WOWOWのオリジナルドラマ【1972 渚の螢火】4話のネタバレと感想をまとめています。
川平を署に連行した真栄田だったが、川平は何も語ることなく釈放されてしまう。手がかりは途絶えたように思えたがイケザワから襲撃犯についての話を聞き、強奪事件の背後にアメリカ国務省が関わっていることを知る。そして川平の真の目的が明らかになり……。
【1972 渚の螢火】4話のあらすじ
連続ドラマW 1972 渚の螢火
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) November 2, 2025
第三話ご視聴ありがとうございました❗️
ついにあと2話🔥
【第四話 アメリカ世】
11/9(日)午後10:00~放送・配信#1972渚の螢火 でこれまでの感想をお待ちしています📝
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宮里武男(嘉島陸)たちのアジトが襲撃され、そこにいた川平朝雄(沢村一樹)が署に連行される。だが川平は何も語らず、すぐに釈放されてしまう。手がかりは途絶えたかに思えたが、ジャック・シンスケ・イケザワ(城田優)から今回の襲撃事件について、アメリカ国務省が関わっているとの情報をもたらされる。
再び襲撃現場を与那覇清徳(青木崇高)と一緒に見に行く真栄田太一(高橋一生)は、そこにあった一枚の写真に目を留める。それは宮里たちと川平、さらにもう一人、宮里の姉であるシズが映っていた。
真栄田は現金強奪事件がなぜ起きたのか、その真相にとうとう辿りつくが……。
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【1972 渚の螢火】4話のネタバレ
戦災孤児だった宮里たちと川平は、一緒に家族のように暮らしていた。19年前のある日、連続娼婦殺害事件の被害者に宮里の姉シズがなってしまう。以来、彼らの目的はシズを殺した犯人への復讐だった。
喜屋武と座間味は当時事件を担当し、犯人がオーガスト・ミラーだと辿りつく。しかしミラーは外交官特権で逮捕できず、その後国に戻った。今回起きた連続娼婦殺人事件もまた、ミラーの仕業だと採取した指紋から確信していた。
川平は国に帰っていたミラーにある計画を持ちかける。それはアメリカ国務省が優位に立てるよう、100万ドルを強奪してドル円交換の妨げをするというものだった。沖縄のドルを全て円に交換するはずが、一部失われれば日本が今後立場的に弱くなる。そう考えた上の計画だった。そしてアメリカ国防総省が支配する沖縄に、国務省が割って入り力を増すための策略でもあった。
まんまと計画に乗ったミラーは沖縄に再びやってくる。川平は宮里たちを使って強奪計画を決行し、100万ドルを無事強奪した。だが、ミラーと川平の間にトラブルが発生したのか、宮里たちのアジトをミラーは襲撃する。
全ての情報からこの結論にたどりついた真栄田は、玉城も19年前の事件のことを知っているのか、喜屋武たちに尋ねると知っていると答えた。
玉城は会った川平から、明日でもうあんたと会うことはないと言われる。インフォーマーは玉城だった。
その後玉城は稲嶺の病室に行き様子をうかがう。稲嶺は玉城の名を聞くと、川平からうちなーんちゅを殺した男だと聞いていると話す。かつて玉城は収容所を襲撃した敗残兵の一人で、その際に収監された人を殺していた。
玉城は稲嶺が横たわるベッドヘッドの鉄パイプにベルト状のものをくくりつけ、稲嶺の首を絞め始めた。
戦争マラリア
警察で聴取を受ける川平朝雄(沢村一樹)は、なぜあの場所にいたのか、宮里武男(嘉島陸)との関係、一連の事件への関与を問われるが、どれも関係がないと弁明した。真栄田太一(高橋一生)は現金強奪事件の経緯を語り、「お前は、この沖縄の未来を汚した」と川平を強く非難する。
