【父と息子の地下アイドル】ネタバレと感想|オトメがたりの完成度の高さ

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2020年2月23日にWOWOWで放送されたスペシャルドラマ【父と息子の地下アイドル】のネタバレと感想をまとめました。

主演の松重豊さんが演じる父親が、息子の夢であった地下アイドルのプロデュースを引き継ぎます。しかし、アイドルのことを何も知らないずぶの素人がプロデュースなんてできるのか?

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【父と息子の地下アイドル】のネタバレ

物語の間に父と息子の過去のやり取りが入るのですが、それは別でまとめました。こちらはオトメがたりの話の部分のネタバレです。

アイドルプロデュースを受ける

高校教師の千堂真澄(松重豊)はいわゆる熱血教師で、一昔前の考え方をする人物だった。引きこもりの生徒である田口洋二郎(今井悠貴)のところへ学校に来るよう説得へ向かう。そこで見せられたのはアイドルのライブ映像、まったく真澄は興味がなくぼんやりする。そして、学校に来るよう熱く語るが、熱血の押し売りはやめてくれと拒まれる。

学校に連絡が入り息子の勝喜(井之脇海)が事故にあったという。運ばれた病院に行くと、昏睡状態でいつ意識が戻るか分からないと医者から告げられた

勝喜の部屋へ向かい、楽器が置かれているのを見てまだ音楽をやっていたことを知る。勝喜の携帯が鳴り“きょんしー”という名前からの着信だった。出ると若い女の子の声だった。

彼女は自分の学校にいる生徒で清水椎奈(若月佑美)という子だった。病室に彼女の他に阿藤ひらり(加藤小夏)橋本怜央(芋生悠)も来ていた。それは勝喜がプロデュースしていたアイドルの女の子たちだったのだ

息子のことを何も知らない父は彼女たちに話を聞く。ライブをやるから見に来てと言われ、真澄は言われるままにライブ会場へ向かった。初めて立ち入る世界に戸惑い、ファンの人たちが何をして何を話しているのかも分からなかった。椎奈がプロデューサーをやってくれと真澄に頼み、他の2人を説得するためにお飾りでいいからと説得してきた

勝喜の病室で椎奈と会った真澄は、今までのライブ映像などを渡される。母親はアイドル活動をしていることは知らないといい、親はなぜ反対ばかりするのかと椎奈はぼやく。真澄もまた勝喜が音楽をやるのを反対し、その結果家を出て行った勝喜とは5年間会ってなかった

椎奈は真澄の勝喜に対する対応に腹を立て、もういいといって帰ろうとする。だが、真澄は「やるよ、アイドルプロデューサー。勝喜が目覚めるまで」と宣言した。

真澄がアイドルプロデュースを引き受ける

アイドルを学ぶ

プロデュースを引き受けた真澄はメイドカフェで打ち合わせをする。そこは椎奈とひらりがバイトしている店だった。またしても説教染みたことを言い出す真澄に、怜央はこんな素人みたいなオジさん、いる意味あるの?と疑問に思う。

だが、やるからには全力でやると真澄は宣言する。次のライブは勝喜が事故に会う前にブッキングした最後のライブだった。しかし、人気アイドルFES☆TIVE主催のライブで、出たところで惨めな思いをするだけだと弱音を吐く。熱血教師な真澄はやることに意味があると言うが、メンバーはアイドルのこと何も知らないクセにと冷めた目で見ていた。

アイドルと言えば引きこもりの生徒の田口、そう思った真澄は「俺にアイドルを教えてくれ」と頼む。そこで教えられる言葉の数々は真澄にとって新鮮なものばかりだった。

  • 地下アイドル:ライブを中心に活動するアイドル。メディアにはあまり出ない
  • レス:ライブ中にアイドルが視線をくれたり、手を振ってくれること
  • MIX:アイドルオタク独特の呪文のような掛け声

その他にも“ケチャ”“コール”“PPPH”など、様々な種類のものがあると教わる。地下には地下のよさがあり、応援は会場が盛り上がるしアイドルもやる気が出る。すなわちファンがアイドルを育てるということが分かった。必修課題として様々なライブの映像を借りた。

田口にアイドルを教えてもらう

いざライブ

ライブ当日、オトメがたりのメンバーに「自分を信じて頑張れ」と声をかける真澄だったが、無理しなくていいよと素っ気無い対応だった。そこで真澄は自分は素人だが、ファンになって全力で応援すると言う。ほとんどファンがいない場でも気にせず、真澄は全力で声を上げ手振り身振りで彼女たちを応援した

それを見ていたプロデューサーの福嶋昂己(深水元基)が、ニワカっぽいコールだけど気合入ってて良かったと真澄を褒める。彼は勝喜のバンド時代から知っていて、オトメがたりは曲がいいと言う。息子のことを知りたい真澄は福嶋に頼んで話を聞かせてもらう。

