【刑事7人シーズン5】の第7話は死亡推定時刻が2つある遺体が、発見されることから始まります。2度死んだ男のトリックとは?そして犯人の狙いとは?それらは全て過去の事件から繋がっていました。
【刑事7人シーズン5】7話のあらすじ
東京郊外の廃倉庫で、ナイフで首をえぐられた男の遺体が見つかり、専従捜査班が捜査を開始する。現場には争った形跡がなく、カバンの中に入った500万円ほどの札束も手付かずで残っていた。さらに、凶器と考えられるナイフには指紋がなく、現場に足跡も残っていなかったため、金目当てではなく、怨恨の線が濃厚だと思われたが…。
公式HPより
解剖を終えた東都大学の法医学教授・堂本俊太郎(北大路欣也)は、死後硬直と直腸温度から割り出した死亡推定時刻に、普通では考えられないほど大幅な開きがあるため、「仏さんは二度死んでいる」と宣言。天樹悠(東山紀之)らは、その奇妙な結果に衝撃を受ける――。
そんな中、海老沢芳樹(田辺誠一)の調べによると、被害者の松永修一(生島翔)は、共同経営者の尾中勝也(阿部亮平)と経営上の問題で激しく対立していたという。さらに、松永の妻・真由美(片山萌美)が、以前の交際相手・春日正人(細山田隆人)からのストーカー被害に悩んでいたこともわかる。
会社で対立していた共同経営者と妻のストーカー。わかりやすい容疑者の存在が明らかになり、死亡推定時刻の謎が残ってはいるものの、この事件は案外早く解決するかもしれないと専従捜査班のメンバーは期待するが、容疑者二人の名前に覚えのある気がした天樹は過去の資料を調べ始める。
そしてついに、被害者の松永、共同経営者の尾中、真由美のストーカー・春日…この3人が知り合いだったことをつき止める。3人は10年前の同じ時期にオーストラリアに留学していたのだ。しかも、この3人と当時シドニー郊外で起きた未解決殺人事件の被害者・金田健介(伊東潤)にも接点があることが判明! そのうえ、被害者の健介が、堂本の親友で元生物学者・金田健太郎(清水綋治)の孫だということもわかる。
一方、天樹が現地の警察から取り寄せた当時の事件資料を目にした野々村拓海(白洲迅)は、健介とお揃いのペンダントをつけた女性・谷沢果鈴(黒川智花)の存在に気づく。
今回の事件と10年前の事件、その関係者が交錯し始め、事態はますます混迷を極める…!
【刑事7人シーズン5】7話のネタバレ
松永修一殺害犯
金田健太郎
動機
10年前にオーストラリアに留学していた孫の健介が、何者かに殺害されてしまう。その事件は未解決のままだったが、事件の鍵を握る健介の当時の恋人である果鈴が訪ねて来た。彼女は松永、尾中、春日の3人に強姦されそうになったところ、健介が来て無事に助けられた。しかしその後、健介は何者かに殺害された。
果鈴は3人が健介を殺害したに違いないと思ったが証拠が何もなかった。それをずっと言えずにいた果鈴だったが、健太郎にだけは本当のことを話そうと日本へやってきたのだった。
健太郎はロッカーの仕掛けで松永を殺害し、疑いの目が尾中と春日に向くように、2人のアリバイがない時間帯に死亡推定時刻を操作した。それらは全て10年前の未解決事件のことを思い出させ、過去の事件を暴くきっかけのためだった。
逮捕の筋道
なぜ2つの時間帯に死亡推定時刻が分かれたのか?それを調べていくうちに、10年前の未解決事件を天樹は思い出す。そこにいた人物の名前が、今回の事件にも関わっていることわかる。
未解決事件の被害者である金田健介は、堂本の親友である金田健太郎の孫であることを聞く。そこで堂本と一緒に天樹は健太郎の元を訪ねる。健太郎は車椅子生活を送っているが、元生物学者であるため死亡推定時刻の操作など簡単にできるのではと考える。
