WOWOWのオリジナルドラマ【1972 渚の螢火】最終話のネタバレと感想をまとめています。
川平と宮里の行方が分からない中、稲嶺が殺害されたという一報が入る。そして玉城の行方も分からなくなり、本土復帰まで時間が迫り真栄田たちは焦る。やがて宮里と逃げたはずの正美が、警察へ助けを求めに出頭してきて……。
【1972 渚の螢火】最終回のあらすじ
連続ドラマW 1972 渚の螢火
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) November 9, 2025
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いよいよ次回
【最終話 螢火】
11/16(日)午後10:00~放送・配信🔥#1972渚の螢火 で感想をお待ちしています📝
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11/14(金)午後11:30~#WOWOW #高橋一生 pic.twitter.com/7H1d0M53un
宮里ギャング唯一の生き残りである稲嶺コウジ(佐久本宝)が、病室で絞殺遺体で発見される。真栄田太一(高橋一生)は番をしていた比嘉雄二(広田亮平)に状況を聞くと、玉城泰栄(小林薫)がやってきて交代したという。その後の玉城の行方は分からなかった。
本土復帰が迫る中、川平朝雄(沢村一樹)と宮里武男(嘉島陸)の行方が分からず焦る真栄田たち。そこに宮里と一緒に逃亡したはずの伊波正美(MAAKIII)が出頭してくる。
川平と宮里を助けて欲しいと訴える正美。彼女の話で2人がサザンクロスにいることが分かる。応援を要請しに与那覇清徳(青木崇高)は喜屋武幸勇(ベンガル)と座間味喜福(藤木志ぃさー)を説得しに向かい、真栄田は一人サザンクロスへ向かうが……。
【1972 渚の螢火】最終回のネタバレ
サザンクロスでミラーに川平が銃を向けている現場に単独で踏み込んだ真栄田は、川平をなんとか説得して銃を下ろさせた。その後、与那覇たちが応援に駆けつけるが、ミラーは悠々と外に出て行こうとする。すると、隠れていた宮里がナイフを持って飛び出し、ミラーを仕留めようとする。
喜屋武は止めようとする真栄田を制し、ミラーを助けず傍観を決め込む。だが、ミラーは隠し持っていた銃で宮里の腹を撃ち、その結果、宮里はその場で息絶える。
遅れてCIDが入ってくるが、ミラーは全く気にした様子もなく、やはり歩き去ろうとする。隙を見て川平は銃を取り、ミラーに向けて何発も撃ち込んで射殺する。その瞬間、イケザワの制止も空しく、CIDの隊員が川平に向けてショットガンで発砲する。川平は胸に銃撃を受け、その場に崩れ落ち亡くなった。
やるせない気持ちを抱えたまま、真栄田は最後の仕事をしに玉城の家に行く。玉城は最後に行きたいとこがあるといって、死者に花を手向けた後、自らの罪を真栄田に告白する。真栄田にこの地獄から救ってくれと訴える玉城、真栄田は何も告げることができなかった。
共に琉球警察署へ向かい、玉城が出頭する。真栄田はその背に向けて、育ててもらった恩を告げる。しかし、玉城は振り返る事はなかった。
真弓と電話で話す真栄田は、最初は気丈に振舞っていたが、妻から子供の名前は玉城からもらったかをきかれた瞬間、堰を切ったように咽び泣いた。
行方
本土復帰まで残り17時間となった頃、真栄田太一(高橋一生)が病院へ姿を見せる。稲嶺コウジ(佐久本宝)が殺害されたとの報が入り、真栄田は比嘉雄二(広田亮平)から事情を聞き取る。遺体発見以降、玉城泰栄(小林薫)の行方は不明のままだった。
真栄田はジャック・シンスケ・イケザワ(城田優)へ一連の状況を報告する。イケザワは口封じの可能性を疑った。イケザワは事前に国務省に確認したところ、今回の件に一切関与していないと証言した。