川平は静かに反論した。「本土復帰で何が変わると?ありえない」と言い放ち、さらに声を張り上げた。「宣言しよう。50年後の今日も、沖縄は変わらん!」と。そして川平は自分で調べたという話を、真栄田に語り始める。
真栄田がまだ5歳だった1945年、石垣島で起きた出来事だ。敵の直接的な攻撃もないのに、多くの人々が死んだ――それは「戦争マラリア」だった。
日本軍は敵の攻撃を避けるためとして、島民に山間部への避難を命じた。しかしその場所はマラリアの有病地帯だった。軍も島民もそれを知っていながら、軍は島民をその地に閉じ込めた。その結果、半数以上の島民が感染し、4人に1人が命を落としたという。
「死体の山ができていく中で、君の大切な人間は何人死んだ?誰が死んだ?」と川平は問い詰める。真栄田の脳裏には、浜辺で燃え上がる遺体を焼く炎がよみがえった。暗闇の中に浮かぶ地獄の光景を前に、川平の言葉はさらに突き刺さる。
「地獄を目の前にしてどう思った?どうしたかった?お前は何をしてきた?島を捨て、内地に行き、のうのうと戻ってきた。そんなお前が警察官として沖縄を守る?ふざけるな」
そして最後に川平は冷たく告げる。「今さら沖縄のために何ができる?真栄田…沖縄の未来をお前が語るな」と。
その時、玉城泰栄(小林薫)が部屋に入ってきて、川平は釈放された。残された真栄田は、何もできないまま無力感に立ち尽くしていた。
新たな手がかり
与那覇清徳(青木崇高)からの無線で、川平が米軍基地に入ったまま出てこないとの報告が入る。自宅にも会社にも行ったが、どこももぬけの殻だった。川平はアジトに現れる前に、すでに身辺整理を終えていたようだった。
玉城の家で改めて状況を整理することになった。照屋ジョー(モクタール)、又吉キヨシ(神田青)、知花花ケン(栗原颯人)は武装グループの襲撃で死亡。グループの一人も手榴弾の爆発に巻き込まれて命を落とした。
宮里と伊波正美(MAAKIII)の行方は依然として不明で、ギャングの生き残りである稲嶺コウジ(佐久本宝)は昏睡状態にある。そして川平も取り逃がしてしまい、強奪事件に関する手がかりは何一つ掴めていなかった。
その時、新里愛子(清島千楓)が「今さらかもしれないけど」と言いながら、川平の所有する土地の一覧を調べていたことを話し始める。その中に、一つだけ手つかずの場所があったという。話を聞いた玉城はすぐに立ち上がり、「足を止めたら、刑事は終わりさ」と言い残して、その場所へ向かおうとした。
一方その頃、ジャック・シンスケ・イケザワ(城田優)も襲撃事件の報告を受けていた。遺体のそばにはドッグタグが落ちており、米軍の関与を示唆するような不穏な空気が漂っていた。
真栄田の過去
川平が購入していた手つかずの土地に、真栄田たちは足を運んだ。ビーチの近くには、沖縄戦のさなかに設けられた大きな収容所があったと玉城が語る。「ここが俺の始まりさ」と彼は静かに言った。
真栄田は義理の母親に今も嫌われているとこぼし、「なんで沖縄の人なんかと結婚したんだって」と苦笑した。さらに、自分の子どもの名付け親になってほしいと玉城に頼む。だがその会話の中で、真栄田は父親との記憶がまったくないことを明かした。
戦時中、なぜマラリアが広がっている山奥に、避難させられたのかもわからないまま、粗末な避難小屋で多くの人々が次々とマラリアに倒れていった。寒い、寒いと震えながら死んでいく人たち。水を汲みに何度も谷を往復したが、それも無駄だった。死体の上に死体が積み重なり、それが日常になっていった。次は自分かもしれないという恐怖が、いつの間にか麻痺していた。
おじい、おばあが死に、妹が感染した。母は反対を押し切って妹を背負い、街の病院へと走った。ようやく順番が回ってきた時、医師は「もう死んでます」と告げた。妹はまだ2歳だった。
