【相棒24】2話のネタバレと感想|講談で事件の真相を暴く

2025秋ドラマ
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【相棒シーズン24】2話「死して償え~白骨は語る!右京の奇策」のネタバレと感想をまとめています。

土蔵から出てきた白骨遺体は誰なのか?そして誰が殺害して埋めたのか?様々な嘘が飛び交う中、右京は真相を見抜いた。そして新作講談を書き下ろし、自ら舞台で講談形式で真相を語るが……。

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【相棒24】2話のあらすじ

瀧澤青竜(片岡鶴太郎)宅の土葬から白骨遺体が発見された。すると呉竜(青柳尊哉)が深夜にやってきた泥棒と揉み合いになって、誤って刺し殺してしまったという。そして遺体を庭に埋めたと自供した。

だが、右京は呉竜のある特殊な体質から、夜中に目を覚ますことはまずありえないと考えていた。誰の証言を聞いても嘘ばかり、混乱を極める中、右京はある結論を導き出す。

そして新作講談を書き下ろし、自ら舞台で披露して事件の真相を暴く。その裏側で着々と田埜井肇(菅原卓磨)の死刑執行手続きが進められており、右京は執行を食い止めようとするが……。

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【相棒24】2話の見逃し配信

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【相棒24】2話のネタバレ

呉竜が夜中に目が覚めて泥棒を殺してしまったというが、呉竜は一度眠りについたら地震が起きようが火事が起きようが、目を覚ますことがないぐらい深い眠りに落ちる特異体質だった。

そこで右京は以前、青竜が語っていた蔵に住み着いた物乞いのことを思い出す。実は殺害されたのは泥棒ではなく、蔵に住み着いた物乞いが夜中に食べ物を漁っているところを見つかって殺害された。

そして殺害したのは呉竜ではなく、乙彦だと右京は確信する。乙彦は表の好青年の顔とは違い、内では内弟子イビリをして何人もをやめさせていた。

事件の晩、物乞いを見つけた乙彦は殴る蹴るの暴行を働き、騒ぎで呉竜も目も覚まさないため、ついには殴り殺してしまった。そして庭に遺体を埋めた。

その後、乙彦は物乞いの亡霊に夜毎悩まされ、警察に捕まるぐらいなら自ら死のうと切腹を決意する。しかし、脇腹を刺しただけで痛みに耐えかね、いっそ死のうと自ら首を掻っ切って息絶えた。

そこに物取りに入った田埜井が、血溜まりの中倒れていた乙彦を見つけるなり、イビられたことを思い出して積年の恨みを晴らすべく、落ちていた脇差を手にして遺体を何度も刺した。

後日、乙彦の日記を見つけた青竜たちは、彼が自殺であることを知り、遺体の埋められた場所を掘り返す。白骨になるまでそのまま埋めておくことに決め、田埜井が殺人で逮捕されても日記を提出することはなかった。

右京たちは一課に頼んで家宅捜索を実行し、庭に集まった家族が話す言葉を盗み聞きした。それを証拠に迫ると、青竜はすり替えて取っておいた乙彦の日記を右京に渡した。

右京はそれを携え臥龍岡のところへ行き、田埜井の死刑執行準備を止めるよう頼むが臥龍岡は自分の権限では止められないと断る。やがて社から連絡が入り、寸前で止めることができた。

臥龍岡は死刑制度に昔から反対していた。無実の田埜井を死刑にすることで、世論を死刑反対に導こうと画策する。そこで冤罪の証拠を持ってきてくれそうな右京を使い、執行後に冤罪だと判明させようと考えていた。そのほうが効果的だと考えたからだった。

しかし右京に阻止されたことで記者会見で全て話すと臥龍岡がいうと、思想信条を表明する場など与えないので、そのまま黙って退場するようにと右京は冷たく言い放った。

白骨遺体発見

土蔵から発見された白骨は男性のものであると見られた。杉下右京(水谷豊)たちは一行で事情を聞くため関係者のもとを訪れる。

そこで呉竜(青柳尊哉)が15年前の出来事を語り始める。師匠一家が家族旅行を兼ねた地方公演で留守にしていた真夜中、留守番をしていた呉竜は物音で目を覚ました。家に泥棒が侵入しており、揉み合いの末、呉竜は相手を刺してしまったという。警察沙汰になることを恐れ、遺体を庭に埋めたが、その後、飼い犬の王竜に見つかったため別の場所へ移した。

