【螢草 菜々の剣】4話「別れ」はタイトル通り、市之進との別れになります。轟襲撃の首謀者ということで市之進は捕まります。子供たちは家を追い出され、菜々が引き取って育てていくことになります。菜々たちの今後はどうなるのか?
【螢草 菜々の剣】の4話あらすじ
市之進の仲間たちによる轟への闇討ちは、吉と出るのか凶と出るのか……これをきっかけに、事態は大きく動き始める。菜々は宿命とどう向き合うのか?激動の第4回!
公式HPより
轟(北村有起哉)が襲撃されるのを目撃した菜々(清原果耶)の報告で、市之進(町田啓太)は菜々と轟の因縁を知る。一方、破談になった再婚話の相手、雪江(南沢奈央)が市之進を訪ねて来る。雪江の思いを知り気持ちがざわつく菜々は、追放を覚悟して暇を言い渡す市之進に、佐知(谷村美月)との約束で自分が子どもたちを守ると誓う。やがて風早家は閉門、菜々たちは屋敷を追い出され、市之進は詮議のため江戸送りになると決まる。
【螢草 菜々の剣】の4話ネタバレ
- 襲撃を受けた轟は全く動じるどころか、襲ってきた者たちを返り討ちにする。その圧倒的な剣の腕に、見ていた菜々は慌てて家に戻り、市之進に轟はとんでもなく強いと伝える。
- 市之進も轟のせいで謹慎になっているのか訪ねる菜々、自分の父は轟のせいで切腹することになったと教える。それを聞いた市之進は菜々の父である安坂長七郎も、轟の不正を調べていたことを菜々に伝える。
- 縁談相手の雪江が市之進を助けたいと家に来る。雪江は佐知が生きているころから市之進のことを慕っていたという。市之進は断りはするものの、雪江は縁談の件を考えておいて欲しいと言って帰る。
- 轟は襲撃してきた四人を訴えずに泳がせていて、何か企みがあるのではないかと市之進は考える。
- 菜々が寝ていると市之進が起こしにくる。江戸送りにいつなるかわからない、菜々に赤村へ帰れと言う。子供たちは田所の叔父に預けるとも言う。それを聞いた菜々は「嫌です」ときっぱり断り、もし市之進が江戸送りになったら自分が子供たちを引き取りたいと告げる。
- 身分を忘れて言ってしまったことに気づいた菜々は、慌てて出すぎたことを言ってしまったと謝る。自分よりも昨日来た雪江のほうが相応しい、菊の花のように艶やかで美しい人でしたと告げる。
- 市之進は「私は鉢植えの菊の花より、どこにでも咲いている螢草のほうがいい」と言い、その言葉の意味が分かると菜々は慌ててもしもの時は子供たちの面倒をみる、と言って部屋を出て行ってしまう。
- 城から人が来て市之進を轟襲撃の首謀者として捕らえる。家は封鎖され菜々も子供たちも追い出されてしまう。
- 菜々はお舟のところに行って金を借り、家を探そうとする。するとお舟が自分の持っている家を貸そうとするが、ボロボロで子供たちにお化けが出るといってからかっていた。それを聞いた菜々はお化けが出るのだから、他に借り手もいないだろうしといって、家賃を四分の一にねぎって借りた。
- 子供たちと一緒に片付け終えて食事をしていると、窓の外にお化けらしきものが見えた。菜々は柄杓で水をすくってかけたところ、隣に住む椎上節斎という儒学者だった。その名前の感じから菜々と子供たちは「死神先生」と呼び親しくなる。
- 翌日菜々は子供たちを養うため、赤村へ向かい野菜を譲ってもらおうとする。いとこの宗太郎は菜々の思いが市之進にあるのをわかっていながら、自分の思いが偽りのないものと伝えるために菜々に野菜を運ぶ約束をする。
- 菜々は父や母の荷物の中に、轟の不正を暴くものがないか探す。しかしその場では見つからず、書物を持って子供たちの元へ戻る。
- 荷車をお骨に手配してもらうよう頼み、武家の子なので椎上の塾に正助ととよを通わせようとする。正助はともかく妹はと渋る椎上だが、菜々は本気で二人を養うつもりだと告げて受け入れてもらう。同様に壇浦の道場にも通わせる。
- 借りてきた荷車に野菜を乗せ、雨の日も野菜を売っている菜々。そこに壇浦が来て市之進が江戸送りになる話を聞く。籠を追いかけようやく追いつくも、役人に追い払われて市之進の顔を見ることもできない。
- 罪人に国との別れをさせるため、神社の鳥居の前で止まるという話を壇浦から聞いていた菜々は、離れた場所から市之進を見守る。戸が開いて顔を出した市之進と、視線で別れを告げるのだった。
【螢草 菜々の剣】4話の感想
市之進が謹慎になったと思ったら、今度は逮捕されて連れて行かれてしまいます。轟襲撃の首謀者ということですが、もちろん轟がそう言っているだけで何の証拠もありません。その後、市之進は江戸送りとなり、処罰は向こうで決めることとなります。
家も封鎖されて奉公人の菜々や甚兵衛、子供たちもみんな追い出されてしまいます。しかし菜々は強い女です。泣いているとよに向かい泣いている場合ではないといい、旦那様が戻って来るまでみんなで力を合わせようと前向きです。
