【ちょっとだけエスパー】8話「ぶんちゃん」のネタバレと感想をまとめています。
兆の怒りを買い、文太以外の3人は会社をクビになってしまう。新たなミッションを与えようとする兆に文太は反発するが、兆は文太は必ず実行すると確信していた。兆が過去を変えたい理由がそこにあり……。
【ちょっとだけエスパー】8話のあらすじ
今夜🌠9時
— テレビ朝日宣伝部 (@tv_asahi_PR) December 9, 2025
🐝『#ちょっとだけエスパー』🐙第8話💊
ついに明らかになる――
兆(#岡田将生)が“世界を変える”理由🌏
衝撃の事実を告げられ、バラバラになったエスパーたちの運命は⁉️
夫が文太(#大泉洋)ではなく文人/フミト(岡田)だと思い出した四季(#宮﨑あおい)…
ふたりのぶんちゃんが選ぶ愛の結末は❔
兆(岡田将生)は言うことをきかない桜介(ディーン・フジオカ)、円寂(高畑淳子)、半蔵(宇野祥平)の3人をクビにする。しかし文太(大泉洋)だけはまだクビにせずにいた。なぜなら、彼にしかできないミッションをやらせるためだった。当然反発する文太だったが、兆は文太は必ず実行するという強い確信があった。
文太は四季(宮崎あおい)と一緒に以前行こうといっていた江ノ島や鎌倉方面へ旅をする。それは文人(岡田将生)との未来の記憶であり、文太との思い出ではなかったが、文太は記憶を上書きしようといって誘った。
色々な場所を巡るうちに思い出す記憶。文人と一緒に行った場所や、文人との生活についてまで思い出す。文太はそんな四季を横目で見ながら、懐から小瓶を取り出し、これを飲むよう勧めるが……。
←7話|最終話→
【ちょっとだけエスパー】8話の見逃し配信
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【ちょっとだけエスパー】8話のネタバレ
文太はわざと四季に嫌われるような態度を取り、瓶を飲むよう勧めて彼女の前から去った。文太が必ず実行すると兆が言っていたミッション、それは未来の四季を救うためのものだった。
事故で死ぬのは文人ではなく四季だった。その未来をどうしても書き換えたく、文人は兆として過去を改ざんしに来ていた。兆が文太に渡したのは、四季の半年の記憶を消すだけでなく、四季が悪い結果の方向へ行かないようにするためのトリガーが含まれていた。
文太も四季を愛している。兆はそう確信していたから、文太はこのミッションを遂行すると信じていた。そして兆の思惑どおりに文太はミッション完了した。
兆は市松をさらい自分の前につれてこさせ、取り引きを持ちかける。今の邪魔をしないのであれば、2055年に自分は自首するという。しかしそれが巧妙な罠だと気付いた市松は、1000万人の命を優先すると取り引きを断った。
そのやり取りを聞いていた四季は、兆が消えた後に市松を助け出し、謝罪すると社宅へ戻る。そして隠していたEカプセルを取り出し、大量に口にし始めた。
副作用
桜介(ディーン・フジオカ)と円寂(高畑淳子)、そして半蔵(宇野祥平)がそろって兆(岡田将生)に解雇され、さらに社宅からの退去も命じられた。文太(大泉洋)には翌日にノナマーレへ来るよう指示が下り、4人はそれぞれ行き場のない不安を抱える。四季(宮崎あおい)は気にする必要はないと皆を励ますが、その直後、桜介が血の涙を流して崩れ落ちた。
半蔵は佐助が桜介から奇妙な匂いがすると話していたと明かす。もっとも強いのが桜介、続いて円寂、半蔵、文太の順で、四季からはわずかに感じられる程度だった。これは能力者へと変化した順番でもあった。円寂はその原因がEカプセルにあるのではないかと考え始めた。
断れないミッション
翌日、文太は兆のもとを訪れ、Eカプセルの副作用の存在を問いただす。兆はあり得るとあっさり認めた。文太は、自分たちより先にエスパー化した者が全員死んでいる事実を突きつけ、第一世代は例外なく命を落としたと訴えた。危険を承知で飲ませたのかと問う文太に、兆は「もともと死ぬはずだった人間が、副作用で死んで何を怒る必要があるんです?」と嘲るように笑った。
