【エンディングカット】のネタバレと感想|芦田愛菜主演のヒューマンドラマ

スペシャルドラマ

NHK総合で放送されたスペシャルドラマ【エンディングカット】のネタバレと感想をまとめています。

出張ヘアカットばかりしに行く美容師の父。不審に思った娘が後をつけていくとそこは葬儀場だった。父は納棺前に故人の髪を切る「エンディングカット」という仕事を始めたというが……。

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【エンディングカット】のキャストとスタッフ

キャスト

  • 迫田結 …芦田愛菜
  • 迫田和俊…佐藤隆太
  • 迫田七海…広末涼子
  • 那須薫…マイコ
  • 渡辺正人…鶴見辰吾
  • 清水智子…田畑志真
  • 山本喜美子…池津祥子
  • 細川達也…玉置玲央
  • 渡辺美咲…菊池佳南
  • 三谷勇輔…鈴木宗太郎

スタッフ

  • 原作:新井まさみ
  • 脚本:大池容子
  • 音楽:小田朋美、石若駿
  • 挿入歌:中村佳穂「Circle」
  • 演出:原英輔
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【エンディングカット】の再放送と見逃し配信

NHK総合1で3月24日(木)0:15~1:29に再放送予定です。放送終了後1週間はNHK+で無料配信されます。それ以降はNHKオンデマンドで有料配信される予定です。

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【エンディングカット】のネタバレ

“死”という現実を受け入れるまでの葛藤と、壊れた家族が再生していくストーリーです。

エンディングカットとは?

お通夜や葬儀の前にご遺体の髪を切ったりする仕事です。納棺師との違いは美容師だからできることがいくつかあります。

ヘアカットやカラーにパーマなど、美容室でやってもらうのと同じことをします。

入院や施設にいた人など、ずっと美容室に行けなかった人が亡くなった際、生前と同じようにヘアメイクを施してくれるそうです。

ドラマ内では渡辺の妻が生前おしゃれな人だったのに、友人たちも集まる葬儀で白髪だらけの髪を晒したままだったのが無念だと語ります。

生前と同じように送り出してあげたいという、遺族の願いを聞いて応える仕事となっています。

父の秘密

鎌倉美術大学の推薦入試を控える結は、アトリエ「こは」に行って提出課題に取り組んでいた。

友人の智子が絵を褒める中、講師の那須は確かによく描けているが、自分の目を通して描いたものではない気がすると疑問を投げかけた。

難しい要求に結はむしろ奮起し、絵に対してさらなる理解を深めようとしていた。

自宅に戻ると今日も父はどこかへ出かけていた。母に店を任せて出張カットに行ってばかりの父を不審に思う娘の結。

ある日、偶然父が車に乗るところを目撃して自転車で追いかける。やがてたどりついたのは葬儀場だった

外でずっと父のことを待ち続け、ようやく現れた父に何をしているのか問い詰める。言い逃れができない父は“エンディングカット”という仕事をしていると白状した。

なぜ父がやっているのかときくが、帰ってからお母さんと一緒に話そうと言って教えてくれなかった。

自宅に戻ると救急車が店の前に止まっていた。母が店で倒れたという。すぐさま運ばれて検査の結果を父は聞く。

軽い貧血だというが、詳しく調べたところ母の全身にがんが転移していた。これ以上の治療は難しいという、余命宣告をされてしまう。

心配した結が母は大丈夫なのかを問うが、父は「ごめん…」とつぶやいた。

実は七海はがんが再発したのを知った時、今までどおりに家族と暮らしたいと望んでいたのだ。

知らなかった結はショックを受けて父を責める。母ががんだと分かっているのに、なぜ死んだ人の髪を切っているのかと。

現実が受け入れられずにパニックになる結。父が落ち着かせようと手を伸ばすと、「触らないで!」と拒絶し逃げ出してしまった。

受け入れられない現実

母の余命を知って以来、学校にも行かず自室で結は塞ぎこんでいた。父がドア越しに話しかけるが無視し、仕事に向かう父を軽蔑した。

その後、母の見舞いに結は行った。なぜ言ってくれなかったのか、もっと早く入院していたらと悔やむ結。

母は「最後まで自分らしく生きたいって思ったんだ」と理由を説明する。だが結は「そんなの…お母さんのエゴだよ」と責めた。

死んだら意味がない、学校にもいかない、絵も描かない。もうどうでもいいと自暴自棄になる結。そして「お母さんが死んだら私も死ぬ!」と思わず言ってしまう。

母は死ぬなんて二度と言わないでと、結の気持ちを分かった上で諭した。すると結は病室から出て行ってしまう。

結は受け入れられない現実に混乱し、自室に戻るなり美大の願書を破り、提出課題を切り裂いてしまう。「意味ない」と何度も叫び、やり場のない怒りと悲しみに苦しんだ。

和俊が七海を見舞いに行った際、結が成長する姿が見れないことを七海は悔やんだ。自分は間違っていたのか、もっと生きたいとつぶやく七海。

和俊は2人の子だから大丈夫だと、そっと妻の手を握って諭した。その手に七海は安心した。

絶望の中の希望

悲しみに暮れる日々を過ごす結、父は部屋のドアを叩くのをためらいそっとしておいた。学校でも結はもう戻って来ないのではないかと噂される。だが、親友の智子は必ず結は帰ってくると信じてた。

