WOWOWのオリジナルドラマ【I, KILL(アイキル)】の5話のネタバレと感想をまとめています。
お凛が村へ行った時にはトキの姿はなく、士郎は捕らえられ江戸城に監禁されていた。やがて牢から抜け出す士郎は、とうとう将軍・家光と対面する。士郎は家光に城内に群凶がいると伝えるが……。
【I, KILL】5話のあらすじ
◢◤連続ドラマW I, KILL◢◤
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) June 14, 2025
6/15(日)午後10:00放送・配信
▕ ▌Episode5 対峙
墓里村を訪れたお凛(#木村文乃)は
トキ(#田牧そら)に関する、ある事実を知る。
一方、江戸城に連れ去られた士郎(#田中樹)は、血を分けた家光(田中樹)との邂逅を果たすが…
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トキ(田牧そら)と士郎(田中樹)の行方を追って、お凛(木村文乃)は墓里村へやってきた。最初は知らないふりをしていた村人のスエ(濱田マリ)だが、お凛が士郎の連れていた娘が自分の娘だと話すと、士郎がトキを甦らせたと教えた。
しかし、士郎は討伐衆により江戸城に連れて行かれ、トキはその隙に逃げ出していた。2人は海鳴町で落ち合うという約束をしていたと聞き、お凛は町を目指す。
一方、囚われた士郎はすぐに牢を抜け出し、ついに家光(田中樹)と対面する。去り際、士郎は江戸城内に群凶がいると告げ……。
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【I, KILL】5話のネタバレ
士郎から江戸城に群凶がいるという話を聞いた家光は、春日局と柳生宗矩を問い詰める。家光の覚悟を知った2人は、群凶のいる場へ家光を案内することにした。
一方、お凛はトキと再会するが、トキは既に人を食い殺していた。それでもお凛はトキに縋り、トキの父親を殺したことについて詫びる。
トキは士郎と一緒に異国へ行くのだと話し、お凛の元へ戻る気はなかった。そこへ討伐衆が現れ、トキを捕らえようとする。だが、さらに氷雨たちが現れて討伐衆を倒す。
氷雨と再会したお凛が戦慄する一方、家光は対面した群凶が家康だと気付いて驚愕した。
トキと士郎の行方
お凛(木村文乃)はトキ(田牧そら)を探して墓里村へ向かっていた。一方その頃、十兵衛(山本耕史)は士郎(田中樹)を捕らえるため、討伐衆を率いて行動していた。かつて殲滅されたと思われていた群凶は、各地で再び蠢き始めていた。
墓里村に着いたお凛は、家を訪ねるが応答はなかった。ふと、どこからか村人たちの歌声が聞こえ、その場へ足を運ぶ。そこでは村人たちが墓を掘っていた。お凛は村人のスエ(濱田マリ)に気づかれ、声をかけられる。
お凛が士郎のことを話すが、スエは「そんな者は知らない」と答える。お凛は桜(穂志もえか)の話を持ち出し、かつて士郎と一緒にいた娘は自分の娘であると伝える。そして、桜は事故で亡くなったと嘘をつく。
その瞬間、勘太()が「嘘だ!」とお凛に向かって叫んだ。
奇跡
スエはお凛をある場所へ案内した。そこには、はりつけにされたまま生きる群凶の姿があった。かつて復活の神として崇められていた存在だとスエは語る。しかし、「あの人」が現れて以降、その像は急に古びて見えるようになったという。本物の復活を見たからだと続けた。
スエの話によれば、士郎はある日、どこからともなく現れ、自らの手で殺してしまった娘を抱いていた。その子供の名はトキだった。士郎は彼女を蘇らせようとしたが叶わず、スエが代わりにこの村の信仰を教え込むようになった。
士郎はトキの遺体を机の上に寝かせ、静かに祈りを捧げた。トキと過ごした時間の中で、初めて心が通じ合うという感覚を得たという。トキだけが士郎を絶望から救い、光を与えてくれたのだ。士郎は「この世を死者で満たしたくないのなら生き返らせてくれ」と訴え、生き返らせてくれと願った。
