WOWOWのオリジナルドラマ【1972 渚の螢火】2話のネタバレと感想をまとめています。
強奪された金と共に拉致されていた行員が解放され、警察が事情を聞くとギャングに脅されていたことが判明する。だが、ギャングの現金強奪かと思われた事件の背後に、やがて米軍の影がチラつき始め……。
【1972 渚の螢火】2話のあらすじ
『連続ドラマW 1972 渚の螢火』
— WOWOWオリジナルドラマ (@drama_wowow) October 19, 2025
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【第二話 清明祭】
10/26(日)午後10:00~放送・配信🔥#1972渚の螢火 で感想&考察をお待ちしています📝
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100万ドルと共に拉致された琉球中央銀行の行員・西銘勉()が解放され、早速真栄田太一(高橋一生)たちは聴取する。まるで最初から用意されていたかのような供述に違和感を覚えた真栄田は、他の行員たちに聴取したり、西銘周辺の金の入出金を調べた。
すると子どもの学資保険を切り崩していたのが分かり、さらには宮里たちと会っていたという供述を得た。とぼける西銘に対し、真栄田は恫喝して脅す。びびった西銘は全て洗いざらい話し、宮里たちに脅されていたため、現金輸送車のルートを教えたと白状した。
西銘は高級会員制クラブ『サザンクロス』で女性と出会い、貯金を切り崩すほど貢いでいた。ある日、ホテルに連れ込んだところで、宮里たちに踏み込まれた。美人局の被害を受けていた。
宮里たちと『サザンクロス』の接点が見つからずにいた真栄田たちだが、やがて事件の背後に米軍の影がちらつき……。
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【1972 渚の螢火】2話のネタバレ
新里と比嘉が『サザンクロス』に潜入し集めた情報によると、表には出てこないオーナーがいるという。そして、与那覇のつかんだ情報だと、宮里が関西に行く前から付き合っていた女のところで目撃されたという。
現金強奪にしようされた銃が米軍の銃だと分かり、その情報がなぜか米軍に漏れ、CIDのイケザワから真栄田は呼び出される。捜査権を剥奪されそうになるが、真栄田の説得により一旦はCIDは静観することになった。
その後、真栄田に警視庁の同僚から電話が入り、何者かが沖縄に宮里を呼び戻したという。さらに宮里はアメリカの軍艦で、沖縄に入ったという情報を得て、玉城にだけその情報を伝える。米軍が絡んでいるなら事件は簡単にもみ消される、真栄田たちは大きな力が動いている可能性を感じた。
解放
西銘()はトラックから目隠しされたまま降ろされ、地下の防空壕のような場所に連れて行かれた。彼はそこに置き去りにされたが、周囲の気配が消えたのを確認すると、自ら縄を解いて脱出した。
その後、仲宗根(肥後克広)から真栄田太一(高橋一生)に電話が入り、西銘が戻ってきたという報せが届く。真栄田たちは仲宗根のもとを訪れ、西銘から詳しい話を聞こうとする。テーブルの上にギャングの写真を並べ、「連れ去ったのはこの男たちか」と尋ねると、西銘は黒人の男に銃で脅されたと答え、その写真を手に取った。
目隠しをされていたため場所の特定はできなかったが、防空壕のような場所に置かれ、そこから逃げてきたという。彼らの会話内容について問われても、西銘は沈黙を守った。真栄田は改めて話を聞くことにし、その場を後にする。
外に出たところで新里愛子(清島千楓)は「嘘をついている」と口にする。理由を問われると、宮里たちの写真を見せた際、西銘の表情に動揺が走り、何かまずいものを見たような顔をしていたと指摘した。また、西銘は長時間手足を縛られていたはずなのに、手首に痕がなかったことも不審だった。