失望の最中、結はふらりとアトリエを訪れる。講師の那須先生に絵を描くのをやめると言いに行ったのだ。

先生は「そっか。分かった」と結の決断を受け入れた。ただし、この前言ったことだけ覚えておいて欲しいと付け足す。

それは自分の目を通してものを見ること、これはどんなことにも言えるのではないかという話だった。ちゃんと見ないと分かったつもりになってしまうと忠告する。

絵はそうかもしれないが、現実はそんなに簡単じゃないと結は反論した。先生は理解を示した上で、「でも向き合おうとするっていうのが、大事なんじゃないかなあ…」とつぶやいた。

向き合うとはどういうことなのか。アトリエを後にした結はふと公園を見つめる。親と遊ぶ子どもたち、楽しげにしている姿に結は昔を思い出していた。

母親に絵を描いて見せた時や、父に髪を切ってもらった日のこと。空を見上げ、落ち葉を拾い上げて見つめる。

今自分が向き合うものとは何なのか?考えた末に結はある結論を導き出した

エンディングカットに立ち会う

結は葬儀場に行って父の仕事を見せて欲しいと頼む。同じエンディングカットをしている渡辺が口を利き、今回特別に立ち合わせてもらえることになった。

今まで和俊は助手の立場だった。しかし、今回やってみたらいいと渡辺が勧めてくれた。

棺に入れられたご遺体のそばには、悲しみに暮れた遺族がいた。静かに粛々と儀式をするように和俊は始める。

まずはハサミを手にして遺族に毛先を少し切るよう促す。妻や娘が切っていく中、長男だけは断って切らずにいた。

次に和俊が故人の髪を整え始める。その間、遺族は故人が散髪が好きだった話など思い出を語っていた。

髪を整えたらみんなでご遺体の体を洗うが、やはり長男は参加を断った。結は不思議そうに彼を見た。

最後に白い装束を着させて化粧をし、生前と同じように髪をブローしてセットした。遺族に棺に何か入れたいものはないかと問うが、病院から直に来たので持ち合わせがないと言う。

すると長男がポケットから煎餅を取り出し、父が生前大好きだったものだと説明する。2枚入りの煎餅の袋を開け、1枚取り出すと顔のそばに置いた。

帰ってきたら一緒に食べようと思ったのにと言いながら、長男は涙ながらに残る1枚を食べ始める

長男は親不孝な息子でごめんと謝り、それでも背中を押してくれた父に感謝をした。遺族3人で故人の手を握り、みな口々に感謝の言葉を残した

すべてを終えた後、和俊は小さなお守り袋を遺族に渡す。中は遺髪が収められているものだった。ずっと言えなかったことを言えたと、長男は和俊に感謝をした。

和俊は終えると次の仕事に向かう。その姿を結は見つめていた。

故人と生きている人の差

渡辺は結に声をかけて一緒に食事に行こうと誘う。葬儀場の職員である三谷も一緒に向かった。

2人が普通に食事をしているかたわら、結は箸に手をつけずにいた。人の死に慣れてしまうものなのかと、結は純粋に問いかける。

三谷は全然慣れないと言い、でも泣かないように気をつけていると答えた。渡辺は故人も人だと言い、この仕事をしていると亡くなった人も生きている自分たちとそう変わらないと思っていた。

結は納得がいかず、死んだら全部終わりじゃないかと反論する。その言葉を聞いて渡辺は、和俊も同じことを言っていたと出会ったきっかけを語り始めた

今から半年前、病院に訪問理美容で来た渡辺は患者の髪を切っていた。そこに七海が検査を終えて和俊と通りかかる。

専門学校時代を思い出して懐かしいと言う七海。患者と渡辺のエンディングカットの話を耳にし、「カズちゃん、もし私…」と言いかけると「やめろよ!」と和俊は怒鳴った

大声を聞き付けてやってきた職員に謝ると、和俊は七海を引っ張って立ち去ってしまった。その様子を渡辺は遠くから気にかけて見ていた。

それからしばらくたって和俊は渡辺の元を訪ねる。妻がエンディングカットをして欲しいと、頼んでいるから教えて欲しいということだった。

渡辺の妻はおしゃれ好きの人だったが、最後にきれいにしてあげられなかったことを後悔していた。それからこの仕事を始めたという。

渡辺は和俊は気持ちの整理がまだつかないかもしれないが、必死に現実と向き合おうとしていると思うと結に告げた。

店の名前の由来

渡辺から父の話を聞いた結は、自分がかつて描いた絵が残されている場所へ向かう。

トンネルにある手形を元にしたカニの絵。橋脚には父に髪を切ってもらう自分と、そのそばで笑っている母の絵が描かれていた。結はその絵に頬を寄せて家族を思う

そばにある浜辺から海を臨む。それは赤く染まる太陽と、光が波に反射して輝く海だった。すぐさまアトリエに向かい白いキャンバスに向かって描き始める。那須先生は遠くからその様子を見守っていた。