それから約8年後、青蘭(しゅはまはるみ)が犬を飼い始めた際、犬が骨を掘り当ててしまい、事件の存在が明るみに出た。呉竜は師匠にすべてを打ち明け、許しを乞うたものの、殺害した相手が誰なのかはいまだ不明であった。遺体の衣服からも身元を特定できる手掛かりは見つからなかったという。凶器について問われた呉竜は、竜飛岬から海へ捨てたと証言した。

その最中、青蘭が現れ、亀山薫(寺脇康文)の前に進み出ると突然彼を平手打ちにした。過去に侮辱されたことへの怒りを爆発させたのだった。

警察で聴取

瀧澤青竜(片岡鶴太郎)は警視庁で取り調べを受けた。呉竜を自首も破門もしなかった理由について、捜査員からは「結局は保身のためだろう」と指摘される。呉竜は泥棒に情けをかけたが、その相手に裏切られ刃物で襲われたと語った。素手で立ち向かった結果の殺害であり、これは正当防衛であると主張し、「そんな弟子を破門できるわけがない」と強く訴えた。

一方、美沙子(阿知波悟美)も事情聴取を受けた。彼女は「呉竜のことを警察に話さなければならなかったのか」と開き直るが、捜査員から「犯人をかくまえば罪に問われる」と釘を刺される。青蘭も聴取を受け、「身内をかくまっても罪になるのか」と反論するが、捜査員は「身内の場合、一定の条件下で刑が免除されることがある」と説明した。

呉竜は15年前の事件について、最悪の場合は傷害致死になることを覚悟していると述べた。当時の傷害致死罪の公訴時効は10年だったが、法改正により20年へと延長されたため、時効はまだ成立していない。一方で、死体遺棄罪についてはすでに時効が成立しているという。

亀山が法的知識に詳しいことを指摘されると、彼は「実録犯罪者ものの講談を得意にしていて、新作をいくつも作っているからだ」と説明し、納得される場面もあった。

呉竜は「お縄にするってんならしてみろ。逃げも隠れもしねえ」と開き直るが、亀山は「今はまだ供述の信憑性を確認している段階だ」と冷静に応じた。白骨化には7~8年を要し、発見が7年前なら出来事は15年前となるが、もし発見が1年前だった場合、事件は9年前のものとなる可能性もあると推測する。

そこへ右京が現れ、「15年前という供述は嘘ではない」と断言する。土壌の比較分析の結果、確かにその時期の埋葬であることが証明されたのだ。釈放直後、角田六郎(山西惇)が現れ、暴力団対策課が賭博容疑で呉竜を逮捕する予定だと告げる。呉竜はその場で拘束され、連行されていく。すべては右京が裏で手を回し、依頼していた行動であった。

情報漏えい

右京は呉竜の供述が作り話であると確信していた。だからこそ、後から現れた青蘭に対し、あらすじを語るようにその“物語”を説明してみせたのだと考えていた。泥棒の身元が分からないという点も嘘の可能性はあるが、案外真実であるかもしれない。

そこへ土師太(松嶋亮太)がやって来て、「2010年の肌寒い秋という条件から考えると、10月18日の金沢公演が最も有力だ」と推測を述べた。

一方、美和子(鈴木砂羽)と野々宮恵子(細川直美)が青蘭たちに話を聞こうと訪れるが、彼女たちは取り合わなかった。直後、野々宮が「人間国宝講談師の自宅土蔵から、お宝ならぬ白骨死体が見つかった模様!15年前の強盗事件に新展開か?」と投稿したことで、報道関係者が殺到し、自宅前は記者たちであふれ返った。青蘭はその野々宮が、田埜井肇(菅原卓磨)と結婚した女であることを知り、激しい怒りを露わにした。

物乞いか泥棒か

右京たちは留置所にいる呉竜を訪ねた。彼らは、かつて土蔵に勝手に住み着いていた物乞い(政修二郎)の顛末を聞かせてほしいと切り出す。右京が「青竜に、あの白骨が物乞いのものだと話そうか」と脅すと、観念した呉竜はついに真相を語り始めた。

泥棒の話はすべて嘘だった。本当は15年前のあの夜、深夜にトイレへ起きた際、台所から物音が聞こえたため覗いてみると、見知らぬ男が勝手に食べ物をあさっていた。声をかけると男は包丁を手に取り、呉竜と対峙した末、もみ合いの中で刃が刺さり、男はその場で死亡した。呉竜は恐怖に駆られ、遺体を庭に埋めたという。

