WOWOWで放送された【コールドケース3~真実の扉~】3話「女優」のネタバレと感想をまとめています。
工事現場で発見された白骨遺体が60年前に失踪した人物だと分かり、百合たちは捜査を開始します。
調べていくうちに分かるかつての銀幕のスター女優の存在。彼女が殺害したのか?“女優”という仕事に賭ける熱意が引き起こす悲劇が裏側に……
【コールドケース3~真実の扉~】3話のあらすじ
工事現場で発見された白骨遺体が、歯の治療痕から野口雅之(泉澤祐希)という、当時駆け出しの新人俳優のものだと判明する。遺留品に当時では珍しいフランス製のライターが一緒に発見され、そこには“K.Y”とイニシャルが彫られていた。
野口の弟(深澤嵐)は60年前に失踪届けを出していた。兄は当時の銀幕の大スターであった女優の貴船美沙(有村架純)と交際していたと言い、失踪前日に「絶対に許さない。あのアマ」といっていたと証言をする。
兄がいなくなった後、心配になった弟は美沙に話を聞きに行くが、彼女は海外の授賞式に行っていて不在だった。そこで、付き人の田川よし子(仁村紗和)に兄のことを聞きに行くが、何も知らないと答えるだけだった。
美沙が帰国し映画賞の受賞記者会見を開いている場に弟は行く。そこで、兄の行方を知らないかたずねるが、美沙は交際なんてデタラメだと否定する。
美沙はその後、スキャンダル女優に転落し、日本から離れポーランド人の映画監督と結婚する。美沙の名前が再びメディアに出たのは、ポーランドからフランスに亡命した時だった。夫が1998年に病死したのをきっかけに日本に帰国するが、その時にはもう還暦を過ぎていた。
日本に戻ってからの仕事は目だったものもなく、ようやく今頃になり映画で60年ぶりに女優復帰を果たす。彼女は事件から逃げたのではないか?そう直感する警察。海外生活が38年ある彼女は、時効が成立していないと捜査に乗り出す。
映画の撮影をしている休憩時間に石川百合(吉田羊)と高木信次郎(永山絢斗)が美沙(松原智恵子)に話を聞こうとする。しかし、彼女は60年前と記憶が混同しているようで、妙なことを口走っていた。そこに、美沙のマネージャーである城本光晴(若林豪)がやってきて、また後日にして欲しいと告げる。
日を改めて話を聞く百合たち。野口のことを聞くが交際はしていないといい、犯人に心当たりもないという。60年前と記憶が混同していたことを百合が指摘すると、美沙は怒ってその場を立ち去ってしまった。
金子徹(光石研)と立川大輔(滝藤賢一)は元付き人の営むスナックへ向かう。当時のことを振り返りよし子(田島令子)は、美沙に野口のことは何も言わないよう口止めされていたと語る。そして、野口は元々自分と交際していたが、美沙に奪われたという。
美沙は次回作の作品のための役作りとして、野口を誘い男を奪われたよし子の落胆振りを観察していたのだった。遺留品のライターのことをよし子に聞くと、それは依田高悟監督のものだと言う。
百合たちは今回の美沙の映画の監督である山下貞雄(上條恒彦)監督に話を聞きに行く。ライターを見せるとそれは確かに依田監督のものだったが、監督は城本にライターを譲ったという。
野口を殺害し埋めたのは城本なのか?60年前の過去に隠された真実とは……。
4話→
【コールドケース3~真実の扉~】3話のネタバレ
3話のネタバレは3つです。
- 容疑者の取調べ
- 事件の真相
- ドラマの結末
結論から言うと、野口殺しの犯人は美沙です。
彼女はなぜ野口を殺害したのか?女優という職業の代償でした。
1.容疑者の取調べ
山下監督の証言で野口の死体と共に埋まっていたライターが、城本のものだと判明する。城本が現在美沙のマネージャーを務めていた理由は、美沙から頼まれてのことだった。
城本は美沙が海外にいた時も、そして今もずっと資金援助をしていた。美沙に心酔していた城本は、彼女が認知症を発症し始めたのを知り、最後にどうしても彼女を映画に出してやりたかった。そこで、山下監督に頼んで美沙を映画に出してもらった。
城本の家に向かった金子らがライターを見せると、城本は自分のものだと認めた。取調べで城本は「私が殺しました」と殺害も認めた。彼の証言によると、野口とは仲が良く自宅で酒を飲んでいたら喧嘩になり、かっとして殺してしまったという。そして遺体を会社の車に乗せて、土地勘のある森に捨てたと供述する。
