【相棒シーズン23】1話「警察官A~要人暗殺の罠!姿なき首謀者」のネタバレと感想をまとめています。さらにAIに犯人の考察もしてもらいました。
元国家公安委員長が何者かに殺害される事件が発生。右京と亀山は現場にある遺留品を追っていくうちに、警察官となった高田創と再会する。生活困窮者の犯罪なのか?捜査をしていくうちに、今度は総理大臣が爆弾事件に巻き込まれ……。
【相棒23】1話のあらすじ
甲斐峯秋(石坂浩二)から連絡を受けた杉下右京(水谷豊)は、亀山薫(寺脇康文)と共に衆議院議員の芦屋満(並樹史朗)が殺害された現場に臨場した。
周囲に落ちていた遺留品を写真で撮影していく右京たち。さらに現場近くの小道を誰かが通り抜けた痕跡を発見した。
通り抜けて行った先に足跡に見合う人物を発見した右京が声をかけると、それは高田創(加藤清史郎)だった。
高田は現在警察官になって3年目だという。不審者を見かけたから追いかけたという高田、遺留品を見せると思い当たる店があるという。
新たな総裁選を控える中、政治と金絡みの犯行なのか?それとも混沌とする時代に対する、庶民の怒りなのか?右京たちは高田と共に事件を追っていくが……。
【相棒23】1話の見逃し配信
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【相棒23】1話のネタバレ要約
元国家公安委員長の芦屋満が殺害される事件が発生。現場に落ちていた遺留品から、生活困窮者が起こした事件のように見えた。
右京は捜査の目をそちらに向けるために細工されていると感じ、犯人はそれ以外の人物なのではないかと考える。
犯人が逮捕される前に、また新たな事件が発生する。総理大臣がイベントで挨拶中に、突然爆発するという事件が起きた。
【相棒23】1話の詳細なネタバレ
現役議員殺人事件
警視庁が創設150周年を迎える年、杉下右京(水谷豊)はその長い歴史を編纂するという重責を担っていた。膨大な資料に囲まれ、黙々と作業を続けていた彼のもとに、一通の電話がかかってくる。電話の相手は甲斐峯秋(石坂浩二)だった。「知人が事件に巻き込まれたかもしれない。ちょっと見てきてくないか」という内容だった。
その日、政治の世界を震撼させる大事件が発生した。衆議院議員であり、元国家公安委員長の芦屋満(並樹史朗)が、何者かに殺害されたのだ。芦屋は鋭利な刃物で16箇所も刺され、失血性ショックによって命を落とした。死因は明らかであったが、傷の形状は普通の刃物ではなく、凶器の特定は難航していた。死亡推定時刻は昨夜11時から午前1時の間であり、彼が宿泊していたホテル近くのバーで1時まで確認されている。
右京と亀山薫(寺脇康文)は、すぐさま現場に向かい、そこで土師太(松嶋亮太)も合流した。凶器は依然として発見されていなかったが、右京は現場に落ちていた一つの手がかりに目を留める。それは「ONE TO TWO」と書かれたおしぼりである。また、別の場所にはおにぎりの包み紙が捨てられており、何十にも貼られた割引シールが異様な存在感を放っていた。
一方で、出雲麗音(篠原ゆき子)たちは土師が被害者のスマホを解析し、解除されたパスコードの先に保存された写真に驚愕する。そこには、バイクに二人乗りしている姿が映し出されていた。容疑者の可能性が高いと、捜査一課の面々は喜んだ。
右京たちはさらに現場を捜索し、気になる物を発見する。『コンフィマート』というスーパーの袋の中に入っていたのは、パンやバームクーヘンの切れ端。それがどのような意味を持つのかは不明だったが、右京は現場近くに生えているオジギソウに目をやる。その葉は閉じていた。オジギソウは一度閉じると、再び開くまでに30分かかる。この事実から、現場には30分以内に誰かが通った可能性が示唆される。この狭い場所を通ったのは誰なのか。右京と亀山は後を追った。
裏献金疑惑
