2020年4月11日からBSテレ東で始まった【サイレント・ヴォイス2】は、新たな相棒である東野が登場します。
西野の代わりに登場した東野と絵麻の相性はどうだったのか?そして、嘘をついていない人物をどうやって絵麻は落とすのか?初回からゲストと絵麻の駆け引きが白熱します。
【サイレント・ヴォイス2】1話のあらすじ
警視庁捜査一課の検挙率ナンバー1と言われる宮出耕史(筧利夫)は、偶然通りがかった家で揉める声を聞き駆けつける。そこには空き巣の常習犯である倉林友一(町田大和)が、消費者金融の代表取締役である江口匡毅(成松修)を殺害していた。江口は持っていた包丁で宮出を切りつけたので、宮出は所持していた拳銃で倉林に向けて発砲した。倉林はその場で出血死してしまう。
警察の見解では宮出は正当防衛なので、形式上のヒアリングを絵麻(栗山千明)にしてもらうだけだった。質問をする絵麻は宮出からなだめ行動が出ているのを発見する。事件の裏側に何かが隠されている、そう察する絵麻が更なる追求をするため東野(馬場徹)に捜査を依頼する。
宮出が何について嘘をついているのか?絵麻が暴き出そうとする真実は思わぬ方向へと動く。
【サイレント・ヴォイス2】1話のラストのネタバレ
オチだけを知りたい人はこちらをどうぞ。
江口匡毅殺害犯
江口奈美(佐藤乃莉)
動機
束縛の強い江口は元々奈美に暴力をふるっていた。宮出が奈美を心配して家へ送って以降、江口の暴力はエスカレートする。そしてとうとう耐え切れなくなった奈美は、包丁で江口を刺し殺してしまった。
倉林友一殺害犯
宮出耕史(筧利夫)
動機
情報屋だった倉林が金をもっと寄越さないと、マスコミに言うぞと脅してくる。いつか始末しようと考えていた宮出は、奈美が江口を殺害したタイミングで倉林をその場に呼ぶ。そして、わざと切られた後に、正当防衛に見せかけて倉林を射殺し、江口殺しの罪も着せようとした。
事件の真相
絵麻は宮出がなぜ安堵のマイクロジェスチャーを出したのか気にかかっていた。そしてあることに気づく。宮出は嘘をついていないと。
宮出から再度話を聞く絵麻、なぜなだめ行動が出ないかというと、嘘をついていないからだと指摘する。宮出は絵麻が嘘を見抜くことができると先のヒアリングで実感し、嘘さえつかなければバレないと考えたのだ。
例えば絵麻がした質問の中で「江口を殺したのはあなたですか?」という質問には、「江口は殺されてもしかたないクズ野郎だ」と印象を答えるだけにした。実際、彼はそう思っていたので、この発言になだめ行動は出なかった。
そこで絵麻は殺害現場には、江口、倉林、宮出、奈美以外の指紋と足跡がなかったことを話す。消去法でいくと犯人は奈美以外いないと揺さぶる。さらに現場で見つかった指輪を見せ、付着している血液は江口のものだったと告げる。江口は束縛が強く、奈美に指輪を外す事を許さなかった。あの時、現場にいなければつかないはずだと。
宮出はここで初めて「彼女は殺してない!」と嘘をついてしまう。その発言からなだめ行動が現れ、絵麻は奈美が犯人だと確信した。観念した宮出の自供がここから始まる。
万引きをしていた奈美をとがめた際、腕にあざがあるのを宮出は発見する。スーパーの店長は江口がヤクザと繋がりがあると思い、被害届を出さなかった。宮出は奈美を自宅に送り届け、江口にあざのことを問うと首を突っ込むなと言われる。
またある日、スーパーで見かけた奈美は大きなサングラスをしていた。見ると目の周りにあざがあった。心配する宮出に対し彼女は首を突っ込むなという。なぜなら、宮出に送ってもらった日以降、夫の暴力がエスカレートしたのだ。
心配だった宮出は毎日帰宅する時に江口の家の前を通って帰るようにする。それは、江口が暴力をふるっている現場を直接押さえれば奈美の被害届なしに逮捕できるからだった。だが、何も起きなかった。
あの日、家から争う声を聞いた宮出は家の中に入る。そこには返り血を浴びた奈美が包丁を持ち、足元には江口が血を流して倒れていた。宮出は奈美になんとかするから大丈夫だと告げ、邪魔になり始めた倉林を呼び出すことにした。
家にやってきた倉林に包丁で切り付けてもらい、正当防衛を装い持っていた銃で殺害する。死人に口なしといった調子で江口殺しの罪をそのまま被せようと考えていた。
全てを自供した宮出に向かい絵麻は言う。この指輪は奈美のものとは言っていない、嘘はついていないと。指輪は奈美のものではなく江口のものだった。
【サイレント・ヴォイス2】1話の詳細なネタバレ
【サイレント・ヴォイス2】1話の事件概要
今回は被疑者として取調べをしたのではなく、形式上に話を聞くヒアリングをするだけの予定でした。しかし、嘘をついているのが分かり、絵麻は何度か話を聞くことにします。どんな事件だったのかまとめます。
- ヒアリング対象者:宮出耕史
- 宮出の証言:偶然通りかかった江口宅から大きな物音と争う声が聞こえたので中に入った。すると、江口が床に倒れているのを発見した。倉林が持っていた包丁で切りつけてきたので、携帯していた銃を発砲し殺害した。これは正当防衛だ。
- 被害者1:江口匡毅
- 職業:消費者金融「フレンドライフ」代表取締役
- 死因:腹を刺されて死亡
- 家族:妻の奈美と2人暮らし
- 備考:執拗な取立てをしていて社会問題になっていた
- 被害者2:倉林友一
- 死因:宮出が銃を発砲しその場で出血死
- 前科:前科3犯の空き巣の常習者
- 備考:実は宮出の情報屋
警察も宮出の発砲は正当防衛でまったく問題がないという見解だったため、取調べではなくヒアリングという形になりました。
第1回目ヒアリング
ミーハーな女性のように振る舞いながら対象をリラックスさせ、単なるクセなのかなだめ行動なのかを確認します。そしてようやく本題に入りました。
- あの家に行ったのは本当に偶然か?
