【相棒シーズン24】6話「ティーロワイヤル」のネタバレと感想をまとめています。
引退したはずのかつて“事件師”として暗躍していた男が、後輩の誘いで再び復帰していた。右京はSNSの更新が途絶えた配信者の行方を追ううちに、背後にいるプロの存在を感じ取る。かつて右京は事件師と浅からぬ因縁があり……。
【相棒24】6話のあらすじ
\\📢今夜9️⃣時放送//#相棒24 第5話
— 相棒 (@AibouNow) November 12, 2025
『昭和100年』
昭和元年×2025年
時を超えて繋がった2つの殺人事件💥
名門大学の理事長一族が隠し続ける秘密とは…
過去から届いた告発状が封印された闇を照らす!#相棒 #aibou #水谷豊 #寺脇康文
杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)は刑事部長に呼び出され、SNSの更新が止まった人物や人が変わったようになった人物に対し、市民から届く声に応えるため、捜査をするよう命じられる。
そこで右京たちは怪しい人物に会い、以前の投稿との矛盾点を指摘して年金不正受給者などを逮捕していた。
ふと右京はあるアカウントに目を留める。そのアカウントでは毎日ダンス動画を投稿していた配信者が、パッタリ投稿を止めていたためフォロワーたちが騒いでいた。しかし再び投稿を始めたかと思えば、引退を宣言してそのまま投稿が止まってしまう。
やがてそのアカウントの持ち主である、大村大(櫻井勝成)という男によく似た身元不明の遺体が発見され……。
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【相棒24】6話の見逃し配信
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【相棒24】6話のネタバレ
大村大のSNSへDMを送り、個人的に関係を持っていた沼部恵子だったが、ある日揉めて大村を殺してしまう。そこで父親の沼部高雄を頼り、事件師である孫崎と石栗の2人が遺体処理をした。
孫崎の計画では3日間、存命工作をした後、遺体で発見される手はずだった。発見された遺体はそのまま司法解剖もされず、身元不明のまますぐに火葬されるとの読みだった。そして後は風化するのを待つのみの予定だったが、右京が大村の失踪に興味を抱き始めてしまう。
大村の行方を追っていく右京と遭遇した孫崎は、逃れきれないと察して方向転換をする。銃で石栗を撃つと、そのまま銃口を沼部高雄に向けて金塊を脅し取り、それを米ドルに換金して娘の絵里に金を渡す。
見つかった遺体が大村であると判明すると、右京は孫崎のところにやってくる。そして連行する前に絵里は金を夫に持ち逃げされた挙句、その時に揉めて流産したと伝える。うまく行ったと思っていたがあてが外れ、孫崎はその場で服毒自殺をしようとする。だが、右京は察してすぐさま止め、生きて償うよう告げる。
すると突然拳銃を持った石栗が現れるが、持っていた拳銃はおもちゃだった。孫崎はあの時石栗を逃そうとして一芝居打った。しかし石栗は孫崎を慕い、そして自分が引退した孫崎を引き入れた罪悪感もあり、自らこうして現れたのであった。そんな石栗を見た孫崎は、右京に従い連行されていった。
戻って来た事件師
約2か月前、杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)たちは内村完爾(片桐竜次)刑事部長に呼び出される。市民から「SNSの更新が止まった」「人が変わったようだ」といった不穏な情報が寄せられ、その確認を命じられた。暇だからやれという扱いで、右京たちはしぶしぶ捜査に駆り出される。
一方、孫崎永良(矢島健一)の店には娘の絵里(渡部瑞貴)が現れ、金を受け取ったものの額が足りないと文句をつける。絵里は妊娠していて金を受け取ると「今更父親ぶるな」と吐き捨てて店を出ていった。直後、石栗幸平(加山徹)から電話が入り、孫崎に仕事の依頼が舞い込む。引退したと言っていた孫崎だったが、提示された報酬に惹かれ、依頼を引き受ける。
孫崎と石栗が向かった先は、沼部恵子(田中良子)が殺害した大村大(櫻井勝成)の遺体処理現場だった。2人は依頼通り、遺体の片付けに取りかかる。
SNSの更新が止まる
