【ノーサイド・ゲーム】もラスト1回となります。カザマ商事の買収をなんとか阻止した君嶋ですが、本当の敵の正体がここに来て判明しました。好調なアストロズを支える七尾の弱点がわかり、ついに浜畑が立ち上がります。
ドラマ【ノーサイド・ゲーム】の9話あらすじ
トキワ自動車本社では滝川常務(上川隆也)を中心としたカザマ商事買収に関する会議が行われていた。経営戦略室長の脇坂(石川禅)は会議のメンバーではない君嶋(大泉洋)をこの会議に臨席させる。君嶋はある資料を用意していた。
公式HPより引用
一方、今年こそ優勝を目指すアストロズでは七尾(眞栄田郷敦)がレギュラー入りし、浜畑(廣瀬俊朗)は控えに回った。しかし浜畑が控え組をまとめたおかげで控え組のレベルも上がり、全体的な戦力アップがなされていた。そんな中、柴門(大谷亮平)は七尾の弱点を発見し…。
ドラマ【ノーサイド・ゲーム】9話のネタバレ
- カザマ商事買収の会議をしているところに君嶋が資料を持ってやってくる。青野の証言と手に入れた受領書を手に、風間がデータの偽装を森下教授に頼んだという証拠を会議で突きつける。
- これによりカザマ商事の買収は見送りとなる。ただ、君嶋は滝川のメンツを潰してしまったと、あまりいい気分ではなかった。
- この結果、滝川は子会社へ異動となり、常務には今回の件で手柄を立てた脇坂が就任した。
- プラチナリーグが開幕しアストロズは破竹の11連勝をしていた。サイクロンズも同じく負け無しの連勝中だった。
- 脇坂に呼ばれた君嶋は本社へ向かう。脇坂はアストロズの予算を縮小すべきというだけでなく、トキワには必要ないと言い始める。君嶋は選手や応援してくれたファンはどうなるんだと訴えるが、脇坂は聞く耳を持たずとにかくラグビー部を排除したいようだった。
- 今思えば滝川のほうがよかったと愚痴を零す君嶋に、真希は滝川は必要な天敵だったのかもと言う。
- 七尾が研究され始めるが、テクニックで何とか乗り切っていた。しかし、怪我をした時を思い出してラックに入れない。その様子を柴門はちゃんと見ていた。
- 再び脇坂から連絡があり君嶋は話を聞く。次の会議でアストロズの予算を半分にすると言い出す脇坂に、君嶋は収益を上げている話をして説得する。だが、脇坂は優勝しても予算半減は変わらないといい、最終的にラグビー部は廃部だという。
- ブレイブス戦のスタメンが発表された。七尾を外し浜畑がスタメンに選ばれた。ブレイブスはジャッカルというプレーを得意としているチームだけに、ラックに入れない七尾では勝てないと柴門は判断した。
- 試合が始まり前半はブレイブスのリードで折り返す。膝の状態がよくない浜畑に七尾が自分が出るという。しかし、浜畑はラックに入れない七尾では勝てないと思っていた。七尾に黙って見てろといい、後半戦へ向かう。
- 残り時間15分、スタミナで勝るアストロズの逆襲が始まる。最終的に勝利することができた。
- その試合を滝川も見に来ていた。君嶋は滝川と話をしているうちに、ある事実を知る。それは、君嶋を府中に左遷させたのは滝川ではなく脇坂だったのだ。
ドラマ【ノーサイド・ゲーム】9話の感想
ずっと滝川が悪役として立ちはだかっていましたが、実際一番悪かったのは脇坂だということがわかります。信じていた人に裏切られたと君嶋は思っていますが、府中へ左遷を決めたのが脇坂ならば、結構前から君嶋は邪魔者だったわけです。
脇坂は仲間のふりをして実は足を引っ張るという、典型的な嫌な奴です。対して滝川は嫌がらせをするでなく、厳しいだけでした。しかし、滝川も残念なことに風間に騙されてました。嫌なやつはいくつになっても嫌なやつということです。
結果的にカザマの買収はしないで済んだので、5000億の損害賠償をトキワが被ることはありません。ぜひカザマのオイルが不良品だということが証明されて、風間社長が酷い目にあうシーンを最終回で見たいです。
浜畑が七尾に語るシーンが今回一番シビれました。浜畑格好良すぎです。今回さらに滝川も格好いい男だったこともわかりました。
今回は滝川の新たにわかったことや脇坂との比較、アストロズの試合経過などについて書いていきます。
滝川と脇坂の比較
カザマ買収がなくなったことで滝川は左遷され、代わりに脇坂が出世します。脇坂は君嶋の上司だった人なので、これで君嶋もハッピーになるかと思ったらトンデモない人物でした。君嶋が語る脇坂と滝川の差をまとめました。
滝川 | 脇坂 | |
---|---|---|
現在 | 金融子会社へ左遷 | 常務取締役に出世 |
部運営の考え方 | 足りないものを理論的に指摘 | 廃部 |
ラグビー愛 | 愛情あり | 愛情無し |
流儀 | 手に入れるためには、努力を惜しまない | 気に入らないものは、全て切り捨てる |
性格 | 厳しいが全てに対してフェア | 味方のふりをして水面下で画策 |
君嶋の左遷 | 関与していない | 左遷を決めた |
君嶋への評価 | 経営戦略室には必要な人材 | 経営戦略室には不要な人材 |
どちらが人間的に正しい人物か一目瞭然です。滝川は厳しいことは言いますが、正々堂々としています。脇坂はいい顔して寝首を掻っ切ります。上司でも友人でも仲良くしたほうがいいのは断然滝川です。
厳しい=自分に都合が悪い、だから悪。と決して見誤らないでください。いつだって本当の悪は脇坂のように“優しい顔”をして近づいてきます。自分に都合が悪い意見を言う人は、ドラマ内で真希がいうように“必要な天敵”の可能性があります。
もし、あなたの周りにあなたにいい顔する人しかいなかった場合、あなたの成長はあなた自身で成長するしかありません。必要な天敵がもし周りにいるのなら、切磋琢磨して想像以上の伸びを感じることができます。
こういった人物の話に関しては様々な本が出ています。いくつかリンクを貼っておきます。全て自分は読みましたが、どれも面白かったです。そういう人物がいると知るだけで、自衛にもなりますのでオススメです。
滝川桂一郎とは?
