【相棒20】16話のネタバレと感想|今シーズン上位の名回

2022冬ドラマ
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【相棒20】16話「ある晴れた日の殺人」のネタバレと感想をまとめています。

ビルの屋上で発見された遺体は誰が殺したのか?現場に落ちていた手がかりを元に、右京さんたちが突き止めた真相はまさかの展開を迎えます。今シーズン中で面白さ上位に入る名回です。

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【相棒20】16話のあらすじ

ビルの屋上で発見された遺体は中松誠(高橋和也)という同じビルに入る広告会社の社員だった。現場に残された凶器と思われる長いハサミと、指紋を拭き取ったと思われるイニシャル入りのハンカチが手がかりとなる。

中松はかつては優秀なクリエイターだったが、出世争いに敗れて以来、追い出し部屋のような部署に左遷されていた。

同僚の山村拓也(成田瑛基)から話を聞いたところ、恨み言を言っていたと言う。そこで、今度は中松と同期の田川浩(白畑真逸)に話を聞くと、いろいろな所と揉め事が多かったという証言を得る。

右京(水谷豊)は現場にあった遺留品の企画書が気になっていた。なぜなら、ホチキスで留めた跡があるのに、残りの紙が見当たらなかったからだ。

やがてある不正疑惑が浮かび上がり、中松を殺害する動機を持つ者が複数現れ……。

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【相棒20】16話のネタバレ

映像がかなり凝った作りになっている回です。最後の最後のオチでその真相が分かった時、孤独について考えさせられる終わり方をします。

謎の男

屋上で中松の遺体が発見された時、野次馬の中にいる謎の男が心の中でつぶやきます。「死んで当然の男。だから殺してやった」と、中松の遺体を見ながら犯行を告白したのです。

しかし、右京さんをはじめ警察は誰もその存在に気づきません。関係者に地道に聞き込みを始めます。

現場に落ちていた長いハサミの凶器と、“T”のイニシャルが刺繍されたハンカチが手がかりです。

それ以外に右京さんは気になる遺留品を発見します。それはテープで貼り合わせた企画書でした。事件に何か関係があるのか?今のところ不明です。

同僚に聞き込み

中松の同僚である山村拓也に聞き込みを開始します。中松がいた部署は新規開発事業部とは名ばかりの、追い出し部屋のような部屋でした。

元々中松は優秀なクリエイターでしたが、出世競争に敗れた結果、この部署に左遷されました。

山村は事件当日は早退していたため、中松が何をしていたかは分からないと言います。山村の当日の予定には“会議室D”と書いてありますが、誰と会議していたのかは知りませんでした。

出世競争に敗れたという相手は現在部長の田川浩という人物でした。そこで今度は田川に話を聞きに行きます。

田川が言うには中松はいろいろな所と揉め事を起こしていたそうです。自分が疑われていると気付いた田川は、競争に勝ったほうが殺人なんかしないと否定します。

右京さんは中松の遺留品である企画書を見せて見覚えがないかを聞きますが、なぜ持っていたかは分からないと田川は答えました。

しかし、会議室を取ったのは田川で、企画書も田川の案件でした。ハンカチのイニシャルTとも合致します。何かを知っているはずですが、自白させるにしても今のところ証拠がありません。

不正疑惑

遺留品の企画書の端を見るとホチキスで留めた穴が開いていました。1枚しかないのに不思議に思った右京さんは、中松の机を探します。

すると、デスクマットの下に挟まっていた請求書を発見しました。ホチキスの穴の位置も一緒だったため、恐らくこの2枚はセットだったのではないかと思われます。

請求書にはCM用空撮予算として1000万円とクライアント向けに書かれているのと、空撮映像素材買取費用として10万円と制作会社向けに書かれている2つのものがありました。

