【下剋上球児】4話のネタバレと感想をまとめています。
高校野球選手権の県大会が始まり、越山高校野球部が1回戦で当たったのは、同じ県立高校のチームだった。越山が先制し、翔は無失点で抑え続ける。試合を終えた時、南雲はある決断をするが……。
【下剋上球児】4話のあらすじ
高校野球選手権三重大会が開幕した。越山高校野球部の対戦相手は、同じ公立高校の野球部だった。事前に詳細な分析をしていた越山高校は、奇襲作戦で先制点を取る。エースの犬飼翔(中沢元紀)のピッチングも調子よく、無失点で抑え続けてきた。
しかし、相手の監督の作戦により、翔は疲労が溜まりストライクが入らなくなってしまう。やがて逆転をされてしまい、南雲脩司(鈴木亮平)は根室知廣(兵頭功海)にピッチャーを交代する。続く根室のピッチングも冴え、何とか追加点を取られずに済んだ。
1対2で迎えた9回の表、越山高校の攻撃が始まる。勝負の行方はどうなるのか?そして、南雲が下した決断とは……?
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【下剋上球児】4話の見逃し配信
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4話のネタバレ
甲子園県大会予選が開始
2016年7月、全日本高等学校野球選手権三重県大会の1回戦が開幕した。多気高校と越山高校の一戦が始まる。日沖壮麿(小林虎之介)は紺野毅(山本浩貴)やジョンソン(新浜レオン)に応援に連れてこられた。
多気高校は公立高校のチームだから勝てるだろうと、楽観視する横田宗典(生瀬勝久)だが、南雲脩司(鈴木亮平)は監督の葛西(浅野和之)は何高かを渡り歩いてきたベテランだと忠告した。
この試合の前に対戦相手を徹底的に分析するために、キャッチャーの富嶋雄也(福松凜)や南雲も協力し、部員たちを集めて体育館でミーティングが行われた。覚えるのを面倒臭がる部員たちに横田は、ゲームで敵の弱点とかを覚えておくようなものだと言い、部員たちはその気になった。
南雲は初球からバントでいこうと指示を出し、横田がサインを送る。久我原篤史(橘優輝)はその指示に従ってバントをし、見事にバントヒットとなった。さらに盗塁も成功させ、2塁にまで到達する。南雲はバスターでいこうと指示すると、ボールは転がり1塁アウトの隙に久我原がホームに帰還し1点を先制した。しかし、続く楡伸次郎(生田俊平)がファーストライナーで攻撃を終えた。ベンチでは1点を取ったことで、チームの士気が上がった。
1回裏、多気高校の攻撃。犬飼翔(中沢元紀)は事前の対策通りに投げて、打者を打ち取った。青空(番家天嵩)と七彦(中村シユン)も遅れて試合を見に来た。
崩壊の足音
大事な話があると言って美香(井川遥)は青空と南雲と七彦の4人で集まった。美香は8月から1年間だけ、もう一度東京で働くことを決めたと言い、青空となぎさ(倉田瑛茉)も一緒に連れて行くという。だが、七彦と南雲は三重に残ることになった。
青空は自分も残るというが、南雲はお母さんと一緒に行って欲しいと頼むと、青空は「邪魔なの?」と反発し、転校するのが嫌だと言って場を離れた。七彦は無理してでも青空を連れて行ったほうがいいと主張し、南雲も同意した。なぜなら、南雲のことが表沙汰になったら、学校でどんな事を言われるかか分からないからだった。
一方、野球の試合では守備も順調に機能し、4回の表で越山が1対0でリードしている状況だった。賀門英助(松平健)は学校で生徒たちと中継を見ていた。すると畑山(渋江譲二)から電話が入り、南雲の件について大学に問い合わせた結果、南雲は卒業しておらず、中退していることが判明した。教員免許についても確認しようかと提案されるが、賀門は「ちょっと待ってくれ。今は南雲にも俺にも、やらなければいけないことがあるんだ」と断った。
ピッチャー交代
