企画・原案が秋元康氏というこのドラマ、半年の期間をかけて放送ということだけあって、登場人物が多めになっています。「交換殺人」をテーマにした話らしいのですが、初回からホラーっぽく驚かせるシーンもありました。怖いのが苦手な人には向かないかもしれませんが、本棚にある本などこだわっている部分もあります。
あなたの番です概要
あらすじ
新婚夫婦の菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)は、マンションを購入して新居に引っ越す。幸せいっぱいで新たな生活に胸を膨らませている。引っ越し当日、マンションの住民会が開かれ、翔太とのジャンケンに負けた菜奈が一人で参加することに。
住民会は会長の早苗(木村多江)、管理人の床島(竹中直人)を中心に、田宮(生瀬勝久)、黒島(西野七瀬)など13人が集まり始まった。ひょんなことから、床島が「人間誰しも、アイツ殺したいなあと思う瞬間がある」と言ったことがきっかけで、住民たちは戸惑いながらも今まで消えてほしいと思った人間について話し始める。すると、「捕まらないためには、殺したい人間がいる者同士が“交換殺人”をすればいいのでは?」と話は思わぬ方向に。
床島は住民たちに、お互いに殺したい人間を発表し合うことを提案。ゲームならば…と皆、軽い気持ちで、余った投票用紙にそれぞれ“死んでほしい人”を書き、クジのように引くゲームが行われてしまったのだった。公式HPより
この住民会をきっかけに、菜奈と翔太を巻き込む恐ろしい殺人ゲームが幕を開ける…!
感想
登場人物がみんなワケありのような怪しい人たちばかりで、誰が犯人だったとしてもおかしくないマンションです。
犯人探しは来週からなので、今週は主に住人の紹介といった感じでした。
竹中直人の独壇場
冒頭から「世にも奇妙な物語」のタモリのように、ストーリーテラーとして一人で出てきます。もうこの時点で結構ノリノリなのですが、管理人の役がおかしすぎます。
- 購入した物件なのに写真を撮りにくる
- ずかずか部屋に上がり込む
- 文句だけいって帰る
- 何かというと人に絡む
- いきなり「俺のこと殺したいか?」と会って間もない菜奈にきく
嫌われ役という設定なのでしょうが、それにしたっておかしすぎます。
それを竹中さんがノリノリで演じているので、おかしさがパワーアップします。
来週以降、冒頭だけは出てくるのかどうなのか、良いキャラでした。
他の住人たち
飛びぬけて管理人がイカれてるので、目立たないですが他もおかしいです。
- 尾野幹葉:明らかに夫の翔太に色目を使う
- 浮田啓輔:どうみてもカタギじゃない
- 児嶋佳世:帰り際じーっと手塚家の二人を見る
- 佐野豪:全身黒づくめに、大きな荷物と長靴という怪しい格好
- 木下あかね:清掃当番になったことが納得いかず、画びょうで張り紙を刺す
- 藤井淳史:やたら管理人に絡み絡まれる
- 石崎洋子:いい人ふりしながら、菜奈に掃除当番の票を投票
- 北川そら:いつも一人で遊んでる
- 細川朝男:ストーカー並みに怪しい
手塚翔太が年上キラーすぎる
15歳年が離れた設定で新婚(といってもまだ婚姻届は出してない)の菜奈と翔太ですが、翔太演じる田中圭さんがあまりにも年上キラーな演技を炸裂します。
- とにかく菜奈が好き
- 何年経っても菜奈を好きでいたい
- 爽やかで人懐っこい笑顔を振りまく
- 菜奈のためなら嫌な役を買って出る
- ジムのトレーナーだけあって頼もしい
こんな年下の夫がいたらいいな、と世の女性の思う理想の夫です。
この放送枠は前回の「3年A組」と「今日から俺は」は、明らかに若い層を狙っていたと思います。
しかし、今回はマンションを買えるような年齢層をターゲットにしているのでしょう。
その他気になったこと
- オランウータンタイムは多分シンキングタイム
- くじ引きは基本的に煎餅の空き缶
- みんなで人狼ゲームをやる自治会
- 日テレで放送なので、翔太がコナンを読むシーンがある
- ちゃんとラジカセでクリスマスソングを流す
- ベランダから見える風景が合成っぽい
謎
初回から人が死んでしまうので、早速謎が出てきます。
- 誰が管理人を殺したのか?