真栄田は、西銘の供述はあらかじめ用意されたものだと断じる。決定的だったのは天気の矛盾である。西銘は「真っ暗だった」と証言したが、その日は満月だったのだ。真栄田は最後に「叩けばほこりの出る男だろう」とつぶやいた。
聞き取り
与那覇清徳(青木崇高)は与座()から話を聞き、宮里武男(嘉島陸)が孤児であるという情報を得た。さらに、宮里にはかつて交際していた女性がいたが、名前までは分からないという。与那覇は与座に対し、引き続き情報収集を急ぐよう促した。
一方、真栄田と新里は銀行で西銘の金の流れを調べていた。妻子や義父、弟の口座まで対象に含め、徹底的に追跡する構えを見せる。真栄田は「もし西銘が何かを隠しているなら、必ず金の流れに表れる」と語り、不明瞭な出入り金を洗い出す方針を示した。
次に、西銘の人物像を探るため、部下の行員たちに話を聞く。ある行員は、西銘を「紳士的で、経営学修士号を持つ雲の上の存在」と評し、公務部次長として順調に出世コースを歩んでいると語った。女性の部下は「アメリカナイズされていて素敵な方。週末は米軍や商工会関係者とゴルフをしている」と述べた。
しかし、上原()という行員だけは異なる印象を抱いていた。「あの人は最低です。女は金で支配し、上司には袖の下。それで今の地位を得た」と非難し、「どれだけの金を使ったのか」と吐き捨てた。さらに、半月ほど前に歓楽街の入口で西銘が、不良風の男たちといたのを見たという。そこで真栄田はギャングの写真を取り出して上原に見せた。
恫喝
真栄田は再び西銘の家を訪れた。息子の学資金として積み立てられていた3000ドルが、半年の間に引き出されていることを指摘する。また、西銘がある店に通っていたという情報も掴んでおり、それが女性関係の店である可能性を示唆した。
真栄田は、もし貢ぐために蓄えを崩していたのなら民事の範疇だが、現金輸送に関する情報が漏洩したのであれば刑事事件になると厳しく指摘する。西銘は「だまされた」と弁解し、相手が宮里であることを認めた。真栄田は、今回の損害は銀行だけでなく沖縄全体に及ぶものであり、円ドル交換が滞った事実を日米両政府が知れば重大な問題となると警告した。
それに対し、西銘は「それじゃ隠し通すしかないですよね?」と笑みを浮かべて応じたが、真栄田は無表情のまま持っていた書類で彼の頭を叩きつけた。そして「勘違いすんなオラァ!」と怒声を上げ、「これが表沙汰になったら沖縄返還は吹っ飛ぶ。そうなれば政府も銀行も警察もお前を守る義理はない。お前は祖国復帰に泥を塗った売国奴だ。苦節27年、この島のすべてを敵に回した。政治家から暴力団まで、どんな連中がお前を苦しめに来るか分からんぞ。それでいいのか!」と恫喝した。
西銘は慌てて謝罪したが、真栄田の怒りは収まらず、さらに他に漏らした情報がないかを問い詰めた。その様子を見ていた新里は、どこか嬉しそうな表情を浮かべていた。
不可解な接点
その夜、玉城泰栄(小林薫)の家で一同は集まり、得られた情報を突き合わせた。
西銘は会員制の高級クラブ『サザンクロス』で出会った女に一目惚れし、息子の学資金を切り崩してまで貢いだ。しかしそれは美人局だった。西銘が由紀恵という女をホテルに連れ込んだところを宮里らに踏み込まれ、彼女が未成年だと告げられる。以後、口止めのために現金輸送のルートを教えろと脅されたという。
与那覇に様子を尋ねると、不貞腐れてその場を出て行ってしまった。場の空気が重くなる中、真栄田は宮里たちがなぜ西銘の素性を、そして現金輸送に関わる情報まで把握していたのかを疑問に思う。行員であることは分かっても、現金輸送ルートまで突き止められる合理的な説明がつかない。
比嘉雄二(広田亮平)は「サザンクロスに宮里みたいな連中が出入りできるとは思えない」と述べ、現時点で宮里とサザンクロスの接点は見つかっていない。真栄田は、背後に別の人物――この一連の仕掛けを描いている“黒幕”がいるのではないかと推測する。