そのとき、士郎の目からこぼれた血の涙がトキの口に入る。すると、トキは奇跡的に息を吹き返した。
スエはこれを「奇跡だった」と語る。あの方とあの子は、デウスに愛された存在となり、士郎は新たな神となったのだと。
しかしその士郎は、二日前にさらわれ、江戸城へ連れて行かれたという。トキはその直前に身を隠し、「何かあったら海鳴町で落ち合おう」と士郎と約束していた。
それを聞いたお凛は村を出ようとする。すると、外から村人の助けを求める声が響いてきた。
祈る前にできること
村では流行り病が発生しており、勘太も苦しんでいた。だが、村人たちはただ祈るばかりで、何の手立ても講じていなかった。
お凛は「神にすがる前に、人にできることがある」と村人たちに告げ、水を汲んでくるよう命じた。そして、自ら勘太の処置に当たった。
苦しむ中、勘太は母親を求める声を上げていた。お凛は、かつて桜が話していたように、勘太の手を優しく撫で、子守唄を口ずさみながら寄り添った。やがて、勘太は安心したように眠りについた。
その後、お凛はスエから着物を受け取り、村を出る準備を整えた。勘太はすっかり元気を取り戻していた。
小屋を出ると、勘太はお凛に駆け寄って抱きつき、「行かないでよ」とすがった。お凛は静かにその体を抱き返し、そしてゆっくりと離れると、無言のまま村を後にした。
女囚・お凛
どこからか、木槌を打つ音が響いてきた。お凛はその場で足を止める。その音は、墓里村に役人がやってくる合図だった。
村人たちは慌てて、十字架やマリア像を隠し始めた。スエはやってきた役人に「この村にキリシタンはいないか」と問われ、「三日前に全員打首になった」と答えた。
その頃、勘太は刀を握りしめ、小屋の中からひそかに様子を窺っていた。お凛は背後からそっと近づき、勘太の手に添えて刀を握り直し、静かにそれを取り上げて手放させた。
役人の弥太郎()はお凛の人相書きを取り出し、スエに確認を求める。スエは平然と「知らない」と答えるが、役人は「この村に入るのを見た者がいる」と詰め寄った。
さらに役人は、「お凛は牢を破って人を殺し、桜を殺して逃げた」と言い放つ。その言葉を聞いた勘太は、お凛に向かって「嘘だよね?」と問いかけた。
母親殺し
村人たちはどれだけ問い詰められても、「何も知らない」と口を揃えてお凛をかばい続けた。しかし、晋平太()はそれを信じず、「面倒だから皆殺せ」と命じ、弥太郎とケン()に斬りかかるよう指示を出した。
その光景を目にしたお凛は、刀を手に取り、小屋から飛び出して村人たちを助けに入った。お凛は晋平太に刃を向け、とどめを刺そうとする。だが、スエが「殺すな! お凛、殺してはならない」と叫び、行動を制止した。
すると勘太が姿を現し、「殺せばよかったんだよ! おっ母を返せ! 人殺し、裏切り者!」とお凛を激しく罵った。お凛はそれを黙って受け止めていた。スエは「もうあんたがいては迷惑だ」と言い放ち、お凛を追い払った。
お凛は「ごめんなさい」とだけ呟き、刀を返そうとするが、スエはそれを受け取らず、「人殺しにはお似合いだよ」と突き放した。
その後、村人たちは役人たちを捕え、縄で縛り上げた。お凛はそれを見届けると、息を荒らしながらその場を走り去った。
しばらくして、村人たちは捕えた役人を群凶のいる小屋へと運び込み、中へ閉じ込めた。中にいた群凶は、役人たちを次々と噛み殺していった。外では村人たちがオラショを唱えていた。
ついに対面
士郎は江戸城の牢に囚われていた。自分の処遇について尋ねると、十兵衛は「家光様はお前を使って、この国を余すところなく平定すると仰せだ」と告げた。
それを聞いた士郎は、「誰もが私を道具のように扱う。だがお前もまた、徳川家の道具だな」と静かに言い返した。十兵衛は無言で刀を抜き、士郎の喉元に切っ先を突きつけると、「兄弟仲良く頑張んなよ」とだけ残してその場を去った。
士郎はその後、関節を外し、鎖から逃れる準備を始めていた。
