【ガイアの夜明け】楽天の野望のまとめと感想|楽天モバイルは繋がるのか?

ガイアの夜明け ドキュメンタリー
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2020年4月14日放送の【ガイアの夜明け】は、今年の春にサービスを開始した楽天モバイルについての特集でした。

楽天モバイルは繋がるのかどうなのか、新たな店舗はどういった感じなのか、500日間密着取材して様々な問題を浮き彫りにします。

番組の内容を分かりやすく、見る時間がない人に向けて簡潔にまとめ要約しています。

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【ガイアの夜明け】楽天の野望の要約

主にこんな感じの内容でした。楽天に500日間密着し、現在に至るまでの過程を営業や店舗運営など、様々な視点から問題を浮き彫りにし解決していきます。

  • アンテナ設置場所を探すのに苦労する
  • 楽天グループの取引先に営業をかける
  • 国から3度の行政指導を受ける
  • 2019年10月のサービス開始に間に合わず
  • 2019年11月の時点で、皇居周辺・丸の内・総務省の前で繋がらない
  • 待ち時間ゼロを目指す売り場改革
  • iPhoneショップみたいにしただけだった
  • 2020年3月にようやく丸の内や皇居周辺をカバーできた
  • 2020年4月にサービス開始
  • 新型コロナウィルスの影響で前途多難なスタートを切る
  • 楽天の野望は日本発の世界のネット企業になりたいという野望
  • その自前の通信技術の詳細は番組で語られずじまい
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楽天が携帯事業に参加するまで

楽天が創業から携帯事業に参入するまでを、簡単に時系列でまとめました。

楽天が携帯参入するまでの歴史
  • 1997年
    元銀行マンの三木谷氏が創業

    その後、証券会社や旅行会社などを買収

  • 2010年
    社内公用語を英語にする
  • 2014年
    格安スマホを開始
  • 2015年
    政府が携帯の価格破壊を促す
  • 2018年
    自前の通信網で携帯電話の参入が認められる
  • 2020年
    楽天モバイルサービス開始

創業20年で売上高1兆円を突破しました。楽天グループは現在約70サービスあり、会員登録者数は1億人以上といいます。

数字だけ見ると凄いことですが、“売上高”なので純利ではありません。会員登録者数の数もグループ内の他のサービスと重複していたり、幽霊会員も含めた数だと思われます。

格安スマホを開始した時、目標は1000万件でしたが2019年現在は230万件のみです。それもそのはずで、自前の回線でなく他社の通信をレンタルしたものなため、提供できるサービスに限りがありました。

今回は、国から許可をもらい自前で通信回線を用意します。なので、大手3社と同じようになる予定です。

補足:楽天の何が世界初なの?

番組の中では詳しい説明がありませんでしたが、楽天モバイルの回線は“世界初”なものを取り入れてます。それは、完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークというものです。何のことかさっぱりわからないので調べました。

ハードウェアとしての通信サーバーやアンテナ設備と、ソフトウェアとしての通信技術を分離したものということです。高い拡張性と迅速なリアルタイムアップデート、ハードウェアの更新や入れ替えが容易となります。

この技術のおかげでアンテナが小さく、設置場所も大きな場所でなくても大丈夫ということになりました。

番組を見ていて三木谷氏が、海外進出したいとか、世界初だとか言います。最初、「はいはい、またIT系のハッタリか」と思って聞いてました。しかし、調べたところ楽天は本当に世界初のことに挑戦し、そのアンテナはちゃんとNECなど技術力のあるところと開発してました。

この件が番組で詳しく紹介されないため、三木谷氏が夢物語を語ってる人みたいに見えてしまったわけです

参考記事

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アンテナ設置の困難

携帯基地局を設置しないと、携帯の電波は届かないため楽天も早速いろいろなところに設置しにいきます。国と2019年度末には東京・大阪・名古屋を中心に3432局設置する約束しています。しかし、これが困難を極めます。

既に大手3社がアンテナを設置しているため、置く場所を探すのが大変ということでした。画面で見るとスペースも空いているのだし同じ建物に設置すればいいのでは?と思えます。なぜそばに設置できないのか、番組では説明してくれないのでわかりません。