勝喜のバンドはいいバンドだったが、他のメンバーは仕事をしていたので安定を選んで辞めた。しかし、勝喜は腐ることなく今度はアイドルをプロデュースしようと、一人で女の子を集めて始めた。勝喜は意外と熱血漢な男であることなどを教えてもらった

パソコンがない真澄は田口の家でメンバーたちと一緒に観客動員ランキングを見る。1位はFES☆TIVEで104票なのに対し、最下位のオトメがたりは2票しか入ってなかった。FES☆TIVEは大手芸能事務所が背後にあるという。

あまりにも酷い差に惨めなだけだと嘆き、勝てるわけがないと諦めるメンバーに、真澄は「アイドルは人を笑顔にする仕事だろ?見た人を元気にするそういう仕事じゃないのか?勝喜が作りたかったのはそういうことだろ」と励ます。

そして勝喜の部屋にあった新曲と衣装を持ってきて彼女たちに見せた。

オトメがたりは人気がないという現実

新曲制作

早速田口に曲を聴いてもらって感想を聞くと、今風でかっこいいしコールも入れやすいアイドルソングだと褒める。新曲を出そうと意気込む真澄だが、この後何をすればいいのか分からなかった。

歌割をやってレコーディングをし、ダンスの振り付けなどをする必要ああると椎奈から教えてもらう。後の分からないことは福嶋に聞けばいいかと真澄は考えた

MVという簡単な動画をつけてSNSにアップし、シェアされれば多くの人間に聞いてもらえるし、観客動員に繋がることを田口に教わる。そして田口も手伝ってくれることになった

その新曲をライブで発表する場のブッキングは真澄の役目だった。

学校で申し込みをしているところを見られそうになり慌てる真澄、同僚の宮野佳菜子(瀧本美織)が出来ることがあったら何でも言ってという言葉に閃く。ダンス部の顧問をしている宮野先生に彼女たちの振り付けをお願いした

椎奈は踊りをやらせても筋がよかった。他の2人に聞いたところ、彼女はバイトで稼いだお金を全てボイストレーニングやダンスのレッスンに費やしているという。彼女は本気でアイドルに取り組んでいて、元々一人で地下アイドルをやっていたところを勝喜に誘われた。他の2人は街でスカウトされたという事情を聞かされる。

椎奈は自分達をどう思っているのだろう。足を引っ張ってはいないかと不安になる2人。椎奈がエースでグループを引っ張り、みんなが椎奈を支えるんだと真澄は励ました

みんなに協力してもらって新曲を制作

新曲披露ライブ

地下アイドルをプロデュースするのはいいが、収入をどこで得るのかどうやったらファンを増やすのかが真澄は分からなかった。そこで福嶋に話を聞きに行く。

地下アイドルの収入源は色々あるが、メインは断然物販だと言う。2ショット写真が1枚千円、他にもCDを売ったりグッズを売ったりして得る。アイドルと直接会話ができるので、それ目当ての人もいるという。

要するに地下アイドルは稼ぐのもライブ、ファンを増やすのもライブ。ライブをやり続けてこそだと福嶋が教える。

新曲を披露したライブ会場は以前よりもファンが増えていた。動画の再生数も増え、SNSでの反応もいい。田口のネット友達も拡散に協力してくれていた。また新しい曲を発表するとファンがどんどん増えてきた。

観客動員数のランキングを見ると1位は相変わらずFES☆TIVEだったが、オトメがたりは2位まで順位を上げていた。それを記念して田口も一緒にオトメがたりのみんなと写真を撮る。田口の顔はどことなく赤く、怜央のことが気になっているようだった。

真澄は勝喜の病室へ行き「勝喜、ファンが増えてるぞ。お前の曲聴くとみんな笑顔になるんだ」と語りかけた。そして枕元に“目指せ武道館”という紙を貼る。

椎奈がバイトしている間、残りの2人も何かできることはないかと思い、イラストを描いてグッズを作ったりしていた。それを椎奈に見せると以前勝喜に怒られた話をする。「1人で前ばかり見ないで、隣の2人を見ろ」と。だから椎奈はこの3人で武道館へ行きたかった。

オトメがたりの人気が出る

椎奈の引き抜き

そんな真澄とオトメがたりのやりとりを何者かが盗撮していた。それがSNSにアップされて問題になる。「現役教師がアイドルプロデューサーってまずくない?」と写真と共に書かれた投稿は2万1千人にシェアされていた。

学校に行くと校長に怒られる真澄椎奈の母(遠藤久美子)も怒っていると聞かされる。真澄は椎奈の母の所へ行って詫びると同時に、ちゃんと面倒をみるからお願いしますと頼みに行った。

