2020年9月20日に放送した【半沢直樹(2020)】9話のネタバレと感想をまとめました。
暗号のようなメモや誰に金が渡っていたかなど、ドラマ内に出てきた資料を元に詳しく解説しています。
裏切り者は誰なのか?思いもよらない人物の裏切りに半沢がキレました。
【半沢直樹(2020)】9話のあらすじ
半沢(堺雅人)は自宅謹慎になってしまい、箕部(柄本明)のクレジットファイルは大和田(香川照之)の手で紀本(弾田安則)に渡されてしまう。
そこで半沢は黒崎(片岡愛之助)から教えてもらった伊勢志摩ステートを調べに森山(賀来賢人)と一緒に向かうと、箕部の秘書である笠松(児嶋一哉)の姿を見かけ関係性があると確信する。
東京中央銀行の伊勢志摩支店へ半沢たちは行き、半沢の同期の副支店長である深尾(小松和重)に頼んで伊勢志摩ステートの財務資料を見せてもらう。
箕部が借りた20億円が伊勢志摩ステートに転貸されていたことを掴んだところで、異変に気づいた笠松が銀行にやってくる。
間一髪のところで逃げ切った半沢たちは、資料に書いてあった住所の場所へ行ってみる。そこは伊勢志摩空港だった。
借りた20億円で15年前二束三文だった土地を購入し、空港を誘致することで高値で売って儲ける箕部の錬金術だったのだ。
ただ、伊勢志摩ステートから箕部に振り込まれた痕跡がなく、半沢は書庫センターにあるのではないかと探しに行く。
しかし既にダンボールは何者かによって持ち去られ、防犯カメラを確認しても映っていなかった。
大和田に違いないと考えた半沢だが、ダンボールのことは知らない様子だった。
そこで、クレジットファイルの内容について聞くと、大和田は内容を写真に撮っていた。その中に日付とアルファベットが書かれた謎のメモが見つかる。
再び白井大臣(江口のりこ)と乃原(筒井道隆)が銀行にやってきて債権放棄をするよう中野渡頭取(北大路欣也)に直接迫る。さらに乃原は頭取と2人きりで会って話がしたいといい、頭取は会って話すことを承諾した。
渡真利(及川光博)に乃原の過去を探らせていた半沢は、彼もまた自分と同じように銀行の貸し渋りにあい、親のやっていた町工場が倒産してしまっていたことを知る。
乃原は紀本と先輩後輩の間柄であり、銀行に対して強い恨みを抱いていた。
半沢は仲間たちに銀行が不正を表に出して謝罪しなければ、政府の犬に成り下がり銀行本来の意味がなくなってしまうと訴える。そのために必要なのは頭取の覚悟だと力説した。
見つかった謎のメモの解読を進める半沢たち、その背後にあるのは銀行と政治の黒い関係性だった。
このメモを書いた人物は誰なのか?そして行内にまたしてもスパイが?
半沢は銀行を正しい道に戻すことができるのか?
【半沢直樹(2020)】9話のネタバレ
1:メモの内容
大和田の撮った写真の中にあった暗号のようなメモは何なのか?
一例を挙げて解説します。
メモ1
H19.10.10
TDI IS
→MK14
→S1
- TDI=旧東京第一銀行・伊勢志摩支店
- IS=伊勢志摩ステート
- MK=箕部啓治
- S=審査部
メモ2
H24.9.27
TCI IS
→MK9
→H1
- TCI=東京中央銀行・伊勢志摩支店
- H=棺の会
という暗号になっていることを半沢たちは突き止めます。
メモ1の内容を解読すると…
平成19年10月10日に旧東京第一銀行の伊勢志摩支店にある伊勢志摩ステートの口座から、箕部へ1億4千万円振り込まれ、旧東京第一銀行本店の審査部へ1千万円振り込まれた。
という内容になります。
メモ2の内容を解読すると…
平成24年9月27日に東京中央銀行の伊勢志摩支店にある伊勢志摩ステートの口座から、箕部へ9千万円振り込まれ、東京中央銀行本店の棺の会へ1千万円振り込まれた。
という内容になります。
この金は何なのか?
それは伊勢志摩ステートを隠れ蓑にして空港誘致で儲けた金が、箕部に支払われていたということです。
では審査部や棺の会へ払われた意味は?