右京たちは、殺害現場からさらに進んで細い道を歩いていた。その先には、ぽつりと足跡が残されていた。右京はそれをじっと見つめ、すぐに解析を始めた。「サイズは25.5センチ、男性のものですね。しかも、この足跡は重心が前に傾いています。おそらく走っていたのでしょう」と冷静に語る。
亀山が周囲を見渡しながら考え込む。「あんな木の間を通り抜けて、わざわざこんな狭い場所を横切ったのか?余計に怪しいな」二人は足跡を追いかけ、道の先へと進む。やがてその先に、スニーカーを履いた青年が立っているのを見つけた。右京は足跡と青年の靴を照らし合わせ、声をかける。「ちょっとよろしいですか?」その青年は驚きながらも振り向いた。あの時の少年A、高田創(加藤清史郎)だった。
一方、伊丹憲一(川原和久)たちは別の捜査に追われていた。バイクのナンバープレートから持ち主を割り出し、平井久美(福崎那由他)と高木宇宙(石川雷蔵)という二人の探偵に話を聞きに訪れたのだ。二人は、芦屋議員の妻から依頼され、議員に愛人がいるのではないかと調査を行っていた。しかし、結果として愛人の存在は確認できなかった。誰も芦屋の部屋には出入りしていなかったのだ。
探偵たちは部屋を盗聴していたという。「『佐野こんにゃく2枚。村野4枚、平原3枚』と話しているのが聞こえた」と高木が語る。その言葉に伊丹は眉をひそめる。「こんにゃく?」と問い返すと、平井が説明した。「こんにゃくは100万、レンガは1000万、座布団は1億円を意味する隠語です。政財界でよく使われる」
その情報に、伊丹の頭の中で次々とピースが繋がっていく。だが、その時、芹沢慶二(山中崇史)が苦笑しながら口を開いた。「特命係に邪魔される前に、早く片付けた方がいいんじゃないですか?」探偵たちは「特命係」という言葉に反応し、不安げな表情を浮かべた。
元少年A
右京は隣に立つ亀山を指しながら、高田に紹介する。亀山は軽く頭を下げて、笑顔を見せる。高田は少し緊張した様子で二人を見つめながら、自らの過去を話し始めた。
「僕は、戸籍をしっかり取得できた後、弟と一緒に児童養護施設に入りました。その後、弟は親切な人に引き取られて養子に行ったんです。それで…僕も自分の人生をどうしようかと考えました。そのとき、初めに思い浮かんだのが警察官になることでした」創は、警察官として3年目を迎え、現在は麹町署の地域課で勤務している。
「足跡は…たぶん僕のものかもしれません」と、少し申し訳なさそうに話し出す高田。「怪しい人物がいて、思わず追いかけたんです。僕の寮がこの近くなので、偶然現場を通りかかりました。でも、その男の顔は見ていません」
亀山が持っていた写真を高田に見せる。「これ、遺留品かもしれないんだけど…見覚えないか?」と亀山が問いかけると、高田は写真をじっくり見つめ、ふと驚いた表情を浮かべた。「これ、試食品じゃないですか?」
右京と亀山が顔を見合わせる。「試食品?」と右京が尋ねると、高田は懐かしそうに語り始めた。「僕、金がなかった時期にこれを食べて生き延びたことがありました。いろんなお店で試食品を集めて、なんとか食いつないでたんです。この菓子、たぶん江古田にある店のものだと思います。刻印を見れば間違いないですよ」その一言が、新たな手がかりとなり、事件の糸口を掴んだ瞬間だった。
それぞれの捜査
伊丹たちは、芦屋が事件前に言及した「佐野」「村野」「平原」という名前について、中園照生参事官(小野了)に報告を行っていた。「村野は、警備会社ガードメイトの社長・村野典明のことではないかと考えています」伊丹が報告する。そして「佐野は、防犯カメラメーカー水島セキュリティの社長・佐野仁志だと見ています」と出雲が伝えた。「防犯利権か…」2人の名前を聞いた参事官はつぶやいた。
その頃、右京はおにぎりの納品先であるスーパーを訪れ、店長の山中信嘉(芝崎昇)に話を聞いていた。「防犯カメラの映像は2週間分保存してありますが、少々時間がかかりますよ」と山中が渋る様子を見せる。右京は微笑みながら静かに言葉を返す。「おにぎりを50%割引にするのは、閉店間際の午後9時とのことですね。購入されたのもその時間帯と見ていますので、カメラ映像の確認にお時間は取らせません」説得力のある口調に、山中はしぶしぶカメラ映像の提供に応じた。