右京は宮崎麻子(今井あずさ)のもとを訪れ、父親の様子を確認しようとするが、麻子は父親を見せようとしない。右京はSNSの投稿内容を根拠に追及を続け、麻子は動揺を隠せなくなる。最終的に麻子は署へ連行され、芹沢慶二(山中崇史)が事情聴取にあたった。
麻子は殺害は否定したものの、父親の死亡届を提出していなかった事実を認める。父親の年金を得るため、遺体を隠したまま生存を偽装し、SNSの投稿を続けていたのだった。麻子は「働いたことがないんだからしょうがない」と開き直り、反省の色は見えなかった。
その後、土師太(松嶋亮太)は右京に同様の手口が他にもないか調べるよう促す。右京はワンダーボーイ・ダイちゃんというSNSアカウントに注目する。毎日欠かさず投稿されていた動画が突然更新されなくなり、ファンが騒いでいた。アカウントの書き込みは10月6日を最後に完全に止まっていた。
石栗は自身のアジトに大村の遺体を置いたまま、スマホの解析を進めていた。大村の端末には、恵子との会話がすべて録音されていた。金銭的な脈があると判断した石栗は「長期的に収入が得られる。これで足を洗える」とほくそ笑む。ただし遺体処理を慎重に行う必要があり、恵子は一刻も早い処理を強く求めていた。
一方、右京たちは大村のマンションを訪れるが応答はない。無人の気配が漂う中、郵便受けから住民税の督促状が溢れ落ちる。右京は、この様子から大村がしばらく帰宅していないと判断した。
事件師の計画
石栗の仲介で、孫崎は恵子とその父親である沼部高雄(佐藤裕)と対面する。恵子は父親に任せて席を外し、孫崎は今回の依頼が非常に難易度の高い案件であることを理解してほしいと前置きした。殺人の後始末とは、単に遺体を消せば済むものではないと語り、石栗もまた、遺体が消えることで捜索者が永遠に諦めず、かえって注目を集める場合すらあると指摘する。
さらに孫崎は、事件当日、恵子と大村が繁華街で飲み歩いていたため、多くの目撃者が存在する状況を問題視した。事件後も大村が生きていたように見せかけなければならず、恵子とは無関係のタイミングで死亡したと装うしか方法はないと結論づける。
一方、右京は大の叔父である大村慎二(白石直也)を訪ねる。慎二は開口一番、「兄貴はあいつに殺されたんだ」と語り、大の過去を告白する。大は子どもの頃から問題を起こし、そのせいで母親は家を出た。大人になってからも闇金で借金を重ね、その影響で慎二の兄は自殺に追い込まれたという。慎二は「あいつは疫病神だ。絶対に関わりたくない」と、強い嫌悪を露わにした。
生存偽装
石栗はSNSでフォロワーが騒ぎ始めた状況を受け、身代わりのダンサーを用意し、顔だけ生成AIで差し替える案を考える。しかし孫崎は「似ているという感覚は、本人とは違うという感覚だ」と指摘し、安易な偽装は破綻すると否定した。代わりに、腰の怪我で配信できないという声明を出し、診断書を添えれば信憑性が高まると提案する。腰を壊して活動を引退し、絶望して自殺に至ったという筋書きも成立する。
公的機関とのやり取りも残しておく必要があり、大村が文化庁の助成金を申請していた件は継続する。また、税金を滞納しているため税務署にも連絡し、記録を残す。生存偽装の期間については「今日から3日間でいい。3日後に大村は死ぬ」と孫崎は計画を固めた。
その頃、亀山が「行方不明届が出ていないから捜索が難しい」と嘆いていた矢先、大村のSNSが更新される。
最低限の生存偽装が終わったあと、孫崎は昨夜、遺体の処理が完了したと報告する。大村の遺体は手頃な渓谷から落とされ、死因が特定できない状態にしてある。その後、匿名で「人が倒れている」と通報し、地元警察が遺体を発見した。身分を証明する物は一切所持していなかったため、行旅死亡人として扱われてすぐに火葬され、司法解剖も行われない。
遺骨は役場で保管され、官報に情報が載る。そこから大村の足取りを追えたとしても、殺人の痕跡は何ひとつ残らないと石栗は断言する。大村は親族とも絶縁状態であり、行方不明届が出される可能性は低い。あとは風化を待つだけだと孫崎は結論づけた。
事件の経緯
右京たちは部署で事件の時系列を整理する。
- 10月7日(火)大村大の動画配信サイトとSNSの投稿が、前日の6日を最後に途切れた。