それは銀行が不正融資を箕部へした見返り“口止め料”としての支払いになります。
駅や空港・道路のようなインフラ、何かしらの施設の建設地。なぜそこにあるのか?なぜ誰も利用しないのにあるのか?
裏側にはこんな真実が隠れている場合もある、そんなことに気づかされます。
メモは箕部と銀行への分配を示したものだった
2:新たなスパイの存在
半沢は渡真利と福山にメモを書いた人物を、特徴的な“D”の文字の書き方から探させます。
富さんと田沢にはダンボールの行方を追わせ、自分は智美の店へ向かいました。
半沢にはある疑念があったのです。
- 智美は接点のない富さんが猫舌であることを知っていた
- 富さんは島流しのような部署なのに、頭取のことをよく知っていた
この2点が引っかかっていた半沢、智美に直接話を聞き富さんが何者なのか教えてもらいました。
富さんの正体、それは頭取から特命を受けたスパイだったのです。
時はさかのぼり牧野副頭取の通夜の日、当時海外支店に赴任していた中野渡が智美にお願いをします。
牧野副頭取の死の真相を調べたいので、自分の代わりに究明してくれる人物を用意して欲しいと。
その際に条件がいくつかありました。
- 旧Sの人物であること
- 優秀で口が堅いこと
- 派閥の論理に左右されないこと
- 指示に忠実な人物であること
これら4つの条件を満たす人物を探すよう、人を見る目がある智美に託したのです。
そうして選ばれたのが富さんだったということがわかりました。
地下4階へ向かう富さんの後をつける半沢、奥にある隠し部屋にはあの荻窪西支店のダンボールが積まれていたのです。
富さんは頭取からの指示と告げて書庫センターのカメラを止めてもらい、その隙にダンボールを運び出したのです。
なぜ富さんは半沢に正体を明かさずにいたのか?
迷っていたと富さんは語ります。資料を見れば見るほど、旧Tの不正融資が出てきて表に出れば大変なことになる。
でも半沢の熱い思いを聞いてやっと覚悟を決めることができた。
こうして富さんも共に不正を暴き表に出すと腹をくくります。
しかし、肝心の箕部が伊勢志摩ステートから金を受け取った記録だけがないのです。
そこへ部屋の存在を嗅ぎつけた紀本が現れます。半沢たちはどうなってしまうのか?
ダンボールを持ち出していたのは、頭取から特命を受けていた富さんだった
3:強力な助っ人登場
ピンチに桃太郎の歌を歌いながら現れた人物、それはなんと黒崎でした。
半沢にメモの人物を特定するよう頼まれた渡真利と福山は、福山の詳細なデータからこのサイズの手帳を持っているのは灰谷だとわかり、彼が決まって毎週同じ時間に来る店で待ちます。
現れた灰谷が席を立ったところで、手帳を盗み見しますがどうしても“D”の文字が見つかりません。
そうこうしているうちに灰谷が戻ってきてしまい、万事休すかと思ったところに助っ人黒崎が現れます。
堂々と手帳を見る黒崎、そしてようやく“D”の文字が見つかります。
メモと同じ特徴的な文字、ここから黒崎が問い詰めますが、誰の指示かを言おうとしません。
渡真利は念のために録音を始めたところで、灰谷は立ち上がって逃げ出そうとします。
すかさず黒崎が股間をガッチリホールドし、灰谷は叫び声を店の中で上げました。
「潰すわよ」と凄む黒崎に耐え切れず、灰谷は苦悶の表情で名前を言います。
箕部の金の管理もステートからの賄賂も何もかも、紀本の指示でやったことだと。
その録音データを紀本に聞かせ、問い詰める半沢にまだシラを切る紀本。
そこで黒崎見つけた隠し口座の、入出金明細表を突きつけてやります。
この明細は誰にいくら渡したのか書いてあり、中には頭取の名前もあります。
伊勢志摩ステートから金を引き出した日と、紀本の口座に金が入った日がピッタリだと指摘する黒崎。
後の事は任せたと半沢に告げ、颯爽と去っていきました。
黒崎が助太刀しにきてくれた
4:首謀者が判明
さすがに言い逃れもできない紀本は、半沢が智美と電話で繋いだまま追及に答えました。
なぜ彼はそんなことをしたのか?