しかし、車椅子生活の健太郎が1時間という短い時間の中で、殺害ができるのか?天樹たちは車椅子を使って試しに殺害現場までの道のりを行ってみる。どう考えても橋を渡って向こう側にまで行っていたら間に合わない、不可能と思ったところ草むらで天樹がレフ版のようなものを発見する。
松永の娘を誘拐したと思わせ、40キロの距離を走らせる。そうして脱水症状を起こさせ、死後硬直から割り出される死亡推定時刻を早めるためだった。
さらに倉庫の中に橋の向こう側からレフ板で光を当て、室内の温度を40度まで上げる。こうして直腸温度を上げ、死亡推定時刻を実際よりも遅くさせた。
元々倉庫内のロッカーを開くと、刃物が発射されて首筋を切り裂く仕掛けをセットしておいた。松永は大量の出血により死斑が消滅し、ねつ造された2つの死亡推定時刻でアリバイのない、尾中と春日に向けさせ10年前の未解決事件を想起させるためだった。
事件当日の公民館の公衆電話の通話記録に、松永への携帯と5ヶ所の電話ボックスがかけられていた。さらに倉庫の中に健太郎の指紋がついた残骸が見つかった。
そして10年前の事件について、尾中と春日は自供した。
【刑事7人シーズン5】7話の感想
話としては犯人はすぐわかるように出来ているのですが、アリバイと分かれた死亡推定時刻のトリックが問題の回でした。10年という長い年月苦しい胸の内を黙っていた被害者とは正反対に、IT企業経営者などになり何もなかったように生活している人たち。その対比に何ともやるせなさを感じます。
また、堂本と健太郎は年月がたっても友情に変わりはありませんが、かたや尾中と春日の友情はお互いに相手を疑えと言い合う醜い関係です。何年たっても変わらないという部分ではある意味共通しています。真の友情はそのまま変わらず、元々友情などなかった関係もそのまま変わらずです。
今回海老沢はいるのですが、案の定片桐がいません。7人揃う回が滅多にない刑事7人です。何とかならないものかと思います。
今回の事件概要
2つの死亡推定時刻がある遺体が発見されますが、どういった事件だったのか?そして死亡推定時刻の割り出し方などについてまとめます。
- 被害者
- 松永修一(30)
- IT企業経営者
- 発見日時:令和元年8月26日午前8時頃
- 死因:頚動脈損傷による失血死
- 備考:死亡推定時刻に不明点
- 死亡推定時刻の不明点
- 死後硬直による推定
- 8月25日午前10時~正午にかけて
- 直腸温度による推定
- 8月25日午後9時~11時のあいだ
- 死後硬直による推定
これにより被害者は2度死んだ?と思われます。死亡推定時刻の割り出し方は以下の通りになります。
- 直腸温度
- 死後1時間から10時間の間で1時間で1度ずつ低下し、その後は0.5度ずつ低下
- 死後硬直
- 死後2~3時間で始まり10時間から12時間でピークを迎え、24時間から30時間持続する
- 死斑
- 死後2時間ほどで現れて、8時間から12時間でピークになる
今回の遺体は出血が多量だったため、死斑では判断できませんでした。そのため、死後硬直と直腸温度で推測したところ、2つの死亡推定時刻が現れてしまいます。
そこで浮かんできた容疑者が以下の2人となります。
- 尾中勝也(30)
- 被害者の共同経営者
- IT企業経営者
- 10時~12時のアリバイ:千葉県でゴルフ
- 21時~23時のアリバイ:六本木のスポーツバー(未確認)
- 春日正人(29)
- 被疑者の妻の元交際相手
- 清掃業勤務
- 10時~12時のアリバイ:夜勤明けで昼過ぎまで就寝(未確認)
- 21時~23時のアリバイ:同僚と東京湾で夜釣り
