【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】3話のネタバレと感想|狙撃手と父の謎

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WOWOWのドラマ【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】3話のネタバレと感想をまとめています。

アシㇼパの父の古い友人であるキロランケから聞いた話は、アシㇼパには信じがたいものだった。一方、谷垣は尾形に狙われ反撃するために、手にしたのは二瓶の銃だった。さらに第七師団は造反者が誰か、炙り出そうとしていた。

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【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】3話のあらすじ

杉元佐一(山﨑賢人)たち一行は、川でアシㇼパの父の友人・キロランケ(池内博之)と出会う。彼の村にやってきた土方歳三(舘ひろし)の話ではのっぺら坊は、ウイルク(井浦新)だという。「そんなの嘘だ!」と信じられないアシㇼパ(山田杏奈)だが、キロランケはアシ?パの和名をのっぺら坊は知っていたと教える。

一方、谷垣源次郎(大谷亮平)が手伝いを終えて戻ると、そこには二階堂浩平(柳俊太郎)と尾形百之助(眞栄田郷敦)がやってきていた。一度は出て行った尾形たちだが、突然谷垣を狙撃してくる。

谷垣は二瓶鉄造(藤本隆宏)の単発銃を手に、尾形との戦いを始める。

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【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】3話のネタバレ要約

父の旧友であるキロランケから、のっぺら坊はウイルクだと聞かされ、さらに海外から2人は北海道にやってきたことを知らされる。

一方、谷垣は追ってきた尾形と激闘を始めるが、さらに尾形を追ってきた第七師団も加わり、尾形はその場から逃げた。

直接のっぺら坊に父なのか確かめに行くため、アシㇼパたちとキロランケは網走を目指すことにした。

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【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】3話詳細なネタバレ

父の旧友との再会

イトウを取りに川へ向かった杉元佐一(山﨑賢人)たちは、川の向こうに人影を見つける。

すると、その人影が手を振った。近づいてみると、その人物はかつてアシㇼパ(山田杏奈)の父・ウイルク(井浦新)が話していた昔の友人、キロランケ(池内博之)だった

彼らは川で獲ったイトウを囲んで食事を始めた。静かに焚き火がパチパチと音を立てる中、キロランケが口を開いた。

「杉元、不死身の杉元か?」

不意の問いに、杉元は驚きつつも眉をひそめた。「なぜそれを?」

キロランケは少し微笑んでから答えた。「俺は第七師団の一員だった」

杉元は身を乗り出す。「鶴見中尉の手下か?」

キロランケは首を横に振る。「俺がいた小隊の中尉は別の人間だった。それに、もう軍を辞めて村で静かに暮らしている。鶴見とは何の関わりもない」

杉元は少し考え込む。第七師団は大規模な軍隊で、鶴見中尉(玉木宏)の部隊とは限らないということに納得し、肩の力を抜いた。

「名前とその顔の傷でピンと来た」キロランケは言った。「こんなところで戦争の英雄に会えるとはな」

杉元は眉間にシワを寄せた。「英雄なもんか。俺は死に損なっただけだ」

キロランケは杉元をじっと見つめた後、アシㇼパに目を向けた。「ところで、なぜアシリパはお前と一緒にいる?」

「相棒だからだ」アシㇼパは即答した。「そしてこっちの白石は…ただの役立たずだ」白石由竹(矢本悠馬)は苦笑いを浮かべた。

アシㇼパとキロランケが最後に会ったのは、父親の葬式の時だった。その記憶が今、二人の間に重く流れている。キロランケはふいに神妙な顔をして言った。「実は、アシㇼパに伝えることがある。網走監獄で起きたこと、俺は知っている」

その言葉にアシリパの目が鋭く光った。「何を知っているんだ?」

キロランケは静かに語り始めた。「ある日、俺の村に網走監獄にいたという老人が現れた。その老人は、ある女性を探していた。『小蝶辺明日子という娘を知らないか?』と」

アシㇼパはその名を聞いた瞬間、息を呑んだ。「どうしてその名を…?」小蝶辺明日子、それはアシㇼパの和名だった。それを知る者は、死んだ母と父だけのはず。

「のっぺら坊がその老人にだけ、暗号を解くヒントを与えたんだ。」キロランケは続けた。「そして、その老人は言った。『小樽にいる、小蝶辺明日子。その娘に金塊を託すつもりだった』と。」