4回の裏、相手チームはバントの構えで攻撃を仕掛け、翔の体力を奪い、後半に勝負をかけてくるその名もスーパーバント大作戦を展開する。
6回の裏、やがて翔はストライクが入らなくなり、南雲は伝令を出すことにする。バント処理はしなくていいと伝令が伝え、久我原を前に出して処理させることに決めた。これにより、外野が2人という極端なシフトを敷いた。
8回の裏、試合は1対0のままで進行していた。相手チームがライト前ヒットを打ち、続く打者はホームランで2点を取り逆転されてしまう。
そこで根室知廣(兵頭功海)に交代することを南雲は決める。応援に来ていた根室の姉の柚希(山下美月)も一段と声を上げた。根室は雰囲気に飲まれそうになるが、南雲が「根室!いつもどおりいけ!」という声援を受けて根室はうなずき、南雲からもらったグローブの内側に書かれていた『乾坤一擲』の文字を見て覚悟を決める。その結果、無失点で相手を抑えた。
試合の結果
ベンチに戻って来た部員に、横田がうまく言えず代わりに南雲が声をかける。点差は1点差であり、ここで追いつけばまだ逆転のチャンスがあることを伝える。山住香南子(黒木華)は「勝てば3年生と、南雲先生とまだ一緒に戦える」と励まし、南雲は「夏に一勝!するんだろ!」と檄を飛ばした。日沖誠(菅生新樹)も「ザン高の負の歴史、変えるで!」と気合を入れた。
9回の表、越山の攻撃が始まる。南雲が作戦を指示し、根室は外角のボールを大ぶりして、続く内角に来た球を狙い打ち、レフト前にヒットを打った。得意な球の逆の球を振っておく作戦が成功したと山住は喜んだ。
しかし、続く久我原は送りバントに失敗してしまう。続く富嶋がバントを決めてランナーを2塁に進めた。次は翔の打順だった。代打のチャンスに兄が出ないことに不満を抱く壮麿が、応援席にいた校長の丹羽慎吾(小泉孝太郎)に理由をたずねに行く。彼は自分から出ないと言ったと教えられると、悪いのは兄貴ではなく、自分だと壮磨は悔しげに言った。
みんなが翔に声をかけ、翔は集中する。翔が振り抜いたバットはボールを捉え、ホームランかと思われた。しかし、外野がフェンスギリギリまで走り、ぶつかりながら差し出したグラブの中に球は収まり、スーパープレーで試合が終了した。
整列をした誠は深々と頭を下げて「ありがとうございました」と大きく挨拶した。試合は1対2で越山高校の負けだったが、9回まで初めて試合を続けることができたことに部員たちは喜んだ。南雲も彼らの姿を見て、「よく戦いました」と讃えた。
最後の夏に感謝
試合が終了した後、横田が応援に来た人たちに挨拶をする。その後、誠が変わって挨拶をし、応援してくれたのに負けてしまったことを謝罪した。彼は「最後の試合だから勝ちたかった」と語り、部員たちとの思い出を振り返った。
自分が1人の時もあったが、球拾いでもみんなと野球ができたらと思っていたこと、南雲や山住先生、横田監督がいて、グラウンドも整備され、1年生も入部してくれて嬉しかったことを語った。最後に「これからもザン高野球部、応援してください」と涙ながらにまとめた。その感動的な瞬間を遠くで見つめていた壮麿は、悔しさのあまり壁を叩いた。
部員全員は頭を下げ、応援してくれたみんなに挨拶をした。南雲は誠に手を差し出して、きつく握手を交わした。翔に来てくれてありがとうと、3年生部員たちが声をかける。彼らは「来てくれなければ今日はなかった」と感謝の意を表した。
その後、部員たちはコンビニに行き、南雲が労い奢りでふるまった。南雲は、9回表の緊張で脚が震えたことを告白し、部員たちがどんどん怖いものなしになっていたことを褒め称えた。彼は「これからも自信を持っていいんだ。この先も君たちを見ていたかったな」と語った。
最後に南雲は学校もこの夏で辞めることを報告し、短い間であったが多くのことを学び、深く感謝していると深々と頭を下げた。3年生はここで解散し、1年生と2年生は学校に戻って練習を続けることになった。