撮影予算として1000万円をクライアントに請求しながら、実際に使用したのは買い取った既存の映像だったのです。つまり、水増し請求をしていた証拠となります。

テープで貼り合わせていたのはどこかで破棄された資料を集めたのだとしたら?中松はこの事を告発しようとしていたのではないか、と右京さんは推理します。

その中松が遺体で発見されたとなると、田川が一気に怪しさを増してきました。

捜一の面々が裏取りをしたところ、新規で空撮をすると言ったのは田川でした。しかし、制作会社に話を聞くと田川が、既存の映像でいいと言ったそうです。

そのことを田川にぶつけると、水増し請求については認めたものの中松殺害については否定しました。

右京さんたちがやってきて間を割って話をします。中松は告発を途中でやめたのではないかと思うと。

なぜなら社内で告発があったか確認したところ、どこへ行っても話を聞いた人はいません。

事件当日、田川は会議室を取って中松と告発について話し合っていたのです。何とか説得して告発をやめてもらったと言います。

では、中松が告発の準備をしているという話を、田川は誰から聞いたのか?それは、中松の部下の山村からでした。

新たな容疑者

田川にタレコミをした山村に話を聞きに行きますが不在でした。右京さんはあるファイルを手に取って中を見ます。

ファイルは新聞のスクラップ記事が集められていたもので、主に広告関係の記事でした。凶器の異常に長いハサミは、新聞のスクラップをするためのものだと気付きます。

山村のことを知る同僚に話を聞いたところ、損得勘定で人との付き合いを考えている人物だと聞かされます。

以前、飲みに行った時に山村は田川について「死んでくれねえかな」と愚痴っていたと言います。

経理に行きハサミが山村のものか確認しに行くと、確かに山村の名前であのハサミは清算されていました。

再び部署へ行くと山村が戻って来ていました。事件の日、早退をしたという山村ですが、早退の届け自体実は出ていませんでした。

そのことを問い詰めると山村は、有給を消化してしまっていたので、中松が代わりに打刻してくれる予定だったと言います。

リークがバレて揉め事になったのではないかと聞いてみますが、山村は殺害を否定します。

凶器のハサミも山村のものと確定したため、捜一が署へ引っ張ろうとしました。しかし、右京さんが割って入ります。

毎日欠かさずにスクラップ記事を集めていたのに、事件の日の夕刊だけ抜けていたのです。つまり、昨日は本当に早退したに違いないと右京さんは言います。

死んでくれないかとまで言っていたと捜一が食い下がりますが、山村は中松はパワハラ気味なところがあったので、愚痴りたくなる時もあったのだと弁解しました。

世話になったのは事実だし恩義も感じている。殺すなんてとんでもないとやはり否定します。その様子を謎の男は影から見ていました。

右京さんは何か全く別の真相がある気がしてならないと言い、それを見ていた謎の男は警戒しました。

怪しい妻

会社から出ようとした右京さんたちの前に、中松の妻・陽子がやってきて会社に案内されます。

気になった右京さんたちは直接話を聞こうとしますが、忙しいと理由をつけて話そうとしません。

そこで右京さんは1つだけいいかと言い、中松と別居中だったのではないかと問います。

なぜなら、中松が昨日帰宅しなかったにも関わらず、携帯電話に妻からの着信はなかったからです。さらに妻は結婚指輪もしていません。中松の指には指輪があったのにです。

妻はそれも警察署で聞いてくれと言って否定も肯定もせず、会社の人と退職金などの話を始めに行ってしまいました。

夫が死んだ当日にすぐに金の話をするという怪しい行動。田川とも何か話をしていたのが分かり、冠城に聞き込みに向かわせます。謎の男はその様子を影から心配そうに見ていました。

冠城が田川に何を話していたのか探りを入れたところ、陽子は元々この会社で受付をしていた事が分かります。

田川と中松の妻である陽子は若い頃に付き合っていたのです。陽子は中松のほうが出世すると思ったから、あっちと結婚したのだろうと田川は言います。

彼女が何の話をしにきたのかというと、離婚の慰謝料をもらう前提でマンションを購入していたので、会社に金の話を聞きにきたのです。そういうしたたかな所が、田川は昔も好きになれなかったそうです

そうなると陽子にも動機がありますが、彼女は保険の営業で昨晩は客と会っていたというアリバイがありました。

山村は中松から「多分不倫されている」と聞いたそうです。仮にアリバイがあっても誰かと共謀していたなら犯行も可能ですし、もし不倫相手がここの社員だとしたら、あの屋上で襲うことも可能だと右京さんは推理します。

その頃陽子は誰かと電話をしていました。どうやら不倫相手らしく、夫を殺害したのではないかと疑っていました。

その会話を盗み聞きしていた右京さんたちは、不倫相手がこの会社にいるようだと考えます。

さらに陽子がかつての同僚と会った際、「高木さん」と声を掛けられます。陽子の旧姓は高木で、ハンカチのイニシャルTとも合致します。

その後、陽子は不倫相手から電話が入り、急いでビルの屋上へ向かいます。冠城が階段を使って追いかけました。

陽子が屋上に行き不倫相手と会います。そこにいた謎の男と会うのかと思ったら、経理の天野でした。2人が密会しているところを右京さんは呼び止めます。

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【相棒20】16話の事件の真相

その後、捜一の面々も呼び寄せて事件の真相を屋上で話し始めます。不倫をしていた2人が邪魔になった中松を殺害したという話ではないと言います。

なぜなら、死亡推定時刻の頃、陽子は客と会っていたし、天野は家族がいるので自宅にいたのです。

田川も山村も殺害について否定をします。みんなを疑っているわけではないと右京さんは言い、中松の死の真相は自殺だと語ります。

現場に落ちていたハンカチは結婚する前に、陽子が中松にあげたものでした。つまり、ハンカチは中松のものです。

ではなぜ、ハンカチを出す必要があったのか?それは、自殺の際に使われたハサミが山村のものだったので、指紋がついていると思って拭ったのです。皮肉にもその行為が自殺を事件に見せてしまいました。

山村は自分が殺したようなものだと後悔します。あの日、田川から急に呼び出された中松は、もしかして山村が告発の情報をもらしたのではと思って問います。

山村は自分じゃないとシラを切りますが、あの時に気付かれていたのだろうと思っていました。面倒を見てきた部下に裏切られる、一番傷つくと分かっていながらしてしまったと山村は反省します。