→なだめ行動あり。計画的犯行か意図的に江口宅へ向かった - 腕は倉林に切られたものか?
→なだめ行動なし - 倉林を撃ったのは間違いない?
→なだめ行動なし - 正当防衛だと思ったから倉林を撃った?
→なだめ行動あり
ここで1回目のヒアリングは終わります。ここから分かるのは以下の通りです。
- 江口宅に行ったのは偶然ではない
- 腕は倉林に切られたもの
- 倉林を撃ったのは宮出
- しかし、正当防衛ではない
嘘をついている宮出の真相を探るべく、東野に江口宅の近所の住民に聞き込みに行かせます。
第2回目ヒアリング
東野が入手した情報によると、近隣住民に度々宮出と江口が話しているのを目撃されてます。しかも、言い争いをしていたということです。そこで絵麻は改めてヒアリングをします。
- 「これ以上この件には首を突っ込むな」と江口が言う“この件”とは?
→困惑のマイクロジェスチャーが出る - 宮出は万引きした奈美を保護して送り届けた話をし、そんな理由で殺していないと証言
→隠ぺいのマイクロジェスチャーが出る - まだ何か隠してますよね?
→なだめ行動なし - 江口を殺した犯人は返り血を浴びているはずなのに、倉林は返り血を殆ど浴びていない
→3つのFが現れる - 倉林に罪を着せるために正当防衛を装って殺害した?
→なだめ行動なし - 江口は人間のクズだ
→なだめ行動なし - 殺害を自供後、連行されていく宮出
→安堵のマイクロジェスチャーが出る
地図を使い返り血を浴びた衣類を廃棄した場所を特定します。しかし、ゴミ収集車に持っていかれ既に焼却済みでした。ですが、現場近くの防犯カメラに宮出の姿が映っていました。
宮出はここで倉林が金をもっと寄越せというから、邪魔になって殺害したことと、江口は警察の上層部に知り合いがいて脅してきたので殺したと2人の殺害を自供します。
ヒアリングから分かることは以下の通りです。
- “この件”については隠している
- 江口を殺した理由についても隠している
- 江口を殺した犯人は宮出でない可能性がある
- 倉林に罪を着せようと思った
- 連行されてほっとする
絵麻は屋上で東野と話しをしていてひらめきます。“嘘はついていない”と。
嘘はついていないけど…真相は?