それぞれの変化
誠がは自宅に戻ると、丸坊主の壮麿が出迎えた。壮磨は「兄ちゃん。俺野球部入るわ」と宣言する。ユニフォームが真っ白なままの誠になぜ最後の試合に出なかったのかたずねる。誠は「俺がそう決めたからそれでええねん」と語った。
壮麿はその言葉を聞いて悔し涙を流す。彼はピッチャー全然活かせてない、あの展開で勝てないほうがどうかしていると泣きながら語り、「俺がザン高勝たしたるわ」と決意した。その言葉を聞いた誠は、嬉しさのあまり笑った。
一方、翔の活躍を報じるテレビを見ていた犬飼樹生(小日向文世)は、テレビの人が褒めていると喜んでいた。翔は「でも負けた」とつぶやいた。樹生は以前約束したことを思い出し、これから余計なことを言わないようにすると誓う。
翔が負けたのにと言うと、樹生は「どっちでもいいよ」と言い、もう留学しろとか言わないと約束する。翔がザン高にいてもいいのかと問うと樹生は、「あのチームには、翔君必要だもん。そうでしょ?」と笑顔で答えた。
南雲は自宅で引き継ぎの資料を作成していた。そこに青空がやってきて、眠くならないという。一緒にアイスを食べながら、青空は東京に行きたくないと話す。東京にも友達がいるが、みんな中学受験を目指して塾通いをしていて、「俺はそういう競争社会に、ついていけないんだよ」と大人びたことを語った。
南雲は母親と話し合ってみることを提案し、東京に行ってどうしても無理なら相談してくれるように伝えた。青空に「母さんと脩ちゃんは離婚しないよね?」と言われると、南雲は笑いながら「しないよ」と断言した。
南雲の罪
南雲が退職の日になり職員室で片づけをしていると、校長がやってくる。校長は「お話よろしいですか」と尋ね、その夜、車の中で2人で話すことになった。
事情を話さず、年度末で学校を辞めるつもりだったのかと校長が聞くと、南雲は生徒に恥じない教育者でありたかったと語った。
知り合いの弁護士に相談した結果、今回の件は教育職員免許法違反に加え、有印公文書偽造と同行使の罪に当たることが判明した。このため、最大23日間身柄を拘束され、捜査機関の取り調べを受けることになると告げられた。
生徒と保護者への対応やマスコミの対応は、県と学校が行うことになった。南雲は生徒と保護者に謝罪する機会を与えてほしいと願いうが、校長は「それはできない」と断り、処分が決まるまで、生徒とも保護者とも一切接触しないでほしいと告げた。「私としては…何とも遺憾です」と校長は悔しさと残念な思いが入り混じった。
野球との決別
引っ越しの前日、南雲は樹生から電話が入り、「とにかく大変なことになっているから、今すぐ来て」とだけ言われる。その日は松阪祇園まつりが開催されており、樹生の家に到着すると、大勢の人が集まっていた。
樹生はサプライズの慰労会を催してくれた。山住や横田も訪れており、樹生は南雲に対して「先生辞めるんだって?野球部戻ってこない?」とたずねた。樹生に野球部に未練があることを指摘され「他人事みたいに言わないで、これからも一緒にやろうよ」と説得される。しかし南雲は「それは無理」と答えた。
そこで山住が南雲にも事情があるんだからと助けに入る。樹生はさらに詳細を知りたがると山住は怒った。すると樹生は感情を爆発させ、「なんでみんな私のことをバカみたいにいうの?分かってるよ、自分がバカだと思われてるってことぐらい」と叫ぶ。
樹生は「女房だって、何にも分かっていないと言って出ていったし、親父だってお前は一切何もするなといって、なにもさせてくれなかった。何もしないで、ただただ年とっただけ。1つぐらいさ、何か成し遂げたいって思っちゃいけないの!?」と訴えた。
樹生は南雲に共にザン高を勝たせようと誘い、余計な口出ししないで野球部を支えるからと約束する。南雲はその思いに応えたいと思いつつも、「すいません…」と頭を下げた。横田も心配そうに南雲のことを見つめる中、南雲は感謝の意を述べながら逃げるように立ち去った。