尾中は夜のアリバイがなく、春日は午前中のアリバイがありません。どちらが犯人か?それともどっちも犯人か?そんな疑惑が湧いてきます。
10年前の未解決事件概要
10年前に起きた事件の関係者が今回関わっていることに天樹が気づき、この時に何かがあったのでは?と推理します。どんな事件だったのでしょうか?ドラマ内から引用して紹介します。
オーストラリアシドニー郊外で邦人留学生撲殺される
日本時間8日午後11時頃、日本人留学生の金田健介さん(20)が留学先のオーストラリアシドニー郊外の路上で撲殺される事件が起きた。
現地警察によると事件当日、金田さんは同じ日本人留学生数名と郊外のパブに出かけ、その帰り道に路上で後頭部を鈍器のようなもので殴られ、金品を奪われたと推測される。事件発生当時は一緒にいた友人たちはそれぞれ帰路についており、事件現場には居合わせていなかったとされる。同警察は犯人の行方を追っているが、未だに有力な手がかりは見つかっていない。
事件の直前まで被害者、金田健介さんと一緒にいたとされる同じ現地の留学生である松永修一さん、尾中勝也さん、春日正人さんは調べに対してこう証言していた。
被害者金田健介さんの友人の話
【松永修一さん】金田君とは現地で知り合った仲で、事件のあった日も一緒にパブでお酒を飲んでました。その後の彼の行動は知らず、残念でなりません。
【春日正人さん】金田君とはあのパブで何度か顔をあわせる事があり、同じ日本人留学生ってところもあり仲良くなりました。大学でなんの研究をしているとか一切分かりませんでしたけど、彼の真面目な性格は会話の節々で見て取れました。それだけにこんな事になって非常にショックでなりません。
【尾中勝也さん】金田君とは現地で知り合った仲で、それこそ事件直前まで彼がいたパブで知り合ったんです。当時、僕自身も相当呑んでいたのであんまり覚えていないんです。あの時もう少し酒の量を控えていればこんな事にならなかったかもと後悔しています。
現地警察によると最近路上での強盗事件が頻発しており、シドニーの日本大使館も通じて留学生・観光客たちに注意を呼びかけている。
犯人は捕まっておらず未解決の事件となります。今回の事件の被害者松永と、春日、尾中の3人はこの時の知り合いだったことがわかります。
ではこの時の被害者だった金田健介とは誰なのか?それは堂本の親友である金田健太郎の孫ということがわかります。健介は早くに両親を亡くしてしまい、健太郎が育て上げたといっても過言ではないと堂本が言います。
孫の遺体を確認しにオーストラリアへ向かう際、成田空港で倒れて車椅子生活になってしまったそうです。
【刑事7人シーズン5】7話のその他気になったこと
- 殺しの現場で生き返るはどうかとと突っ込まれる海老沢
- 健介が襲われた場所が日本っぽい
- 不自然な場所にある電話ボックスとゴミの山
- マラソン選手並みの距離を走る松永
- 天樹のつまづき方の不自然さ
- 人がいるところで脅迫電話をかける無頓着さ
【刑事7人シーズン5】7話のまとめ
“友情”がテーマな回かと思います。悲しい結末ではありますが、友情はそれでも変わらないでしょう。そう感じさせる終わり方でした。友達とは何か?何年も会ってなくても、久し振りに会ったときに楽しく話せる。年老いても少年のように語り合う堂本と健太郎のような関係は羨ましい限りです。
逆に友人かと思いきやお互いに醜い押し付けあいをしたり、ましてや友人の大切なものに手を出すなんて考えられません。この関係は友人ではなく単なる知り合いではないのか?それも悪い知り合いなので、さっさと縁を切るに限ります。そうでないと自分が酷い目に遭います。
来週は拓海がメインの話のようです。次回もまた楽しみに視聴しようと思います。