5話「怨みの代償」
キャスト
- 篠崎まゆみ(しのざき まゆみ)…綾瀬はるか
体験者。デパートの販売員 - 米山可奈(よねやま かな)…入山法子
まゆみと同い年で同期の販売員 - 川島理恵(かわしま りえ)…市川由衣
まゆみと親しい販売員 - 新堂美奈子(しんどう みなこ)…折山みゆ
まゆみの後輩販売員 - 三沢恵子(みさわ けいこ)…三浦まゆ
主任 - 鈴木(すずき)…齋藤康弘
チーフ
- 脚本:三宅隆太
- 演出:鶴田法男
ネタバレ
神奈川県某所。とある百貨店で働いていたときのことだ。米山可奈(入山法子)が新堂美奈子(折山みゆ)の客を横取りしていた。個人売上を伸ばすためなら手段を選ばず、職場での評判は悪かった。
篠崎まゆみ(綾瀬はるか)には、彼女が焦っているように見えた。売上表では、まゆみはトップに迫る勢いだったのに、可奈は小細工のわりに下位に沈んでいた。その会話を可奈はそばで聞いていた。まゆみは彼女のことが気になっていた。
勤務後、まゆみが食事に誘っても、可奈は何も言わずに帰った。数日後、在庫ファイルが見つからず、新堂がシュレッダーにかけているのを見つけた。可奈がやれと言ったという。
最初はその程度だったが、やがてまゆみのロッカーに赤い文字の落書きが現れ、靴まで捨てられた。誰の仕業かはわかっていた。まゆみが可奈を呼び止めても、彼女は無言で笑うだけだった。嫌がらせは続いた。
毎日ロッカーを開けるのが怖かったが、ある日何も起きなかった。可奈が海外土産を配っており、同期だからと特別な品をまゆみにも渡した。帰宅して開けると、高価なブランドの財布だった。なぜ自分だけなのか理解できなかった。
その夜、まゆみはうなされ、目を開けると女が立っていた。「死ねばいいのに、死ね、死ね」と連呼する声。以来、毎夜女が現れ、眠れない日々が続いた。体調を崩し、しばらく店を休んだ。
理恵が見舞いに来て、その財布に気づき、使わないならほしいと言うので渡した。翌日、理恵が戻ってきて、財布の内側に接着の跡があり、中から紙が出てきたと見せた。血文字で「死ね」と書かれていた。誰にもらったのかと問われ、まゆみは、体調不良はこの呪いのせいかもしれないと思い、神社でお祓いを受けた。その日から嘘のように回復した。
職場に復帰すると、可奈はいなかった。理恵によれば、突然体調を崩したと主任に電話をして辞めたという。まゆみは正直ほっとした。
数ヶ月後、やつれ果てた可奈を街で見かけた。まるで別人だった。恨みの代償で、彼女自身がむしばまれたのかもしれない。なぜそこまで恨まれていたのかだけは、今もわからない。知らないうちに、自分が彼女を傷つけていたのかもしれない。
6話「S銅山の女」
キャスト
- 山辺夏美(やまべ なつみ)…石原さとみ
体験者。「ホープ生命保険」北陽営業部の社員 - 桑原高広(くわばら たかひろ)…小池徹平
「ホープ生命保険」北陽営業部の社員 - 片桐(かたぎり)…池田鉄洋
「ホープ生命保険」北陽営業部の営業部長
- 脚本:酒巻浩史
- 演出:下畠優太
ネタバレ
香川県某所。山辺夏美(石原さとみ)は東京本社から地方の営業支部へ異動したばかりで、慣れない現場仕事に必死で食らいついていたが、思うように結果が出せなかった。
ある帰り道、桑原高広(小池徹平)とともに道に迷い、山奥へ入り込んだ。途中で桑原が、何十年も前に閉山されたという心霊スポット、頭文字を取って呼ばれるS銅山の話をした。誰もいないのに足音がしたり、カーラジオが勝手に入ったりすることで有名だという。
なぜか夏美は車を降り、ふらふらと封鎖門へ歩み寄った。飾りの付いた門扉に手をかけると、鎖が外れて落ちた。闇の奥から風が吹き出し、暗がりのさらに奥から何かがこちらを見返していると感じ、慌ててその場を離れた。
支部では、営業部長の片桐(池田鉄洋)が「必ず支部をトップにする」と意気込んでいた。誰も口には出さないが、夏美が足を引っ張っていた。ふと夏美には、片桐の顔があの門に取り付けられた仮面に見えた。
午後は顧客回りをしたものの、この日も成果は出せない。帰社すると営業部長が車を掃除しており、桑原が何かあったのかと問うと、はぐらかして去った。何かを隠している、と感じた。
数日後、営業部長が入院したと聞き、夏美は病院へ向かった。入口で桑原に止められ、「見ないほうがいい」と言われる。看護師にも検査中だから面会は控えるよう告げられた。
その後は桑原も会社を休み、得体のしれない不安が募る。夏美が桑原の家を見舞うと、憔悴した桑原が玄関に現れ、「僕のせいなんです」と言って布に包んだ仮面を見せた。あの門にあったものと同じ仮面だった。
入院中の病室で見つけたもので、営業部長がS銅山へ行き、坑道の中から持ち帰ってしまったのだという。桑原は、夏美と道に迷った日の夜、柵が開いていて、営業部長が奥へ入って仮面を外し、戻ってきたと語った。仮面を持っているだけで堪えられなくなったという桑原。