初回から登場している滝川ですが、今回新たに色々わかったのでまとめます。
- 元常務取締役
- 現在トキワ自動車の金融子会社勤務
- カザマ商事の風間社長と大学同期
- 脇坂と同期入社
- アストロズの副部長をやってた
- 父親がラグビーをやっていた
- 正月は花園でラグビーを見るのが恒例だった
- ラグビーやりたかったが、家業が傾いてそれどころじゃなかった
- 大学時代は生活費を稼ぐため毎日バイト
- 風間は大学時代自分を小ばかにしていた
- いつか風間を見返したかった
ラグビーに対して子供の時代から馴染みがあったようです。ただ、父親の家業が傾いた結果、日々の金を稼がなければならなかった過去があります。そのためラグビーはやれませんでした。
そんな時代の話が前回の風間と滝川の食事です。元々風間は滝川を小ばかにしていたので、唯一誇れる(といっても親の金ですが)財力で滝川にマウントを取ります。それがあの食事会でした。
汗水垂らし働いて得た金をいとも簡単に使う風間は、水のように高級ワインを飲みます。見たこともない料理や自分にとっては法外な値段のメニュー。ショックを受けたのか、食事中の話など覚えていないと滝川はいいます。
この時味わった屈辱をいつか晴らす。そう心に誓った滝川は、何としても風間から会社を奪い取ってやろうと思います。その結果の買収でした。風間は卑怯なことに滝川にデータ捏造の画策をしていたことを内緒にしていました。会議で初めて滝川も知ります。
君嶋は滝川が敵だと思っていたから、事前に相談することなく会議で事実を発表しました。もし滝川が事前に知っていたら?
滝川はきっと騙されたことに怒り買収はせず、それどころかカザマ商事を潰しにかかったかもしれません。不良品オイルを検証し5000億の賠償金をぶつけて、倒産させる方向に舵を切ったかもしれません。
最終回でカザマ商事のその後をやってくれればスカっとしそうです。
アストロズの試合経過
プラチナリーグ開幕から現在負けなしの連勝中です。なぜか今回も最終戦がサイクロンズ戦です。何だかんだ観客を盛り上げるために、あの日本蹴球協会もこの日程で組んだのか?それとも前年度の順位で決まっているのかは謎です。
まずは第14戦までの勝敗結果はこうでした。
試合 | 対戦相手 | 勝敗 |
---|---|---|
第1戦 | サンウォリアーズ | ○ |
第2戦 | ジャガーズ | ○ |
第3戦 | バイキングス | ○ |
第4戦 | ラクーンズ | ○ |
第5戦 | レッドライトニングス | ○ |
第6戦 | サンダーズ | ○ |
第7戦 | ブルータイクーン | ○ |
第8戦 | ブルズ | ○ |
第9戦 | ブラックシャークス | ○ |
第10戦 | ウィングス | ○ |
第11戦 | フェニックス | ○ |
第12戦 | タイタンズ | ○ |
第13戦 | ファイターズ | ○ |
第14戦 | ブレイブス | |
第15戦 | サイクロンズ |
現在の状況はアストロズとサイクロンズが全勝。ブレイブスが1敗という三つ巴の戦いとなっています。1敗もできない争いが最終戦まで続きます。
ブレイブスはどういうチームかといいますと、ジャッカルという方法でここまで勝ってきたチームです。ジャッカルってなんだ?調べてみました。
ジャッカルとは?