「のっぺら坊…一体何者なんだ?」杉元が問い詰めた。

「のっぺら坊はアシㇼパの父親だ」キロランケの言葉は、まるで刃のように鋭かった。

「嘘だ!」アシㇼパは感情を抑えきれずに叫んだ。「アイヌを殺して金塊を奪うなんて、そんなの嘘だ!」

杉元は困惑した表情でキロランケを見た。「どうしてそれが父親だと分かるんだ?」

キロランケは一瞬、目を伏せてから立ち上がった。「続きは後だ」

追っ手

谷垣源次郎(大谷亮平)が家に戻ると、二階堂浩平(柳俊太郎)がフチ(大方斐紗子)の肩を優しく揉んでいる姿が目に入った。思わず足を止めた谷垣は、さらに奥の部屋に視線を向けると、そこには尾形百之助(眞栄田郷敦)も静かに座っていた。

「なぜ鶴見中尉の元に戻らない?」尾形が冷たい声で尋ねた。

谷垣は一瞬言葉を詰まらせたが、落ち着きを取り戻して答えた。「しばらくここに残って、助けてくれた恩を返すつもりだった」

尾形は目を細めながら淡々と言った。「玉井伍長は今も行方不明だ。野間も岡田も、お前と行動していた連中は誰一人として戻ってこない」

谷垣は重く息を吐いた。「不審な猟師を追跡していたんだ。途中で俺だけはぐれてしまったが、玉井伍長たちは隊に戻っていると思っていた」

その時、二階堂がじっと谷垣を見つめ、「玉井伍長から何か聞いてるんだろ?」と問いかけた。尾形はそれに乗じて、「お前が玉井伍長を殺したんだろ」と断言するように言った。

突然、二階堂がフチの頭に銃を突きつけた。谷垣の血の気が引き、必死に尾形に頼み込んだ。「どうか、この人たちだけは…」

尾形はしばらく黙っていたが、やがて立ち上がり、冷ややかな微笑みを浮かべた。「冗談だよ。玉井伍長に関してはカマをかけていただけだ。お前がここで恩返しをしたいなら、好きにすればいい。俺は何も見なかったことにしてやるさ」

谷垣は緊張の糸が一瞬ほぐれたが、尾形は続けた。「ああ、ところで…不死身の杉元を見たか?」

その問いに、谷垣は一瞬息を止めたが、すぐに「いいえ」と答えた。

谷垣は、これ以上ここにはいられないと感じ、フチにそのことを伝えようとするが、言葉が通じない。オソマ(永尾柚乃)に通訳を頼んだが、彼は首を振って伝えてくれない。フチは察したかのように寂しげな表情で「出ていくのか?」と問いかけた。

その時、オソマが「谷垣ニシパ」と声をかけた瞬間、窓から銃弾が飛び込んできた。谷垣は反射的に身を伏せ、オソマにも伏せるように命じた。額をかすった銃弾の痛みに顔をしかめながら、外を覗くと尾形が狙いを定めていた。

「今あそこで殺しておくべきだったんじゃないか?」二階堂が冷たく言う。

尾形は冷静に答えた。「あそこでやれば、目撃者も始末しなければならなかっただろう。ばあちゃん子の俺に、そんなことをさせるな」

尾形は続けた。「玉井伍長は谷垣を説得できず、返り討ちにあった。それが一番自然な考え方だ。谷垣は回復するまでアイヌの村に潜んで、我々の謀反を鶴見中尉に伝えるつもりだったに違いない」

谷垣は窓を塞ぎながら、何が狙われた理由なのか思い返していた。思い当たるのは、あの時の玉井伍長との会話だった。玉井が言った。「もし鶴見中尉を裏切るとしたら、お前はどっちにつく?」

