【能面検事】1話のネタバレと感想|表情なし忖度なし偏見なしの検察官が暴く真実

2025夏ドラマ
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2025年7月11日からテレビ東京で始まった【能面検事】1話のネタバレと感想をまとめています。

女子高生の絞殺遺体が公園で発見され、警察は近所に住む容疑者を逮捕した。不破は起訴するか否かを決めるため、独自に調査を開始する。忖度や偏見を排除し、真実のみを追い求めた結果、たどりついた答えとは……?

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【能面検事】1話のあらすじ

大阪地検・刑事部のエースである不破俊太郎(上川隆也)の事務官としてやってきた惣領美晴(吉谷彩子)が挨拶をするなり、不破は不適格の烙印を押して出て行くよう命じる。納得のいかない惣領は食い下がり、何とか3ヶ月の猶予を与えてもらった。

女子高生・滝本留美(片田陽依)の遺体が公園で発見され、被疑者として逮捕されたのは、被害者の近所に住む男・八木沢孝仁(渋谷謙人)だった。八木沢はひきこもり生活を続けている男で、以前女子高生を痴漢した前科があった。

遺体のそばに八木沢の指紋がついたキーホルダーが見つかっていること、さらにはアリバイを偽証していることから、誰もが八木沢が犯人だと考えていた。

しかし、不破は自分の目と足で直接確認しに行くと、調書だけでは分からないことが見え始め……。

2話→

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【能面検事】1話のネタバレ

遺体発見現場近くには、八木沢を絶望から救ってくれたアニメのキャラクターの、献血啓蒙ポスターが貼られていた。不破は八木沢が彼女の前で、殺人ができるはずないと思っていた。そして八木沢の母もリウマチを患っていることから、絞殺する握力がなかった。

限定品のキーホルダーをその場で開け、わざわざ遺留品を残したのは、誰かをかばうためだと不破は見抜く。唯一かばう可能性がある人物、それは妹の史華だろうと不破は考え、史華の手の怪我と被害者の歯型が一致していたことを突き止める。

不破はそれらを史華に直接話をし、彼女から自供を引き出す。事件のあった日、公園を歩いていた史華の前に、被害者である留美のテスト結果が飛んできた。それを手にした史華に、留美は激しく兄の悪口を罵ってきた。

留美は留美で成績が上がず親からのプレッシャーに苦しみ、さらに母は留美に八木沢みたいになっていいのかと悪口を吹き込んでいた。

かつて父親のDVから必死に母と自分を守ってくれた兄、その兄を罵ることが許せず史華は衝動的に留美を手にかけてしまう。その様子に気付いた八木沢が、史華の身代わりになることを決意し、わざと遺留品を置いて逮捕された。そしてそもそも痴漢事件も冤罪だったことが、後に判明した。

不適格

惣領美晴(吉谷彩子)が不破俊太郎(上川隆也)の執務室を訪れ挨拶を交わす。不破は無表情のまま凝視し、「君のような事務官はいらない。出て行け」と告げた。理由を求める惣領に、不破は「入室してから四回表情を変えた」と指摘し、感情の動きを言い当てたうえで、自身の倫理観にそぐわないとして退室を命じる。

惣領はいったん部屋を去ろうとするが納得できず踏みとどまる。そこで不破は3か月の試用期間を提示し、最後に「検察官は一人ひとり独立した司法機関であり、いかなる配慮も不要。これが私の流儀だ」と言い放った。

事件概要

弁解録取、いわゆる弁録は最初の検事調べを指す。阿倍野区の昭和山公園で発生した高校生殺人事件では、会社員滝本峰雄の次女・留美(片田陽依)が5月15日に予備校へ向かったまま行方不明となり、翌日に公園の植え込みで絞殺死体となって発見された

現場には防犯カメラがなく捜査は難航したが、阿倍野南署はローラー作戦を展開し、近隣に住む被疑者八木沢孝仁(渋谷謙人)を特定した。八木沢は私大卒業後に在阪の保険会社へ就職したものの二年で退職し、実家で母・福子(床嶋佳子)と妹・史華(美山加恋)と同居しながら引きこもり同然の生活を送っていた

遺体付近からは八木沢が購入した限定アニメキーホルダーが見つかり、シリアルナンバー照会と指紋鑑定により彼が落とした物と断定された。当日のアリバイも成立せず、アニメショップで購入後にネットカフェにいたという供述は虚偽と判明したうえ、8年前の痴漢による前科も浮上した。捜査本部はこれらの状況証拠から八木沢を犯人と判断し、5月31日に身柄を拘束した。

弁録の結果

八木沢が部屋に現れ、「俺は殺していない」と主張する。痴漢の前科も冤罪であり、興味は二次元だけだと言い張った。滝本留美については近所に住んでいたため知っていると述べたが、犯行時刻にどこにいたかを尋ねられると沈黙を貫く。