皮肉にもライブの客は増えていた。あの投稿のSNSでのシェアが観客動員に繋がっていたのだ。福嶋がやってきて単刀直入に「きょんしーをください」と言ってくる。勝喜の夢を応援してくれていると思っていた福嶋の突然の申し出に真澄は驚く。

福嶋も会社での立場がありどんな手を使っても負けられないといい、あのSNSの投稿は福嶋がやったことだった

  • 勝喜の曲はあと何曲あるのか?
  • 教師しながらではこれ以上の規模の会場は無理
  • アイドルは全国に3000組以上いる
  • ほとんどは埋もれて日の目を見ない
  • 椎奈はうちに来ればトップアイドルになれる
  • 本気でアイドルをやっているんじゃないのか?
  • こんなチャンス逃していいのか?

福嶋はこうまくし立て、本気でアイドルを目指している椎奈の心を揺さぶる

学校ではあれだけ怒っていた校長が手のひらを返したように好意的になっていた。テレビ局から連絡があり、椎奈の卒業式後にオトメがたりのライブをやり、ネット配信するという企画が持ち上がっていた。

観客動員数のランキングはFES☆TIVEが145票でオトメがたりが142票に迫っていた。今週はワンマンライブをし来週は椎奈の卒業式でのライブを予定していた

しかし、勝喜の曲はもう使い切っていた。椎奈がいなくなったらオトメがたりは続けられるのか?率直な意見を田口に聞く。オトメがたりは勝喜の楽曲の良さと、椎奈のカリスマ性で持っているから無理だと思うと田口は答えた。

福嶋が椎奈を引き抜きにかかる

椎奈脱退?

ライブ前、怜央は椎奈にオトメがたりを抜けるのかと聞く。椎奈の本当の気持ちはどうなのか?彼女の口から語る。

  • このまま続けても潰れるだけ
  • 早く地上のアイドルになりたい
  • ただの仲良しごっこで終わりたくない
  • 勝喜が倒れた時も1人でもやると覚悟していた

彼女は自分の思いを告げるが、怜央は自分たちはいらないってこと?ずっと足手まといだと思ってきたんだねとキレる。二人の口論に真澄が「俺が教師をやめる。オトメがたりを有名にする、武道館に連れてくって約束した」という。だが、「それって全部勝喜さんのためでしょ?」と指摘された。

田口は真澄に謝る。怜央に椎奈が抜けるかもしれない話を自分がしたと言う。真澄は田口を責めるでなく、自分がちゃんと彼女達のことを見えていなかったことを後悔した。

ライブはちゃんとこなした3人だったが、わだかまりは消えない。ライブ終了後、楽屋で椎奈は他の2人も一緒にと福嶋に頼もうか?と言い出す。だが、怜央は「馬鹿にしないで。そんなお情けで一緒にいたくない。見捨てるならちゃんと見捨ててよ!出て行くならもう戻ってくるな!」と叫ぶ。

椎奈はその場から去り、卒業式ライブはどうなるの?とひらりが聞くと、怜央は無理に決まってる、私たちはもう終わりなんだよと言った。

真澄は勝喜の病室に行く。「俺は何も変わってないな。あの頃からずっと、お前の夢守るのに必死であの子らのこと何も見えてなかった」と語りかけ、枕元に貼っておいた“目指せ武道館”の紙には、オトメがたり3人の寄せ書きがあった。

田口とゲームをしていた怜央は「引きこもるのって楽だね。誰にも会わなきゃ傷付かないし、誰も傷付けなくて済むもんね」と呟く。田口にアイドルを続けたいの?と問われると、分からないけど楽しかった。自分がここにいていいと思ったと言う。

オトメがたり解散の危機

勝喜が目覚める?

椎奈は福嶋の事務所にあるレッスン室で練習をしていた。そこに真澄がやってくる。勝喜の目が開いたと。だが、意識が戻ったわけではない。でも、回復に向かっているのかもしれないと告げる。今さらそんなことを言われても困る福嶋は、椎奈を連れていくことに反対する。

椎奈にこの終わり方でいいのか?と訴え、真澄は条件を提示する。卒業式の日のライブが終わるまでに勝喜の目が覚めなかったら、オトメがたりを解散する、と。そう告げて真澄と他の2人は一旦帰った。

椎奈は来るかなと心配する2人。来ると言い切る真澄。勝喜の目が覚めるような最高のライブにしようと励ました。

迷う椎奈に福嶋は声をかける。あっちに戻ろうと思うな、最短で地上のアイドルにしてやると。奇しくも椎奈のお披露目会は卒業式ライブと同じ日だった。

オトメがたりの解散は勝喜が目覚めるかどうかにかかっている

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