文太は一拍置き、懐から小瓶を取り出して「お返しします」と静かにテーブルへ置き、続けて退職願も差し出す。兆はそれでも動じず、文太に向けて「ミッションをお願いします。あなたにしかできないミッションです」と要求する。文太は「やるはずがないだろう!」と声を荒げるが、兆は文太がこれをやるしかないと断言し続けた。
会社を出た文太は、外で待っていた四季と合流する。退職できたのかと心配する四季に、文太は短く「うん」と答える。2人はそっと手をつなぎ、そのまま並んで帰路についた。
ビットファイブ解散危機
半蔵はペット業者に動物たちを預け、佐助だけを手元に残した。一方、円寂も自宅を引き払う。四季は心配して自分の家に来ないかと声をかけるが、そこは兆が用意した部屋だから世話にはなりたくないと断られた。円寂は「これから、なんのために生きればいいのかしら…」と力なくつぶやく。
桜介の店はついに閉店し、文太が後片付けを手伝う中で、桜介は自分がなぜ花を咲かせるエスパーになったのかを思い出したと語る。子どもの目はまだ汚れを知らない、青く澄んだきれいなものだ。その目に映る景色が美しければいい、息子の紫苑(新原泰佑)にはきれいなものだけを見せてやりたかった。そのために花を咲かせる能力を得たのだと思っていた。
しかし真実は違った。自分の能力の根は、人を殺しかねない危うさを孕んでいた。紫苑を怖がらせ、憎ませてしまった自分は、この世にいらない父親なのではないか。桜介は枯れた花を手に、そう吐き捨てるようにつぶやく。文太はその言葉に何一つ返すことができなかった。
世界を救う本当の意味
文太は市松(北村匠海)の家を訪ねると、そこには久条(向里祐香)の姿もあった。市松は紫苑にはすでに説教しておいたと言い、アイは依然として姿を消したままだった。不安を抱えた市松は、自分も死ぬのだろうかと口にする。文太は、市松には2055年まで生きた“実績”があるのだから簡単には死なないと告げる。
さらに文太は、この世界には慣性の法則のようなものが働いており、歴史が改ざんされると反発が生じ、未来からの介入を押し戻そうとする力が作用すると説明する。そして市松に向けて、Eカプセルを飲むのはやめろとはっきり告げた。
久条は八柳(小島藤子)たちは誰かに殺されたのではなく、副作用で死んだということなのかと確認する。文太が兆も認めたと伝えると、久条はレシピを持ち込み製造させた兆こそ、殺したのも同然だと憤る。
文太は兆は殺そうとしたわけではなく、みんなが死んで初めて異変に気付いたのだと諭す。しかし市松は、不確かなまま文太も死ぬかもしれない薬を飲まされていたのではないかと問い、なぜそんな人間をかばうのかと疑問をぶつける。文太は「世界を救う、その意味がわかったんだ」とだけ残す。
その後、文太は久条が持ってきた八柳のケースを開き、内部のメモに目を通す。そこにはノナマーレ社長室のパスワードをはじめ、オフィスやPCのアクセス情報が記されていた。兆が“ミッション”と称してみんなに用意させたものだった。
思い出の上書き
自宅に戻った文太は四季と一緒に、Eカプセルをやかんの中に隠す。たこ焼きを食べながら、四季はこの家を引っ越さないかと提案する。文太もその考えに賛同し、次の休みに江の島へ行こうと誘った。すると四季は、未来の記憶の中ではそれは文太との思い出ではなかったから、行かなくていいのだと言う。文太は「行こうよ、行って記憶を上書きしよう」と、改めて手を伸ばした。
2人は一緒に江の島や鎌倉へ向かい、寺を巡る。四季は、上書きしようと言ってくれたことが嬉しかったと打ち明ける。シラス丼を食べながら、四季はふと窓を眺め、文人(岡田将生)と一緒に食事をした記憶や、シラス丼のキーホルダーを買ったことを思い出していた。
さらに四季は、あの社宅に住み始め、そこで文人と一緒に生活を始めた日のことを思い返す。2人で笑い合いながら過ごした日々、たこ焼きを焼いたり、何気ない時間を重ねてきた記憶だった。父親からもらったろうそくが25までしか数字が書かれてなかったのを見て、文人が50までの数字を書き足したことも思い出す。四季は、ぶんちゃんとなら、とこしえまで生きていける気がすると、静かに語った。