それを受け、真栄田はトカゲの尻尾切りではないかと推測し、イケザワはこれで法の裁きを受けさせられると判断する。理由がどうであれ、外交官殺害は国際問題に発展し得るため、川平朝雄(沢村一樹)を止めねばならないと2人は結論づけた。
真栄田は与那覇清徳(青木崇高)にも同内容を共有する。そこへ伊波正美(MAAKIII)が出頭してきたと、新里愛子(清島千楓)から知らせが入る。真栄田と与那覇が聴取にあたると、正美は「シズねーねーを殺したやつは憎い。しかし仲間まで殺され、葬式もできなかった。どうしてこんなことになるのか」と胸中を吐露する。さらに「相手は汚いアメリカーさ。絶対に2人とも殺される。また家族を失う」と悲痛な声を上げた。
真栄田が川平と宮里武男(嘉島陸)の居場所を問うと、正美は「サザンクロスか?」という言葉に反応し、涙をこぼす。「お願い助けて!」と必死に訴えるのだった。
確信
川平はオーガスト・ミラー(ジェフリー・ロウ)に連絡を入れ、100万ドルの準備が整ったためサザンクロスまで受け取りに来るよう告げる。
一方、サザンクロス突入には人員が必要だと判断した真栄田は、本部長へ応援要請に向かおうとする。しかし与那覇が「俺が行く。お前は先に行け」と言い、自ら説得に向かった。
渋る喜屋武幸勇(ベンガル)と座間味喜福(藤木志ぃさー)に対し、与那覇は怒りを露わにする。「この期に及んでまだ二の足を踏むのか!復帰は明日だよ!琉球警察は最後に汚点を残すのか!」と強く訴えた。
さらに2人が連続娼婦殺害事件を追っていたことを引き合いに出し、「ここで無念を晴らさないで、どこで晴らす!」と迫る。すると座間味が覚悟を固め、「わかった与那覇。責任は俺が取る」と応じた。
その頃、ミラーがサザンクロスに姿を現す。川平は100万ドルの入ったアタッシュケースを手渡し、2人は祝杯を交わす。真栄田は現場へ到着し、建物内部の様子を慎重にうかがう。
祝杯の席で、ミラーは「なぜ国務省は自分を指名したのか」と川平に問う。川平は「沖縄の事情に精通しているからだ」と答える。続いて川平は宮里シズの名を出し、彼女のことを知っているかと尋ねた。ミラーは「不幸な事故だ。暴漢に刺されて亡くなった」と語る。
その言葉を聞いた川平は「やはりそうか」とつぶやく。報道ではシズは絞殺されたとしか出ていないと指摘し、「シズが刺されたと知っているのは、捜査関係者、彼女の家族、そして犯人だけだ」と静かに告げた。
刺客
川平は立ち上がると同時に拳銃をミラーへ向けた。19年もの年月がかかったと語り、「宮里武男と宮里シズは俺の家族だ」と明かす。そして「やーを殺したらなんもいらん」と告げ、引き金に指をかける。
その瞬間、真栄田が踏み込む。川平は「日本もアメリカも、この沖縄さえこいつを裁かん。だから俺が裁く」と言い放ち撃とうとするが、真栄田が「ならん」と制止した。さらに「その引き金を引いて何か変わるか?沖縄は今この瞬間も造られている。俺達は昔からつながってきて、今ここにいる。変わると信じて生きていくしかないだろう」と訴えた。
川平はシズの面影を思い浮かべ、一度は引き金をためらう。しかし再び撃とうと心を固めかけるが、真栄田は「それでも託してくれ」と頼み、ようやく川平は銃を下ろした。ミラーが逃げようと動いたところで、真栄田は「動かんけ!やー!」と沖縄弁で強く制した。
川平は100万ドル強奪の首謀者として逮捕されることになった。ミラーが帰ろうとすると、喜屋武が連続娼婦殺害について事情聴取を受けてもらうと告げる。ミラーは「外交官の私を裁くことはできない。これからもアメリカがこの土地を支配する。返還など意味はない」と嘲りながら立ち去ろうとする。