楽天のアンテナは無線機部分とアンテナ部分が一体化されているため、小型で設置スペースを取りません。そのため、工期が5日間という大手3社の約半分の期間でできます。

一から営業かけて探していたんじゃ時間もかかるし大変だ。そこで楽天だからこそできる交渉術がありました。それは、楽天グループの取引先に営業をかけます。

例1:「楽天市場」の取引先に営業
楽天市場に出店している店「生わかめリアス」は、楽天と20年の付き合いがあります。そこに営業をかけると、協力できることは協力したいと言ってくれて、無事建物の屋上にアンテナを設置できました。

例2:元楽天市場の営業マン
今は楽天モバイルに異動した人が、楽天市場時代に付き合いがあった店へ営業をかける。

例3:「楽天損害保険」の取引先に営業
マンションに設置ができないか交渉します。なぜなら、管理組合やマンションに仕事の関係上行くことが多かったため、既に関係が構築されてました。

例4:「楽天トラベル」の取引先に営業
旅行会社の人脈を使いホテルへ営業をかけます。その結果「シェラトン・グランデ・トーキョー・ベイホテル」に設置できました。

楽天は「楽天不動産」もやってますので、ここら辺のコネもうまく使っているんだろうなと、番組を見ていて思いました。

三木谷氏はスペインで開かれたモバイル・ワールド・コングレスに行きます。スペインのサッカーチーム、FCバルセロナのメインスポンサーは楽天です。認知度は既にある(楽天調べで74.5%)国での展示会なので注目されていました。

この知名度を使い携帯事業の世界進出を狙ってました。

  • 楽天のアンテナ投資額は他の通信会社の半額以下になる
  • 4Gと5Gを含めると7~8割の削減ができる

ということを売りにして、出資やアンテナの売り先を探します。三木谷氏は「今後の国際展開も含めた布石を今のうちに打っておく」「我々のやっていることの真似は簡単にできない」とドヤります。

補足で説明した部分が番組ではないため、三木谷氏が口先ばかりの怪しい人に見えます。トホホです。

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国から3度の行政指導を受ける

楽天のアンテナ設置の進捗状況がよくないため、国から3度にわたり行政指導を受けます。しかも、東京のど真ん中である丸の内で繋がりません。これはマズいとなり、9人の精鋭を集めて特別案件対応部“SWAT”を結成します。

ネーミングのセンスがまずどうなのかと思いますが、リーダーには28歳の若き女性を配置します。戸田雅子さんという方で、楽天市場で担当した店を半年で売り上げ60倍にした凄腕社員です。25歳で最年少マネージャーにもなった人でした。こういうところは年功序列の会社と違い、風通しのよさを感じさせます。

しかし、やはりSWATの力をもってしても難航します。

会社のマインドとして決められたことを絶対期限以内にやるといいますが、思いっきりサービス開始が遅れます。
丸の内で通じるようにするため、巨大企業の本社ビルに設置しようと向かいますが、決定権のある人にすら会わせてもらえません。しかも、2019年7月の時点です。

楽天は当初のサービス開始を10月に予定してました。大丈夫なのか、この会社?と思ってしまう瞬間です。

行政指導の内容が番組で映ったので、引用します。

令和元年8月26日

楽天モバイル株式会社 代表取締役社長 山田善久殿
総務省総合通信基地局長 谷脇康彦

第4世代移動通信システム普及のための特定基地局整備の確実な実施
およびサービスの安定的な提供の確保等に向けた取組について(指導)

平成30年4月9日、貴社から申請のあった第4世代移動通信システムの普及のための特定基地局(以下「特定基地局」という。)の開設計画(以下「開設計画」という。)を認定し、特定基地局の円滑かつ確実な整備のため、基地局の設置場所の確保および工事業者との協力体制の構築に一層努めること等を条件として付与した。

