【相棒シーズン24】5話「昭和100年」のネタバレと感想をまとめています。
100年前、亡くなった人物が書いた告発状を持っていた人物が、同じ場所で亡くなる。100年前の未解決事件と現代の事件、その背景にはサルウィンで起きた事故が関係しているようで……。
【相棒24】5話のあらすじ
\\📢今夜9️⃣時放送//#相棒24 第5話
— 相棒 (@AibouNow) November 12, 2025
『昭和100年』
昭和元年×2025年
時を超えて繋がった2つの殺人事件💥
名門大学の理事長一族が隠し続ける秘密とは…
過去から届いた告発状が封印された闇を照らす!#相棒 #aibou #水谷豊 #寺脇康文
榮明大学の事務局長である平久保幸成(妹尾正文)が、隅田川沿いの遊歩道で遺体で発見される。彼の持っていた鞄の中には「昭和百年の同志へ」と書かれた封筒が入っていた。
杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)は早速手紙を書いた人物・大桑智正(森山祥伍)のことを調べると、彼は100年前に平久保が亡くなった同じ場所で何者かに殺害されていた。
榮明大学の現在の繁栄は、サルウィンでの石油採掘調査から始まる。石油を見事掘り当ててことにより、地質学の研究において確固たる地位を築いた。だが、その裏側でサルウィンの住民たちが、土砂崩れで亡くなっていた。100年前、それを告発しようとした人物が大桑だった。
右京たちは大学へ向かい、現理事長の若松元徳(髙橋洋)に話を聞くが、目ぼしい情報を得れなかった。しかし娘の令華(黒崎レイナ)は捜査に協力させて欲しいと言ってきた。そこで手紙のことなら祖父の寛(堀内正美)が知っているかもしれないと言い、右京たちは若松家に行って寛と話すが情報は得られない。
帰り際、飾ってあるサーベルが気になった右京は、100年前の殺人事件の凶器ではないかと疑う。令華はだったら鑑定してみればいいといい、右京はサーベルを鑑識に持ち込む。
右京はあることから令華は殺人現場にいたと気付き、彼女は何か別の目的を持って行動していると思い始め……。
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【相棒24】5話のネタバレ
サルウィンでレアメタルの採掘プロジェクトを行っていたが、急に採掘中止になる。表向きは地盤が脆弱だったためということだったが、亀山がサルウィンの教え子に話を聞いたところ、採掘現場近くの村ではヒ素中毒が発生していた。
採掘でヒ素鉱石を掘り当ててしまい地下水にヒ素が流れ出し、それが井戸水に浸水して住民は中毒症状を起こしていた。大学側はそのことを隠蔽したが、平久保は告発しようとしていた。
初代理事長の若松清隆がユリアレルギーだったことから、元徳もまたユリアレルギーだった。令華は父親が手に包帯を巻いているのは、アレルギーによって発生した発疹を隠すためだと考える。令華は元徳が平久保殺しの犯人だと思っていた。だが元徳の手の包帯は、平久保を必死に説得していた際にケガしたものだった。
右京は殺害犯は寛だと断言する。平久保の告発を止めるため、大学の名誉を守るためという理由で、寛は平久保のことを刺し殺した。
さらに鑑定に回したサーベルからも大桑のDNAが検出され、清隆が大桑を告発を止めるために刺し殺したことが証明された。
殺人事件発生
隅田川沿いの遊歩道で、平久保幸成(妹尾正文)の遺体が発見された。死因は腹部を刃物で刺されたことによる出血性ショックで、凶器は現場から見つかっていない。死亡推定時刻は昨夜の20時から22時の間とされ、杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)は出雲麗音(篠原ゆき子)の要請で現場へ向かった。平久保の鞄には奇妙な手紙が残されており、封筒には「昭和百年の同志へ」と記されていた。
