【ちょっとだけエスパー】7話「選ばれし者」のネタバレと感想をまとめています。
市松が桜介の能力により瀕死になるも、文太たちの協力によって一命を取り留める。そして市松は文太にアイのことを教え、兆のやろうとしていることを話す。文太は現在の兆がどこにいるのか、捜して会いに行こうとするが……。
【ちょっとだけエスパー】7話のあらすじ
桜介(ディーン・フジオカ)の真の能力によって、市松(北村匠海)は瀕死の状態に陥る。文太(大泉洋)は桜介から連絡を受け、市松を助けに向かった。久条(向里祐香)のアドバイスにより、市松はなんとか一命を取り留めた。
アイが未来の自分であることを文太に明かした市松は、兆(岡田将生)のせいで未来の自分が処刑されかねない状況であることを話す。
文太はそこで現在の兆がどこにいるのか、捜して会いに行こうとするが……。
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【ちょっとだけエスパー】7話のネタバレ
兆は四季に映像の姿のまま会いに行き、四季を救うためにやってきたと語る。そして未来の記憶がインストールされる薬を飲むよう言われ、四季はその薬を飲むがその時停電が起きる。記憶が最適化される前に停電になってしまったため、四季の記憶は本来奥深くに格納されるものが出てきてしまい、未来と現在の記憶が混じってしまう。
再び薬を飲むよう命じる兆だが、薬を飲むと半年間の記憶が全て消えるという。つまり文太の存在がなかったことになる。「わかった、さようなら」と四季は言い、薬の入った瓶を手のひらの上に乗せて息を吹きかける。すると瓶は飛んでいき、兆の体をすり抜けていった。
「私のぶんちゃんは文太。あなたじゃない」四季はそう告げ、隠れていた文太が顔を出すと2人は抱き合った。まさかの選択に驚きと同時に怒りの感情がこみ上げ、やってきた他のみんなの前で、なぜ自分たちが選ばれたのかについて話し出す。
それはいてもいなくても変わらない、いなくなっても誰も気にしない。この世界になんの影響も及ぼさない人たちだからだという。自分がEカプセルを与えなければ、今年のうちに死んでいたという。
そして「ノン・アマーレ、愛してはならない。あなたたちがいらない人間だからですよ」と告げた。
歴史の改ざん
市松(北村匠海)はアイと向き合い、未来技術の核心を聞き出そうとする。タイムマシンそのものは未発明だが、デジタル空間に生じるワームホールを利用すれば、2055年から2025年へデータだけを送信できるという。ただし射程は限られており、2026年に送れば時空の座標が乱れ、データは迷子になる。市松は、そんな制約のある技術を使って自分に何をさせたいのかと問う。
アイは、未来で自分が発明した薬のレシピが盗まれ、そのデータが2025年に送信されたと告げる。歴史の改ざんは重大な罪とされ、その犯人として未来の市松が疑われている。冤罪を晴らすためにも、この時代で犯人を突き止めて捕らえてほしい、それが市松に託された役目だった。
市松は調査の手掛かりとして「エスパー出現予測」というアプリを使い始める。アイは未来の世界データを観測する独自の方法を持っており、過去が改ざんされると必ず時空に負荷が生じ、それが異常値としてデータに現れるという。負荷が集中する地点には、本来存在するはずのなかった“エスパー”が出現する。その歪みこそが改ざんの痕跡であり、市松はその異常値を頼りに文太(大泉洋)たちの存在を突き止める。
社蓄
文太は会社で兆に今の時代に生きているはずの文人(岡田将生)の行方を問う。生きているなら会って共に暮らせばいい、ともっともなことを口にするが、兆は即座に否定する。そう簡単にはいかないからこそ、あなたが存在しているのだと言い、逃げ道を与えない。
兆は問いを重ねる。今の立場を失いたくないのか、再び路頭に迷うのが怖いのか――文太の胸の奥にある弱さを正確に突いてくる。さらに、四季(宮﨑あおい)の記憶には特別な事情があり、外部からの刷り込みに非常に影響されやすいと明かす。だからこそ一晩眠れば再び、文太のことを愛する文ちゃんと思うだろうとと断言する。
今なら全て水に流せる、と兆は穏やかに言う。その声音は脅しにも許しにも聞こえ、逃げ場のない圧となって文太を締め付けた。文太は抵抗の余地を失い、ただ平謝りすることしかできず、肩を落としてその場を後にした。
桜介の本当の能力
桜介(ディーン・フジオカ)から文太に電話が入った。あの後、紫苑(新原泰佑)に「出てけ、人殺し」と罵られ、門前払いされたという報告だった。その声には疲労と後悔が滲んでいた。