だが、山下監督の話では、野口と城本には接点もなく、親しい間柄ではなかったという。美沙の役作りに利用された野口が怒っていたのではないか。城本にたずねると、そんな話は聞いていないし、男女の関係というのも作り話だという。
百合は美沙に城本が自供したと報告し、彼が美沙をかばうために嘘をついていると告げた。
城本が殺害と遺棄を自供する
2.事件の真相
百合に城本が自供したことを聞かされた美沙は、その当時のことを振り返り思い出す。
美沙の出演した映画を見た後、城本は彼女を家へ送り届ける。美沙は映画を見ていた城本が、涙を流しているのを見て自分の演技に自信が持てたと喜び、城本を自宅に招き入れた。
美沙に心酔していた城本は、緊張した様子で振る舞われたコーヒーを飲む。そこに野口がやってきて、勝手に家の中に入ってきてしまう。野口は美沙と自分がベッドにいる姿の写真を見せ、自分と別れるならこれを雑誌に売ると脅迫した。
美沙は写真とネガを取り返すため、そこにあった灰皿を手に取ると野口の頭を殴った。野口はそのまま死亡してしまい、美沙は「警察に行かなきゃ…」と言って自首しようとする。しかし、城本は美沙に女優であり続けてもらいたいため、自らが身代わりになることに決める。
城本は野口の遺体を車で運び、穴を掘って死体を遺棄する。そこにわざとライターを入れ、死体と一緒に埋めた。
本木が城本に美沙が自供したと報告すると、城本は自分が殺したとかばう。だが、城本の罪は死体を遺棄しただけだと本木は告げた。
美沙が野口の頭を殴って殺害し、城本が遺体を埋めた
3.ドラマの結末
真相を話した美沙は当時の心境を語る。4、5年の間はいつ発覚するのではないかと不安だった。しかし、生きることに精一杯だったため、いつしか忘れてしまったと。
事件から逃れるために海外へ行き、そこで出会ったポーランド人の映画監督と結婚した。だが、愛情なんてなかった。夫は酒びたりで暴力をふるい、一緒に過ごした38年間は地獄だったと語る。女優として一番いい時期を無駄にしたと後悔する美沙、そんな彼女に百合はあなたには人々の心に残り続ける映画があると告げた。
城本は罪に問われるのかを気にする美沙に、百合は死体遺棄は時効だが、犯人隠匿は…と答えた。罪が重いのかを問う美沙に百合は首を振って否定した。城本が重い罪に問われないことを知った美沙は安堵した。
彼女が逮捕されたことを聞きつけたマスコミが、警察署前に集まっていた。手錠をはめた手を上着で隠そうとする高木に、美沙は「このままでいいわ。女優がキャメラから逃げてどうするの。自分らしく生きないとね」と言って断る。
待ち構えていたマスコミの前に登場する美沙は、まるで授賞式に出演する女優のような、堂々とした振る舞いだった。
美沙が逮捕される
4話→
【コールドケース3~真実の扉~】3話の使用曲
今回使用されたのは3曲です。1961年のヒット曲になります。
- エディット・ピアフ『NON, JE NE REGRETTE RIEN』
- 森山加代子『月影のキューバ』
- 越路吹雪『幸福を売る男』
【コールドケース3~真実の扉~】3話のまとめと感想
60年前に起きた事件の真相は、当時海外で賞も獲った人気女優の犯行だった。という話でした。
美沙は映画の役作りのため、気も無い男に声をかけて利用しました。そして逆にその気になった男に脅されてしまいます。その時になぜ殺害をしてしまうのか?ドラマを見ていると常々そう思いますが、美沙も他のドラマ同様に殺してしまいます。
しかし、美沙に女優でいて欲しいと願った城本が身代わりになることにして、死体を遺棄しに行きます。その後、美沙が女優として輝いたかと言えばそうでなく、海外に逃げて不遇な生活を送りました。
結局殺人で服役しなくても、牢獄に入っているような生活を送っていたのです。罪を償わずに逃げた代償はあまりに大きかったと言えます。
また、城本も彼女を心から思うのであれば、自首をしようとしたタイミングで、させてあげたほうが良かったでしょう。きっと城本は美沙本人を愛していたのではなく、“女優”の美沙を愛してたのでしょう。そう思えてなりません。
美沙も城本も結局自分勝手な行動のせいで、犯さなくてもいい罪を犯しました。自分の欲望を満たすため、誰かを犠牲にすれば幸せは得られない。そんなことを考えさせられる話でした。
4話→