部署に戻った右京たちは関連資料を洗い直す。昭和元年に起きた未解決殺人事件に辿り着き、榮明大学の理事長秘書・大桑智正(森山祥伍)が12月25日の夜に殺害された事件を読み解く。昭和という元号が制定されたその日に起きた昭和初の殺人事件であり、犯人は逮捕されないまま迷宮入りした。大桑は平久保が持っていたあの手紙を書いた人物でもあった。
昭和元年、大桑の遺体が見つかった河原は、現在では遊歩道となっている。そして平久保の遺体が発見された場所は、まさにその遊歩道だった。手紙の内容は何かを告発するようなもので、時代を越えて2つの事件が繋がり始める。
100年前の事故
右京たちは榮明大学を訪れ、大桑智正の足跡を追う。大桑は初代理事長・若松清隆(隈部洋平)の秘書を務めており、現在はその三代目の若松元徳(髙橋洋)が大学を継いでいた。
右京たちは元徳に会い、平久保について話を聞く。平久保は大学で約40年勤めてきた人物で、大桑の残した手紙を読んでいたにもかかわらず、なぜ黙っていたのかと右京は問いただす。
大正14年に榮明大学はサルウィンで石油採掘の調査を行い、石油の発見に成功した。これをきっかけに大学は国から大きな支援を受け、地質学研究で確固たる地位を築くことになる。
しかしその裏で、サルウィンでは犠牲が出ていた。採掘調査が引き金となった土砂崩れにより近隣の村が巻き込まれ、村人30人が命を落としたという。大桑の手紙には、若松清隆が事故の隠蔽を指示したと記されていた。大桑はこの事実を公表しようとしたが、何者かの脅迫を受け、断念していた。そしてその後、大桑は殺害され、事件は未解決のまま残った。
現場に供えられていた仏花の花束は、平久保が大桑に手向けるつもりだったのだろうと右京が言うと、元徳は引き取るよう告げた。きっと大桑は百年後の未来ならば、真実を語れる社会になっているはずだと信じ、その思いを託したのだろうと右京は考えていた。
百年前の殺人事件の凶器か
右京たちは若松令華(黒崎レイナ)から話を聞く。右京はふと令華の靴に目を留め、何かを察する。平久保が持っていた手紙の写真を見せると、令華は動揺を隠せない様子だった。彼女と外で話すことになり、令華は事件解決に協力したいと申し出る。平久保は彼女にとって父親代わりの存在だったという。
令華は先ほど理事会の議事録を確認していたと説明し、それを平久保の机に戻したと語る。そして、手紙について知っているとすれば祖父のはずだと話した。祖父と平久保は大学の同期で、祖父が平久保を事務局へ誘った経緯があるという。
右京と亀山は令華の祖父・寛(堀内正美)を訪ねる。寛は手紙の存在をすでに把握しており、3か月ほど前に大学の倉庫で発見していた。平久保は手紙を公表するつもりはなかったといい、誰かに恨まれるような人物でもないと断言する。
帰り際、右京は部屋に飾られているサーベルに目を奪われる。そのサーベルは初代理事長・若松清隆が身につけていたものだった。右京はこれこそが昭和元年の大桑殺害に使われた凶器ではないかと推理する。当時の捜査資料では、凶器は直刀型の両刃で刃幅は4分1厘、つまり1.24センチと記されていた。反りのない細身の直刀という特徴は、日本刀よりもサーベルに一致する。
令華がスマホでサーベルの刃幅を測ると、確かに1.24センチだった。清隆には大桑を殺害する動機もあった。右京は「昭和元年の未解決事件を今こそ解決できるかもしれない」と述べる。令華はそう言うなら鑑定をしてほしいと促した。
美和子の話
右京はサーベルを鑑識に提出し、昭和元年の未解決事件との関連を調べ始める。同時に、遺留品として見つかったネクタイピンに刻まれた校章に目を留めた。榮明大学の校章は10年前にデザインが変更されており、遺留品のものは旧式のものだった。また、仏花の花束を鑑定した結果、ユリの花粉が付着していたことも判明する。