- 10月13日(月)自宅マンションを確認すると、数日間帰宅していないことが判明。同日、途絶えていたSNSの投稿が再開される。
- 10月14日(火)複数のSNSで投稿が確認され、15日(水)には文化庁と税務署への通話記録も残されていた。
- 10月16日(木)動画配信サイトに引退を発表する動画が公開され、以降すべての投稿が停止した。
右京は動画の引退説明が、機械音声なのを不自然に感じる。腰の怪我というなら顔の1つくらい出せるはずだと疑問を口にする。また、診断書には病院名が記載されておらず、以前の診断書には病院名があった点も不可解だった。
メールや電話なら他人でもなりすますことができる。亀山はわざとらしいほどに、痕跡を残しているように見えると指摘する。右京は生存偽装が「3日間」で終わっている点に、理由があるのではないかと考え始めた。
証言と手がかり
クラブを訪れた右京たちは、大村とコラボしていたホステス・夏月姫(岡田香菜)から話を聞く。こてまりに場所を移し、彼女は大村との関係を語った。大村は兄のような存在で、ほぼ毎日メッセージをやり取りしていたが、急に連絡が取れなくなった。誕生日にはシャンパンを開ける約束をしていたが店に来ず、約束を必ず守る彼にしては異常だった。
誕生日当日も未読スルーが続いていたが、10月14日になって突然返信が届き、「誕生日祝えなくてごめんね」と書かれていた。ただ、それもどこか不自然で、2人の間では謝罪するとき必ず「ソーリー ベイベ」と言う決まりがあったのに、それがなかった。
最後に会ったのは10月3日で、その時大村は「ついに鉱脈を掘り当てた」と興奮気味に話していた。また、大村はファンの女性とDMで連絡を取り、会っていたらしい。
その後、右京は大村が通っていたレストランを訪ねる。店員によれば、大村は何度か来ており、最後に来たのは10月6日だった。その時は女性と一緒で、支払いはその女性が行っていた。店側は領収書の控えを保管しており、右京はそれを受け取った。
共通人物
部署に戻った右京たちは情報を整理する。大村は複数の女性を行きつけの店に連れており、支払いは常に女性側が行っていた。10月6日に同伴していた女性は、店で「東京都教育委員会」名義の領収書を切っていた。その後に立ち寄ったホテルのバーラウンジでは「総合育成センター・大志」名義で領収書を切っていた。いずれも高級店で、数万円単位の支払いを領収書として処理できるのは相当の立場にある人物だと右京は判断する。
右京は総合育成センター・大志のHPを確認し、理事長が沼部高雄、理事が沼部恵子であることを知る。東京都教育委員会と総合育成センターの両方に関わる女性は限られており、恵子が該当人物だと突き止めた。
右京はすぐに恵子へ会いに行こうとするが、受付を通じて「体調が悪い」と面会を断られる。右京が教育長の欠勤状況を尋ねると、10月8日から欠勤し、生存偽装の3日間が終わった10月20日に職場へ戻っていたことが判明した。
一方その頃、恵子は孫崎たちに「速攻でバレてるじゃない!」と激昂する。孫崎は「まだ殺人が露見したわけじゃない」と宥めるが、恵子は「親ならなんとかしろ」と父親に怒鳴りつけ、その場を去った。
似てる遺体
アポイントを取ろうとしても「予定が埋まっている」と断られ続けたが、右京は恵子が立場ある職を守ろうとしているからこそ逃亡の可能性は低いと見抜いていた。何かを隠している者は、むしろ日常を維持しようとする。そこに付け入る隙があると判断した。
右京は官報を確認し、行旅死亡人の一覧から大村と思われる人物を発見する。発見日は10月17日早朝で、生存偽装の3日間が終わった翌日だった。遺体の身元特定につながったのは、着衣についていたブランドのワッペンで、それは夏月姫が大村からもらった服と同じものだった。
右京たちは生活安全課を訪れ、行旅死亡人に関する資料を確認する。遺体は顔も判別できず、所持品もなかったため身元はわからず、そのまま火葬されていた。右京は保管されていた衣服をそのまま保存しておくよう依頼する。
続けて、遺体発見現場を訪れて状況を確認する。亀山は「殺人後に自殺に見せかけたとしても、火葬されているから解剖は不可能だ」と指摘する。右京は、そこまで計算して行動しているとすれば、犯罪のプロの関与が疑わしいと結論づけた。