谷垣は当時、ただ「誰です?」と答えたが、玉井は「さあな」と曖昧に濁していた。それが尾形上等兵を指していたのだと、今になってようやく理解した。

谷垣は心を決めた。「もはやあいつらは第七師団でも何でもない。単なる俺の敵だ」彼はアイヌのハチマキを締め直し、静かにそう宣言した。

戦闘開始

谷垣は窓から外を覗くために、棒の先に双眼鏡を固定して慎重に外の様子を確認しようとした。だが、その瞬間、鋭い音とともに尾形の銃弾が双眼鏡を正確に撃ち抜いた。

次に谷垣は、囲炉裏の燃えさしをござで包んだものを外へ投げ捨てた。それを見た二階堂は煙幕のつもりかもしれないが、煙は薄くほとんど効果がないと言う。それでも尾形は冷静に言った。「移動するぞ。あの薄い煙幕は、この場に釘付けにするためだ。その隙に完全な死角から逃げるつもりだ」

谷垣は決断を下した。壁を壊して外に出るしかない。フチに「必ず戻って直すから」と誓い、外へ出る直前、フチがそっと谷垣の頭に手を置き、静かに祈った。「神様…谷垣ニシパをお守りください」

さらに、オソマが駆け寄り、包みを手渡した。「リュウが安心するから、寝るとこに隠しておけってアシㇼパが」包みを開けると、中には二瓶鉄造(藤本隆宏)の単発銃が入っていた。谷垣はその重みを感じながら、かつて二瓶が語った言葉を思い出した。「一発で決めねば殺される。だから腹が据わるんだ」

その頃、尾形たちは移動し始めていた。谷垣が壁に穴を開けて逃げたことを確認すると、尾形は静かに呟いた。「やられたな、谷垣狩りだぜ」

外に出た谷垣は、手にした銃を確認した。装填されている弾は一発だけ。彼は重々しい足取りで、杖をつきながら山を歩き続けた。しばらくして、倒れた鹿の遺体を見つけた。「ヒグマの仕業か…使えるかもしれん」谷垣はそう呟き、慎重に周囲を見渡した。

一方で、尾形と二階堂は谷垣の行方を探していた。「奴はマタギだ。山でどう逃げれば追手を困らせるか、知り尽くしている」尾形の冷静な分析に、二階堂は不満げに答えた。「もういいんじゃないか?どのみち俺たち、鶴見中尉のところには戻れないだろう」

だが尾形は険しい表情を崩さなかった。「谷垣が他の造反者を鶴見中尉に報告するかもしれん。金塊を手に入れるためには、内通者を残しておく必要がある。谷垣の口は塞がねばならない

二階堂は、苛立ちと怒りを露わにしながら吐き捨てるように言った。「もう金塊なんてどうでもいい。一分一秒でも早く、杉元佐一をぶっ殺したい!」

二瓶の魂

ふと前方に焚き火の煙が立ち昇るのが見えた。その様子を見ていた尾形は、二階堂に命じた。「確認してこい」

二階堂は素早く焚き火の方へ向かい、慎重に周囲を見渡した。焚き火のそばには倒れた鹿の死体があり、さらにその近くには松葉杖の跡も残されていた。それを見た二階堂は手を上げ、谷垣で間違いないと尾形に合図を送った

だが、尾形はその場を見つめ、冷静に判断した。「絶対に罠だ」そう確信した瞬間、静寂を破るようにどこからともなく巨大なヒグマが姿を現し、猛然と二階堂に襲いかかった

二階堂の悲鳴が響く。ヒグマの鋭い爪が彼を引き裂き、二階堂の耳は無残にも千切れ飛んだ。その様子を見ながらも、尾形と谷垣は互いに銃を構えた。谷垣は尾形が撃つのを待っていたが、尾形は冷静に間を測っていた。その間にも、二階堂はヒグマに押さえつけられ、血まみれで苦しんでいる。

そして、尾形がついに銃を撃ち、ヒグマは大きな唸り声を上げてその場から退散した

尾形は静かに立ち上がり、両腕を広げた。「俺はここだぜ、谷垣。撃ってみろ」その挑発に、谷垣の目が鋭く光る。谷垣は狙いを定め、引き金を引いた。銃声が山に響き、命中すると尾形の体が吹っ飛んだ