その後、施錠を確認するために家中を見回り、土蔵を覗いたところ、男がそこに住み着いていた痕跡を発見した。ゴザや空き缶が置かれており、呉竜はその様子から相手を物乞いだと判断した。

「物乞いを殺したなどと言えば、自分が悪人に見えてしまう」と呉竜は語り、真実を隠していた理由を明かした。乙彦(前田峻輔)について右京が「外面が良かっただけではないか」と問うと、呉竜は即座に否定し、「そんなことはない。あの人は本当に好青年で、家族とも良好な関係を築いていた」と答えた。

裏の顔

右京たちは光竜(中林大樹)を警察へ連行し、取り調べを行った。焦点は呉竜が「乙彦は外面の良い男だった」と語った理由の真相にあった。

その後、右京たちは青蘭に会い、乙彦について詳しく話を聞こうとする。青蘭は当初口を閉ざしていたが、右京が光竜から得た情報を伝えると、徐々に口を開いた。光竜によれば、乙彦は内弟子たちに対するいびりが酷く、そのため次々と弟子が去っていったという。

また、乙彦のアメリカ留学も実は“厄介払い”だった。学校で問題を起こし退学処分となり、父は勘当を決意したが、母のとりなしで留学という形に収められた。帰国後も性格は変わらず、内弟子いびりは続いたという。

青蘭はそんな兄を軽蔑していたと打ち明けた。だから彼女は冷ややかに言い放った――「あんな兄はいらない」と。

特命課長・角田

部署に戻ると、角田課長が詳細を尋ねてきた。彼は内村完爾(片桐竜次)刑事部長の命令を受け、今日から臨時で“特命課長”となり、事件の捜査陣頭指揮を執ると宣言した。

さっそく角田と右京たちは瀧澤家を訪れ、話を聞くことにした。彼らは15年前の出来事を改めて確認し、乙彦も当時の旅行に同行していたのかを尋ねた。青竜によれば、乙彦は旅行には参加していなかったが、家にもいなかったという。旅行前に父と口論になり家を出たまま戻らず、家族が旅行から帰った翌々日の朝に戻ってきた。その間、女のもとにいたらしい。

角田と亀山は、「物乞いを殺したのは乙彦ではないか」と考え始めるが、右京はまだ確信を持てなかった。彼は再び呉竜のもとを訪れ、乙彦が犯人なのではないかと問いただす。しかし呉竜は否定し、表情を崩さなかった。

右京は視点を変え、「あなたは真夜中の物音に、気づかなかったのではないか」と切り込む。光竜の話によれば、呉竜は眠りの深さが天下一品だという。右京は「そんな深い眠りの中で、物乞いの侵入や殺害を察知できたとは思えない」と指摘し、真犯人は旅行中に殺害を行った乙彦なのではないかと推理した。呉竜は笑って何も答えなかったが、右京はその沈黙の中に確信を得た。

迫るタイムリミット

社美彌子(仲間由紀恵)が甲斐峯秋(石坂浩二)のもとを訪れ、田埜井の死刑執行準備が着々と進められていると報告した。社はその背後で臥龍岡詩子(余貴美子)が暗躍しているのではないかと推測する。甲斐もまた、臥龍岡が一方では右京たちに冤罪の証拠提出を依頼しながら、他方で田埜井肇の死刑執行を進めさせていたという二面性を指摘した。

臥龍岡は、法務省幹部から検事総長就任に際して、一部で懸念の声が上がった日のことを思い返していた。学生時代、彼女は死刑廃止運動に身を投じていた経歴を持つ。そのような思想を持つ人物が検事総長になることに疑問を呈する声があったのだ。

一方その頃、釈放された呉竜のもとに右京と亀山が姿を現した。常習賭博で起訴されたことに不満を漏らす呉竜に対し、亀山は静かに「これを見てください」と言い、1枚のDVDを手渡した。それには《新作講談 物乞い殺し乙彦出奔 元瀧澤京竜》とタイトルが記されていた。右京は穏やかに微笑みながら告げた――「自信作です」。

右京の自信作

舞台上で右京が新作講談を語り始めた。物語の舞台は明治時代、帝都で絶大な人気を誇る講談師・喜多澤虎緑の屋敷内で起きた出来事として描かれる。

屋敷の土蔵には、ある日ひとりの物乞いが住み着いていた。男は毎夜台所に忍び込み、空腹を満たしていた。虎緑一家は家族旅行で留守にしており、屋敷に残っていたのは住み込みの弟子・虎七と、師や妹の羽耶美からも嫌われていた鼻つまみ者の乙彦のみ。