子供たちがいる関係上、どこかにまた奉公するわけにも行きませんし、何か稼ぐための手立てを考えます。それが赤村へ行って野菜を仕入れ、その野菜を町で売るということです。
今回、菜々のいとこである宗太郎が、ちょっといい男だなと思わせる回でした。菜々の気持ちは実は市之進にあります。それを知っても宗太郎は、自分も同じように本気だという意味で菜々を手伝います。ヒロインが好きな相手は別の男性ですが、それを愛しているからこそ、陰ながら一途な思いで支える男という図式です。
あれだけ佐知と仲良くしていたにも関わらず、佐知が死ぬと市之進に目を向ける菜々です。どうなんだ?と思うかもしれません。しかし、実は菜々だけではありません。市之進もまた菜々に心惹かれます。
菜々の恋
佐知が生きていた時には、そんなに表に出していなかった感情が、今回“別れ”ということもあってあふれ出てしまいます。
- 縁談の相手である雪江が訪ねてくる
- 雪江は前から市之進のことを慕っていたという
- 縁談の件をもう一度考えて欲しいと願う
- 菜々は微妙な心境になっている
どうやら雪江が市之進の叔母に言って、縁談の話を進めてもらったようです。それぐらい市之進のことが好きだというのはわかりますが、佐知を亡くして間もないのにどうなのか?まとまる話もまとまらなくなりそうです。
二人の会話を盗み聞いていたわけではないのですが、菜々はちょっと微妙な顔をします。隠していた恋心があるだけに、何とも言えない気分なのでしょう。
ある晩、市之進が寝ている菜々に声をかけます。自分がいつ江戸送りになるかわからないから、赤村へ帰りなさいと言います。菜々は市之進のそばを離れたくないのか、子供たちが田所の叔父の家に行くのが不安なのか、とにかく嫌がります。
そして、自分が子供たちを預かって面倒みたいと言い出します。佐知と約束したからとは言いますが、結局のところ佐知に対してどうこうというより、市之進の子供だから預かりたいようなことが、後で宗太郎に指摘されます。
さすがに菜々も我に返ったのか、出すぎたことを申しましたと謝罪します。
- 子供たちを預かるのは雪江のほうが相応しい
- 雪江は菊の花のように艶やかで美しい
と、ここに来て謎の雪江アゲをします。元は武士の娘とはいえ、切腹させられた父の娘となれば、世間的にはかなりヤバい家の娘となります。由緒ある風早家に入るなどまずありえません。なので、菜々はこう言い出したのだと思います。
ですが、菜々に心惹かれつつある市之進は、ここでこう返します。
「菜々、私は鉢植えの菊より、どこにでも咲いている螢草のほうがいい」
菜々に思いは伝わったのか?トンチンカンな答えを菜々は言います。
「はい、私も螢草が大好きです!」
「え?」みたいな顔をして市之進と菜々はお互いを見ます。「ん?」みたいな顔をしてしばらく二人で見ています。時間が少し空いてから菜々はようやく気づきます。“螢草”は自分のことをもしかして言っている?と。そこからの菜々はもう焦ってしまい、もしもの時は子供たちの面倒は私がみますと行って慌てて出て行きます。
後で市之進は思い返します。ツユクサを見ていた佐知が「この花を見るたびに菜々のようだと思うんです。けなげに咲いている様が」と言っていたのを。ここは視聴者にわかるように“螢草”は菜々ですよと教えてくれる演出かと思います。
菜々の新たな仕事
家を追い出された子供たちと一緒にまずは家捜しをする菜々です。そこでお舟にお金を借りに行きます。
- お舟の持っている家に案内される
- 見るからにボロボロの家
- お化けが出そうという子供たち
- お化けが出ると子供をからかうお舟
- 家賃は600文
この“お化け”とからかったのがお舟の失敗でした。少しでも節約をしたい菜々は、お化けが出るなら600文では高いと言い出します。半分の半分の150文で貸してくれと交渉します。
お化けは出ないと今更言うお舟ですが、どうせ誰も住まないんだからと菜々は食い下がって結局150文で借りることになりました。賢い菜々です。
住む場所は何とかしましたが、収入がありません。菜々は考えた末に赤村へ行きます。
- 野菜を譲って欲しい
- それを売って収入を得たい
- 5日に一度来て運ぶつもり
赤村で野菜を仕入れて町で売るための交渉をします。叔父はもちろん構わないと言いますが、運ぶのどうするんだ?となります。そこで、菜々のことが好きな宗太郎が自分が運ぶといいます。それを聞いていた叔母は、菜々にいいように使われていると言いますが、宗太郎は構わず自分の思いを貫いて手伝うことにします。
運ぶにしても籠で運んでいたら効率が悪いので、菜々はお舟に頼んで荷車を借りたいと手配します。こうして菜々の野菜売り生活が始まります。雨の日も晴れの日も、通りで荷車の上に置いた野菜を売ります。
死神先生とは?