田川は自分が殺したのだろうと言います。あの日、告発をしないよう説得していた際、自分を追い落としたところで、評価の低い中松が上に上がれるわけじゃないと言ってしまったのです。

仕事を生きがいにしていた中松に、言ってはいけない事だったと反省しました。

さらに陽子が本当は自分が原因だと告白します。離婚して欲しいとメールで送った際、中松からは定年後に2人で過ごすのが夢で、そのために今まで頑張ってきたと返信がありました。

しかし、既に陽子の気持ちは離れていて、中松とよりを戻すつもりはありませんでした。

仕事が支えではなく自分が支えだった。しかしそれを壊してしまったと反省しました。

それを聞いた右京さんは本当の理由を知るのは不可能で、本人だってわかっていなかったかもしれないとまとめます。

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【相棒20】16話の結末

事件が解決した後、結局のところなぜ死んだと思うのかと冠城は右京さんに聞きます。どれか1つではないと思うが、孤独だった事は確かだと答えました。

人間は1人になると死にたくなるのかもしれないと右京さんは言います。

職場でも家庭でも必要とされず、存在価値も見出せない。生きていく意味も分からなくなり、生きる力が消えてしまう。その結果、死んでしまおうと思うのだろうと。

その話を聞いていた謎の男は、そうじゃないと言います。あの男は自分の事ばかり、そのくせ裏切られると狼狽する。だからみんな去っていくのだと。

今に始まったことでなく何十年もそうだった。誰も自分さえも幸せにできない。生きていても価値がない、死んで当然の男なんだ。と、謎の男は言います。

そして昨日、俺の事が嫌いで嫌いでしょうがないだろう、今日殺してくれないか?と謎の男に中松は話します。

なぜ今日なのか?中松は「いい天気だ。久しぶりに気が晴れて死ぬ元気が出た」と言いました。

自分なんて他に誰も殺してくれない。だから自分で殺すしかないんだ。そう語る中松の方へカメラが動いて行くと、謎の男と重なります。

謎の男と思われていた人物、それは中松本人だったのです

中松はあの日自殺を決意して屋上へ向かいます。山村のハサミを自らの腹に三度突き刺し、そのまま死を迎えるはずでした。

体が冷え始め意識が薄れていく中、なぜかふと山村の指紋がハサミについているかもと思います。

ふがいない先輩に幻滅していたかもしれないが、だからこそ格好つけたくなったのです。そこでハンカチを取り出して指紋を拭き取りました。

死が近づくに連れて田川もそんな悪い奴ではなかった、あいつがいたから頑張れたと思い直します。

陽子とは家族になり損なったけど、自分なりに精一杯家族のつもりだった。少しは泣いてくれるだろうかと考えていました。

右京さんが死んだ中松に向かい語りかける形で話し始めます。自殺は決して許されないこと、自ら死を望んだとしても生きるべきだと。

中松を調べていくうちに右京さんは、彼は本当はみんなと幸せに生きたかったのだろうと感じていました。

それを聞いた中松は誰も自分の気持ちなんて、分からない分かりたくないはずと思っていたが、もう少し早く2人に会えていたら、自分はまだここにいられたのかもしれないなと言いました。

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【相棒20】16話のまとめと感想

謎の男の正体は、自殺した男の幽霊だったという話でした。

「ミステリと言う勿れ」がここのところそんな話だったので、また幽霊の話かと一瞬ガッカリしました。しかし、こちらは圧倒的な映像で面白さを伝えてくれます。

「刑事コロンボ」のように犯人が最初に分かっていて、追い詰めていく話なのではと初めは思わせます。

謎の男がいったい何者なのか?その正体が分かるまで、所々に違和感をちりばめられていました。

例えば、中松の顔はずっと映りません。また、他の社員の人はみなスーツなのに、謎の男だけカジュアルな格好だったりします。

男の一人語りは常に殺害された中松の悪口を言っているため、中松自身に裏の顔があるのではないか?と思わせます。

中でも秀逸なカメラワークが物語を盛り上げます。屋上で陽子が天野に会うシーンはまるで謎の男に会いに来たように見えるのですが、実は違うという絶妙な位置取りになっています。

このシーンを何度も見直しましたが、驚くほどによく考えられたカメラワークです。興味のある方はぜひ映像で確認してみてください。

最後に中松と謎の男が同一人物だと分かるシーンのカメラの動きもよく、同じような話でも画面で面白さが非常に伝わってくる構成となっています。

今回の話は今シーズンで今のところ一番面白かった回です。次回は久しぶりに六角さんが登場するので、甲乙つけ難い面白い回になりそうです。

反町さんが卒業するまで恐らくあと数話、はなむけに怒涛の面白さで駆け抜けて欲しいものです。

次回は3月2日21時から放送予定です。

【相棒20】16話のいいセリフ

人間、一人になると死にたくなるのかもしれません。

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