その瞬間、谷垣は一瞬の興奮に浸り、「勃起!」と仕留めた達成感を叫んだ。しかし、背後から冷たい声が響いた。「動くな、谷垣」

その声に、谷垣は息を呑んだ。「その声は…三島か?」と問いかけると、振り向いた先にはやはり三島剣之助(濱正悟)が立っていた。

逃亡

谷垣は三島の背後に立っていた。その冷たい声が響いた時、三島は静かに告げた。「俺はずっと尾形と二階堂を尾行していたんだ」

驚いた谷垣に、三島は続けた。「居場所は鶴見中尉に逐一報告されている。奴らは他の造反者をあぶり出すため、鶴見中尉に泳がされていただけだ」

三島の言葉に、谷垣は少し息を飲んだ。だが、三島は優しい眼差しで谷垣を見つめ、「お前は裏切っていなかったとわかってる」と理解を示した。そして、尾行していた仲間が報告に行ったから、一緒に戻ろうと誘った。

その瞬間、鋭い銃声が響き、三島のこめかみを撃ち抜いた。谷垣は反射的に身を隠し、周囲の様子を伺った。だが、瞬時に彼は悟った――尾形を仕留め損なったのだ。

尾形は、なんと双眼鏡で谷垣の放った銃弾を受け止め、無事だったのだ。

すぐにその場を離れようとする尾形を、鶴見中尉の部隊が追っていた。鶴見中尉は部下に冷静な指示を出した。「頭は撃つな」

しかし、三島の死を確認し、さらに二階堂が無事であることを確認すると、鶴見中尉は決断を変えた。「尾形の頭を打ち抜いてよし」

尾形が反撃し、追手の勢いを削いだ瞬間、鶴見はその光景をじっと見つめ、冷ややかに呟いた。「尾形百之助、つくづく惜しい男だ」

尾形は身を低くし、草むらに潜んで再び反撃のチャンスを伺った。彼は冷静だったが、激しい戦いの中で一発の銃弾が彼の腕を貫いた。尾形は息を荒らげながら、深い森の中に身を引き、呟いた。「一旦引くか…」そう言い残し、静かにその場を去っていった。

粛清

冷たい空気が漂う中、二階堂は真ん中に座らされ、鶴見中尉がゆっくりと彼に近づいていった。鶴見は二階堂をじっと見つめ、「左右対称じゃないな…」と呟くと、逆の耳を無情に削ぎ落とした。二階堂の顔から流れる血を無視して、鶴見はその耳に向かって尋ねた。「造反者は他に誰がいる?」

二階堂は顔をしかめながらも、笑みを浮かべる。「貴様の顔で福笑いしてやろうか?」と言い放つ鶴見が、彼の鼻にカミソリを押し当てたが、二階堂は微塵も怯まず、「どうぞ、みんなで楽しんでくださいよ」と不敵に笑った。

鶴見は少し微笑みを浮かべたが、すぐに声を低くして囁いた。「杉元を殺させてやる」

その瞬間、「小宮です!」と二階堂はすぐに吐いた。小宮はその場で鼻を切り落とされ、次の瞬間、銃声が響き、小宮は射殺された。その一部始終を、谷垣は高所からじっと見守っていた。

やがて、尾形を見失ったという報告が鶴見のもとに届いた。鶴見はその報告を聞くと、静かに笑みを浮かべて言った。「さすが曲りなりにも、軍神のせがれだな」

月島基(工藤阿須加)が「自分が尾形を殺しに行く」と志願したが、鶴見は冷静に制した。「やつも刺青を狙っている。殺す機会はすぐにやってくるだろう」鶴見は一瞬の猶予も与えず、次の行動を決めていた。

そして、鶴見中尉とその部隊はその場を後にした。

父のルーツ

杉元たちが村に戻ると、谷垣もすでに帰ってきていた。彼はすっかりアイヌの暮らしに馴染んでおり、その姿に、アシㇼパは満足げな表情を浮かべた。「鶴見のところに戻るつもりがないなら、そのままいてくれていい」と、彼女は優しく言った。

その時、キロランケがそばに置かれたトンコリを見て、懐かしがりながら話を始めた。「昔、アシリパの父と一緒に日本に来たんだ」

彼の話によると、ロシアの極東、アムール川流域や樺太には、北海道のアイヌとさほど変わらない生活をしている少数民族が多く住んでいるという。キロランケとアシリパの父は若い頃、その地から海を渡り、北海道へとやってきた。北海道でそれぞれアイヌの女性と結婚し、家族を持ったという。