特定基地局の整備状況については、本年3月6日の当省からの要請に基づき、本年3月末に貴社から令和元年度末までの特定基地局の開設に係る具体的計画(以下「具体的計画」という。)の提出を受けたところであるが、その後の進捗に遅れが見られたことから、本年7月17日には当省から具体的計画の修正計画の提出及び実行を要請し、本年7月末に貴社から提出を受けた。また、本年8月19日にはこれまでの遅れの要因と今後の取組強化の方針等について文書にて提出を受けたところである。

開設計画には本年度末の時点において3432局の特定基地局を開設する旨規定されているところ、本年8月19日に提出された取組強化の方針に加え、下記の取組その他必要な措置を着実に実施することにより、開設計画を確実に履行するとともに、サービスの安定的な提供の確保及び利用者利益の保護について万全を期されたい。

なお、これらの事項については、当分の間、毎月の取組状況を翌月7日までに報告されたい。

お役所の言葉は何を言ってるのかさっぱりわかりません。簡単に要約すると、

  • 基地局の許可したけど進んでないよね?
  • 3月6日にも指導したけど計画通りに進んでないよね?
  • 7月17日に指導したのにまた遅れてるよね?
  • 8月19日にそっちがよこした内容ちゃんと実行してね
  • つか、もう毎月7日に状況教えろ

ということです。今後は毎月7日に報告してとまとめているあたりを見ると、行政も結構怒ってるのが伝わってきます。そんなこんなで特別編成チームを結成したわけです。もしかしたら開発したアンテナの完成or増産が遅れたのかなと思いました。なぜなら、アンテナがないのに設置の営業もできないので。

そして当初サービス開始予定だった2019年の10月に、5000人の無料サポータープログラムを募集します。まったく間に合いませんでした。

記者会見で携帯ジャーナリストの石川温さんが、一番聞きたいことを聞いてくれます。

Q:石川氏「現状基地局がどれぐらい立っているのか?」
A:楽天 武田副社長「楽天が自前回線でやるのに十分な数のめどは立っている」

実際の会見では具体的な数字があったのかもしれませんが、番組では具体的な数の返答がありません。大丈夫なのか、この会社?とまた思いたくなります。

2019年11月下旬の検証

石川氏は無料サポーターなようで、楽天の端末を使い、番組スタッフと一緒に丸の内をうろうろします。時報を鳴らしながら途切れないかどうか、丸の内のオフィス街を歩いていきます。一見順調なように見えますが、ある場所に来て音が途切れます。

なんと、総務省の前で途切れます。

あの行政指導を3度やってきた総務省の前で、プッツリ電波が途切れます。もはや楽天は総務省にケンカを売っているのか?このシーンには思わず笑ってしまいました。

さらに皇居周辺でも入らず、東京のど真ん中で繋がらないというとんでもない事態でした。これが、およそ半年前の楽天の状況です。総務省でなくても不安に感じます。

石川氏いわく、今のユーザーはストレスがない、少しでも繋がらないとストレスになる。安さよりも繋がりやすさを優先する国民性がある。とのことです。

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売り場改革

今度は楽天モバイルの売り場改革についての話になります。待ち時間をゼロにしようと、営業・マーケティング本部の井上裕介さんがアイデアを出します。

しかし、この売り場改革は果たして本当にユーザーのためのものなのか?どんな改革だったかまとめました。

  • 端末を操作し目の前の画面に情報が出る
  • 例えば「プラン」を端末で押すと、目の前にある別の画面にその内容が表示される
  • タブレットに本来店員が説明する「重要事項説明」が動画で表示される

端末をリモコンとして使用し、目の前の画面に出すという謎の改革です。これには楽天モバイルの社長もダメだしし、新たに構想を練ります。その結果、ディスプレイは撤去され、iPhoneショップのように端末が置かれました。端末の中にすべての情報を収めたということです。

接客に1時間以上かかっていたのが、これにより最短18分で契約できるといいます。ちょっと大丈夫か、この会社?とまた思いたくなるコスト削減案です。

なぜかというと、3Gが終了することで新たに契約する高齢者は眼中にないとしか思えません。彼らは店先に置かれた端末の操作方法なんて知らないですし、どうやって情報を見るのかもわかりません。そういう人たちは“コストがかかる”から相手にしないと言っているように感じました。

