【螢草】第3話「忍び寄る影」は病にかかっていた佐知との別れと、市之進が謹慎となってしまう回でした。佐知が菜々に託した願いとは何か?そしてなぜ市之進は謹慎になってしまうのか?轟の策略とその背後にいる者も出てきました。
【螢草 菜々の剣】の3話あらすじ
病の身で子供たちを守ろうとした佐知の運命は?そして菜々が佐知から託された約束とは?一方、市之進の身辺には轟の罠が迫る……。運命の歯車が回り出す第3回!
公式HPより
間一髪飛び込んで来た菜々(清原果耶)は、五兵衛(松尾諭)に習った突きの型でかどわかしの犯人を倒す。だが無理もたたった佐知(谷村美月)の命の灯は燃え尽きようとしていた。武家の出であることを告白した菜々に市之進(町田啓太)と子どもたちを託し、佐知はこの世を去る。その間に轟(北村有起哉)の罠で濡れ衣を着せられ、市之進は謹慎処分となった。怒った仙之助(高田翔)ら仲間たちは、実力行使で轟を除こうと動き出す。
【螢草 菜々の剣】の3話ネタバレ
- かどわかしにあった子供たちを助けた菜々は、無事家まで帰って来る。だが、佐知の体調は優れず、菜々は看病を続ける。
- だんご兵衛の所に行き、しばらく稽古を休ませて欲しいという菜々。理由を問われて奉公先の奥様の体調が悪いと伝える。するとだんご兵衛が、もしかして風早の家に奉公しているのか?と聞いて菜々は答える。
- だんご兵衛は「風早の女中がかどわかしの犯人をやっつけた」という噂を聞いたと言う。さらに市之進が改革派の頭目で睨まれているとも聞いていた。そして、轟は何人も斬っている男だから、とんでもないことになると忠告をする。
- 佐知は体調が少し良くなり、粥を食べれるぐらいまで回復した。子供たちも一緒になって母のそばで話をしていた。だが、また体調が悪くなり佐知は菜々を呼んで話をする。自分の命がもう短いこと、そして妹のように思っているあなたに、旦那様と子供たちを守ってもらいたいと。
- 菜々は何かを背負って生きているのではないか?と問う佐知に、菜々は正直に自分の身分を明かす。自分は鏑木家の家臣である家の出のものだと、隠していて申し訳なかったと詫びる。
- それを聞いた佐知は「誰でも人に言えない悩みや苦しみを持っています。菜々はそれを知っているから、人に優しくできるものだと思います」と、菜々の事情をわかってくれた。
- 仕事をしている市之進の元に一報が入る。佐知がいよいよという状況になり、家族、使用人全員で佐知を見守る。佐知は一人ずつに最後の言葉を告げていった後に亡くなる。
- 三ヵ月後、母を亡くしたことをまだ受け入れられない子供たちは泣いてしまう。菜々は二人を慰めて、気持ちを落ち着かせてあげる。そして二人の肩を抱いたまま、眠りに落ちてしまう。そこに市之進が帰って来て、羽織をかけてあげるのだった。
- 叔父と叔母が二人で来て、見合いを勧めてくる。市之進は断るが「死んだ者のことなど早く忘れて、楽しく過ごせばいい」など言い出す。それを聞いた菜々は二人を睨むように見てしまう。市之進が応じないので二人は帰っていった。
- 風早の家に宗太郎と叔父の秀平が一緒にやってくる。菜々を嫁に欲しいという。しかし、菜々は兄弟のようにしか思っていないと市之進に告げ、奥様との約束もあるのでと乗り気ではなかった。市之進はゆっくり考えればいいという。
- 轟が江戸から藩にやってきているというが、しかし目的がわからない。過去に轟は役目を退いたことがあるらしく、日向屋という豪商と何か関係があるらしい。
- 家老に呼ばれた市之進は、江戸屋敷で勘定方の不正が行われているという噂を、言いふらしているという嫌疑だった。市之進は正直に、おかしな部分についてその場で指摘する。すると怒りだす家老たちは、頭を冷やせといって市之進の話を聞かない。
- それを見ていた轟は嬉しげにする。市之進を斬ることもできたが、それでは面白くない。味方が一人もいないことを思い知らせるつもりだと。
- 市之進は安坂長七郎という人物の名を出す。かつて着服の嫌疑をかけられ、轟に城内で斬りかかった結果、切腹となった人物だった。轟は「取るに足らぬことは忘れた」と言って去っていく。
- 日向屋と二人で酒を飲んでいる轟は、14年前の一件を嗅ぎつけた者がいると報告する。轟にとって因縁の相手なのだから、抜かりなく片付けるといいと日向屋は言う。
- 市之進が登城しようとしたところ、勘定方の金の流れについて不審がある、詮議の間、謹慎と使いの者に言われる。謹慎となった市之進は叔父に迷惑がかかるかもしれないと、書状をしたため菜々に届けてもらうよう命じる。菜々は書状を持って行くと、叔父は怒って読まずに捨てた。
- 市之進が謹慎となったことを知った仙之助たちは、轟を排除するために強行手段に打って出る。夜道一人歩く轟に、闇討ちをしに四人で襲いに行く。市之進の使いの帰り、偶然菜々はその現場を見かける。
【螢草 菜々の剣】3話の感想
とうとう佐知が亡くなってしまいました。自らの命の限りを知った佐知が、菜々にお願いをするシーンは、長い長い間を効果的に使って話していたのが印象的でした。菜々はもうボロボロ涙を流して、佐知が死んでしまうのを悲しみます。見ていて悲しいシーンがより一層悲しくなりました。