一方、亀山は「ONE TO TWO」と書かれたおしぼりの店を訪ねていた。「女性客はタダ飯目当ての人ばかりだよ」と、店内で福山彩咲(南木春香)に話を聞こうとした亀山が後ろの席に座っていた小林孝弘(オツハタ)に声をかけられる。「身分証を取っているんだから、店もそういう客を出禁にすればいいのに」と小林はぼやく。その言葉に亀山は微かに眉をひそめ、何かを思案し始めた。
一方、高田は江古田にある『ふるらぼ』という菓子店に向かい、写真を見せて確認を取っていた。「この菓子、こちらのものですか?」と尋ねると、店員の入川若菜(小野由香)は少し考えた後「間違いなくうちの試食品です」と答えた。高田はさらに尋ねる。「何度も試食に来るお客さんはいませんか?」。すると、店員は「ああ、ついさっきも来た人がいましたよ」と思い当たる節を話す。偶然にも、その人物が外にいるのを見つけた高田は、慎重に尾行を開始した。
乱闘
右京と亀山は再び合流し、ついにおにぎりを買った人物を特定することに成功した。亀山は店が身分証を取るので追跡が可能であることを確認したが、紙おしぼりを持ち帰った人物まではまだわからなかった。右京は小さく頷き、さらなる調査が必要だと考えた。
その頃、高田は単独で怪しい男を追っていた。慎重に尾行を続けていたが、男にその動きを気づかれてしまう。武井(須賀裕紀)というリーダー格の男に「いじめられたことがあるだろ?」と挑発され、高田は動揺した。高田はは続けて、「昔の僕と同じだ」と、つけていた男・八木剛(細井じゅん)を指差して言い放つ。やがて襲い掛かってくる男たちと乱闘を始めた。
激しい乱闘が繰り広げられる中、亀山も駆けつけ、共に戦うことになった。右京は冷静に状況を見守りながら、逃げ出そうとした八木に「やれるもんならやってみなさい!」と鋭く凄みを利かせ、すぐさま捕まえた。
捕まえた男たちを警察に引き渡すと、そこに高田の同僚である二科征司(内野謙太)が現れた。彼は高田が右京に憧れて警察官になったことを話し、右京に感謝の意を伝える。「高田は、手柄を立ててから話をしたいと言っていました」と二科は説明し、さらに続けた。「俺たち現場の人間にとって、信じられるものって大事なんです。ずっとそういう存在でいてください」と、頼み込むように語った。
少し後、制服を着た高田が戻ってきた。そこへ伊丹たちも到着し、高田は笑顔で「お久しぶりです」と挨拶した。伊丹は高田を思い出し、嬉しそうに「将来俺と組むか?」と冗談を交えながら声をかけた。高田はその言葉に笑みを浮かべながら、「ありがとうございます。でも、お気持ちだけで十分です」と丁重に断った。
右京はそのやりとりを静かに見守りながら、高田の成長と誠実さを感じ取り、胸に温かな何かを抱きながら現場を後にした。
怪しい人物
右京は捕まえた八木に話を聞き始めた。袋に入っていた試食品については確かに自分のものであると認めたが、事件現場には行ったことがないと主張する。「事件当時、午前1時頃は赤羽で清掃のバイトをしていました」と八木は冷静に説明した。さらに、おにぎりやおしぼりについても「それは自分のものじゃない」と言い切った。
八木はおにぎりの開け方やおしぼりの扱いを見て、自分が過ごしていた部屋の住人たちの顔を思い浮かべた。ドミトリー型の簡易宿泊所一緒にいた、古川裕(山本侑平)という男や、女性を思い出す。「あの宿泊所では、詳しく話を聞かないのが暗黙の了解でしたから、細かいことは知らないんです」と八木は語った。
その情報を元に、右京と亀山は八木が泊まっていたという宿泊所へ向かった。そこは違法民泊の一種で、様々な人が出入りしている場所だった。宿泊所に到着した二人は、まず中川美緒(光藤えり)という女性に話を聞いた。彼女はその宿泊所の住人の一人で、事件当夜の状況について何か手がかりを持っているかもしれなかった。