火葬場だけでは追いつかず、大人たちは浜辺で死体の山を焼いた。おじいも、おばあも、妹も、父も、親戚も、近所の顔も、みんな消えた。それでも自分だけはマラリアにかからなかった。みんなが苦しんでいる中で、生き延びてしまった。
「川平の言う通りだ、何にもできてない。俺は何を守ればいいんだろう。そもそも守りたいものなんて、俺にはなかったのか」真栄田は自分に問いかけた。
「じゃあなんで沖縄に戻ってきたわけ?」と玉城が問う。「自分の立ち位置も決められないのに、甘えてたんすよ、俺は自分に」と真栄田は答える。
玉城は静かに言った。「居場所が分からんか。でも、お前にしかできんこともあるはずだ」と。「なんで泰栄さんは警察官に?」と真栄田が尋ねると、玉城は「守れんかった人たちへの罪滅ぼしかな」と答えた。
玉城は、子どもや孫がいて、真栄田や与那覇たちと共に働けて、生き延びて良かったと語る。「それができなかったやつがいっぱいいたからな」と。そう言うと、何か用事を思い出したように立ち上がり、「先に帰ってくれ」と言い残して、玉城は一人で歩き出した。
アメリカの陰謀
車に戻った真栄田は、無線で愛子に状況を確認した。すると、CIDのイケザワから呼び出しが入ったという。真栄田はそのままイケザワに面会した。
イケザワは「失望しかない」と切り出し、米軍上層部の関与を疑っているという真栄田に対し、「今回の襲撃には関与していない」と否定した。そして遺留品の調査結果を明かした。強奪犯を襲撃したのは、SY――アメリカ国務省の秘密保安部門だという。現場に残されていたSYの遺体は、宮里ギャングによる襲撃の犠牲者だった。さらにもう1体、海から引き揚げられた遺体があった。後頭部を撃ち抜かれており、それもSYの人間だった。
「100万ドル強奪の時、SYがそこにいたというのか?」と真栄田が問うと、イケザワは頷き、「国務省が関与している可能性がある」と答えた。円ドル交換が滞れば、アメリカは“沖縄も日本も合衆国の庇護の下にあるべきだ”という強力な外交カードを手に入れることができる。琉球は国防総省、つまりペンタゴンの支配下にある島だ。
「同じアメリカ政府の中で、国務省がそんな計画を立てるとは考えにくい」とイケザワは続ける。だが国務省が外交カードを欲していたのは確かで、誰かが共謀した可能性があるという。ペンタゴンからも「ある外交官の行動に注意せよ」との情報が入っていた。名前はオーガスト・ミラー(ジェフリー・ロウ)、二等書記官。
ミラーは19年前にも沖縄に派遣されていたが、女性絡みのトラブルで本国へ帰還していた。そのミラーが返還のタイミングで再び派遣されてきたという。19年前の詳細は不明だが、問題はミラーと宮里がどう繋がったのか。沖縄の裏社会を知り、領事館とも強いパイプを持つ協力者が必要だったのだろう。
真栄田は襲撃現場に川平が居たことを伝え、「川平はかつて“戦果アギヤー”として強奪をしていた。裏社会にも精通している男だ」と説明した。
指紋が一致
襲撃グループのキャプテンとミラーが密会し、言葉を交わした。ミラーは宮里が100万ドルを持ち去ったことを知り、すぐにそれを取り戻せと命じる。だがキャプテンの男は「俺は降りる」と告げた。
ミラーは「この計画が成功すれば、沖縄での国務省の影響力は格段に増す。そうなればお前たちも――」と言いかけたが、男は冷たく遮った。「あんたは100万ドルが欲しいだけだろ。こっちは2人死んでる。アジト襲撃も予定にないことだった。当初の計画から大幅に狂ってる」と。そう言い残し、男はミラーを残して立ち去った。
一方、捜査では新たな事実が判明する。コザでの娼婦殺害現場に残っていた指紋と、先日の式典で押収されたシャンパングラスの指紋が一致した――それはミラーの指紋だった。
「あれから19年、長かった。そして無力だった」と喜屋武幸勇(ベンガル)が呟く。本土復帰まで残り3日。座間味喜福(藤木志ぃさー)は静かに言った。「アメリカ世で起こったことは、アメリカ世で解決しなければならない」と。喜屋武もまた、気合を込めて頷いた。