取り調べ
すべてを自供したという宮出をもう一度呼び、絵麻は取り調べをします。絵麻は今までのヒアリングから気づいたことを言います。
- 江口を殺したかと聞いた時、江口という人間について語っただけ
- 血のついた服についても、場所は言ったが誰の服かは言っていない
- 嘘をつきさえしなければ、本当のことは見抜かれないということを逆手に取った
- 嘘の供述をすれば矛盾点を指摘されるので、本当のことだけを話した
具体的なことをは何も語らず、大雑把な印象とか知っている真実だけを語っていただけだということです。そこで、絵麻は宮出が度々指摘する物証などから攻めていきます。
- 江口宅にあった指紋と足跡は江口、倉林、宮出、奈美のものしかない。消去法でいけば犯人は奈美だ。
- 奈美のアリバイは倉林が江口を殺害した場合であって、倉林がやっていないなら死亡推定時刻も変わる
- 血のついた指輪が落ちていて、その血は江口のものだった。その場にいないと血はつかない。
と、次々と印象ではなく、物証的なものから宮出に迫ります。その結果、宮出は「彼女は殺してない!」と叫び、ようやく“嘘”をつきます。当然、この発言からなだめ行動が現れます。
事件の真相
宮出はスーパーで奈美と出会い、それから度々スーパーで会っては、料理の仕方や奈美の好きな映画を借りたりして親しくなった。宮出にとってそれは安らぎのひと時だった。
ある日、彼女が万引きしているところを発見し、腕を掴んで捕まえるとあざがあることが分かる。スーパーの店長は夫がヤクザと繋がっていると思い被害届を出さなかった。宮出は奈美を自宅まで送り届け、夫がこれ以上首を突っ込むなと言った。
またある日スーパーで奈美を見かけた時は、大きなサングラスをかけていた。その目の周りにはあざがあった。奈美もこれ以上首を突っ込まないで欲しいと言い、宮出が送り届けて以来、夫の暴力がエスカレートしていたのだった。
そこで宮出は暴力をふるっている現場を直接取り押さえれば、奈美が被害届を出さずとも逮捕できると思い、毎日奈美の家の前を通って帰宅するようにした。しかし、暴力行為は起きずに日々が過ぎる。
あの日、いつものように通りがかっていると、家から大きな物音と争う声が聞こえた。宮出はすぐさま家に駆けつけて部屋に入り目にしたものは、返り血を浴び包丁を握っている奈美の姿だった。足元には江口が腹から血を流して倒れていた。宮出は「大丈夫、全部俺に任せるんだ」といい、返り血のついた服をゴミに捨て、奈美を外に出し倉林を呼ぶ。
そこに現れた倉林に包丁を持たせて腕を切らせ、持っていた拳銃で発砲し射殺した。このまま、倉林に殺害の罪を着せようとしたのだった。
真実を語った宮出に向かい絵麻は言う。この指輪は江口のもの、奈美のものとは一言も言っていない。嘘はついていないと。
【サイレント・ヴォイス2】1話の感想
新シーズンの【サイレント・ヴォイス】も面白かったです。嘘をついていない人からはなだめ行動が出ないので、嘘を見破ることはできないという話です。宮出は捜査一課の検挙率ナンバー1刑事だったので、様々な凶悪犯との取り調べから得た知識で供述をミスリードします。
具体的なことは言わず大まかな嘘ではない部分を語り、答えにくい質問には話をはぐらかして印象を語ったりします。危うく絵麻も騙されるところでした。しかし、それを今回新たに相棒になった東野のヒントから気づきます。
新たな相棒東野は所轄で検挙率ナンバー1という触れ込みで配属されます。実際は検挙した数は1件です。なぜなら人より鹿が多いような地方なため、滅多に事件が起きることがなかったのです。そのため、たった1件の検挙でも検挙率ナンバー1になれたということが分かります。
東野は確かに嘘はついていません。ただみんなが勝手に勘違いしているだけのことだというのが、絵麻に気づきを与えます。宮出もまた嘘はついておらず、勝手に自分達で解釈しているだけだと。
そこで絵麻も“嘘はついてない”返しをするのが面白かったです。ですが、宮出ほどの刑事なら見せられた指輪のサイズが明らかに女性用にしては大きくないか?と気づかなかったのかと、ちょっと突っ込みたくはなります。きっと取調べで動揺していたから分からなかったのかもしれません。
【サイレント・ヴォイス2】1話のその他気になったこと
- 冒頭の筒井がやる超圧迫取調べは講習会だった
- シオリからパワハラホットラインの名刺を渡されて心配される東野
- 絵麻に比べれば仏の筒井だと自称する筒井
- 綿貫からもパワハラホットラインの名刺を渡される東野
- 絵麻と宮出のやりとりに心の声で突っ込みまくる東野
- “西”の文字がマジックで書かれたポット登場
- 「北野」→「東野です」
- 面倒くさいと言いながら用語を説明してくれる絵麻
- 嫉妬していると勘違いされる筒井
- 「南野」→「東野です」
- 前任者共々どっちも使えないと言われる東野
- 「中野」→「もはや方角ですらない」
- ナスを分け合うことから始まる関係
- 「東山」→「ワザとやってるでしょ」
- 刺身の舟盛はせめて小盛でと頼む東野
【サイレント・ヴォイス2】1話のまとめ
エンマ様が帰って来たと実感する1話目でした。お馴染みのメンバーにお馴染みのやり取り、容疑者を自白させるまでのプロセス、それらを見て【サイレント・ヴォイス】だなと安心します。
今回、新たに加入した東野と絵麻の軽妙なやり取りも問題なく、西野とはまた違った雰囲気です。アンジャッシュの児嶋さんのネタのように、名前を間違える絵麻と東野のやり取りも面白かったです。今後、東野が西野の時のように事件に巻き込まれたりするのか?そこら辺も注目です。
今回は“嘘をついていない”というコンセプトで話が進みます。一部の話だけを聞いて頭の中で勝手に補完してしまうのは、人間の特性上どうしても起こります。しかし、真実を知りたいなら突っ込んだところまで、全てを聞かないと分からないということが分かります。
日常生活でもついつい人のことを分かった気になりますが、こういうこともあるので慎重に判断したいものです。
次回は4月18日土曜夜21時から放送です。ゲストは川平慈英さんです。