夏美は「私が返しに行く」と言い、桑原は必死に止めた。夏美は、自分が門を開けてしまったことが根にあり、「もう疲れた、もういいかな」とふと気が緩んだ瞬間に、坑道の奥を覗き込みたくなってしまったのだ、と自覚していた。
2人は仮面を持ってS銅山へ向かった。車中で突然ラジオが大音量で鳴り、夏美が慌てて消す。桑原を車内に残し、夏美は懐中電灯を手に坑道へ入った。分かれ道で右の通路を選び、柱に御札が貼られ、祭壇のような場所に仮面が並ぶ一角に辿り着く。空いていた場所に持参の仮面を掛けた瞬間、どこからかうめき声が響いた。光を向けると人影が動き出し、夏美は逃げ出した。
外へ飛び出すと、桑原が車の外に立ち尽くし、生気がない。夏美は頬を叩いて正気に戻そうとする。背後の扉からは手が伸び、門の外から黒い影のような人が現れた。夏美は鍵を落とし、車のドアが開かずに焦る。ようやく拾い上げて乗り込むが、なかなかエンジンがかからない。ようやく始動するとバックで逃れ、なんとか山道を下る。
後ろを確認して追跡がないか確かめ、桑原を揺り起こして「もう大丈夫、終わった」と伝えた瞬間、桑原がバックミラーに映る黒い女の姿に気づいた。2人は叫び、必死で走り去った。自宅に戻って車を降りると、車体には真っ黒な手形が無数に残っていた。
その後、桑原はすっかり元気を取り戻したが、あの夜の記憶はなかった。夏美は少しずつ仕事に慣れ、やりがいを感じ始めた。営業部長は依然入院中で、病室で見た彼の姿は、あの黒い女のようにやつれていた。
7話「或る訳ありの部屋」
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— 【公式】ほんとにあった怖い話 (@honkowa_fuji) August 14, 2025
主演:#出口夏希
新作1本 放送決定 !
『 或る訳ありの部屋 』
泊まることになった部屋の壁紙には、
何かが剥がされた跡があって…
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??8/16(土)よる9時#ほんとにあった怖い話 pic.twitter.com/1bOhYw7dPT
キャスト
- 笠間真衣(かさま まい)…出口夏希
体験者。居酒屋「いなせや」店員 - 塩谷美鈴(しおや みすず)…峯村リエ
居酒屋「いなせや」店長 - 直美(なおみ)…金村美玖(日向坂46)
居酒屋「いなせや」先輩店員
- 脚本:三宅隆太
- 演出:森脇智延
ネタバレ
岐阜県某所。2年前の夏、笠間真衣(出口夏希)は勤め先の飲食店に頼まれて、遠方の支店へヘルプに出た。期間は1ヶ月で、会社手配の借り部屋に住むことになった。壁にはお札が貼ってあった跡が点々と残り、少し不穏だった。
実は出向前に気がかりがあった。1ヶ月ヘルプに行くと言っていた直美(金村美玖)が、わずか3日で戻ってきたのだ。理由を聞いても「ちょっと忘れたいから」とだけ。店は働きやすく、仕事もきつくない。何があったのか分からず、1ヶ月なんてすぐ終わると高を括っていた。
その夜、就寝の支度をしながら、別の壁にも御札の剝がし跡を見つけた。眠りにつくと耳鳴りのような音、続いて金縛り。白い服の女が現れ、慌てて照明を点けると消えていた。恐る恐る部屋を確かめても人影はない。視線だけが背中に刺さる。
翌日、部屋の件を店長に聞こうとしたが機会を逃した。2日目の夜、灯りを点けたまま横になると、視界の端を女の足が横切り、突如照明が落ちた。布団に押さえつけられ、「いたい…」と呟く女がにじり寄る。涙が勝手に溢れ、耳元で「一緒に来て」と囁かれ、首を絞められた。声は出なかった。
朝になって直美に打ち明けると、同じ目に遭い耐えられなかったと返ってきた。直美は部屋のお札が気味悪くて剥がした、とも言う。自分のせいかもしれないと肩を落とした。部屋に戻り、お札の剝がし跡を一つひとつ確認した。
店長に事情を話すと、「わかった。お祓い頼んでお札貼ってもらうから」とあっけらかんとしていた。真衣はすぐにその部屋を出た。マンションは今も残り、家賃が安いので会社は借り続けているらしい。あの女が何だったのかは、今となっては知る由もない。
【ほんとにあった怖い話 夏の特別編2025】の総評
今回は最後の「或る訳ありの部屋」のみ新作で、残りは全て以前放送されたものとなります。
投票で選ばれただけあって、どの話も怖いのが苦手な人は見れないと思います。驚かす演出もあり、追い掛け回されたり、幽霊自体が怖い顔をしていたりと、とにかく怖がらせます。
こういった投票形式でやる場合「顔の道」は常に上位に食い込む話だと思います。半端なく怖いです。知らずに見たらビックリすると思います。また「右肩の女」や「怨みの代償」のような生霊系も、人間の恐ろしさが出ていて怖いです。
来年はすべて新作で放送されるのか?なんだかんだいって見る番組なので、放送があるのを楽しみにしています。