佐知が亡くなってから市之進の立場が徐々に危うくなってきます。轟は市之進をいつでもどうにでもできるような力があるようです。それは政治的なものだけでなく、恐らく剣の腕も立つのだと思われます。また、轟にはどうやら風早の家と因縁があることが今回少しわかりました。
真っ直ぐに生きることが難しいのは今も昔も変わらずで、藩のために思ってやっていることでも、権力者の意にそぐわなければ排除されてしまいます。よくも悪くも市之進は頭が冴える人物なので、味方にならないのであれば早めに排除しておきたいのでしょう。
佐知の願い
佐知が亡くなる前に菜々に願いを託します。佐知は何を頼んだのか?そしてなぜ菜々に頼んだのか?それにはちゃんと理由がありました。
- 自分が亡き後、旦那様と子供たちを守ってもらいたい
- 菜々は妹のような気がして愛おしい
- 菜々のような人に旦那様のそばにいてもらいたい
- 女は命を守るのが役目
佐知は自分が旦那様と子供たちを守りたいと思っていましたが、病によってそれが無理だと知ります。命が尽きるのが不思議とわかるという佐知、尽きる前にと菜々に願いを託します。愛する子供たちと旦那様、それを守って欲しいという願いです。
菜々は単なる使用人です。守るといってもどうやってと思いますし、菜々でいいのかとも思います。しかし、佐知は元気だったころから、菜々のことを妹のように思っていたのです。そして愛おしいとも思っていました。菜々の人柄を高く評価していたからこそ、一番大事なものを託すことができたのです。
菜々は佐知からもらった押し花を見て思い出します。佐知との約束を。単純に宗太郎と結婚したくないからかもしれませんが、奥様と約束したのでと言います。
轟の力
轟がどれだけ凄いのか?菜々の父の仇でもある男ですが、まだまだよくわからない部分が多い人物でもあります。今回また少しわかったことがあったので紹介します。
- 大殿のお気に入り
- 家老も顔色をうかがっている
- 何人も人を斬っている
- しかし14年前に一度用人から退いている
- 日向屋という豪商と懇意
- 安坂長七郎に城内で斬られそうになった
- 市之進とは血の繋がりがある
- 女中の子として生まれた
前回、古いしきたりに対して憎しみがあった轟です。その理由は自分が女中の子だったからだとわかりました。さらに、血の繋がりがあるということは、市之進の父か親戚かはわかりませんが、風早家の誰かと女中の間に生まれた子ということでしょう。
そしてこの安坂長七郎という人物が菜々の父だと思います。直接名前を菜々の口からは言ってませんが、轟にハメられて切腹したという流れからして仇っぽいです。まさか、菜々の父がお城で刃傷沙汰を起こしていたとは思いませんでした。自分の身分を内緒にするのも何となくわかります。
“何人も人を斬っている”ということをだんご兵衛が言います。剣の腕について菜々が聞くと、なぜ知りたい?と言われるので、菜々は誤魔化してしまいそれ以上話が聞けません。番組の最後の方で轟が、恐らく仙之助たちと思われる正体不明の賊に囲まれます。全く動じていないところを見ると、相当強いのではないかと思われます。
そうなると、菜々は果たして剣で倒すことができるのか?と、ちょっと心配にもなります。
日向屋とは?
今回初めて出て来た人物です。本田博太郎さん演じる豪商となります。少しわかったことがありますので紹介します。
- 藩と城下の商いを独占している豪商
- 鏑木家を骨の髄までしゃぶり尽くしている
- 14年前に安坂により不正を暴かれそうになった
- 轟と組んで悪事を働いている
商いを独占しているということで、非常に金持ちな人物と思われます。藩で使用するものから、町で売っているものまで、全て日向屋が幅を利かせているのでしょう。今回登場したシーンでは、国内で手に入らないようなワインみたいなものを飲んでいたり、椅子に座っていたりしました。ご禁制の品なども持っていそうな、怪しい商人です。
なぜ轟と接点があるのかについては特に触れられていませんでした。ただ、轟の生い立ちを知っているようなので、結構前から関係があるか、轟はよほど信頼をしているのかでしょう。また看板には“金貸し”とも書いてあったので、藩の財政を後ろから操っているかと思われます。
【螢草 菜々の剣】3話のその他気になったこと
- 轟の話になると凄い圧でだんご兵衛に詰め寄る菜々
- 大好きな酒を絶って佐知の回復を願っていた甚兵衛
- 佐知の死後二ヶ月目で後添えを勧めてくる叔父と叔母
- そんな二人を凄い目で睨みつける菜々
- 菜々とデキてるのでは?とゲスの勘ぐりをしてくる叔父
- 父上も寂しくなったら菜々と一緒に眠れば?と言う無邪気な子供たち
【螢草 菜々の剣】3話のまとめ
佐知の死という悲しい出来事の後、市之進は謹慎となり不幸続きの菜々です。轟という人物の背後には豪商がついており、とても菜々一人の力で太刀打ちできる状況ではありません。だんご兵衛やお骨、そういった人たちに力を借りて何とかするのだとは思います。
闇討ちが成功したら全て丸く収まるのでしょうから、残念ながらこの闇討ちは失敗に終わるのだと思われます。そして闇討ちを画策したという罪で市之進が切腹になるのか?いずれにしてもそんな罪の場合、ろくなことにならないと思われます。
そんな暗い話ばかりですが、菜々と子供たちが一緒に遊んでいたり、懐いている姿を見るのは可愛らしいです。佐知の願いである市之進は守れないかもしれませんが、子供たちは頑張って守って欲しいものです。