その後、土方歳三(舘ひろし)がキロランケのもとを訪ねてきた。彼は「小蝶辺明日子のことを知っているか?」と問うた。キロランケは「和人を探すなら、和人の街に行けばいいのではないか」と答えたが、土方は続けて言った。「小蝶辺明日子は娘の和名だ。父親から聞いた。彼女のアイヌ名はアシㇼパ。父親は自分がアイヌだと言っていた」

キロランケは眉をひそめた。「その男は5年前に死んだと聞いている」

土方はさらに続けて言った。「娘に会ったら確かめてくれと言われていることがある。その娘は自分と同じ青い目をしている。自分はポーランド人と樺太アイヌの血を引いていると

キロランケは静かに答えた。「娘のことは知らない。おそらく、その囚人は偽者だ」キロランケは北を指差して言った。「北に行けば、そんな者は多い」

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【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】3話の結末

杉元は焚き火を囲んで、キロランケに問いかけた。「金塊について、何か知っていることはあるのか?」

キロランケはしばらく考え込み、答えた。「疎遠になっていたから、詳しいことはわからない」

「のっぺら坊がアイヌの軍資金を独り占めしたいとは思えない。何か目的があったんじゃないか?」杉元はそう続けたが、キロランケは首を振った。「わからない」

一方、白石はアシㇼパに問いかけた。「刺青を見て何かピンとくることはないのか?」

だが、アシㇼパは沈黙したままだった。杉元は「全部集めないと解けないだろう」と確信を持って言った。

その時、アシㇼパが決意を込めて口を開いた。「のっぺら坊に会いに行く。アチャなのか、この目で確かめたい。本当なら、全てを話してくれるはずだ」

杉元は即座に答えた。「なら、俺も一緒に行く。相棒だからな」

白石は苦笑して首を振った。「甘いな。のっぺら坊は足の腱を切られていて、満足に歩けない上、金塊を狙う看守たちに常に監視されている。本人に会うなんて、まず不可能だ」

白石は不敵に笑い、「脱獄王の協力がなきゃな?」と冗談めかして言った。すると、キロランケが静かに白石の刺青を見つめ、「剥がせってことか」と見てすぐに理解した。

「俺も行く」キロランケは同行を願い出た。「同じ国からやってきたから責任を感じる。相応の取り分を取るのは構わないが、残りはアイヌに返すべきだ。最後まで見届けたい」

アシㇼパはそれを聞き、キロランケを見つめてうなずいた。「一緒に行こう」

その後、網走に向かう道筋について話し合った。谷垣が地図を指しながら言った。「ここから網走に行くには旭川を通るが、第七師団の本部がある場所だ。近づかないほうがいい」

結局、旭川を迂回して札幌を目指し、道南から網走に回り込むルートを取ることに決まった

翌朝、出発の準備をしていたキロランケは、手に手投げ弾を持っていた。それを見た杉元が驚くと、キロランケは語り始めた。「俺は工兵だった。二百三高地では、即席の手投げ弾を大量に作って、ロシア軍の堡塁を爆破したもんさ」

谷垣は残ることを決め、フチたちの世話を続けることになった。一行は馬に乗り、網走を目指して出発することにした。

道中、白石が杉元に耳打ちした。「あの男、信用できるのか?」

杉元は「まだのっぺら坊のことを隠してる」と思っていた。

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【ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―】3話のまとめと感想

のっぺら坊に会って父かどうか確かめる旅に、キロランケと一緒に出るという話でした。

キロランケはのっぺら坊がアシㇼパの父だと言い、自分と同じ海外から来た人間だと明かします。その話を信じられないアシㇼパは、確認するための旅に出る事にしました。

今回の話の見所は、やっぱり尾形です。谷垣との戦いは、互いにどちらが引き金を引くかの駆け引きが面白かったです。さらに第七師団に追われる間も、勢いを削ぐために殺さずに狙いを定めて撃ちます。

鶴見中将の粛清方法がなかなかに残酷なので、怖いのが苦手な人は注意が必要な回かもしれません。

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