再びレストランを訪れ、大村が来店した際の服装を確認すると、オリヴィオンというブランドの服だったことが一致する。そして当日同行していた女性について恵子の写真を見せると、店員は「間違いない」と証言した。
遭遇
孫崎たちは恵子の父親に呼び出され、「こちらに警察が来た。恵子は実家に引きこもっているが、どうすればいいのか」と相談を受ける。孫崎は「こっちで対処する」と応じ、理事長秘書として対応しようとするが、右京の姿を見つけて即座にその役を降りる。下手な嘘をつかずに済むよう、石栗を沼部のコンサル、自分はそのアドバイザーという設定に切り替えた。
孫崎と石栗は、大村と恵子が知り合いであることを認め、10月6日に会っていたことも認めた。しかし、それ以降は一切連絡を取っていないと主張する。右京と孫崎は互いに探り合いながら会話を続け、相手の出方を読み合った。
話を終えて帰る途中、亀山が「あの男は何者ですか?」と尋ねると、右京は彼がかつて“事件師”として知られた人物だと説明する。一方その頃、孫崎は「杉下右京。最悪のカードが回ってきたな」と笑い、しかし同時に「まだ少し時間が稼げそうだ。このゲームの終わらせ方を考える」と呟いた。
右京との因縁
角田六郎(山西惇)課長から、かつての孫崎について話を聞いた。だいぶ前に足を洗い、反社との縁も切って喫茶店を営んでいるはずだという話だった。
右京はその情報を確かめるべく店を訪れ、孫崎と昔話を交えながら本題へ切り込む。かつての事件で孫崎が罪を免れたことを指摘すると、孫崎は「被疑者死亡で終わったんでしょ」と平然と返す。右京が「事件の筋書きを描いた“事件師”がいたという噂を聞いた」と投げかけると、孫崎は「自分が聞いた話では、最初の筋書きに死ぬ予定の人間はいなかった。疑り深い捜査二課の刑事が暴走したことで、あんな結末にするしかなかった」と語った。
さらに右京は、「引退したはずのあなたが、なぜあの場所に?」と問い詰める。孫崎は「店の経営が苦しくて」と言い訳のように答える。右京はふと、店内に飾られていた幼い子供の写真に目を止めた。
一方その頃、亀山は美和子(鈴木砂羽)と共に再び大村の叔父を訪ねていた。叔父は好意で育てたきゅうりを手渡し、大村もきゅうりが好きだったという話になる。亀山が話の出所を答えると、叔父は「下心でもあったんだろう」と突き放すように言った。それでも亀山は、「きっと大村なりに家族のつながりを求めていたんじゃないか」と静かに語った。
ゲームの終わらせ方
孫崎と石栗は改めて恵子とその父親に状況を説明する。石栗は、警察が大村の死について立件するには「遺体が大村本人と確定すること」と「自殺ではなく他殺である証拠が出ること」という2点をクリアしなければならず、現時点ではどちらも証明されていないと伝えた。
しかし恵子が不満を口にした瞬間、孫崎は突如として拳銃を取り出し、「なめんなよババア!」と恵子に向けて怒号を放つ。続けざまに石栗を撃ち、大村のスマホを取り出して父親に突きつける。そこには大村が残した全ての会話録音が保存されており、父親の利権に関わる内部情報も、殺害当時の様子も詳細に記録されていた。
孫崎は「これ、買ってくれませんかね」と迫り、その対価として金塊を受け取った。
その後、孫崎は米ドル札の束を娘の絵里に渡し、「男と別れて、自分と子どものために使え」と告げた。絵里の未来のために残せるものを、最後に与えようとするかのようだった。
遺体の身元が判明
警察署には大村の叔父が訪れ、亀山にきゅうりを手渡した。叔父は「俺にはもう大しか家族がいないからさ。届けを出そうと思ってね」と語り、行方不明届の提出を申し出た。これにより、警察は遺体との同一性を鑑定するための物品を押収できるようになった。
右京は、大村が恵子を脅していた可能性に言及し、大村の自宅PCを調べたところ、パスワードもなく簡単にアクセスできた。
鑑定の結果、行旅死亡人として扱われていた遺体は大村本人であると確定する。さらに、大村のPCはスマホと同期されており、内部には必要なデータがすべて保存されていた。その中には、10月6日の夜に沼部恵子と思われる女性と言い争う音声データも含まれていた。
この証拠を踏まえ、恵子に大村大殺害容疑がかかり、父親の高雄、石栗、孫崎には死体遺棄の容疑で手配が進む。一課は恵子と高雄を逮捕し、事件はついに核心へと踏み込んだ。
人生の意味