今回新たに登場した石橋蓮司さんが演じる人物です。お化けが出たと思って、菜々は水をかけてしまいます。どうやら怪しい人ではないようですが、どんな人物でしょうか?
- 本当の名は椎上節斎
- 菜々の家の隣に住んでいる
- 儒学者
- 塾を営んでいる
見た目は白髪の長い髪を下ろしているため、余計に死神らしさが出ています。しかし、儒学者らしく菜々の忠義の精神や、子供たちを育てる覚悟に感心します。今後、菜々が困った時に他の人たちと同様、手助けをしてくれそうな気がします。
市之進との別れ
物語終わり頃にとうとう市之進が国から江戸へ連れて行かれます。もう二度と会えないかもしれない、そんな思いもあって菜々は壇浦の知らせを聞いて走り出します。
- 昼過ぎには瀬田獄から出て江戸へ向かう
- 菜々走って籠を追いかける
- 籠に追いつくが身内は駄目と役人に言われる
- 風早家の女中ですと菜々が言う
- なおさら駄目と言って突き飛ばされる
「旦那様!」と言いながら走ってくる菜々の声は、戸が閉まっている市之進にもちゃんと聞こえています。だが、別れを言わせてもらえず菜々は追い払われてしまいます。そこで壇浦が言っていた言葉を思い出します。「御嶽神社の鳥居の前で国との別れをさせるならわしがある」と。
- 菜々山道を駆けて神社へ向かう
- 鳥居の前で籠が止まる
- 上にある神社から菜々は籠を見ている
- 戸が開いて市之進の顔が見える
- 気づいた市之進は小さく笑い軽く頷く
- 泣いている菜々も泣き笑いのような笑みを浮かべる
- 戸が閉まる
このシーンは非常に良いシーンでして、菜々の表情だけで心情を表します。
- 悲しみに泣く
- 市之進に笑みを浮かべる
- 不安そうな顔をして行く籠を見る
- 離れていく籠を放心状態で見送る
- 覚悟を決めたように唇結ぶ
最初はただ泣いて市之進と離れることを悲しむ菜々です。ですが、市之進と顔を合わせた時、市之進が笑みを浮かべて頷くと菜々も涙に濡れながら笑みを浮かべます。この時二人がどういう心境か、どういう意味かは説明はありません。画面を見て感じ取れということでしょう。
菜々役が清原さんで良かったなとしみじみ思うシーンの一つです。短い時間でセリフもなく泣き崩れるでもなく、純粋に顔の表情だけで演じます。籠が今どの距離にあるのか、瞳の動きだけでそれを教えてくれます。まさに“おそろしい子”です。
【螢草 菜々の剣】4話のその他気になったこと
- 水晶玉を見て楽しそうな日向屋
- 甚兵衛は転んで大怪我
- あまりにもボロボロな家
- そんな家だからねずみが出てきて大騒ぎ
- 隙間風入りまくりな家
- 叔母の嫌味にも感謝する天然な菜々
- 枡屋で子供もお舟もみんな寝てる
- 兄の勉強中にとよは椎上の絵を描く
- 子供たちに習い事させる金はあるのか?
- 大雨の中でウドとゴボウを売る菜々
【螢草 菜々の剣】4話のまとめ
別れがあったからこそ、菜々も市之進も隠していた恋心を出します。もう会えないかもしれない、その思いが二人を素直な気持ちに少しさせます。しかし、直接的な「好きだ」という表現ではありません。笑みを浮かべたり螢草に引っかけたりして、ちょっと洒落た恋心の表現をします。
子供たちがいるので菜々も悲しんでばかりもいられません。これからは生計を立てていかないとなりません。現代と同じように子供たちに習い事もさせます。その費用も稼がねばならないので大変です。周りにいる舟や壇浦、そして新たに登場した椎上たちに助けてもらいながら、菜々はたくましくやっていくのだと思います。
生活がある程度安定したら、きっと仇討ちにいくのだと思いますが、あんなに強い轟にどうやって勝つのか?そんなところも注目しながらまた来週も視聴したいと思います。