- 「こうのたかふみ」とは誰か?
- 交換殺人なら、次は誰が犠牲者なのか?
菜奈が引いたクジに書いてあった名前は、住人の中にはいないようです。
後から入居してくる人なのかもしれませんが、現在は住人内にいません。
交換殺人ということなら、「管理人」と書かれたクジを引いた人が実行したのは間違いありません。
しかし、複数人が「管理人」と書いている可能性もありますし、管理人のことはみんな嫌悪していたので、誰しも逆に動機がある気がします。
また、クジには直筆で文字を記すので、誰の筆跡かすぐわかりそうですが。
クジを引いた後、なぜか戻さずそれぞれが持ち帰ります。
手塚家の書棚
ミステリー好きな二人ということで、本棚には沢山本が並べられています。 基本的に創元推理文庫が多いです。判明したものだけ記していきます。
日本人作家
- ほうかご探偵(倉知淳)
- 夜届く-猫丸先輩の推測(倉知 淳)
- 星降り山荘の殺人(倉知 淳)
- アニーの冷たい朝(黒川博行)
- 切断(黒川博行)
- 明日の空(貫井 徳郎)
- 光と影の誘惑(貫井 徳郎)
- 摩天楼の怪人(島田 荘司)
- 占星術殺人事件(島田 荘司)
- 穢れた手(堂場瞬一)
- 死と砂時計(鳥飼否宇)
- 血食―系図屋奔走セリ(物集高音)
- 漂流巌流島(高井忍)
- スチームオペラ(芦辺拓)
- 名探偵に薔薇を(城平 京)
- ルピナス探偵団の当惑(津原 泰水)
- 退職刑事1(都筑 道夫)
- 星読島に星は流れた(久住 四季)
- 恋牡丹(戸田 義長)
- 凍える島(近藤 史恵)
- 時計館の殺人・上(綾辻 行人)
- 時計館の殺人・下(綾辻 行人)
- 七回死んだ男(西澤 保彦)
- 殺戮にいたる病(我孫子 武丸)
- 刀と傘―明治京洛推理帖(伊吹 亜門)
- ただし、無音に限り(織守 きょうや)
- アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂 幸太郎)
- ネクスト・ギグ(鵜林 伸也)
海外作家
- 黒いアリバイ(ウィリアム・アイリッシュ)
- 暁の死線(ウィリアム・アイリッシュ)
- 夜は千の目を持つ(ウィリアム・アイリッシュ)
- ミニ・ミステリ傑作選 エラリー・クイーン編
- エラリー・クイーンの冒険(エラリー・クイーン)
- 悪魔はすぐそこに(D.M. ディヴァイン)
- そして医師も死す(D・M・ディヴァイン)
- 人形(ダフネ・デュ・モーリア)
- アクロイド殺害事件(アガサ・クリスティ)
- パイド・パイパー – 自由への越境(ネビル・シュート)
- モルグ街の殺人・黄金虫 ポー短編集Ⅱ ミステリ編(エドガー・アラン ポー)
- クリスマスに少女は還る(キャロル・オコンネル)
- 殺人者と恐喝者(カーター・ディクスン)
- 赤毛のレドメイン家(イーデン・フィルポッツ)
- 緑のカプセルの謎(ジョン・ディクスン・カー)
- 僧正殺人事件(S・S・ヴァン・ダイン)
雑誌
- ミステリーズ!vol.80
- ミステリーズ!vol.81
- ミステリーズ!vol.82
- ミステリーズ!vol.83
- ミステリーズ!vol.84
- ミステリーズ!vol.85
- ミステリーズ!vol.86
- ミステリーズ!vol.87
- ミステリーズ!vol.88
マンガ
本棚第2弾はこちら
まとめ
初回のつかみは非常に良かったです。テンポも良く、登場人物が多くても混乱しませんでした。それもこれもキャラが立っているからかもしれませんし、大人数を売り出すのが得意な秋元氏が携わっているからかもしれません。結構ホラーチックに驚かすシーンがあるのでビックリしますが、それだけ引き込まれて見ているということなのでしょう。来週も楽しみに見てみたいと思います。