俺じゃあない
現実の四季は、訪れる場所ごとに文人との思い出を次々と呼び起こしていた。文太はその様子を黙って見守り、歩みを海岸で止めると、小瓶を取り出して差し出した。「これ、飲んで」と。それはこの半年の記憶をすべて消し、きれいにやり直せる薬だった。
四季が「本気?」と問いかけると、文太は迷いのない声で「はい」と答える。四季は「私はあなたを選んだんだよ?」と言うが、文太は嘘をついてはいけないと告げた。触れなくてもわかる、四季が自分に向ける感情は本物ではないと。
四季が「四季さんと呼ばないで」と言い返すと、文太は「あなたも途中から“ぶんちゃん”と呼ばなくなった」と静かに応じる。そして最後に、避けていた核心を口にした。
「あなたの“ぶんちゃん”は、俺じゃあない」
救いたいのは1人
ミッションを命じられたとき兆に言われた言葉が、文太の胸によみがえる。自分には、どうしても忘れられない景色があるのだと兆は言う。
事故現場で倒れていた文人は、ふらつく体で起き上がり、四季の様子を見に行こうとした。そこで目にしたのは、四季の体の上に大きな瓦礫が覆いかぶさり、下半身が切断された無残な姿だった。その光景に、文人は慟哭することしかできなかった。結婚8年目の出来事だった。
あの日から記憶は薄れることなく、四季の最期の姿は目に焼き付いたまま離れない。20年もの間、ただ呆然と息をし続けるように生きてきた。そんな中で、過去にアクセスできると知ったとき、それは文人にとって福音だった。あの瞬間、あの刹那を改ざんできるなら、四季を取り戻せるのなら――その想いだけが、彼を突き動かしていた。
天使のトリガー
兆はまず、一人の投資家に接触した。これから起こる出来事をほんのわずかを教え、先回りして資産を形成させる。その資金を元手に、技術者や研究者を集め、この時代には存在しない技術を次々と作らせた。
Eカプセルは人を操るのに最適だった。人は未知の力に容易に魅了される。何者でもなかった者たちが、自分は選ばれた存在だと錯覚し、「世界を救う」という言葉に疑いもなく飛びつく。それでよかった。ミッションを積み重ね、世界を変える。正しい形に作り替えてしまえばいい。
世界は四季を救わなかった。だから自分が四季を救う、四季の世界を救う。そのためなら、10万人が死のうが、100万人が死のうが、1000万人が死のうが構わなかった。
しかし現実は思うように変わらない。未来からの介入に対する世界の反発、まるで慣性の法則のように、元に戻ろうとする意思が働く。このままでは間に合わない。焦った兆は、記憶のインストールという安全策を試すことにした。
記憶を埋め込むことで、その中にトリガーを仕込む。忌まわしい出来事から四季を遠ざけるために。四季がその道へとつながる分岐を選ばぬように。まるで天使が肩に手を置くように、進むべきでない方向に差しかかったとき、「そっちじゃないよ」と囁いてくれるシステムだった。
その記憶のトリガーを、四季に飲ませてほしい。兆はそう文太に頼み、「私にはわかる。あなたは必ずミッションを遂行する。あなたも四季を愛しているから」と笑った。
ミッション完了
家に戻った文太は、例の薬を四季に差し出す。四季は飲みたくないと首を振るが、文太はあえて嫌われるような言葉を重ね、冷たく突き放す。終始他人行儀な態度を貫いたまま、その場を去ろうとする。
四季はとっさに文太の腕を掴み、「全部消えちゃうんだよ? あなたを忘れてしまうんだよ?」と必死に引き止める。その瞬間、文太の胸に「愛してる、あなたを愛してる。あなたもそうでしょう?」という四季の心の声が流れ込む。だが文太は、心の声はもう聞こえない、薬を飲むのをやめたからだと嘘をつき、「失礼します」と告げて振り切った。
歩き去りながら文太は、「四季も兆も人の気持ちを勝手に決めるんじゃないよ。誰も愛しちゃいないよ」と吐き捨てるようにつぶやき、一度立ち止まると天を仰いで「ミッション完了」と呟いた。
甘い夢