右京たちは喫茶店を訪れ、孫崎に告げる容疑は「大村の死体遺棄、恐喝、強盗、石栗殺害」だった。孫崎は「連行してくれ」と素直に応じると、右京は「お茶を飲むくらいの時間はあります」と制止した。
孫崎は計画が失敗したにもかかわらず、どこか勝者めいた余裕を漂わせていた。右京には、孫崎が“本当の目的”を果たしたつもりでいることが見えていた。娘に大金が必要な状況だったため復帰したのだろう、と指摘する。右京と出会った時点で計画の破綻を見越し、すぐに別の筋書きへ切り替えたのだろうという読みだった。
奪った金塊を違法にドルへ換金し、その金を絵里へ渡したのもその一環だ。亀山は、絵里の夫が金を持ち逃げし、喧嘩の末に絵里は流産してしまったと伝える。喫茶店に来る前、右京たちは絵里の病室を訪ね、「なぜ父親に連絡しなかったのか」と尋ねたが、絵里は「関係ないから」と切り捨てた。
孫崎は「なんて酷いゲームだ。もう何も残っていない」と嘆き、スキットルから紅茶へブランデーを注ごうとする。しかし右京はそれを止める。「ティーロワイヤルは紅茶にブランデーを入れるもの。不純物が混ざれば、それはティーロワイヤルではありません」
孫崎は「終わらせたいんですよ。私というゲームを」と呟く。右京は静かに返す。「投げ出すことはできません。あなたが抱えている罪悪感、後悔、懺悔――それらを抱え続けなければならない」
孫崎は小さく問いかける。「負け試合が確実でも?」右京が「人生は勝ち負けではありません。そしてカードゲームよりも複雑で、意味がある」と答えると「意味なんてあるとは思えない」と孫崎は弱々しく嘆いた。
【相棒24】6話の結末
娘の夫が持ち逃げしたドルはすでに回収されていた。しかし沼部家に保管されていた金塊を時価で換算すると、金額は半分以下で計算が合わない。孫崎は「売り急いで、組織に足元を見られた」と話す。
右京は「事件師ではあっても、あなたが石栗を殺すとは思えない」と告げる。その時、店に配達員姿の石栗が現れた。石栗は銃を抜き「全員殺す」と言い放つが、次の瞬間、自分のこめかみに銃口を向けて引き金を引く。乾いた音が響くだけで、銃はおもちゃだった。沼部親子を脅した時も、このおもちゃの銃で騙したと明かす。
「出し抜いたのに、なぜ戻ってきた?」と亀山が尋ねると、石栗は静かに答えた。「僕は孫崎永良の弟子です。一から十まで真似したくて」あの時、孫崎が自分をかばってくれたように、今度は自分がかばいに来た。
さらに、「永良さんみたいに、かっこつけたかったんですよ。引退していた永良さんを事件に巻き込んだのは僕です。主犯は僕なんです」と告白する。その言葉に、孫崎は「ばかやろう!」と怒鳴りつけた。
石栗は、逃げるよりも2人で捕まるほうがいいと思ったのだと言い、「永良さんを見捨てられない」という言葉を聞いて孫崎は「これも“意味”ってやつですかね?」とつぶやく。右京は「あなたがそう思えるのであれば」とだけ答えた。
やがて孫崎はゆっくりと立ち上がり、残った紅茶を飲み干す。そして右京たちに連行されていった。
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【相棒24】6話のまとめと感想
引退していた事件師が娘に金を渡すために復帰するが、隠蔽工作を見破った右京に捕えられたという話でした。
今回の話は沼部恵子、鈴木絵里、宮崎麻子の3人の女性が、揃いも揃って親に頼った挙句、残念な結果に終わります。しかも3人はなぜか親を口々に罵りながら、自分たちのことを面倒みるのが当然な口ぶりです。つまり自立していない人たちでした。
果たして親が悪いのか子が悪いのか?詰まるところ、どっちもどっちだった気がします。例えば絵里のように親と確執があるなら親を頼るのもおかしな話で、孫崎も娘が夫と別れたのを確認してから支援すれば良かった気がします。
恵子の場合も殺人を隠蔽するのではなく、罪を償った後に高雄はサポートすればよかったわけです。問題をまず解決してから、支援をするという線引きが必要だったと思います。
いずれにしても、右京さんと孫崎の洒落た会話が面白い話でした。
人生はカードゲームみたいなもんなんですよ。誰であれ、配られたカードで勝負するしかない。
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