続いて、やってきた古川にも話を聞いた。古川は午前1時頃にはバイトに行っていたと証言し、さらに美緒もその店にいたと付け加えた。彼ら二人には事件当時の確かなアリバイがあった。
しかし、宿泊所にはもう一人怪しい人物がいたことが判明する。それは1泊だけしていった男で、バックパッカーとして全国を回っているという話だった。美緒と古川は「その男、ずっと帽子とマスク、それに眼鏡をしていて、顔は分からない。しかも、軍手までしてた」と証言した。顔を隠し続けていたその男が、4人目の謎の旅行客として事件に関わっている可能性が高まった。
右京と亀山は、この4人目の旅行客が次なる手がかりであると確信し、さらに捜査を進めることに決めた。
6年前の事件
伊丹たちは、最後の手がかりである「平原」だけがどうしても特定できなかったことを参事官に報告した。「捜査が深みにハマる前に、捜査方針を見直したほうがいいかもしれません」と、伊丹は冷静に忠告した。
その後、事件の傷口の形状から凶器が特定され、捜査は急展開を迎える。それは6年前に起きた「中野無差別殺傷事件」で使われたナイフと同じものだった。その事件では、犯人の神山成夫(千葉雅大)が突如壇上に上がり、都知事の宮川博()を切りつけようとしたものの未遂に終わった。しかし、神山はその後、逃走しながら無差別に人々を切りつけ、警察官を含む十数名の死傷者を出した凄惨な事件だった。
神山はその場で取り押さえられ、一審で死刑判決を受けた。控訴せず、現在は東京拘置所で刑の執行を待っている。彼の動機は「誰でも良かった」と供述しており、生活に追い詰められ、派手な事件を起こして死刑になることが目的だったと語った。
角田六郎(山西惇)はその供述について、「自分じゃ死ねないから、大事件を起こして死刑になろうって考えたんだろうな」と話し、さらにこう続けた。「明日はきっと、今日より悪い日になる。人間ってのは、未来が見えないとヤケになる生き物なんだ。だけどな、犯罪は犯罪だ。そこで踏みとどまるのが人間なんだよ」
亀山はその話を聞いて、今回の事件も模倣犯の可能性があるのではないかと推測する。「ネット上でも、その事件を模倣したという論調が広がっていますね」と言いながら、右京は思案を重ねた。
しかし、右京は冷静に状況を分析し直し、ある仮説にたどり着く。「犯人は集めた品々を現場に遺留品として残しています。つまり、生活困窮者の犯行に見せかけようとしている、ということになりませんか?」右京の言葉に、捜査班は新たな視点を得た。
その時、右京の携帯電話が鳴った。電話の相手は、平井久美だった。
票集め
亀山は以前関わった2人が探偵になっていることを知り、嬉しそうに笑った。「2人にぴったりの仕事です」と右京も同意しながら話す。伊丹たちが訪れたことについても話が及び、探偵の2人は「2人には借りがある。知っていることは何でも話すよ」と、協力を惜しまない態度を見せた。
その後、亀山は妻の美和子(鈴木砂羽)と共に「こてまり」で食事をしながら会話を楽しんでいた。美和子は最近、帝都新聞から業務委託され、首相官邸への取材が許されるようになったことを嬉しそうに報告した。そこに少し遅れて右京がやってきた。一課の状況を耳にしながら、右京は村野、佐野、平原という名前を思案していた。すると、美和子が「自生党の若手議員だ、芦屋派の」と語った。
右京はその情報を聞き、さらに考えを巡らせる。「もしかすると、お金を受け取っていたのではなく、逆に芦屋が彼らにお金を渡していた可能性がある」と推測を述べた。「自生党の総裁選が控えている。芦屋はその票を集めるために、金を配っていたのかもしれませんね」と、右京は続けた。
翌日、右京と亀山は村野典明(吉田悟郎)に直接話を聞きに行った。村野は驚くほど素直に認めた。「今回は、芦屋自身が出馬する予定だったんです」と村野は説明する。