戦災孤児
襲撃現場へ向かった与那覇と真栄田は、周囲の確認を進めていた。国務省が関わっているとCIDから聞いたと真栄田は与那覇に伝える。残された遺留品を丹念に調べていると、瓦礫の中から一枚の写真が見つかった。与那覇がそれを手に取り、顎に残る傷跡を見つけて呟く。「これ、川平か…?」真栄田はしばらく黙り込み、「俺たちは何か、大事なことを見落としてるんじゃないか?」と小さく漏らした。
その後、真栄田は愛子とともに病院を訪れ、比嘉雄二(広田亮平)に案内されて稲嶺の病室へ向かった。比嘉によると、稲嶺は少しなら話せる状態だという。真栄田は100万ドルの行方を尋ねるが、稲嶺はかすかに「タケにぃ…」と呟いた。「タケにぃは殺させんよなー。まだやることがあるわけよ」と続けた後、苦しみ始め、「アメリカーは、たっくるさんと、みんな…ねーねーの敵取って…」と途切れ途切れに言い残し、意識を失った。
その言葉を手がかりに、真栄田と愛子は戸籍を調べ始めた。稲嶺は一人っ子だったが、宮里には姉がいたことがわかる。さらに調べを進めると、関係者全員の本籍地が同じであることが判明した。全員が戦中・戦後に両親を亡くし、孤児として育った者たちだったのだ。彼らは身を寄せ合い、家族のように生きてきた。真栄田は写真を見つめながら、静かに呟く。「あの頃、みんなで生きてたんだな…」そして宮里の姉は、1953年にコザ市で死亡していた。
一方イケザワは、川平が長年にわたって、沖縄領事館と親しい関係を築いていたことを電話で真栄田に伝える。さらに東京の米国大使館員を沖縄に招くなど、深い繋がりを持っていたという。そして、19年前にミラーが起こしたトラブルについて尋ねると、領事館は頑なに口を閉ざしていると語った。
100万ドル強奪事件の真の目的
玉城の家に再び集まり、事件の全体像を整理することになった。アジア戦略上、沖縄はアメリカにとって最重要拠点のひとつだ。国防総省(ペンタゴン)を出し抜き、主導権を握りたい――そんな思惑を国務省は常に抱えていた。そこに計画を持ちかけたのがオーガスト・ミラーだった。
国務省はミラーに直轄の保安部隊「SY」を派遣し、作戦を進行させた。SYが表に出ることを避けるため、ミラーは100万ドルの強奪を宮里ギャングに実行させた。そして、ミラーと宮里ギャングを繋いだのが川平だった。
真栄田は、19年前にミラーが起こした“トラブル”――その裏に川平が関与していたのではないかと考えていた。川平と宮里の仲間たち4人、伊波正美も含め、彼らは戦争孤児として身を寄せ合い、バラックで家族のように暮らしていた。そこにはもうひとり、宮里武男の姉・宮里シズもいた。しかし彼女は19年前、コザで命を落としている。
真栄田は静かに語る。「川平自身がこの計画を立て、ミラーを焚きつけ、沖縄に呼び寄せたんだ。すべては、19年前から続いていたんだ」と。
19年前の殺人事件
真栄田は、喜屋武と座間味にこれまでの捜査結果を報告した。100万ドル強奪計画――そのアメリカ側の首謀者は国務省の外交官オーガスト・ミラー、日本側の首謀者は川平だと説明する。だが、計画の途中で何らかのトラブルが発生し、両者は対立。その結果、国務省の保安部門であるSYが宮里たちを襲撃したと推測した。
真栄田は2人に確認してもらいたいと、数枚枚の新聞記事を机に並べる。1953年に起きた「連続娼婦殺害事件」の記事だった。2月から5月にかけて、娼婦が行為中に首を絞められる事件が3件発生。当時、この事件を担当していたのが喜屋武と座間味だった。さらに真栄田は、宮里のアジトで発見された写真と戸籍謄本を見せ、被害者たちが川平や宮里、伊波らと家族同然の関係にあったことを示した。
そして真栄田は静かに告げた。「3人目の犠牲者――それが宮里シズだった」