運悪く物乞いは乙彦に見つかってしまう。逃げようとする男を乙彦は追い詰め、怒りに任せて殴りつけ、蹴りを加えた深い眠りの虎七は騒ぎにも気づかず、止める者は誰もいなかった。やがて乙彦は物乞いを殴り殺してしまい、遺体を庭に埋めて隠した。

しかし、それから乙彦は夜な夜な物乞いの亡霊に悩まされるようになる。右京の語りは静かに続く。「亡霊とは、心に潜む恐怖の裏返し。醜く卑怯なものほど、見せかけの美しさにこだわるものです」

追い詰められた乙彦は、事件から1か月後の真夜中、自ら腹を切った脇腹を2度突いたが浅く、最後は自らの手で首筋をかき切って果てた

そこへ、かつて乙彦にいびり抜かれ、師匠の金を盗んだと濡れ衣を着せられて破門された男・田埜井が姿を現す。目の前の乙彦の亡骸を見た途端、心の奥底に積もりに積もった怨みが爆発し、田埜井は落ちていた脇差を手に取って乙彦の死体を滅多刺しにした

その瞬間、右京の声が静かに途絶え、講談は幕を閉じた。

偽りの家宅捜索

講談の映像を、瀧澤家の家族全員が無言で見つめていた。画面が暗転すると同時に、呉竜が低くつぶやいた。「なんて野郎だ……」

その直後、伊丹憲一(川原和久)たちが家宅捜索をしに瀧澤家にやって来た。家の中が調べられる間、家族は庭に出て待機することとなる。沈黙の中、青竜が静かに口を開いた。「我々はいくつ、橋を渡っちゃったんだろうね……気がついたら、もう引き返せないところにいたよ」

そこへ右京と亀山が現れた。右京は彼らの会話を聞いていたこと、そして録音もしていたことを明かす。「やはり思った通り、乙彦さんは自殺だったようですね」

その言葉に、伊丹や鑑識班は捜索を打ち切り、現場を離れようとした。だが、右京は最初からこの展開を想定していた。家宅捜索は家族全員を一箇所に集め、真実を引き出すための布石だったのだ。

女たちが激しく憤りを露わにすると、右京は鋭い声で一喝した。「こざかしいことを言うんじゃありませんよ!」

そして、表情を引き締めて言葉を続けた。「田埜井肇の命の炎が、今にも消えかけているんです。時間がありません」

冤罪の証拠

青竜は深く息をつき、ついに口を開いた。「当初は、田埜井の強盗殺人を疑う余地もなかった。乙彦が自殺したなんて、夢にも思っていなかったんです」

しかし、ある日偶然、乙彦の日記を見つけたことで全てが覆った。そこには、物乞いを殺して庭に埋めたこと、そして“捕まるのは惨めだから、腹を切って死ぬつもりだ”と書かれていた。その内容に青竜は衝撃を受け、日記に記された場所を掘ってみると、確かに遺体が埋められていた

青竜はその瞬間、日記の記述が真実であると確信した。だが、遺体を掘り起こすには臭いの問題もあり、そのまま埋め戻すしかなかった。時が過ぎ、8年後、骨だけになった遺体を掘り出し、蔵へと移したという。

「なぜ通報しなかったんですか」と亀山が問う。青竜は苦悩を滲ませながら答えた。「家族みんなが乙彦の罪を隠し、田埜井の件にも目をつぶり続けてきたんです。戻る機会はいくらでもありました。けれど、我々は引き返さず、ただ目の前の橋を渡り続けて今日まで来てしまった。時間が経てば経つほど、真実を明かすことがどんなに難しくなるか、思い知らされました……

沈黙の後、右京が日記の所在を尋ねる。妻は「燃やした」と答えたが、青竜が静かにそれを否定した。「いいえ、燃やしてはいません。すり替えました。あの日記は、今も手元にあります

右京vs臥龍岡

右京たちは、乙彦の日記を証拠として入手し、臥龍岡のもとを訪れた。日記には田埜井の強盗殺人が冤罪であることを裏付ける内容が記されており、右京は「進行中の執行準備を止めてほしい」と訴えた。亀山も「命令書が出てしまえば取り消しは難しい。今しかない」と懇願する。しかし臥龍岡は、「私には止める権限がない」と冷静に拒否した。