文太はすぐに市松のもとへ向かい、言葉も発せない彼の手を取って思考を読み取る。市松が求めていたのは酸素だった。桜介はこれまで活性酸素を操り、成長を促して花を咲かせてきたが、その能力こそが「花咲か」の正体――つまり酸化を司るエスパーだった。細胞やDNAを傷つけ、老化と同じ現象を引き起こす危険な力だと久条(向里祐香)は言う。
一方、市松は脱水のエスパーであり、水分を操る資質を持つ。久条はそこに可能性を見出す。もし市松自身の力を利用できれば、酸化による損傷の修復に繋がるかもしれない、と。わずかな望みに賭け、久条は市松にEカプセルを飲ませ、回復の兆しを待つことにした。
停電の日
翌朝、四季は完全に元通りになっていた。昨夜までの揺らぎは跡形もなく、文太も何事もなかったかのように平静を装った。
四季は自分の過去を確かめるため、以前働いていたクリーニング店へ向かう。同僚に自分がいつ辞めたのかを尋ねると、4月に突然姿を消し、2~3日後に退職代行のスタッフが現れて辞職を告げたという。退職代行はノナマーレだった。
最後の日、四季は勤務中にふっと消え、店には誰もいなくなっていた。その日は4月の大規模停電と一致しており、四季が“いなくなった”のはその時だった。
その頃、文太のもとには新たなミッションが届く。ミッション149──「同封した瓶をたこっぴの縁側の棚に置け」文太は指示通り、瓶を棚に置いた。
一方、円寂(高畑淳子)は道を歩く途中、千田守(小久保寿人)の家を片付ける作業員を見かける。不動産屋の話では、千田は8月に事故に遭い、即死だったという。
2つのケース
文太は市松の世話をしに家を訪れた。市松は会話ができるほどには回復しており、文太の言葉に耳を傾ける余裕も戻っていた。
市松はこれまで伏せてきた“アイ”の正体を文太に明かした。しかし今の自分にはもう話せない。お台場で文太と衝突したあの日から、アイとの通信は途絶えたという。最初は自分も信じなかったが、アイは市松しか知り得ない情報を次々と口にし、疑いようがなくなった。
エスパー用カプセルを発明したのはアイであり、そのレシピを兆が盗み、ミッションという名目で過去を操作させようとしている。結果として1000万人が死ぬ未来が生まれる。文太は「それをお前が聞くこと自体、歴史の改ざんにならないのか」と突っ込むが、市松は肯定する。だが兆の改ざんがあまりにも深刻なため、それを止めることが優先され、被害を最小限に抑えるため当事者である自分が選ばれたと説明する。
「俺が失敗したらアイは死刑だ。笑えるよな。未来からあれこれやらせて、やらせといて最後はそれっきり……消えたんだ」と市松は苦笑を滲ませる。アイが姿を消した理由については2つの可能性がある。
ケース1──未来が変わり、アイが市松へアクセスする必要のない世界になった。
ケース2──歴史改ざんの結果、市松が死ぬ未来になり、それによってアイの存在も消える。
文太は沈む市松を励まし、未来が良い方へ変わればアイがひょいっと現れるかもしれない、と希望を口にした。
指令に背く
円寂は千田が事故死したという知らせを半蔵(宇野祥平)にも伝えた。円寂は「センマルが死んだの、あたしたちのせいよね」と呟き、胸に沈む罪悪感が消えない。そこで円寂の脳裏に、文太が漏らした“1000万人が死ぬ”という未来予測がよぎる。
「こうやってじわじわ死んでいくのかしら。一気にじゃなくて、一人ずつ不幸が積み重なって……」と、彼女の不安は形を帯びていった。
そこへ新たなミッションが届く。ミッション155──「アパートの前にコンクリートブロックを10個置け」。円寂と半蔵は指示通り、市松の暮らすアパートへブロックを運んだ。しかし、実際に並べようとすると、ふたりの心に別の不安が芽生える。こんな物を置いて、市松がつまずいて転び、命を落とすことになったらどうするのかと。
その頃、市松は自分の判断を悔いていた。紫苑を仲間に引き入れたことを後悔している、と吐露する。ただ味方がほしかったのだと。
最終的に円寂と半蔵は、ブロックを置かずに帰った。ミッションには逆らったが、それ以上に市松の身を案じる気持ちが強かった。
接触
文太は自宅に戻ると、四季に問いかけた。「結婚する前、俺がどこに住んでいたか覚えてる?」その答えから、かつて通っていた食堂の名前を手がかりとして聞き出し、その場所を訪れた。
そこで「コロッケさん」と呼ばれる男性の姿を見つける。文太が「文人さん」と声をかけると、その男は兆だった。
一方その頃、市松のもとでは再びアイの声が届いていた。文太が兆と接触したこともアイは把握している。アイによれば、これまでずっと市松を呼びかけ続けていたという。しかし“そっちの世界”で何かが起こり、時空に歪みが生じて通信が不安定になった。アイの声は断続的に途切れ、また応答がなくなる。