やがて、士郎は家光(田中樹)の部屋に姿を現す。家光は士郎の前に座り、「会ってみたかった」と穏やかに言葉をかけた。
一方その頃、十兵衛が再び牢を訪れると、牢番たちはすでに群凶と化していた。十兵衛は彼らを斬り捨て、士郎の行方を追って城内を駆け出した。
江戸城内に群凶
士郎は家光の前で、「将軍とは、ぬくぬくと過ごしているものなんだな」と皮肉を込めて口にした。それに対し家光は、自らの責務を果たすために世を治めているが、自由を知らぬまま生きてきたと言い、「それはもはや人間の暮らしではない」と語った。
士郎もまた、自身の過去を振り返り、「獣以下の暮らしだった」と述べる。家光は「互いに孤独であったか」とつぶやくように言った。
そこに十兵衛が現れるが、家光は「構うな」と命じ、会話を続けた。家光が士郎に望みを問うと、士郎は「静かに暮らしたい。だから放っておいてほしい。もう人は噛まない」と答えた。
しかし十兵衛はそれを信用せず、「そんなもん信じてたら、政は成り立たない」と言って士郎に迫る。すると士郎は家光に刀を向け、「だったら家光を噛む」と告げた。
十兵衛が即座に応じようとするが、家光は静かに「刀をしまえ」と命じる。十兵衛は渋々従い、刀を収めた。
士郎は「顔を拝めて良かった」と微笑み、ゆっくりと立ち上がる。そして、「この城には群凶がいる。だいぶ古い匂いがする。気をつけたほうがいい」と言い残し、静かにその場から姿を消した。
化け物
お凛は海鳴町を目指して一人歩いていた。道中、何者かの気配に警戒して刀を抜くが、現れたのは人だった。その人物は「村がとんでもないことになった」と語り、もう一人の村人も「晩に来たあの子のせいだ」と言葉を重ねた。
二人によれば、旅をしているというので泊めてやったが、あの子は人食い鬼だったのだという。お凛がその子の名を尋ねると、「トキだ」と返ってきた。
それを聞いたお凛は、血の気が引いたように走り出した。
やがて、お凛は古寺にたたずむトキの姿を見つけ、声をかけた。しかしトキの口元は血に濡れ、片目は異様な色に変わっていた。
その傍らには、トキに噛まれて群凶と化した者が現れ、お凛に襲いかかる。お凛は迷うことなく、その群凶を斬り伏せた。
トキは、お凛の顔を見つめながら、「私…化物になっちゃった」と呟いた。
古の群凶
一方その頃、江戸城では家光が宗矩(矢島健一)と春日局(山下容莉枝)を呼び出し、「いつまで黙っているつもりだ!」と怒声を上げていた。だが、二人は依然として真実を語ろうとしない。
業を煮やした家光は刀を抜き、「言わねば斬って捨てるぞ」と凄みを見せた。宗矩は十兵衛に止めるよう命じるが、十兵衛は「竹千代、本気だよ」と静かに告げる。
すると春日局は「それを見る覚悟はおありか?」と問いかけた。家光は「さっき、同じ顔をした群凶と対面したばかりだ。最早、何も怖くない」と言い放つ。
覚悟を見届けた局と宗矩は、家光をある場所へ案内した。
江戸城の奥深く、暗く湿った秘密の通路を一行は進んでいく。中には人の腐ったような匂いが漂っていた。やがて重い扉の向こうから、群凶のうめき声が聞こえてくる。
扉が開かれた先には、鎖に繋がれ、女を貪る謎の群凶の姿があった。その群凶は甲冑を身にまとっていた。宗矩と春日局はその場にひれ伏す。
その群凶は、つい先ほどまで家光の褥にいた女を食らっていた。春日局の話によれば、将軍の部屋に家光とうりふたつの男が現れたとの報告があり、彼女を餌として与えたのだという。
トキと士郎の計画
お凛は、古寺に佇むトキと向き合っていた。
トキは皮肉な笑みを浮かべ、「咳はもう出ないの。でも今は、誰かにひどいことをしたい気持ちでいっぱい」と語った。「噛みつきたい、血を吸いたい、食べてしまいたい。喉やお腹で、自分の力を感じたいの」と、吐き出すように本音をこぼす。
お凛がそっと近づこうとすると、トキは「近づかないで。食べたくなるから」と制止する。それでもお凛は立ち止まらず、静かに歩み寄り、疲れ切ったトキを労わる言葉をかけた。