その時、脇から宮里がナイフを手に飛び出した。ミラーは間一髪で身をかわす。助けを求めるミラーに対し、喜屋武は真栄田の肩を押さえて制し、暴漢による襲撃であると見なす構えを取った。次の瞬間、ミラーは隠し持っていた銃を抜き、宮里の腹を撃つ。宮里はその場で息絶えた。
終焉
遅れてCIDが現れ、イケザワはミラーを拘束しようとする。しかしミラーはなおもとぼけて帰ろうとし、イケザワは「CID、いや、合衆国がお前を裁く」と告げた。それでもミラーは聞く耳を持たず、「今日アメリカに戻ることにするよ」と歩き続ける。
その隙を突き、川平が置かれていた銃を拾い上げ、ミラーへ向けて何発も撃ち込んだ。ミラーは即座に倒れ、息絶えた。イケザワの制止を無視して、反射的にCIDの隊員がショットガンを放ち、川平の身体を撃ち抜く。川平も倒れ、「シズ…」と最後の言葉を残して息を引き取った。
ミラー、川平、宮里――3人は誰ひとり生き残らず、現場には琉球警察もCIDもただ立ち尽くす静寂だけが残った。
遺体が運び出されると、イケザワは真栄田に敬礼してから去っていった。すべてが終わる頃、日付は変わり、沖縄の本土復帰を祝う汽笛とサイレンが夜空に響き渡った。
犯した罪
真栄田は玉城の家を訪れ、「泰栄さん、あなたに稲峯殺しの容疑で令状請求の準備を進めている」と告げた。玉城は静かに聞き終えると、「その前に行きたいところがある」と言って立ち上がる。
2人が向かったのは岬にあるガマだった。玉城はそこへ花を手向け、続いて浜辺へ降りていく。そして海を前にしながら、重い口を開いた。「俺はここでうちなーんちゅを殺した」と罪を告白する。
その場面を川平に見られていたという。川平と玉城は護郷隊で共に戦った仲だった。玉城は少年兵で構成された護郷隊の小隊長であり、沖縄戦の中で隊は全滅した。多くの子どもたちが死に、自分だけが生き残ってしまったと語る。
必死にガマへ隠れていた玉城の前に、やがて上官が現れた。上官たちは民間人が収容された場所を襲っており、玉城はいつの間にかその行為へ加担してしまっていたという。
ある日、収容所を襲撃した際、そこに川平がいた。玉城はうちなーんちゅを殺したという罪の意識に押しつぶされ、上官から逃げて米軍の捕虜となったと告白した。
贖罪
罪をどう償えばいいのかわからないまま、玉城は琉球警察に入った。うちなーのために働けるなら何でもよかった。何もいらなかった、と静かに述べる。
川平は玉城が警察にいることを知ると脅迫してきた。復讐を果たすその日まで計画のすべてに加担しろと命じたという。カービン銃の件をCIDへ流したのも、宮里たちのアジトを用意したのも自分だと認めた。しかし川平、うちなーは玉城を決して許さなかった。
稲嶺の言葉を聞いた時、玉城の脳裏には孫の顔が浮かんだ。いつの間にか手に入れた大切なものを失いたくないと思うようになっていた。「同胞の命を奪った俺がよ。どうしようもない、身勝手な人間だ」と玉城は自嘲する。
「俺はどうすればよかった?」と真栄田に縋るように問う玉城。しかし真栄田も「俺に、俺にわかると思いますか?」と嘆くしかなかった。玉城は続けて叫ぶ。「じゃあ何で俺が責められるわけ?誰があの時の俺を責められるわけ?」
やがて力尽きるように、「もういいだろ?なあ太一。この地獄から…俺を出してくれ。しわかきたんや、太一…」と絞り出す。真栄田には何も言えず、ただ波が寄せては返すのを見つめるほかなかった。
その後、玉城と真栄田は共に琉球警察署へ向かった。「俺は…泰栄さんが育てた刑事です」。署へ入っていく玉城の背中に、真栄田はそう告げた。玉城は振り返らず、そのまま静かに署内へと消えていった。
【1972 渚の螢火】最終回の結末
真栄田は妻の真弓(北香那)と電話で話す。沖縄の生活や基地問題について十分に伝えられていないこと、やはり本土と沖縄では温度差があると感じていると真弓は口にした。そして「元気がないけど何かあった?」と気遣うが、真栄田はしばらく沈黙し、代わりに子供の様子を尋ねる。