- 箕部に逆らうことはできなかった
- 牧野副頭取は融資に反対だった
- だが、他の不正融資の存在に気づいた箕部は、それを盾に副頭取に強引に承諾させた
- 牧野副頭取がいつ口を割るかわからないので、牧野名義の口座を作っていた
- もし言い逃れしたら、旧Tの抱えている不正融資が表に出る
- 牧野副頭取は罪を一人で背負った
紀本の説明では箕部に牧野が罠にはめられ、一人で思い悩んだ結果、自殺してしまったということになります。
しかし半沢はこう考えていました。
- 牧野副頭取に棺の会のメンバーが一人で背負わせた
- 誰一人本当のことを言わず、保身に走り責任から逃れた
- なのに牧野にはこのままでは旧Tが崩壊すると圧力をかけた
半沢はキッパリ言います。「あなた達が牧野さんを殺したんだ!」と。
それを聞いて崩れ落ちる紀本に、肝心の伊勢志摩ステートが箕部に金を渡した痕跡が書いてある書類の行方を問い詰めます。
すると紀本は最初は言いませんが半沢に怒鳴られてついに白状します。
それは頭取と一部の役員しか入れない地下5階に隠されていました。
紀本と一緒に向かう半沢たち、しかし既に何者かに持ち去られていたのです。
誰が持ち出したのか?半沢は福山にここに来るまでの間に誰かに話さなかったかと聞きます。
当然、福山は大和田に報告の義務があるので連絡していました。
書類を持ち出した人間、それは大和田に違いないと半沢は考えます。
首謀者は紀本だった
5:ドラマの結末
半沢は大和田の居場所を突き止めてホテルに乗り込みます。
するとそこには大和田と頭取、さらに箕部もいたのです。
半沢は大和田に書類の行方を聞くと、頭取に渡したと言います。大和田もまた頭取から特命を受けたスパイでした。
そして話を聞いた箕部は書類の入った封筒を見せます。
それがどういうものか理解した上で渡しているのか問い掛ける半沢に、わかった上で渡しているといいます。
要するに銀行は不正を表に出して謝罪するのではなく、不正を隠すという選択をしたのです。
信じていた頭取に裏切られた半沢、納得ができないと反発します。
しかし箕部はこれが表に出たら頭取の念願だった、行内融和は二度とかなわないといい、銀行と政府は共存共栄していこうじゃないかといいます。
それに対し半沢はキッパリと「これは政治家と銀行が手を組んだ犯罪です」と一刀両断です。
頭取に必死の訴えをする半沢ですが、頭取の返答は帝国航空の件を外れてもらうといい、出向をちらつかせます。
そこで箕部が謝ったほうがいいと割って入り、なんと自分と頭取に“土下座”をしろと言い出したのです。
当然半沢は土下座をするつもりはありません。すると大和田が半沢の腕を掴み土下座させようとし始めました。
拒む半沢を強引に土下座させようとする大和田、終いには上に覆いかぶさって重みで土下座させる勢いです。
このまま強制土下座をさせられてしまうのか?そう思った瞬間、半沢は起き上がり上に乗ってた大和田はすっ飛んでいきました。
半沢は言います、自分は銀行を信じている、そして頭取に向かい全銀行員への裏切り行為だと叫びます。
箕部に対しても醜い老いぼれと罵り、3人まとめて倍どころか1000倍返しだ!と啖呵を切りました。
果たして半沢は1000倍返しできるのか?最終回へ続きます。
【半沢直樹(2020)】9話の補足
番組内で出てきた資料の数々が面白かったのでこちらで補足します。
1:福山のデータ内容について
データ魔の福山がどういうデータを記録しているのか?
