【相棒23】11話のネタバレと感想|被害者も犯人も亀山薫

2025冬ドラマ
記事内に広告が含まれています。

【相棒シーズン23】11話「33人の亀山薫」のネタバレと感想をまとめています。

「亀山薫が殺された」と伊丹から聞いた右京が遺体発見現場に行くと、同姓同名の別人だった。犯人は「亀山薫の会」に出席している32人の亀山薫のうちの誰かで……。

スポンサーリンク

【相棒23】11話のあらすじ

「亀山薫が殺された」伊丹憲一(川原和久)の一報に驚く杉下右京(水谷豊)は、遺体発見現場へと向かった。だが遺体は同姓同名の別人だった。

亀山薫(寺脇康文)は「亀山薫の会」に出席していた。そこへ右京たちがやってきて、パーティーの参加者の中に犯人がいる可能性が高いと亀山に教える。

参加者は被害者を抜いて32人。全員亀山薫だった。亀山薫を殺した亀山薫を捜す捜査が始まり……。

←10話|12話→

スポンサーリンク

【相棒23】11話の見逃し配信

『相棒シーズン23』の見逃し配信は、TVerABEMAテレ朝動画で配信しています。無料配信終了後はABEMAプレミアムTELASAで視聴できます。

ABEMAプレミアムでは、相棒の過去シーズンも見放題で視聴できます。14日間のお試し期間もあります。

本ページの情報は2025年1月時点のものです。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。

スポンサーリンク

【相棒23】11話のネタバレ要約

代表の亀山薫が持っていた会社の名刺と同じ名刺でも、所属部が違う名刺が見つかる。

実は営業の亀山が代表の亀山の勤める大手商社の名を借りて、半グレの彼女に手を出していたため、代表の亀山が人違いで三ヶ月前襲われた。

それを知った代表の亀山は営業の亀山を呼び出し「出来損ないの亀山薫」と罵る。逆ギレした営業の亀山がそこにあった瓶で頭を殴り、代表の亀山はそのまま川へ転落して亡くなった。

スポンサーリンク

【相棒23】11話の詳細なネタバレ

亀山薫が遺体で発見

「亀山薫の会」の初のパーティーが華やかに幕を開けた日、その雰囲気は一転して不穏な空気に包まれることとなった。

特命係の亀山薫(寺脇康文)はその日休暇を取り、パーティーに招待されていた。過去の事件で名を馳せた彼は、全国から同名の「亀山薫」が集まる「亀山薫の会」に特別なゲストとして招かれたのだ。しかし、その宴が最高潮に達する前に、思わぬ知らせが飛び込んできた。

特命係の静かなオフィスに、伊丹憲一(川原和久)が突然駆け込んでくる。「亀山薫が殺されました…」その言葉に、一瞬の静寂が訪れる。杉下右京(水谷豊)は伊丹と一緒にすぐに現場へ向かった。

現場に到着した二人を待ち受けていたのは、確かに「亀山薫」と名乗る人物の遺体だった。しかし、それは特命係の亀山ではなかった。遺体の胸には「代表の亀山薫」という名札が付けられており、所持品は「帝堂商事」の名刺だけ。死因は頭部を強打されたことによる脳挫傷で、他殺の疑いが濃厚だという。

右京と伊丹はパーティー会場に向かい、そこで事件の詳細を探り始めた。会の設立者の一人であるシェフの亀山(北代高士)が語ったところによると、この会は「代表の亀山薫」「シェフの亀山薫」「営業の亀山薫」の三人が発起人となって結成されたという。

「総帥と呼ばれる特命係の亀山さんを招いたのは、以前の事件で全国にその名を轟かせた功績を称えたかったからです」と、シェフは続けた。今回のパーティーは会にとって初めての公式イベントであり、代表の亀山(阿諏訪泰義)も積極的に準備に携わっていた。

しかし、出雲麗音(篠原ゆき子)が現場で撮影された遺体写真を見せると、シェフの亀山はそれが「代表の亀山」であることを認めた。遺体は隅田川の支流で発見されたと麗音が告げる。芹沢慶二(山中崇史)の報告では、死因は頭部を強打されたことによるもので、明らかに他殺の線が強い。

調査が進む中、防犯カメラの映像ではビルの正面から出て行った人間は確認されておらず、事件のあった時間帯に営業していたのはパーティー会場である店だけで、他の店は全て休業中だったという。非常階段の出口はオートロックであり、解錠された記録も残されていない。