その名を聞いた瞬間、喜屋武の表情が凍る。真栄田は問い詰める。「2人は今回の事件が起きた時、すでに川平を含めた彼らの関係を知っていたんじゃないんですか?」
「川平とミラーが共謀するなんてありえない。シズを殺したのはオーガスト・ミラーだ」喜屋武は言った。記事には“絞殺”としか書かれていなかったが、実際にはシズは首を絞められた上に、腹を何度も刃物で刺されていたという。ミラーは外交官の不逮捕特権を盾に取り、裁かれることなく悠々と本国へ帰っていった。
「1回1ドル。それがあの子らの対価だった。それでもシズは“ありがたい、ありがたい”って言ってたんだ…」と喜屋武は苦しげに語った。彼はシズを気にかけ、よく声をかけていたという。そして――あの日、事件は起きた。
座間味は当時を思い出しながら続けた。「領事館の異例の人事を知って、目を疑った。ミラーが帰ってきたんだ」先月起きた娼婦殺害事件、真っ先にミラーを疑った。そして2人目が殺された。自分たちにできたのは、奴に気づかれないように証拠を集めることだけだった。それで与那覇を現場から外し、ミラーをあえて泳がせたのだった。
「宮里は、27年間見捨てられ続けた沖縄そのものだ」と座間味は静かに言った。そして真栄田に頼む。「あいつらを救ってやってくれんか」
真栄田は「川平の目的がミラーへの復讐そのものだったと、今ならはっきりわかる」と語った。そして最後に19年前の事件のことを玉城は知っているのかきくと、当時コザ署から応援に駆けつけてくれたのが玉城だったという。
【1972 渚の螢火】4話の結末
港で宮里は、手にした1ドル札を燃やしていた。夜風に舞う火の粉をじっと見つめながら、彼の表情には言葉にならない怒りと哀しみが滲んでいた。傍らにいた川平に、宮里は問いかける。「ねーねーのこと、愛してたか?」川平は短く、しかし迷いのない声で答えた。「ああ」
その夜、玉城が一人で酒を飲んでいると、川平が静かに現れた。「明日だ。これで…あんたと俺はもう会うことはない」そう告げて、川平は背を向けたまま去っていった。
その後、玉城は稲嶺の入院する病室を訪れた。番をしていた比嘉に「自分が見る」と言って交代し、ひとりで病室に入る。ベッドの上の稲嶺に声をかけると、稲嶺はかすかに反応を見せた。玉城が身分を明かすと、稲嶺は弱々しく川平から聞いたことがある「うちなーんちゅ殺した、玉城って」言葉を絞り出した。
玉城の顔に静かな影が落ちた。稲嶺の言葉が確信に変わる。かつて玉城は、戦後の混乱の中で収容所を襲撃し、敗残兵のひとりとして罪を背負っていた。その記憶が、今、目の前の命と交錯する。
玉城はベッドヘッドの鉄パイプにベルト状のものをくくりつけ、稲嶺の首をそれできつく絞める。抵抗する力もない稲嶺は、うめき声をあげながらもがき続けた。
沖縄本土復帰まで、あと1日。
【1972 渚の螢火】4話のまとめと感想
100万ドル強奪事件は19年前に殺された、宮里の姉の敵を討つために計画されたものだったという話でした。
今回は事件の真相の他に、真栄田の過去が描かれます。真栄田は八重山出身だと言ってましたが、戦中に石垣島で死んだ人たちは、戦争マラリアという病で亡くなった人が多かったということが分かります。島民も軍もそこはマラリアの巣窟だと知っていたのに、なぜそんなことになったのか?悔やまれてなりません。
そして玉城がインフォーマーであり、1話の冒頭でうちなーんちゅを殺す敗残兵だと分かります。穏やかな顔をして人から人望も厚い玉城が、裏切り者どころか殺人を犯し、そして今も稲嶺を殺害しようとします。そうだったら嫌だなと思っていたのでかなりショックでした。
川平は玉城を脅して従わせていたのか?そこはまだ分かりませんが、次回最終回で明らかになるでしょう。最後せめてミラーだけは捕えるなりして、ねーねーの敵討ちはして欲しいものですが果たしてどうなるか?
←3話|最終話→