以前、紀本が同じ食堂にやってくるということも調べ上げていた福山、今回も灰谷の行きつけの店を調べていました。
棺の会のメンバーのデータが出てきたのでそれを紹介します。
- 紀本平八
- 【社員番号:408038】
- 債務管理担当常務
- iPhone 11 ブラック
- 手帳(革・B6サイズ)
- ダブルスーツ
- ポケットチーフを欠かさない
- 柄のネクタイ多
- 灰谷英介
- 【社員番号:428199】
- 法人部部長代理
- iPhone 11 ブラック
- 手帳(ネイビー・A5サイズ)
- 紙派で手帳は肌身離さず持っている
- 古風な眼鏡を愛用
- 荒木裕二
- 【社員番号:408038】
- 取締役
- iPhone 11 ブラック
- 手帳(ブラック・B6サイズ)
- ショルダーバッグを愛用(所持品が少ない)
- ガムを常に持っている
- 武田健輔
- 【社員番号:410173】
- 取締役
- iPhone 11 ホワイト
- 手帳(茶色・B6サイズ)
- ハンカチとティッシュを必ず携帯
- マネークリップを愛用(シルバー)
- 前島浩二
- 【社員番号:410082】
- 審査部部長
- iPhone 11 Pro スペースグレー
- 手帳(リング型・A6サイズ)
- ウエットティッシュと爪楊枝を必ず携帯
- 中野渡謙
- 【社員番号:390222】
- 頭取
- iPhone XS max シルバー
残念ながら頭取の部分はここで見切れてしまっています。
揃いも揃ってみんなiPhoneと手帳を携帯している棺の会のメンバーです。
2:金の分配先について
紀本の白水銀行にある口座から、棺の会のメンバーに分配されていた明細が出てきたので紹介します。
日付 | 種別 | 適要 | 金融機関 | 金額 |
---|---|---|---|---|
H.19.8.7 | 入金 | イセシマステート(カ | 10,000,000 | |
H.19.8.7 | 振込 | アラキユウジ | カンサイシティ | -1,800,000 |
H.19.8.7 | 振込 | タケダケンスケ | トウキョウシュト | -1,700,000 |
H.19.8.7 | 振込 | ハイタニエイスケ | ダイトウキョウ | -1,500,000 |
H.19.8.7 | 振込 | マエジマコウジ | カンサイシティ | -1,000,000 |
H.19.8.7 | 振込 | シバタキヨシ | カンサイシティ | -1,000,000 |
H.19.8.7 | 振込 | カトウマサオ | トウキョウシュト | -500,000 |
H.19.8.7 | 振込 | ナカノワタリケン | ダイトウキョウ | -500,000 |
なんと頭取にも50万円振り込まれています!
頭取も彼らとグルになって金儲けをしていたのか?
それとも牧野副頭取の時のようにハメられているのか?
今の所はハッキリわかりませんが、最終回でそれが明らかになるのか楽しみです。
【半沢直樹(2020)】9話のその他気になったこと
- 半沢のモノマネをする瀬名社長
- 迷宮のような伊勢志摩支店
- 大和田との2ショット写真に親指を立てて写る半沢
- なぜかわからないが写っていたクレジットファイル
- 勝手にデータを転送し始める半沢
- 乃原にザコ呼ばわりされる半沢
- 紀本と乃原の年齢差が実はそんなにない設定
- 灰谷が好きなのはたいこ茶屋の本マグロ大トロ丼
- “D”があるかと思ったら省略されて“Z”
- “D”の文字はDaiwa食品のDで発見
- 苦悶の灰谷を尻目に平然と食事をする客たち
- 土下座の連呼をし最終的にすっ飛ばされる大和田
【半沢直樹(2020)】9話の感想
信じていた頭取も実は裏切り者だったと知らされる回でした。
しかし本当に頭取も大和田も裏切り者なのか?まだ疑問が残ります。
実は2人とも箕部を排除するために、一芝居打っているのではないか?とも考えられます。
もしかすると頭取が箕部を巻き込んで、共に身を引く作戦もありそうです。
銀行内のゴタゴタが先んじて、帝国航空の建て直しの件はどうなっているんだ?とも思いますが、先に進むには銀行の浄化が先決ということでしょう。
今回の一番の盛り上がりはやはり強制土下座のシーンでしょう。
“土下座”というワードに涙腺がついつい緩んでしまう大和田の表情がなんとも印象的です。
そして必死に抗う半沢に乗っかり強引に土下座に持ち込みます。
あと少しで土下座かと思った瞬間、起き上がった半沢にすっ飛ばされる大和田が面白すぎます。
また、前回で黒崎の登場はなくなってしまうのかと思ったら、颯爽と助太刀にやってきたのも良かったです。
次回で最終回となってしまう半沢直樹、どうやって終わるのか今から楽しみでなりません。
次回は9月27日21時から15分拡大で放送予定です。