新里はふと「いっそ潜入捜査しますか?」と口にする。場には緊張と、同時に先を探る期待が混じっていた。
氷解へ向けて
与那覇が別の店で飲んでいるところに、玉城が現れ声を掛けた。与那覇は高校時代、野球部だった頃の話をする。ライバル校が甲子園に出場し、敗れて持ち帰った甲子園の土が、検疫で「外国の土」だとして没収され、海に投げ捨てられた。
「悔しかった。あんな屈辱、許せなかった」と与那覇は憤りを滲ませる。当時、皆で血判状を作り政府に提出しようという話になったが、真栄田だけが「無記名でいいんじゃないか」と反対したという。与那覇は、それが保身のためだと思っていた。目をつけられれば内地への就職や進学に、支障が出ると分かっていたからだと。
さらに与那覇は続けた。「琉球警察に入ったあとも、真栄田はすぐに内地を選んで警視庁に行った。沖縄を捨てたんだ」と。彼は怒りを抑えきれず、「島の者を守るのが、沖縄に生まれた警察官の務めじゃないのか」と声を荒らげた。
それに対し、玉城は穏やかに「でも、太一は戻ってきたぞ」と言った。そして静かに諭すように続けた。「八重山の人間を差別するのは、アメリカーややまとぅがこの島を差別するのと何が違う?」と。与那覇は何も言い返せなかった。
沖縄への屈辱
新里と比嘉は出入りのリネン業者を装い、高級会員制クラブ『サザンクロス』への潜入を試みた。その様子を、真栄田と与那覇が遠くから見守っていた。真栄田は、リネン会社の社長に協力を頼んでくれた与那覇に感謝の言葉をかけた。
その後、2人が街を歩いていると、米兵と地元の男が揉めている場面に遭遇する。騒ぎが大きくなる中、憲兵(MP)が現れ、何の説明もなく米兵だけを連行していった。被害を受けた男は「いつまでこんなことが続くんだ」と怒りを露わにした。
与那覇の案内で、かつて娼婦が殺害された建物のそばを訪れることになった。真栄田が「なぜ捜査が打ち切られた?」と問うと、与那覇は「わかいみひゃー」と吐き捨てるように答えた。真栄田は「復帰直前におかしなことばかり続く」と呟くが、与那覇はさらに憤りを露わにする。
「アメリカが島の女を犯しても無罪放免、逆にうちなーんちゅがアメリカーに何かすれば即実刑だ。うんざりやさ!」と語気を強める。彼は続けて、戦闘機が宮森小学校に突っ込み、百名近い死傷者を出した事故を引き合いに出し、「あの時もそうだった。被害者に寄り添うフリをして、誰も沖縄とは向き合わなかった」と吐露した。
「結局、アメリカにいいようにされて、日本には見捨てられたまま。27年経ってもまだ理不尽を押し付けられている」と嘆く与那覇。最後に彼は、静かにしかし重く言葉を落とした。「百万ドル強奪も、娼婦殺しも確かに犯罪だ。だが、アメリカーや日本がやってることだって、立派な犯罪だろ」
女の影
玉城は喜屋武幸勇(ベンガル)たちに捜査の進展を報告した。鑑識の結果、現場に残された銃弾は米軍所有のM1カービン銃によるものと判明した。しかし、どの部隊のものかまでは特定できなかった。紛失を装って横流しする者もいるため、米軍に照会しても意味はないと判断される。喜屋武と座間味喜福(藤木志ぃさー)は「進展があれば報告を」と指示し、玉城が出て行くと喜屋武は座間味に「例の件は漏れないよう牽制を強めている」と告げた。
その夜、玉城の家で再び情報共有の場が設けられる。新里の報告によれば、サザンクロスには登記簿上の名義人とは別に、表に出てこない“裏のオーナー”が存在しており、売上金は月に一度、銀行を介さず直接そのオーナーに渡されているという。
続いて比嘉が西銘を陥れた女について報告する。女の本名は嶋田由紀恵で、父親の借金を抱えて内地から沖縄へ流れてきた。最近、急に残金を店に支払って姿を消したことが判明した。