右京は令華がユリを持ち去ったのではないかと推測する。なぜなら令華の靴にはユリの花粉が付着しており、彼女の供述をそのまま信じるべきではないと思っていたからだ。議事録を見ていたと言っていたが、実際には外部の報告書を確認していた可能性があり、令華は何か別の目的で独自に動いていると右京は考えた。
その頃、美和子(鈴木砂羽)から連絡が入り、右京たちは捜査一課へ向かう。美和子は事情聴取を受けていた。榮明大学事務局から、前日の19時04分に美和子の携帯へ電話があったという。事務局にその時間いたのは平久保ひとりだった。
美和子によれば、その電話で平久保は「榮明大学を告発したい。命の犠牲を見過ごすわけにはいかないんです」と訴えていた。しかし詳しい内容は語らず、「同じ過ちを繰り返しては何も変わらない。会ったとき全部話す」とだけ伝えて電話を切ったという。
亀山は「命の犠牲」とは100年前のサルウィン土砂崩れ事件を、指しているのではないかと推測する。しかし右京が気にしたのは「同じ過ち」という言葉だった。平久保が新たに知った事実、あるいは現代にも続く大学の問題。それが事件の核心に近いと右京は感じ始める。
犠牲者再び
取調室で令華は「よく覚えていない」とだけ繰り返していた。そこへ右京たちが入り、話題をレアメタル採掘の調査へと切り替える。榮明大学がサルウィンで進めていた採掘計画は、開始直後に麓のマルズ村で住民3人が死亡したことで中止になっていた。症状は急性ヒ素中毒を疑わせ、ほかにも十数名が体調不良を訴えていた。採掘によってヒ素を含む鉱石が掘り起こされ、地下水に溶け出したヒ素が井戸水に混入したのが原因だった。
亀山は、昭和元年にサルウィンで起きた土砂崩れと同じく、再び無実の住民を死に追いやったと指摘する。平久保は事態を疑い、証拠を掴むため現地に飛んでいた。右京は、令華が平久保のデスクから持ち去った書類が井戸水の分析報告書だったと指摘し、その報告書を作成した会社も特定済みだと告げる。平久保はヒ素中毒事故を告発しようとしていたのだ。
令華は「じゃあ私が殺したって言いたいの?証拠は?」と反発する。右京は、犯行現場からなぜユリを持ち去ったのかと問いかけるが、令華はとぼけて答えなかった。
話題は校章へと移る。榮明大学の校章デザインを変更したのは元徳だった。そして、初代理事長の若松清隆がユリアレルギーだった事実が明らかになる。右京はここで、令華がユリの花を持ち去った理由に気づく。
勘違い
右京はサーベルを携えて若松家に関係者を集め、事件の全容を語り始めた。平久保はサルウィンで起きた井戸水汚染の真相を掴むため、井戸水の分析を外部に依頼していた。右京は令状を取り、その報告書を入手する。結果は高濃度のヒ素が検出されたという衝撃的なものだった。
和賀昭一郎教授(伊藤総)も、レアメタル採掘作業によって住民にヒ素中毒が発生した事実を認めた。しかしその事実を隠蔽するよう指示したのは元徳だった。教授は指示に従い、採掘調査データを改ざんし、プロジェクトが中止になった理由を地盤の脆弱性であるかのように装っていた。
令華が平久保の机から持ち去った書類は、まさにその井戸水分析報告書だった。だが令華が本当に隠したかったのは、ヒ素中毒の事実ではなく、平久保が殺害された動機だった。
アレルギーは遺伝する場合がある。元徳もまたユリアレルギー持ちだった。犯行現場にユリが残されていた場合、父が発疹を起こしていれば疑われるかもしれない。令華はそれを恐れ、現場からユリを持ち去った。
令華は感情をあらわにし、「包帯はなに?発疹を隠してるんじゃないの?パパが平久保さんを殺したんでしょう」と父を追及する。右京が「なぜ犯行現場にあなたがいたのか」と問うと、令華は平久保が花を供えると話していたのを聞き、説得のため現場へ向かったと説明した。告発を思い直して欲しかったのだと言う。
しかし現場に着いた時、すでに平久保は倒れていた。父が疑われると思い、令華はユリを持ち帰った。実は包帯の怪我については、事件当日、平久保が父に告発の意志を伝えた際に揉み合いになったと話していた。その時についた傷だった。