右京は「スタートさせることはできても、止めることはできませんか」と呆れた。その時、電話が鳴った。社からの間に合ったという連絡だった。法務大臣が執行命令書を破り捨て、社は「命拾いなさいましたね、大臣」と告げた。右京は臥龍岡に「執行命令書の発行は食い止められました」と報告し、再審開始の手続きを頼んだ。臥龍岡は「約束は守る」とだけ答えた。

その後、右京は臥龍岡の矛盾した行動の意味を語り始める。臥龍岡は検事総長となって封印していた“死刑廃止”の思想を再び呼び覚ました。最初に右京と会った時、彼なら田埜井の冤罪を証明できると臥龍岡は確信した。だからこそ、あえて執行準備を進めさせたのだ。単に冤罪を再審で明らかにしただけでは、一時的な騒ぎで終わり世間はすぐに忘れる。臥龍岡の狙いは、死刑制度の根本を揺るがすほどの衝撃を与えることだった

処刑前ではなく、処刑の後に冤罪がわかるほうがいい。無実の人間が処刑されたことに、みんな恐れ慄く。事の重大さにようやく気づく。日本のように死刑賛成が反対を上回る国には、荒療治が必要なの」と臥龍岡は言い切った。

「田埜井を、その犠牲にしようと?」と呆れる亀山に、臥龍岡は淡々と「改革には犠牲が伴うものよ。私も責任を取る」と応じた。右京は冷ややかに返す。「詭弁です。片や命、片や老後。バランスが悪すぎます」と。亀山も「下級国民は命を捨てろというんですか?」と憤る。臥龍岡は微笑みながら答えた。「戦争だって、そういうものじゃないの」と。

右京は厳しい口調で言葉を重ねた。「あなたの思想信条に異を唱えるつもりはありません。しかし、その思想信条に基づいて何をしてもいいわけではない」

「あなたのしたことは、一種のテロです」と亀山が告げると、臥龍岡は「ならば会見で全て白状します」と口にした。だが、右京は即座にそれを制止した。「それはいけません。それはテロリストの犯行声明と同じことです。たとえ企てが失敗していても、ご自身の思想を世に訴える行為になります。そんな虫のいい真似はさせません

そして静かに告げた。「余計なことは一切せず、おとなしく退場してください」臥龍岡は薄く笑い「意地悪ね、あなた」と言い残した。右京は表情ひとつ変えなかった。

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【相棒24】2話の結末

青竜は屋敷の外に集まった記者たちに向かい、これまで隠されてきた真相をすべて語ろうとした。その報を聞いた恵子は、急いで拘置所の田埜井に伝える。田埜井は涙を流しながら感謝の言葉を口にした

一方、美和子は事の真相を知りながらも、それを記事にできないことを悔やんでいた。そんな彼女に、亀山は「白骨の件をリークしたのは右京さんなんじゃないか」と指摘する。右京は軽く微笑み、「情報源は命を懸けても守ってくださいね」と言い残す。美和子も「ご心配なく」と応じた。

翌朝、亀山は右京に「おはようございます」と声をかける。いつもと変わらぬ日常の中で、また新たな一日が静かに始まった。

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【相棒24】2話のまとめと感想

乙彦が物乞いを殺して埋めた後、亡霊に怯えて自ら命を絶ったことが分かり、田埜井は冤罪は証明されたという話でした。

乙彦という災いが招いた悲劇を利用し、臥龍岡は自らの思想を主張しようとしましたが、右京さんに阻止されました。誰が悪いのかといえばもちろん最悪は乙彦ですが、家族のみんなも実は悪かったことが分かります。この親にしてこの子といえば、そうなのかもしれません。

昨今、テレビ局や芸能事務所、部活や学校などなど隠蔽が明らかになり、世間を騒がしました。家族や一門も組織だと考えれば、彼らは隠蔽を選択し続けてきたということになります。

右京さんが責任を取るという臥龍岡に、「命と老後ではバランスが悪い」と一刀両断します。責任者は責任を取っても死ぬことはありません。被害者が例え死んだとしても。だとしたらせめて、隠蔽することなく真実を明らかにすることが、被害者への弔いや償いに繋がるのではないかと思いました。とはいえ、心底の悪人だからこそ、償おうとも思わないのでしょう。

いずれにしても乙彦を罪に問えないのがもやもやしますが、田埜井が救われたので良かったです。

【相棒24】2話のいいセリフ

余計なことは一切せず、おとなしく退場してください。

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