事態が変わったのは、政界の「キングメーカー」と呼ばれる利根川吉伸(でんでん)から指名を受けた時だった。利根川は自分では総裁選に出馬しないが、最大派閥の領袖であり、その指示に従えば、党内での影響力は絶大だ。村野の言葉に、右京は事態の裏にある深い政治的駆け引きを感じ取った。
キングメーカー
社美彌子(仲間由紀恵)は藤原龍一(柴俊夫)総理に、芦屋が本来出馬する予定だったという情報を報告した。「芦屋に投じられるはずだった票は、いったいどこへ流れると思う?」と藤原が社に問いかけるが、その質問に即答できなかった。「総理は、芦屋さんが出馬する予定だったことを知っていたんですか?」と社がさらに詰め寄るが、総理はきっぱりと「いいえ」と否定した。
次に社は、政界の重鎮である利根川に話を聞きに行った。利根川は一言、「芦屋を殺したのは、僕かもしれない」と、不気味な言葉を漏らした。その意味は、総裁選に芦屋を擁立しようとしたことで、彼を無理に引き上げようとした結果が悲劇を生んだという意味だった。「人間の器ってものがあるんだ。器以上のものを入れようとすると、おのずと壊れてしまう」と利根川は続け、まるで過去を思い返すように静かに語った。
社が藤原の政権の危機について問うと、利根川は冷静に「党として、一緒に沈むわけにはいかない」と述べた。社が「総理に解散させないように呼び出したのなら無用です。藤原総理は党を引き換えにするような人ではありません」と言って社は部屋を出た。
社が利根川のもとを出たところで、右京たちがちょうどやってきた。右京はすぐに「総理も芦屋さんのの出馬を知っていたのでしょうか?」と質問するが、社は苦笑しながら「私がそれに答えるとでも?」とかわす。「空気も読まずに真相真相と、無粋なことをしないで」と、皮肉っぽく右京に言い放った。
その瞬間、利根川が現れた。右京たちは自己紹介をし、すぐに核心に迫る。「事件の犯人が中野事件の模倣犯だというのは本当なの?」と利根川は関心を持って尋ねた。右京は「芦屋氏は出馬する予定だったのですか?」と逆に質問し、利根川は驚いた表情を浮かべ、「そんなことまで知っているのか」とつぶやいた。
去り際に、利根川は寂しげに一言、「せめてもの供養に、早く犯人を捕まえてくれよ」と言い残し、秘書に呼ばれてその場を去った。事件の背後にある政治的な暗闘がますます浮かび上がる中、右京たちはさらなる手がかりを追い始める。
【相棒23】1話の結末
右京の携帯に、高田から緊急の電話が入った。「警邏中に血痕を発見しました。犯人が傷を負っている可能性が高いです。血液型はAB型でしたが、被害者のものとは違います。現場から少し離れた場所です」と、高田は興奮した様子で報告する。右京はその情報に驚きつつも、冷静に「その血痕は謎の男と関係している可能性があるかもしれませんね」と考える。高田は「周辺の病院を当たって、傷の手当てに来た人物がいないか確認してみます」と、自主的に動く意志を示した。
その後、右京と亀山が部署に戻ると、大河内春樹(神保悟志)が待っていた。彼の表情はいつも通りの冷静さを保っていたが、話の内容は驚くべきものだった。「副総監からの直々の指示だ。君たち二人は現在の業務に専従するようにと言われている。つまり、『警視庁150年史』の編纂を続けろということだ」と告げた。右京と亀山は一瞬顔を見合わせた。副総監が直々に言うということは、それだけ重大な何かが隠されているのだろうと考えた。
その直後、緊迫した空気を切り裂くように、角田が駆け込んできた。「テレビをつけろ!」右京たちは急いでテレビをつけると、画面には「藤原総理が襲撃され、病院に搬送された」という速報が流れていた。総理は壇上で挨拶中、マイクの調子が悪くなり、それを交換しに袖へ向かった瞬間、壇上で爆発が起き、吹き飛ばされたという。
画面には、混乱する現場の様子が映し出されていたが、総理の容態はまだ明らかになっていなかった。右京は眉をひそめながら画面を見つめ、この事件が現在追っている事件とどうつながっているのか、そして背後に隠されたさらなる陰謀を考え始めた。