ドラマ内では簡単にタックルで倒れた相手からボールを奪うプレーと説明していました。もう少し詳しく説明があったので引用します。
タックルされたプレーヤーはボールを放さなければなりませんが、通常は味方のサポートを待って自チーム側へボールをつなごうとします。この“タックルされた直後”の瞬間に相手がもつボールに絡み、奪うことを“ジャッカル”と言います。ジャッカルが成功するとターンオーバー(守備側が攻撃側のボールを奪う)となります。
但し、タックル後にラックが形成されると地面にあるボールには手を使えないので、ボールが地面につく前に奪います。仮にボールを奪えなくても、絡んだボールを相手が放さなければ、「ノットリリースザボール」の反則でペナルティキックをもらえますので有効なプレーとなります。
しかしながら、今年度の新しい試験的ルールでは、タックル後、「すぐ」手を使うことはOKだが、相手選手が到着したら「手」は使えないこととなり、いままでのようにジャッカルを行うと反則を取られることになります。
ジャッカルは瞬間技 | ラグビー初心者ドットコム
こちらのサイトは初心者向けにラグビーについて書いてくれています。ラグビーW杯も9月20日から開催されます。もし、ドラマでラグビーに興味を持った人は、試合前に見ておくとより楽しめると思います。
七尾の弱点
ここに来て七尾の弱点がわかります。ラックに入ることができないということです。それには理由がありました。
- 試合中ラックの中で膝を故障した
- 足が倒れた選手の下に入り、ロックされた状態で100キロ以上のフォワードに突っ込まれる
- 膝がもげて十字靱帯を断裂
- ケガは治っているが体は痛みを記憶している
いわゆるトラウマです。話に聞くだけで体が痛くなりそうなケガです。ラックに入らないとと思っても、体が固まってしまって動かない。心が負けてしまっている状態です。
そんな七尾をスタメンに出しても負ける。だったら浜畑を出すと柴門は決断します。しかし浜畑も膝の調子が悪いです。交代したほうがいいのでは?と君嶋は言いますが、柴門は誰と交代するんだ?と返します。そしてこの試合は“浜畑と心中する”と覚悟を決めます。
漢・浜畑の名シーン
今回一番見どころのシーンです。浜畑という男がどれだけ格好いいのか?男の中の男、男も惚れる男、それが浜畑譲です。ドラマ内からセリフを引用します。
怖いに決まっとるやろ。けどな、この試合勝たな優勝できへんのや。
せやったらやるしかないやろ。
俺の足なんかどうだってええねん。
俺は、勝つ。
逃げて負けるのは、死ぬより嫌や。
分かったら、黙って見とけ。
ラックの中に入るのは「怖い」と正直に恐怖を口にします。だが、やらなければならないことがある。今この試合に勝たなければどのみち優勝はない。戦って負けるならともかく、ビビって逃げて負けるのは死んでも嫌だと言い切ります。そして「黙って見てろ」と締めくくります。
ヤバいです。男ならこうありたい、そう思う全てが浜畑という存在に全て詰め込まれています。『花の慶次』とかに出てきそうなキャラです。
関東以外住んだことがない自分にとって、嫌いとか好きとかいう以前に、関西弁は聞き馴染みがあまりありません。ですが、この浜畑のセリフは、関西弁だから余計に格好よく聞こえました。それもなんちゃって関西弁ではなく、ネイティブの関西弁なので非常に説得力がありました。
ブレイブス戦の試合結果
ブレイブス vs アストロズ
2nd | 1st | 1st | 2nd | |
0 | 1 | T | 0 | 3 |
0 | 0 | G | 0 | 3 |
0 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
0 | 5 | 得点 | 0 | 21 |
結果:5vs21でアストロズの勝利
結局、大差で勝ちます。スタミナの差で後半盛り返したアストロズが、ブレイブスを圧倒しました。試合後、浜畑は松葉杖をついていましたが、まだやれるといいます。
そして、七尾はトラウマを克服しようと、本波とタックルの練習をしていました。
ドラマ【ノーサイド・ゲーム】9話のその他気になったこと
- 不正と私欲にまみれた汚れたオイルとうまい事言う君嶋
- 真希は相変わらず君嶋とスキンシップを嫌がる謎
- 女将が飲むことに突っ込む君嶋
- 「脇坂常務だ」とドヤる脇坂
- 実はラグビー好きなのに認めない真希
- ハンバーグはラグビーボールの形
- 浜畑に頼りすぎなブレイブス戦
ドラマ【ノーサイド・ゲーム】9話のまとめ
カザマ商事の買収はなくなり、滝川が左遷され脇坂が出世します。ですが本当の悪は脇坂だということがわかります。優勝してもしなくてもラグビー部は廃部になってしまうのか?
一方、アストロズは残り1試合、因縁のサイクロンズ戦です。これに勝って優勝できるのか?そして蹴球協会は変わることができるのか?
池井戸作品なので嫌な終わり方はしないと思いますが、全ての問題がうまくいくかはわかりません。君嶋の戦いが勝利すると信じて、次週最終回を非常に楽しみに待ちたいと思います。