一方、桜介はカプセルを手にしたまま、考え込んで動けずにいた。半蔵は佐助とともに野宿を続けている。そんな半蔵のもとに、円寂から連絡が入る。「夢みたいだったわね。一日も早く死にたいと思ってたはずなのに、いつの間にか自分が世界にとって必要なんだって思うようになった。ヒーローは甘い夢。全部まやかしで、いずれ体を蝕む猛毒だった」
円寂は、刑務所でずっと考えていたという。自分の人生を台無しにした男の頭を電子レンジに突っ込んで、チンしてやりたいと。電話の向こうでそう語りながら、円寂は今、その男――結城(吉田鋼太郎)の家の前に立っていた。
1000万人VS1人
誰かのもとに「ミッション161、市松を連れてこい」という指示が届く。その直後、正体不明の者たちが現れ、市松を連れ去った。市松はノナマーレへ運ばれ、そこで兆と対面することになる。遅れて久条も後を追って建物内に入った。
兆はなぜ邪魔をするのかと市松に問い、未来の自分が殺されそうだからだだと市松は語る。一方その頃、久条は皆が残したパスワードを使い、ノナマーレのPCに侵入していた。
兆は市松に取引を持ちかける。2055年で自分が自首すれば無罪放免になる。その代わり、今の市松が手を引くこと。それが条件だった。そこへ四季もノナマーレに姿を現し、2人のやりとりを隠れて聞いていた。予定が遅れている、あなたのせいだと兆は言うが、四季はまだ文太に渡された薬を飲んでいなかった。
市松は兆に問いただす。なぜ1000万人を殺したのか。兆は世界を正しい形にすると、必ず死んでしまう人がいるのだと言う。救いたい人がいた。その人は10年後に死んだのだと。だとしても、1000万人が死ぬのは問題だと市松は断じ、その言い分を詭弁だと一蹴する。
もしその彼女が死なない未来になったら、兆は生まれないはずだと市松は続ける。そしてたとえ未来が変わっても、今ここにいる自分は変わらない。自分が止めなかったせいで1000万人が死んだと、これからも背負い続けなければならない。だから取引には応じられない。1000万人が死んだほうがいいなどとは、決して言えない。そう言い切り、市松は拒否した。
兆はその選択を後悔すると言い残し、姿を消す。そのやり取りを、四季はすべて聞いていた。四季は市松を助け出し、最後に「ごめんね」と告げると、その場から消えた。
【ちょっとだけエスパー】8話の結末
四季は建物を出ると、歩きながら考え込む。死ぬ瞬間のことを。断片的に浮かぶ感覚を辿るうち、「そうだ、死んだ。あたし、死ぬんだ」と小さくつぶやいた。その頃、文太は建物の屋上へ上がり、再び自ら命を絶つことを考えていた。
四季は自宅に戻ると、やかんの中に隠されていたEカプセルを取り出し、次々と口に運ぶ。するとノナマーレにあるディシジョンツリーが次々に消え始め、選択の流れが渦を巻くように加速していく。ビルの外にまで出現していたツリーの異変を、文太は離れた場所から静かに見つめていた。
←7話|最終話→
【ちょっとだけエスパー】8話のまとめと感想
兆が過去を改ざんしたいのは、四季の死を避けるためだったという話でした。
ここにきて色々破滅へ向かい始めます。円寂たちはクビになり、再び路頭に迷います。そしてEカプセルを飲んだことで副作用か、桜介の体の調子が悪くなり始めます。文太も再び死のうとし始めますし、何もかもが終わりへ向かいます。
四季1人のために1000万人の死をもいとわないという兆の話は、江の島で食べたシラス丼がメタファーになっているように感じます。大量のシラスの命を1人の人間が食べる。そっちは問題にならないのに、1000万人の命だと途端に問題になるのかと、訴えているような気がしました。
話を知ってしまった四季が、2025年に自らの命を断ったとしたらどうするのか?兆も未来が見えているような見えていないような、四季1人に囚われたゆえに全体を見渡せていないような雰囲気です。
次回最終回、果たして大団円になるのか?野木さんの脚本なので、何かしらの犠牲は伴いそうな気がします。
←7話|最終話→
ヒーローは甘い夢。全部まやかしで、いずれ体を蝕む猛毒だった。
