WOWOWのオリジナルドラマ【I, KILL(アイキル)】の最終話のネタバレと感想をまとめています。
ついに氷雨との直接対決をするお凛。一方、家光の命を受けて群凶を討伐する十兵衛だが、その数はあまりに多く苦戦を強いられる。トキと士郎は果たして異国の地へたどり着けるのか?
【I, KILL】最終回のあらすじ
◢◤連続ドラマW I, KILL◢◤
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) June 21, 2025
6/22(日)午後10:00 最終話&全話配信‼️
▕ ▌Final Episode 生斬る
士郎(#田中樹)の抹殺を命じる家光、トキ(#田牧そら)と異国へ旅立つ決意をした士郎。氷雨(#富田靖子)と対峙するお凛(#木村文乃)。
壮絶な戦いの果てに…https://t.co/jMJUIkNl53#WOWOW #I_KILL pic.twitter.com/KArocvgpah
徳川家光(田中樹)は群凶をこの世から一掃すると宣言し、十兵衛(山本耕史)に命じて士郎(田中樹)共々討伐に向かわせる。
ようやくトキ(田牧そら)と会えたお凛(木村文乃)だったがそこに氷雨(富田靖子)が現れ、トキを連れ去ってしまう。負傷したお凛を助けたのは士郎だった。士郎はトキ奪還に海鳴町へ向かうが、氷雨たちの罠にはまり囚われてしまう。
遅れてやってきたお凛は2人を助け出すが、お凛をかばった士郎が氷雨に銃で撃たれて負傷してしまう。お凛は2人を先に行かせ、氷雨と再び対決することに。
だが、町は群凶に覆い尽くされ、尋常ではない数で溢れかえっていた。生き残ることはできるのか?
【I, KILL】最終回のネタバレ
氷雨とお互いに隠し持っていた刀で貫き合い、とどめを刺すのを躊躇っていたお凛だったが、そこに現れた群凶化した青葉に氷雨は食い殺されてしまう。
トキたちを船に送り届けようとするお凛の前に立ちはだかる十兵衛、お凛は2人を逃がして戦おうとする。そこに大勢の群凶がやってきたため、お凛と十兵衛は共闘して群凶をやっつけることに。
斬っても斬っても現れる群凶に、とうとうお凛は腕を噛まれてしまう。群凶化する前に自害をしようとするお凛だったが、トキと過ごした日々が思い返され、自ら腕を切り落として再び刀を握る。
海岸にたどりついたトキと士郎だが、士郎は銃弾が致命傷となり、その場で崩れ落ちる。そして死に際、トキに異国ではなく天草に行くよう告げて亡くなった。トキは士郎の亡骸を残して船頭の待つ小舟に乗る。
無事群凶たちから生き延びた、お凛と十兵衛はトキが乗る舟を浜辺で見届けていた。
トキは船頭に名前を聞かれ「天草士郎時貞」と答えた。
殲滅命令
家康は源三郎(高橋克実)や仁志(金山一彦)が姿を消した後もなお、群凶の研究を続けていた。やがて自身が病に侵されていることを悟ると、自らを実験台として研究を進めていたという。
しかし、家光(田中樹)は家康に接近するなり、その頭を斬り落とした。そして十兵衛(山本耕史)に対し、士郎(田中樹)を追って斬り捨てるよう命じた。
家光は「この世から群凶を一掃する」と宣言し、平和な世を築くためには兄弟の血が流れることもやむを得ないと語り、家康の首を踏み潰した。
子は親の分身
ヒデロウ(西村拓哉)は執念深く再び立ち上がり、氷雨(富田靖子)に襲いかかるが、あっけなく刺し殺されてしまう。その直後、お凛(木村文乃)がなぜ士郎やトキ(田牧そら)を追うのかと問いかけると、氷雨は「商いだ」と平然と答える。群凶を高値で買い取る相手がポルトガルにいるのだという。
続けてお凛が「なぜ自分を人殺しに育てたのか」と問い詰めると、氷雨は「女一人でもたくましく生きるためだ」と応じる。さらに氷雨は、お凛のことを「自分の分身だ」と言い放つが、お凛は「そんなわけない」と強く否定した。
一方、トキはお凛に向かって「どうしてお父さんを殺したことを黙っていたの?」と問いかける。真実を隠し続けてきたことに苦しさをにじませ、「お凛は……ずるいよ」と絞り出すように言葉をこぼした。
氷雨はそんなやりとりを見届けると、「さあ、いこっか。お凛は冥途へ、お嬢ちゃんは異国へ」と言い放ち、お凛を難なくあしらう。
毒が塗られた剣によってお凛は刺され、そのまま意識を失って倒れた。しかし氷雨はとどめを刺すことなく、トキを連れて静かにその場を後にした。
トキ奪還
お凛が目を覚ますと、そばには士郎の姿があった。彼はお凛の血を抜いて毒を薄め、命を救ってくれたのだった。