後日、完成した絵を持って母の病室を見舞う結。母がエンディングカットを父にお願いしたことを知ったと伝え、父の仕事ぶりを見て母のエゴではなく今は少し分かると理解を示した。

すると母は店の名前「レマンドゥース」の意味は、「柔らかい手」という意味だと教える。なぜその名前なのか?由来は父の手にあった。

カズちゃんの手は柔らかくてあったかくて、安心するからだと。結は初めて聞いたことに驚くと同時に、カニの店とからかわれていたと笑い話をする。和俊が病室に入ろうとしたところ、漏れ聞こえてくる声に手を止めた。

父は自分のことで精一杯なのに、仕事も家族も全部全力でやろうとする不器用さがあると結は指摘する。母はそれがお父さんの良いところだと言った。

確かに父は母のためにエンディングカットを始めたのだが、遺族にも故人にも不器用なりに向き合っていたことを思い出す。

だから、自分も絵を描く事に向き合いたいと母に言い、自分が描いた海の絵を渡した。母はそれを見て「きれい…」とつぶやいた。

結は母に死ぬなんて言ってごめんなさいと謝り、母は結に楽しく生きるよう願った。2人が泣きながら語り合うのを聞き、父はドアの向こうですすり泣いていた

母へのエンディングカット

それから1ヶ月後、母は息を引き取った。エンディングカット当日、父は何も手につかない様子だった。

結は心配そうに父のことを見ていた。催促の電話がかかってくるとキレる始末だった。

父はこの日が来ないことを願っていた。いざ当日を迎えると混乱していた。結は「しっかりしてよ!」と叱責し、その言葉に母にもよく言われていたと父は思い出していた。

あの時、無理にでも治療させていたらよかったのではないか、髪を切ることしかできない自分を父は責めていた。結はそんな父を見て、背負ってきたものの大きさを感じ取った

いざ母の遺体を前にするとハサミを握るのもままならない父だった。結は私に切らせて欲しいと願い、母が使っていたハサミを取り出した

毛先に刃を入れる結。お母さんが「しっかり!」と言っていると告げ、ようやく父はエンディングカットに挑む。

母は自分がいない時にはカズちゃんと父を呼び、父も昔はナナちゃんと母を呼んでいた。以前の愛称で呼びかけてあげるように結が促す。父は照れながらもナナちゃんと呼びかけた

渡辺たちは2人の様子を見て安心し、そっと席を立って家族だけにしてあげた。

化粧も終えて最後の別れの時、棺に結は母にあげたあの海の絵を入れた。不意に抑えていた感情があふれ出し、何度も「お母さん!」と言って遺体に泣きついてしまう

父は結の手を握って母の頬に触れさせた。父の手は柔らかくてあたたかい、これがお母さんの大好きな手なんだと結は思った。結は落ち着きを取り戻し、母への感謝を告げて最後のお別れをした

ドラマの結末

父はエンディングカットの仕事も兼任しながら、お店にも出るようになった。今日も常連客の髪を切っていた。

結は美術大学に合格し、今日は入学式の日だった。バッグに母の遺髪が入ったお守りをつけ、スーツ姿で慌しく現れる。髪は伸ばして緩く巻き、大人びた印象に変わっていた。

父は変な男に絡まれたりしないか心配で結に小言を言う。結は分かってると言いながら、母の写真に向かっていってきますと挨拶をした。

大学に行くと親友の智子が待っていた。彼女も無事同じ大学に合格していた。

結が提出課題として製作した絵の再現作品があった。タイトルは「エンディングカット」だった。夜の海に浮かぶ月、月には母のシルエットがあり、長い髪が渦を巻いて夜空に広がっている絵だった。

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【エンディングカット】のまとめと感想

母の死を受け入れられずに葛藤した親子が、共に力を合わせて乗り越えていくという話でした。

いわゆる納棺師と何が違うのか?その差は美容師だからこそ、てきることが色々あるということでした。

母の死を受け入れられず戸惑う残された2人がぶつかり合い、最後はちゃんと逃げずに向き合った結果、前を向いて進みます。

美術講師の那須先生が向き合うことの大切さを教え、それは死に限らず全ての事に通じると気づかせてくれます。

ようやく向き合ったかと思った2人ですが、いざ母の遺体を目の前にすると混乱しました。ですが、お互いに励まし合い、支え合いながら前に進みます。

1人では乗り越えられないものも、2人で力を合わせたことでちゃんと向き合えたのです。

芦田さんの演技が感情をとにかく揺さぶってきます。自暴自棄になったかと思えば父を励ましたり、最後は父に励まされたりと、目まぐるしく感情が変化します。

思春期の子どもが葛藤している苦しみがよく伝わり、自然と涙腺が緩みそうになります。

実際にある仕事を題材にしたこのドラマは、涙を誘う悲しい話でありながら、視聴後に爽やかな余韻を残す話でした。

前向きな気持ちにさせてくれると同時に、向き合うことの大切さを教えてくれる良作です。

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