不破が「あなたは滝本留美さんを殺していないのではないか」と問いかけると、八木沢は満足げに無実を強調し、この日の取り調べは終わった。

八木沢が夢中になっているアニメ『はにはにまにあ!』は、はにわ同好会に所属する四人の女子高生が、埴輪や遺跡に親しみながら友情を育む日常系アニメである。八木沢はその登場キャラクター、園宮フローラの熱心なファンでもあった。

喫茶店では、不破への不満を漏らす惣領に対し、仁科睦美(観月ありさ)と前田拓海(大西流星)が「不破とは正反対でリトマス試験紙のように分かりやすい」とからかう。もっとも、不破のそばに居続ければ副検事への道で役立つかもしれないという指摘も忘れなかった。

関係者への聞き取り

惣領たちが庁舎へ戻ると、不破は八木沢の自宅へ聞き込みに向かうと告げる。そこへ偶然現れた高峰仁誠(竹財輝之助)に助言を与えたのち、2人で出発した。

八木沢家では妹が応対し、「帰ってくれ」と拒むが、母親が現れて愚痴をこぼしつつも「起訴の可否を判断しに来た」と聞いて2人を招き入れた。

5月15日の夜について尋ねると、母と妹は「家にいた」と答えるが、孝仁の部屋を確かめておらず、気付かれずに外出することも可能だったと認めた

8年前の痴漢事件を話題にすると、母は「痴漢はしていないと言っていたが、逮捕後は引きこもってしまった」と説明し、妹は時に兄を不快に感じたこともあったと漏らす。

女子高生への関心を指摘されると母は「変質者呼ばわりはやめてくれ」と反発したうえ、暴力的だった亡き夫に触れ「もし生きていたら大変な目に遭わせただろう。すべて私のせいだ」と涙ぐんだ。不破は「今日はこれで失礼する」とだけ残し、家を後にした。

所轄で調べ物

地検へ戻ると榊宗春(寺脇康文)が現れ、起訴の見込みを尋ねる。不破は確証を得られていないと答え、榊は完璧な勝利を期待すると言い残して去った。

その後、不破は所轄署へ資料確認に向かう。予告なしに現れた不破に日野譲二(阪田マサノブ)は面食らうが、資料室の鍵を開けさせられ、不破は次々と資料を閲覧する。日野は苛立つが、不破は構わず作業を続ける。

ところが現場から採取した八木沢孝仁の毛髪、足跡の石膏型、遺留足跡の土など複数の捜査資料が欠落していた。不破は押収品の搬入を日野に命じ、その中のスマホから写真を確認し、家族3人が自宅前で仲むつまじく写る1枚を見つけた。

浮いた存在

史華は職場で差別を受け、自宅には嫌がらせの紙が投函され、八木沢家は近隣からも冷たい視線を浴びていた。不破たちは桐原真澄(朝井瞳子)の家を訪れ、8年前の痴漢事件について尋ねたが、桐原は何も語ろうとしなかった。続いて滝本留美の家を訪問するのかと思ったら、不破は隣家の笹口美乃梨(小林きな子)を訪ねて近隣状況を確認した。

留美が母親から「八木沢のところのあいつみたいな人生になったらどうするの」と言われているのを聞いたことがあると美乃梨は言う。姉は名門大学に合格していたため、母親の教育熱は高かった。

美乃梨によると、留美はよく昭和山公園で時間を潰しており、家に帰りたくなかったのかもしれないという。八木沢は痴漢事件以来、近所で有名な不審者となっており、八木沢の母は公園の清掃活動に頻繁に参加していたものの、誰からも声を掛けられなかった。

ある日、留美が公園でごみを捨てたのを福子が注意すると、留美は「あなたの息子のほうが問題だろう」と言い返し、美乃梨もその様子に同情していた。

車内で惣領は、周囲の偏見が八木沢に再犯を促したのではないかと推測するが、不破は「偏見で片づけるのは容易すぎる」と理想論を切り捨て、犯行現場へ向かった。昭和山公園に着くと供え物が並び、不破は周囲をくまなく見渡す。やがて何かを見つけ、近所の薬局への聞き込みと周辺の外科病院を回る段取りを立てた。

隠された思い

不破は再び八木沢を取り調べると、滝本留美を殺していないと断言した。限定キーホルダーは多くのファンが封を切らず保管するが、八木沢はなぜか現場で開封し痕跡を残した。不破がその理由を問うと、八木沢は一転して自分が犯人だと主張する。

しかし不破は「あの場所は園宮フローラに見られていたのだから、殺人をできるはずがない」と反論する。昭和山公園近くにはフローラの献血ポスターが掲示されていたのだ。

8年前の痴漢事件の被害者は3年後に虚偽告訴罪で訴えられおり、八木沢は冤罪の可能性が高かった。身に覚えのない罪で絶望した八木沢は、「あなたならできる!」と励ますフローラの言葉に救われていた。ゆえに彼はそのポスターの前で殺人など犯せないと不破は断定する。