そこへ与那覇が駆け込み、宮里の目撃情報が入ったと知らせる。宮里には関西へ逃亡する前に伊波正美という恋人がいたが、その正美の住むアパートで、一週間ほど前から不審な男の動きが見られたという。玉城は「現金強奪の直前か。お手柄だ」と与那覇を称賛する。
真栄田は明日から伊波正美の張り込みを行うと告げ、捜査は新たな段階へと進んだ。
情報漏えい
1972年5月2日、本土から現金が港に到着した。ほどなくして、米軍CIDから対策室へ「捜査員をよこせ」とのクレームが入ったと玉城が報告する。カービン銃の件から情報が漏れたらしい。真栄田は内通者の存在を疑い、もしそうならこの捜査は潰され、一気に外交問題に発展すると危惧した。どこまで情報が漏れているのか。呼び出しをかけてきたのはジャック・シンスケ・イケザワ(城田優)だった。
真栄田と新里はイケザワのもとへ向かう。イケザワはまず「カービン銃に興味があるとはどういう意味か」と問い、銀行捜査を進めていることは把握していると告げる。CIDの管轄だから我々が捜査する、という立場を明確にする中で、真栄田は説得を続ける。復帰後の沖縄は自分たちで問題を解決し、独り立ちしなければならない。これまでの27年は敗者の闘いでもあったと訴え、琉球警察に捜査継続の権限を認めるよう主張した。
イケザワは立ち上がり、捜査員としての観点から次々と問いかける。軍の不祥事案件かときかれ、真栄田は「現時点ではあらゆる可能性を視野に入れている」と答える。日米案件に関わることかときかれ、真栄田は無言を貫く。そして最後、事件を隠蔽するつもりかとの問いに、「No、琉球警察として必ず解決する」と断言した。
答えを聞いてイケザワは微笑みながら真栄田を「面白い人物だ」と評し、「あなたの言う独り立ちがどんなものか、是非拝見したい」と告げた。
最後にイケザワは、今日の面談は優秀な琉球警察の捜査員と、個人的に意見交換をしたに過ぎないと上司に伝えると言い、今後対等なパートナーかどうかを見極めると述べて握手した。もし対等でなければ、合衆国軍人として即座に行動する──と釘も刺した。
【1972 渚の螢火】2話の結末
真栄田のもとに警視庁の藤井()から電話が入り、宮里が先月沖縄に戻っていたことが伝えられる。何者かが彼を呼び戻したらしい。
同じ頃、喜屋武は新たな殺人事件の現場へ向かった。そこで発見された遺体はまた娼婦だった。喜屋武は刑事に野次馬と警察を排除するよう指示し、「この件は私がすべて預かる」と宣言した。
その夜、玉城が飲んでいる店に真栄田が現れ、宮里がアメリカの軍艦で沖縄に入ったという情報を伝える。内容は玉城だけに話すという。玉城は「もし米軍が絡んでいるなら、この捜査は簡単にもみ消される」と警戒を示す。真栄田は静かに「この事件、俺たちが思っている以上に大きな力が働いているのかもしれない」とつぶやいた。
本土復帰まで、残り13日だった。
【1972 渚の螢火】2話のまとめと感想
現金輸送のルートを宮里に脅された西銘が伝えていたことが分かり、宮里の背後に米軍の影がちらついたという話でした。
西銘は最初から宮里に現金を強奪させるつもりだったことが分かります。そして宮里の背後には米軍が見え隠れします。さらに警察の情報が外部に漏れているのも分かり、真栄田は警戒を強めます。
今回見ていて一番良かったシーンは、真栄田が西銘を恫喝するシーンです。ずっと沖縄の方言を使わずに話していた真栄田が、感情を爆発させて方言で恫喝します。しかも演じる高橋さんが表情はあまり変えずに怒るものですから、余計に迫力がありました。
宮里たちは捨て駒にされそうな雰囲気が最初からあり、70~80年代のヤクザ映画とか青春映画を思い起こさせます。宮里たち目線の話でも面白そうだなと思いました。
警察の内通者が誰なのか?ぱっと見は娼婦殺しの件を預かる、喜屋武のように見えます。玉城だったら嫌だなと思いますが、果たして?
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