【相棒24】4話の結末
右京は元徳を犯人と疑う流れを断ち切り、真の犯人は寛だと指摘する。決定的だったのは犯行現場に落ちていたネクタイピンだった。本来それは平久保の遺留品として扱われていたが、実際には寛のものだった。
平久保は日頃から新しい校章のものを使用しており、古い校章を使っていたのはデザイン変更に反対していた寛だけだった。犯行時、寛はネクタイピンを落とし、拾い上げた際に誤って平久保のものを持ち帰ってしまった。
寛は平久保を思いとどまらせるため説得を試みたが、平久保の決意は揺らがなかった。一方、鑑識の検査により、提出されたサーベルから血液反応が検出され、大桑の子孫のDNAとの照合で一致が確認された。昭和元年に大桑を殺したのは、初代理事長の若松清隆だった。榮明大学を守るための犯行だったことが明らかになる。
その後、花を供えている右京たちのもとへ寛が現れる。平久保は「大学のために、40年2人してやってきた結果がこれか?」と嘆く。寛は「榮明を守るためだ」と主張するが、平久保は「100年経っても同じ過ちを繰り返す大学にしてしまったのは俺達の責任だ。俺はその責任を取りたい」と訴える。しかし寛は聞き入れず、清隆が大桑を刺したのと同じように平久保を刺した。大学のためなら仕方がなかったという思い込みに囚われた犯行だった。
右京は、寛へ向けて厳しい言葉を投げかける。「思い上がりも甚だしい。今の榮明大学があるのは、大学で学んだ学生たちが、それぞれの時代で研鑽を重ね、社会へ羽ばたき未来を切り開いてきたからです。榮明大学に名誉というものがあるのなら、それを築き守ってきたのは若松家ではありません。学生たちです」。その言葉は、清隆の罪を継ぎ、同じ過ちを繰り返した寛の奢りを鋭く断ち切るものだった。
令華が右京たちに近づいた理由は、真相を知るためではなく、時間を稼ぐためだった。右京たちが真相に辿り着く前に、父に自首させたかったのだ。しかし結局勘違いだったため、杞憂に終わった。
大学では、若松清隆の功績を称える展示がすでに撤去されていた。令華は大学の精神を刻んだ石碑の前に立ち、「私は、私にできることをやっていく。まずはサルウィンの人たちに償わなきゃ。そしてここで学びながら、これからのことを考えていこうと思う」と静かに誓う。過ちを背負いながらも未来へ進もうとするその姿には、かつての若松家の影ではなく、自らの意思が宿っていた。
右京と亀山は、その背中を見守りながら力強く励ました。令華は2人の方を振り返り、深々と頭を下げる。そして再び前を向き、ゆっくりと校舎へ歩みを進めて去った。
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【相棒24】5話のまとめと感想
100年前も今も、採掘で現地の人に被害を与えたことを告発しようとした人物を殺害し、大学の名誉を守るためという名目で全て隠蔽しようとしたという話でした。
久しぶりにサルウィンの名前を聞いた回でした。初代理事長も殺人犯なら、二代目も殺人犯という恐ろしい大学です。大学の名誉は地に落ちるどころか、殺人大学として語り継がれそうな勢いです。一回解体したほうがいいのではないかとすら思います。
右京さんの説教にあるように、自分たちが守ってきたと思っていることが、思い上がりだということはよくあります。例えば会社は社員のお陰ですし、芸能人はファンの応援あってのことですし、スポーツ選手も支えてくれる人あってのことです。強いては国も官僚や政治家のお陰ではなく、国民あってのことです。
なぜか上に立ったりちやほやされると、支えてくれた人たちや応援してくれる人たちなどを軽んじます。まさに「思い上がりも甚だしい」です。改めて身を引き締めなければと思う、耳の痛い話でした。
思い上がりも甚だしい。
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