「士郎がいたときは、我慢できた。でも一人になったら、家に泊めてくれた親切な人を……」トキの声はかすかに震えていた。
お凛は問いかける。「どうして海鳴町へ?」
トキは少し笑って答えた。「私たち、異国へ行くの」
甦らせた理由
トキは、士郎と交わした約束を思い出していた。何かあったら、海鳴町で会おうと決めていたのだ。
その町には、金を払えば外の世界へと船を出す者がいると、村の者が話していたという。士郎はその金を用意すると言い、二人で一緒に異国へ行こうと誘ってくれた。
「この国は、私たちには狭すぎる。どこで暮らしても、いずれ捕らえられ、いいように扱われるだけだ」と、士郎は静かに語った。
だとしたら、なぜ自分を生き返らせたのか。トキは士郎の意図が分からなかった。
「私は……誰かとつながりたかった。トキとなら、繋がれる気がしたんだ」
士郎の言葉にトキは顔を曇らせ、「そんなの、勝手だよ」と絞り出すように言った。
士郎はそれを受け入れ、「そのとおりだ。すまない」と静かに詫びた。
依存
生き返ったとき、やっぱり嬉しかった――トキはそう語った。こんな体でも、命があるって素敵だと、静かに微笑んだ。
自分を斬ったのが士郎だということは知っている。あれはわざとじゃなかった、とも。けれど、とトキは続ける。「父を斬ったあなたとは違う」と。
その言葉に、お凛はその場に崩れ落ち、トキに向かって深々と土下座し、心からの謝罪を口にした。
だがトキは冷ややかに言い放った。「それで気持ちが楽になるのは、お凛だけだよ」そう言って、ゆっくりと歩き出す。
背を向けたまま、トキは続けた。「私がいなくても、やりたいことあるでしょ?」
お凛は首を横に振り、「そんなものはない」と答えた。「トキがいたから、私は頑張ってこれた。あなたがいなくなったら、何をしていいかわからない」と訴える。お凛は立ち上がり、トキにすがった。
トキは無言のまま振り返り、お凛のもとへ歩み寄った。そして、お凛に抱きしめられながらも、トキ自身はその体を抱き返すことはなかった。
【I, KILL】5話の結末
そこへ、ヒデロウ(西村拓哉)が現れ、トキを捕らえようと襲いかかってきた。お凛は即座に刀を抜き、トキをかばって立ちはだかった。
その瞬間、どこからか手裏剣が飛来し、ヒデロウの動きを封じた。氷雨(富田靖子)たちが姿を現したのだ。多勢に囲まれたヒデロウは、さすがに太刀打ちできず、あっけなく倒された。
氷雨は軽く笑いながら、「侍って馬鹿よね。なんで遠くから狙われるって考えないんだろう」と皮肉を口にした。
その声を耳にした途端、お凛の体は戦慄に包まれる。そして氷雨は、お凛に向かって笑みを浮かべながら言った。「やっと会えたね、お凛」
一方その頃、江戸城の奥深く――城内にいた群凶の兜には、徳川家の家紋が刻まれていた。それを目にした家光は、目を見開きながら呟いた。
「まさかこれは……神君家康公……」
【I, KILL】5話のまとめと感想
トキは群凶となって甦り、江戸城には家康が群凶として生きていたという話でした。
前回、群凶に噛まれなくても群凶の肉を食べれば群凶になることが分かりました。そして今回、士郎の血を飲むと意識を保ったまま、群凶になることも分かりました。では家康はどうやって群凶になったのか??
ドラマ内では士郎は生まれるなり赤子のうちに殺され、家康の興味本位で猿の手を与えて甦らせられたといいます。その時、家康はまだ群凶ではなかったのかもしれません。しかし、今の家康は人としての意識があるように見えません。
そうなると家康は死んだ後か生きている最中にか、源三郎たちによって何らかのことをしたが失敗したのか?という疑問が出てきます。つまり、家康はその他大勢の群凶と変わらず、士郎とは違うのかもしれません。
次回最終回になりますが、どうやって話が終わるのか。かなり駆け足で進みそうな予感がします。
←4話|最終話→
神にすがる前に人には、できることがあるの。