実際には、殺害現場を目撃した八木沢が遺体近くに落ちていたペンを拾い、ポスターに気づき、限定キーホルダーをわざと開封して遺留したのだった。彼がかばおうとしたのは妹の史華だった

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事件の真相

不破は史華の勤務先を訪れ、冤罪を防ぐために来たと切り出した。母親には犯行は不可能だった。居間に置かれていた錠剤はリウマチ治療薬であり、薬局と診察先の外科への照会により、母親には他人を絞殺できる握力がないと判明した。

一方、史華の右手には絆創膏が貼られ、不破は病院の診療記録から彼女が猫に噛まれたと受診していた事実を突き止めていた。その傷跡と留美の歯型は一致していたと告げると、史華は「申し訳ありませんでした」と頭を垂れた。

あの日、史華はいつも通り職場にいた。同僚に兄の逮捕記事を見せられ、身内に性犯罪者がいると嘲られた。帰路に立ち寄った昭和山公園で留美と遭遇し、飛んできた模試の結果用紙を拾って手渡そうとしたところ、留美は激昂し「痴漢の妹」などと罵声を浴びせた。兄の存在が原因で世間から白眼視されつつも、幼い頃に自分と母を守ろうとした兄の姿を忘れられなかった史華は、「兄は人間のクズではない」と叫びながら留美の首を絞め、我に返って逃走した。

偶然現場に居合わせた孝仁は妹をかばう決意を固め、落ちていたペンを拾い、限定キーホルダーを開封してわざと遺体のそばに残した。そのペンは史華の就職祝いに贈った品で、不破が押収品の中から確認していた。不破は「史華が妹を大切に思ったのと同じく、孝仁が姉を守ろうとした理由も単純だ。あなたが彼にとってたった一人の妹だったからだ」と告げた。史華はその言葉に涙を溢れさせた。

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【能面検事】1話の結末

惣領は事務所で、前科者への偏見や親の過度な期待、冤罪といった要素が連鎖して今回の事件を招いたと述べる。不破は黙々と書類を捌きながら「秋霜烈日。検察官は感情ではなく死の事実に向き合う」と応じ、人を殺す理由にはならないと断じた。惣領がやり切れなさを漏らすと、不破は「ならばこの仕事に向かない」と冷淡に言い放ち、惣領は慌てて取り繕った。

その後、惣領は仁科らと喫茶店で食事をとる。仁科は不破に事件をひっくり返され、府警本部と阿倍野南署の面目が潰れて怒っているだろうと言い、前田は誤認逮捕を防いだ点でむしろ救いになったと評価する。榊次席は府警との協調を重視する人物だが、胸中は測りかねると仁科は付け加えた。そこへ高峰が現れ、不破の助言で検挙できたと礼を述べる。

一方、日野は不破に謝罪しつつ、鑑識が集めた証拠が一度府警本部に移され、再び阿倍野南署の保管庫へ戻された経緯を問われる。参考になったとだけ告げて不破は立ち去った。

惣領は日野への処分を求めないのになぜ調べるのかと問うと、不破は「自分で考えろ」と突き放す。この小さな違和感が後の事件へ繋がるとは、惣領もまだ気づいていなかった。警察に疎まれ、検察内で孤立していると指摘されても、不破は「これが私の流儀だ」と意に介さなかった。

2話→

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【能面検事】1話のまとめと感想

周囲の偏見の目に晒されていた引きこもりは妹をかばって容疑者になり、妹は兄を侮辱されたから殺害してしまったという話でした。

ドラマを見ると偏見はよくないという、単純な話ではないことが分かります。コミュニティとしては弱きを守るため、注意するのは当然のことという思いもあり、一概に白黒はっきりつけられない問題として描かれます。そういったところが、単なる勧善懲悪ドラマでない面白みがあると思いました。

事件を起こしたせいで今後、八木沢家は変態の兄と人殺しの妹と罵られることになるのではないか。妹は本当に兄を思うなら、踏み止まって欲しかったと悔やみきれません。とりあえず事件を起こしたら、同じコミュニティに属するのは難しいのだろうと実感する話でした。

また、無表情な役を演じる上川さんですが、様々な角度から撮影されると色んな表情があるように見えます。能面検事とはこういうことなのかと、驚きと同時にその演出と演技力に感心しました。

ただ、仕方のないことなのでしょうが、関西弁を喋るキャラが多く登場するのに、ネイティブの人が少ないのが残念です。そしてこんな重めのドラマなのに、エンディング曲が意外と明るいです。今後も楽しみなドラマです。

【能面検事】1話のいいセリフ

どんな原因であっても、人を殺していいという理由にはならない。

2話→

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