山住が南雲の後を追い、「大丈夫ですか」と問いかける。「無理やり野球部に引っ張ってすいませんでした」と言い、山住は「また教師をやるのは無理なのか?」と南雲にたずねる。南雲は「僕を雇う学校はないでしょう」と自嘲しながら答えた。
南雲は逆に山住に「監督をやるつもりはないのか?」とたずねた。山住は「わたしは…男子がなにを考えているのかようわからん。男子生徒は女先生の言う事、まともに聞かんでしょ」と語る。「男とか女とか、あんまり考えないほうがいいです。野球部の連中、みんな山住先生のこと信頼していると思いますよ」と南雲は告げた。
これからどうするのか?と山住が聞くと、南雲は「明日警察に行きます。全部僕自身が招いたこと、自業自得。こんな僕を誘ってくれて、ありがとう」と言って去り、山住は心配げに南雲を見送った。
4話の結末
引っ越しの日、南雲が駅まで送るというと、父が送るからと美香は断る。美香が窓を開けて手を振ると車は走り出す。美香は切なげに後ろを振り返り、南雲は車を見送った。その後、南雲は携帯を取り出して「今から行きます」と電話をかけた。
グラウンドでは新しく加入した壮麿が捕手をしていた。そこに賀門がやってきて、南雲と話をしに来たと告げる。山住が南雲は学校を辞めたことを伝えると、賀門は手紙をもらったと言う。「バカなのか、あいつは」と生徒たちを裏切った事に対して怒りを露わにした。山住は「こんな苦しい、自業自得ないですよ。あの子らになんて説明したらいいのか、わからんのです」と嘆いた。
美香を駅に送り届けた七彦は、時々でいいから帰っておいでと伝えた。電車に乗った青空は思い詰めた顔をして、「俺やっぱ、東京行きたくない!」と叫びながら電車を降りてしまう。脩ちゃんたちと一緒に暮らすと言いながら、自宅に戻ってきた青空だが南雲の姿がなくて困惑する。
南雲はスーツに着替え、校長と車の中にいた。校長が「行きましょう」と言うと、南雲は車から出て警察署へ向かう。警察署に到着すると、馴染みの警察官が声をかけてきて、「生徒が何かやらかしたか」と聞いてきた。南雲は「生徒じゃないんです。私です。私がやらかしました。不正を働きました。罪を償いたいと思い、伺いました」と告白した。
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【下剋上球児】4話のまとめと感想
野球部の夏は1回戦敗退で終わり、南雲は学校を辞めて警察に出頭するという話でした。
9回まで戦ったことがなかった野球部は、最後の最後にやっとコールド負けしないで終わりました。試合には負けましたが、部員たちは自分たちの進歩を喜びました。一方、南雲はけじめをつけに、学校を辞めて警察に出頭します。
明るい未来しかない部員たちに対し、前途多難な南雲の対比が、より部員たちをキラキラと輝かせます。純粋で無垢、何にでもなることができる部員たち。のびしろしかない彼らと、切羽詰った南雲。見ていて切なくなります。
妻は子どもたちのことを思って東京に行くことを選び、南雲もそれを承諾します。しかし、青空は南雲のところへ戻って来てしまいます。南雲には純粋なものを引き寄せる魅力でもあるのか、生徒たちも含めて南雲に惹かれてしまうようです。
うざったい役柄の樹生が、ここ最近いい感じです。ダメな中年男なのですが、本当は弱いのに強がりを言って無理するあたりが、昭和のドラマによくいたキャラで面白いです。個人的にこのドラマの中で一番好きな登場人物なので、今後も情けない姿を見せながら強がって欲しいものです。
南雲は逮捕された後どうなるのか?しばらく暗黒期が続くのか?日曜の夜に見るには、ちょっと重いドラマですが今後の展開が気になります。
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