そして、第一号店をなぜか恵比寿駅前にオープンします。表参道や銀座でなく恵比寿です。

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現在の楽天モバイル

では、2020年現在の楽天モバイルはどういう状況か?番組最後に状況を説明してくれます。

  • SWATは9人から150人に増員
  • 丸の内や皇居周辺でも繋がるようになった
  • アンテナの設置を2026年3月までに、人口カバー率96%を目指す
  • 恵比寿店は新型コロナウィルスの影響で営業自粛
  • 人工衛星を使った通信網の構築を計画

少数精鋭が売りだったSWATは数で押すことに変更し、今年の3月にようやく東京駅のそばのビルにアンテナを設置します。これで丸の内と皇居周辺は繋がるようになりました。総務省が繋がるかは不明です。繋がってほしいものです。

折角の記者発表もライブ配信に変更します。前日のリハーサルでディレクターばりにダメ出しする三木谷氏がなんとも言えない気分にさせてくれます。

一号店を出した恵比寿は早速自粛し、店舗は開いていない状況です。前途多難なスタートです。

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楽天の野望とは?

ここで、ようやくタイトルにある“楽天の野望”について、番組スタッフが三木谷氏に聞きます。聞かれた瞬間、三木谷氏はちょっと困惑しながらも答えます。

あえて、野望と言うならば、今回の楽天モバイルが本当に海外が成功することができるのなら、日本の企業が世界のプラットフォームを作り上げる、もしかしたら最後のチャンスなんじゃないかなと。やはり日本発、世界のネット企業。これをですね、名実ともに実現したいっていうのは個人的な夢としてあります、はい。

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【ガイアの夜明け】楽天の野望の感想

楽天の野望は日本発世界ネット企業になりたいという野望でした。現時点では残念ながら国内でも東京・大阪・名古屋しかメインになっていません。そこでももしかしたら、まだ繋がらない地域があるかもしれません。ましてや、地方はまだまだ繋がらないでしょう。

もし、楽天モバイルに変更したいと思っている人がいたら、自分の住んでいる場所が大丈夫なのか、一度確認してみたほうがいいです。せっかく安く契約できても繋がらないのでは意味がありませんから。

番組側も意図的かわかりませんが、楽天の新技術である完全仮想化クラウドネイティブモバイルネットワークについて触れません。この説明が欠けているせいで、三木谷氏が単なる夢を語る人になってしまっています。ちゃんと技術も開発されていて、それが世界初の技術ですよと先に教えてくれないと、何を根拠にドヤってんだこの人?という状態です。

また、総務省から三度の勧告を受けたり、今年3月ぐらいまで丸の内あたりでは繋がらなかったりと、のらりくらりとしています。携帯を販売するショップのほうも、接客コスト削減することばかりクローズアップし、会社の都合を前面に出してきます。

客としては一時間待とうが何だろうが、利用者に合った分かりやすい格安な料金設定を提示してくれるほうがありがたいです。小さい文字で書かれた罠のような備考や、わけのわからないプラン、不要なオプションがくっついてくるほうが困ります。しかも解約するのに違約金だとか、もう詐欺のような料金設定には懲り懲りです。

この放送を見て楽天モバイルにしようと思う人がどれだけいるのか?少なくとも自分はもうしばらく静観しようと思いました。

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【ガイアの夜明け】楽天の野望のその他気になったこと

  • ヘビーユーザー氏、楽天スーパーセールで買う本は与沢翼『ブチ抜く力』
  • 基本的に出てくるデータは大体“楽天調べ”
  • 会社のマインドを忘れたように期限内にやらない
  • 門前払いを食らってしまう“根回し”の意味
  • 総務省の前で繋がらない強烈なブラックジョーク
  • 東京のど真ん中が“圏外”
  • 商品の端末は“リモコン扱い”
  • SWATはもはや精鋭じゃない
  • リハーサルでダメ出しする姿が、ディレクターのような三木谷氏
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