木島とともに下書きを用意し、意識が朦朧とする父に遺言を書かせていた。

それを知った均は、父から生前贈与された1000万円の小切手を兄に差し出す。
だが均はそれを拒絶し、2人は激しくぶつかる。

最後に亮は均を抱きしめ、その場を去った。
残された均は、涙を流すしかなかった。

先代が仕掛けた“ゲーム”

後日、松田かばんは事実上倒産し、社屋は競売にかけられる。

太郎は考える。
先代は最初からこの結末を見越し、あえて遺言に従ったふりをしたのではないか。

ゲームを通じて、亮に教えようとしたのだ。
人の道とは何か、まっとうな経営とは何かを。

新たな相続

均から太郎に連絡が入る。
競売にかけられた本社社屋を落としたいから、7000万円融資してくれという相談だった。

太郎は渋る支店長と課長に訴える。

松田屋は取引先を引き継ぎ、順調に売上を伸ばしている。
何より、均は一流の職人であり、一流の経営者だ。

異例の7000万円融資は承認される。
均は思わず涙を流した。

ラストシーン

2か月後、競売は無事に成功する。
亮と森脇は外資系銀行に再就職し、新たな道を歩み始めていた。

クリスマスの夜。
チラシを配っていたサンタが、鞄を直しに向かう。

長年使っていたかばんを修理に出した先は、松田かばんだった。

彼の名前を聞いた均は、太郎の父親・秀樹だと知って驚いた。
均は太郎に感謝していると伝え、秀樹は笑う。

プレゼントで食事をおごるという太郎に秀樹は、プレゼントなら既にもらったという。

「社長さんべた褒めだったよ、それが俺にとってのプレゼントだ」

雪が降り始めた街を、親子は並んで歩いていく。

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見どころ・印象的なポイント

  • 相続を巡る家族の対立と、その裏にある父の真意
  • 「遺言」という制度の危うさと、人の弱さ
  • 経営者としての資質を見抜く信用金庫の判断
  • 先代が仕掛けた“最後のゲーム”という構造の美しさ
  • 第1話のサンタから始まり、サンタで終わる円環構造
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まとめ

第4話「かばん屋の相続」は、お金や株式ではなく「何を受け継ぐべきか」を静かに問いかける最終話です。

会社は潰れましたが、理念と技術、人は残りました。それこそが、先代が本当に遺したかった「相続」だったのかもしれません。

全4話を通して描かれたのは、中小企業と金融、そして人間の弱さと誇りです。

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