お凛はトキが氷雨にさらわれたことを告げ、現在は海鳴町で罠を張り、待ち構えていると説明する。その言葉の後、お凛は突然刀を抜き、士郎に刃を向ける。
「トキはもう恨んでいない。ただ、慕っていた気持ちを裏切られただけ」と告げる士郎。「私はトキと離れるつもりはない」と言うが、士郎は「それはトキが決めることだ」と静かに返す。
そして、海鳴町はすでに群凶に壊滅させられたことを明かし、「トキは自分が取り戻す」と言い残して、士郎は町へと向かっていった。
お凛の覚悟
町にたどり着いた士郎を待ち受けていたのは、囚われのトキと、氷雨たちの姿だった。士郎はすぐに捕えられてしまい、身動きが取れなくなる。
そのとき、十兵衛たち討伐衆が町へと突入し、騒然とする中、氷雨たちは士郎とトキを連れて屋敷へと身を潜めた。やがて、屋敷の裏口から忍び込んできたお凛が現れ、二人の縄を解き、逃がそうとする。
だがその行動に気づいた錦秋()が、お凛に襲いかかる。次の瞬間、トキが錦秋に飛びかかり、喉笛を噛み切って殺した。お凛はその行為を責めるが、トキは「あいつ、うざったかった」と冷淡に言い放つ。
お凛は士郎たちとともに屋敷を脱出するが、町はすでに群凶にあふれ、そこかしこに化け物たちの姿が広がっていた。
負傷
お凛はトキに問いかけた。「本当に異国に行くつもりなの」トキは静かに答える。「やったことは許せないけど、それでもお凛は私の母だと思ってる」そして続けた。「お凛のいない人生も見てみたい。だから、私を自由にして欲しい」と。
その言葉を聞いたお凛は、無言のまま士郎のもとへ向かい、刀を抜いた。士郎と一緒にいる限り、トキは追われ続ける。ならば守るためにはこの人を斬るしかない──お凛はそう決意していた。
だが、刀を振り上げたその瞬間、トキが二人の間に割って入り、必死に止めた。すると突然、士郎が走り出し、お凛の前に立ちはだかる。直後、銃声が響き、士郎はその身でお凛をかばい、銃弾を受けて倒れた。
親子対決
氷雨が銃を手にお凛を狙っていた。お凛は物陰に身を潜めながら、静かに声を発する。「お母さん」と。
「人を助けたいと思って生きてきた。でもね、ずっと胸に秘めてきた。誰にも言わなかったけど――私、殺したい人がいる」そして叫ぶように続ける。「私をこんなふうに育てたお前だよ!お前を殺して、私も自由になる!」
その言葉を聞いた氷雨は、「やっとこっちに来てくれたのかい」と感心したように微笑む。氷雨は語り始める。お凛の父は名うての強盗で、どんな悪事も平然とやったが、一番好きだったのは“殺し”だったという。
その瞬間、お凛が襲いかかろうとしたところに炎上()が立ちはだかり、激しい斬り合いとなる。氷雨はそれを見ながら、「お凛の体には畜生の血と私の血が流れてる」と呟き、炎上もろとも撃ち抜こうと銃を構える。
銃弾はお凛の腕を貫いたが、彼女はすぐに氷雨へと飛びかかり、刃を突きつける。氷雨は笑みを浮かべて叫ぶ。「何止めてんだよ、最後までやりなさいよ、お凛!」
お凛は冷静に言い返す。「誰が父親かなんてどうでもいい。あんたも言ってたじゃない、男なんて種を撒いて死ぬだけの有象無象だって」
その瞬間、氷雨が隠し持っていた小刀でお凛の背中を刺す。だが、お凛もまた小刀を隠し持っていた。「確かに、私たちよく似てるね……そういうずるいとこ!」と叫び、氷雨を刺し返す。
倒れた氷雨は、息を荒げながら「殺すなら殺せ」と言い放つ。お凛がとどめを刺そうとしたその時、トキの声が響き、群凶の接近を告げる。
お凛は躊躇しつつも撤退し、群凶から逃げ出した。氷雨はそのまま、群凶と化した青葉(黒崎レイナ)たちに取り囲まれ、無惨にも喰われていった。
それでも生きる
お凛たちは逃走中に十兵衛たち討伐衆に発見される。お凛はすぐに刀を抜き、十兵衛に立ち向かおうとする。
その様子を見た士郎が「なぜ斬る」と問いかけると、十兵衛は無表情のまま「存在自体が迷惑だからだ」と言い放った。
それに対し士郎は静かに言い返す。「ならばそれならこちらもこう言うしかない。それでも、生きると」
お凛は決意を固め、士郎とトキを逃がすために動く。「幸せになって。これが、あたしがあなたたちにしてあげられる最後のしごと」と告げ、二人を背に送り出した。
その直後、お凛と十兵衛は群凶たちに取り囲まれてしまう。互いに背を預けるようにして、必死に剣を振るい、押し寄せる群凶に立ち向かう。斬っても斬っても次々と現れる異形たち。激闘のさなか、十兵衛が群凶に襲われそうになるが、それをお凛が身を挺して助けに入る。
疲弊しきった十兵衛は、剣を握る手を震わせながらお凛にぽつりと漏らす。「いっそ、こいつらと同じになってしまいたいよ……」と。