子供は沖縄復帰の5月15日に生まれたという。真弓は「そろそろ名前をつけないとね。玉城さんからいい名前もらえた?」と、何も知らないまま明るく言った。戦闘機の飛行音が空に響く中、その言葉を聞いて真栄田はこらえきれなくなる。妻に声を聞かせないよう受話器を外し、ひとり咽び泣いた。
その後、対策班の4人は渚に集まり、しーみーを行った。愛子は採用試験に合格したと報告する。しーみーの燃えかすが風に乗って舞い上がり、夜空に浮かぶ光はまるでホタルのようだった。その光景を見つめた真栄田は「行こうか」と静かに言い踵を返す。4人は並んで歩き出し、新たな一歩を踏み出した。
【1972 渚の螢火】登場人物の最後
登場人物たちが最後どうなったか、分かっている範囲で記載しています。
- 真栄田太一(高橋一生):玉城に出頭を促して一緒に琉球警察署へ向かった
- 与那覇清徳(青木崇高):対策室解散後の配属は不明
- 比嘉雄二(広田亮平):ケガは回復。対策室解散後の配属は不明
- 新里愛子(清島千楓):採用試験に合格。対策室解散後の配属は不明
- 玉城泰栄(小林薫):真栄田に全ての罪を告白した後、琉球警察署へ出頭した
- 宮里武男(嘉島陸):ミラーを襲撃するも失敗し、ミラーに撃たれて死亡
- 稲嶺コウジ(佐久本宝):玉城に病室で首を絞められて死亡
- 又吉キヨシ(神田青):SYにアジトを襲撃された際、銃撃され死亡
- 照屋ジョー(モクタール):SYアジトを襲撃された際、銃撃され死亡
- 知花ケン(栗原颯人):SYにアジトを襲撃された際、SYを抱えたまま手榴弾で自爆し死亡
- ジャック・シンスケ・イケザワ(城田優):ミラー逮捕へ踏み込むも被疑者死亡。本土復帰後も沖縄に残る予定
- 伊波正美(MAAKIII):川平と宮里の救出を求め警察へ出頭、その後の罪状は不明
- 真栄田真弓(北香那):沖縄本土復帰の5月15日に無事出産
- オーガスト・ミラー(ジェフリー・ロウ):川平に銃撃され死亡
- 川平朝雄(沢村一樹):ミラー銃撃直後にCIDの隊員に銃撃され死亡
【1972 渚の螢火】最終回のまとめと感想
川平は敵討ちに成功するが射殺され、玉城の罪の告白を聞いた真栄田は慟哭したという話でした。
無事敵討ちをすることができましたが、宮里も川平も亡くなります。正美が危惧していたように、結果的に彼女は家族全員を失いました。
そして真栄田も父のように慕っていた玉城の罪の告白を聞き、当初は気丈に振舞ってましたが慟哭します。新たな命の誕生はあれども、彼もまた家族を失った一人でした。
結局ミラーの死をどうやってごまかすのか?そこまで描かれないので分かりませんが、CIDの手腕が問われるところなのかもしれません。真栄田たちは不問であって欲しいものです。
「俺達は昔からつながってきて、今ここにいるんだ。変わると信じて生きていくしかないだろう」という、真栄田が川平に言った言葉も印象に残りますし、玉城が真栄田に言った「じゃあ何で俺が責められるわけ?誰があの時の俺を責められるわけ?」という言葉も印象的です。
ドラマ内では誰かを責めたり責められたりするシーンがよくあります。見ていて思ったのは今に至るまでの背景を何も知らずに口を出すのは、本当に愚かだなと。凄まじい状況にあった人ほど語らないので、まずは傾聴することの大切さも知れました。
ドラマの最後、エンドロールで沖縄で起きた米軍関係の事件や、基地問題などの新聞記事が映し出されます。そして最後、ヘリコプターの飛行音が響いて終わります。このドラマを見て沖縄について沢山知らなかったことを知りました。学べるだけでなく、出演者もよいエンターテインメントとしても面白いドラマでした。