その間、桜介の店には紫苑が押しかけ、佐助を巻き込む騒ぎを起こす。佐助は軽い火傷を負っただけで済んだが、緊張の余韻が残った。
文太は兆を問い詰める。兆は独身だと淡々と答える。さらに文太が「クリーニング屋の女性に覚えは?」と探りを入れると、兆――文人は「いつもの店はおじさんだけど…」と心の声を文太は聞いた。
救うため
兆は透けかかった不安定な姿のまま四季の前に現れ、静かに口を開いた。四季と自分が出会うのは2026年の4月だと告げ、未来からの介入であることを隠さなかった。
兆は小瓶を差し出し、その中に入っているのは「ナノ・レセプター」だと説明する。それを飲めば未来からのデータを受信でき、記憶がインストールされるという。インストールされるのは、四季の“昨日”から2035年までの10年間の記憶。だがその膨大な記憶は脳の奥深くにしまい込まれ、目覚めた時には綺麗に忘れてしまう。
四季は問い返す。「そんな記憶、覚えていられないなら、何のためにインストールするの?」兆は迷いなく答えた。「四季を救うためだ」その言葉に抗う術はなかった。四季は小瓶を開け、差し出された薬を静かに飲み込んだ。
【ちょっとだけエスパー】7話の結末
そして現在。兆は四季のもとを訪れ、未来の事情を語り始めた。その最中に文太が帰宅し、気づかれぬよう静かに耳を澄ませる。兆によれば、四季が記憶をインストールしていた時に停電が起こり、本来なら脳の奥に格納されるはずのデータが、最適化されないまま露出してしまった。そのせいで未来の記憶と現在の記憶が混ざり、四季は深い混乱に陥った。
四季は何度もこの家を訪ね、まだ出会ってもいない夫・文人を探し続けた。死んだと嘆き、見つからないと泣き、1人にしておけないほどの状態だったため、本来の時より一年早くこの家で暮らしてもらうことにした。未来での夫婦の部屋と同じ環境を整え、落ち着けるよう配慮し、円寂に代わりとして通ってもらった。やがて四季の心は少しずつ回復した。
だが、兆は思いもよらぬ事態に気づく。四季には“代わりの夫”が必要になっていたのだ。兆は条件に合う“社畜気質の男”を選び、それが文太だった。
兆は再びインストールをやり直すと言い、文太がミッション通り置いた瓶を手に取る。最適化さえ完了すれば混乱は収まり、この半年の苦しみも消える、と。「この半年は偽りだった。辛かったね。半年分の記憶なんて飛んでもいい。正確な記憶など誰にも持てない」四季は涙を流しながらその言葉を聞き、文太は黙って見守った。
やがて四季は静かに答えた。「わかった。さよなら」そう言うと瓶を手に載せ、息を吹きかけて宙へ飛ばした。瓶は兆の身体をすり抜けていった。
四季は涙を拭いながら言い放つ。「文ちゃんは文太。私の“文ちゃん”は文太。あなたじゃない」その言葉に文太は姿を現し、呼びかけに応えるように四季へ駆け寄って力強く抱きしめた。
兆は驚愕し、「驚いた、こんな……」と声を漏らす。文太は毅然と言い放つ。「今日のところはお引き取りください。四季もそう言っているので」さらに文太は静かに怒りを帯び、「こんな方法で私を消すつもりか」と告げる。すると兆は「どうせみんな消えます」と冷ややかに言い放つ。
そこへ仲間たちが戻ってくる。兆は彼らを見渡し、淡々と真実を述べた。「みなさんは私に“選ばれた”。その条件が何だったか分かりますか。ディシジョンツリーの外にいること──いてもいなくても変わらない。いなくなっても誰も気にしない。この世界に影響を及ぼさない人間。それが選ばれた理由です」
さらに続ける。「私がEカプセルを与えなければ、あなたたちは今年のうちに全員死んでいた。ノンアマーレ──愛してはならない。あなたたちが“いらない人間”だからですよ」
誰も反論することなく、その冷酷な言葉を黙って受け止めていた。
←6話|8話→
【ちょっとだけエスパー】7話のまとめと感想
未来の記憶を四季にインストールさせたが不完全な状態になってしまい、四季は未来の兆との日々ではなく文太との今を選択したという話でした。
2話の千田の話がここに来て関わってきます。いっぺんに1000万人死ぬのではなく、不幸が積み重なって結果的に死ぬ。もしそうだとしたら、誰も気付かないうちに人口減少が始まっていることになります。
こうなると兆が非常に嫌な奴で悪い人に見えますが、まだ何か隠されている事情があるような気もします。
どんどんSF色が強くなってきて、物語も複雑さを増してきました。ラストまで置いていかれないようにしたいものです。SFといえば今回の話を見て、カート・ヴォネガットの『タイタンの妖女』を思い出しました。
←6話|8話→
「何もしません」なんて、仕事ができない奴がやることだから。