終わらない戦い
「お凛、大好きだよ」――そう言い残し、トキは振り返らずに海岸へ向かって歩き出した。
一方で、お凛はまだ諦めていなかった。何度倒れても立ち上がり、群凶を切り捨て続ける。その姿を見た十兵衛も、笑みを浮かべて再び立ち上がる。「だからおめえは、面白いっていうんだよ」と呟き、剣を握り直した。
しかし、ついにお凛は群凶に噛まれてしまう。ふらふらと一人歩き、やがて力尽きたようにその場に座り込んだ。
お凛は地面に刀を突き立て、自らの喉元に剣先を添える。群凶たちの影が迫る中、トキとの日々が脳裏によみがえり――その瞬間、自害を思いとどまる。
お凛は噛まれた腕を自らの手で斬り落とし、きつく布で縛り直すと、再び刀を手に立ち上がった。「私は生きる!」と叫びながら、迫りくる群凶の群れに向かって道を切り開いていった。
別れ
翌朝、海辺を士郎とトキが並んで歩いていた。やがて船頭(近藤芳正)に導かれ、船に乗ろうとするそのとき、士郎は静かにその場に崩れ落ちる。
「トキ、髪を切れ。ここから先は女の身では生きづらい」と、かすれた声で語る士郎。「一緒にいけるんだよね?」と問うトキに、士郎は苦しげに「すまない」と答える。
そして懐からロザリオを取り出し、「この神が、ずっとそばにいてくれたような気がする」と微笑んだ。「一人では異国は遠い。でも、俺たちのような者を慕う人たちがいる。天草に行け」と言い、ロザリオをトキに託す。
「トキ……おまえのおかげで初めてそう思えた。生まれてきて……良かった」最後に、海を見つめながら静かに呟く。「きれいだ。世界は。こんなにも美しい」そして、士郎はそのまま息を引き取った。
トキはその亡骸のそばにしばらく寄り添い、やがて船頭とともに歩き出す。浜辺に立ち止まると、トキは髪を斬り、静かに海風を受けた。
【I, KILL】最終回の結末
生き延びた十兵衛が浜辺に現れ、士郎の亡骸を見つけ、静かにその死を確認する。一方その頃、お凛は海辺に腰を下ろし、船頭が漕ぐ小舟を見つめていた。その舟の上には、ロザリオを握りしめたトキの姿がある。
やがて背後から十兵衛がやってきて、お凛の隣に腰を下ろす。二人は黙って、小舟が遠ざかっていくのを見届けた。「どこへ行くのかな」とお凛がぽつりとつぶやくと、十兵衛は「どこへ行ったって、とんでもねえ世の中だ」と肩をすくめて答えた。
「これからどうする」と尋ねられたお凛は、迷いのない声で答える。「人を助ける。それが私の生きる道」すると十兵衛はにやりと笑い、「俺は人を斬る。逆に相性いいんじゃねえか、俺たち。戦には必要だろ、斬るやつと治すやつ」と言いながら、手にしたまんじゅうを頬張る。
「なんだか偉そうになったな」と冗談めかして言われたお凛は、「これが本当の私なの。慣れて」と微笑んだ。
そのころ、舟の上で船頭に名前を尋ねられたトキは、しっかりと前を見据えながら答える。「天草士郎時貞」と。
登場人物は最後どうなった?
主要人物の結末を記しています。
- お凛→群凶に片腕を噛まれて自分で切断。その後、医療の道を模索する
- 士郎→お凛をかばって氷雨の銃弾を受け、トキと舟に乗る前に命尽きる
- トキ→士郎の遺言で天草を目指し、「天草士郎時貞」と名乗る
- 十兵衛→生き延びた後、お凛を口説くが相手にされず元の職に戻る
- 氷雨→お凛と激闘の末、自分の部下である群凶化した青葉に食い殺される
- 源三郎→群凶化する前に自ら命を絶つ
- ヒデロウ→氷雨たちに一人で立ち向かうも、氷雨の部下に殺害される
- 青葉→群凶に襲われて群凶化し、氷雨を食い殺す
【I, KILL】最終回のまとめと感想
士郎は異国に行く前に力尽き、トキは天草を目指したという話でした。
恐らくこの後トキは島原の乱を起こすのだろうなと、予見させる終わり方です。群凶は結局一掃されたのか、なんだったのかもよく分からないまま終わります。
時代劇とゾンビという組み合わせは面白かったので、登場人物それぞれのエピソードはサラっと軽く触れるだけの、純粋なサバイバルホラーで見てみたかったです。逆に言うと単なるゾンビドラマでなく、時代関係も考慮しながら構成しているドラマです。
ドラマの主役としてはもちろん人間側なのですが、群凶が登場するシーンをやっぱり待ちわびてしまいます。それぐらい色々な群凶が出てきてくれたので、毎回今回はどんな群凶かと楽しみにしていました。
怖いのが全くダメな人は無理かもしれませんが、意外と驚かすシーンとは少ないので、そういうのが苦手な人も見れるとは思います。ただ、群凶はやっぱり怖いです。
きれいだ、世界は。こんなにも美しい。