「恐らく、犯人はパーティーの途中で殺害し、遺体をビルの非常階段から川に遺棄したのでしょう」と右京が推理を語る。遺体の発見場所はこのビルの下を流れる川の下流だったことからも、その推理は裏付けられる。

「犯人はこのパーティーの参加者の中にいる可能性が高いですね」と右京が静かに結論づけると、周囲には再び緊張感が走った。

33人の亀山薫

物語はますます複雑な展開を迎える中、「亀山薫の会」の参加者全員が事件の容疑者として浮かび上がった。

芹沢が手にしたのは、参加者名簿の「亀山薫大図鑑」。そこにはパーティーに参加していた33人の「亀山薫」が詳しくリストアップされていた(被害者を除く32人が容疑者)。プロゲーマーの亀山、ヘビメタ好きの亀山など、個性豊かな人物たちの名前がずらりと並ぶ。

麗音が被害者のカバンを持ち込み調査が始まる。財布は無傷だったが、スマホが消えていることに気づいた。そして、右京は名刺入れの中身を再確認し、ある違和感を見つける。名刺の肩書が「食品産業部 係長」とあったが、遺体の持っていた名刺の所属は石油貿易部だった

さらに、益子桑栄(田中隆三)の調査で非常階段の鉄柵にルミノール反応が確認される。血液型は被害者と一致するAB型だ。一方で、被害者の靴下についていた赤い染みは血液ではないと断定される。頭部の致命傷は硬い物で強く殴られたことが原因だと分かった。

伊丹と芹沢は、全員に事情聴取と指紋採取を行うことを決定。シェフと特命係の亀山が説得し、参加者たちから協力を得ようとする。芹沢が「最後に代表を見たのはいつか」と尋ねたところ、ある参加者が「1時30分ごろ店を出て行くのを見た」と証言する。さらに、代表を追いかけた亀山がその後の足取りを確認したが、すでに姿は見えなくなっていた。

右京は遺体が隅田川で発見されたのが1時50分であることを指摘し、遺棄されたのは少なくとも10分以上前と推測。つまり、代表が殺害されたのは1時30分から40分の間だと結論づける。そして、「代表は誰かを呼び出していた」と推理する。

シェフは代表が「亀山薫に裏切られた」と話していたことを思い出す。ただし、具体的な証拠はまだない。右京は、呼び出した相手がパーティーの参加者である可能性が高いと考え、参加者たちに調査を進める。

その時、麗音が「れいの暴行事件」との関連を指摘する。実は代表の亀山は3ヶ月前に帰宅途中で、何者かに襲われていたのだ。被害届は出されていたが、犯人は捕まらず、代表も心当たりがないと話していた。捜査一課は、この事件が今回の殺害と関係している可能性を考えている。

右京は被害者と交換した名刺を確認すると、そこには「食品産業部」と記載されていたことを確認する。これは、被害者が持っていた名刺の「石油貿易部」とは異なる。右京は麗音に、「被害者が石油貿易部に所属していたのか」を再度確認するよう依頼し、事件の背景を深掘りし始める。

事件の真相に近づくにつれ、「亀山薫の会」に集う面々の間に隠された秘密が少しずつ明らかになっていく。果たして、代表を殺害した犯人は誰なのか。そして、「亀山薫に裏切られた」という言葉の真意とは――特命係の捜査がいよいよ加速する。

「亀山薫の会」創設

物語はますます深まり、右京たちはシェフと営業の亀山(ヤマダユウスケ)に話を聞き、事件の背景を探る中で新たな疑問と手がかりを得ていく。

シェフの亀山によると、代表と知り合ったのは約3年前だという。当時、SNSで営業の亀山がシェフと代表を見つけ、連絡を取ったのがきっかけだった。その後、3人は直接会い、名刺を交換。名刺には確かに3人とも「亀山薫」と記されていた。

「亀山薫に上も下もないって」と代表が笑ったのが印象的だったとシェフは語る。営業の亀山はコピー機のリース会社で働いており、3人でよく飲みに行くようになった。そこで、営業が「亀山薫の会」と呼び始めたのが、この集まりの名前の由来だったという。やがて彼らはこの会を拡大し、全国の「亀山薫」を集めてパーティーを開こうと思い立ったのだと話す。

右京は「会を立ち上げたのは営業の亀山さんなのに、どうして代表ではないのですか?」尋ねると営業は困ったように笑いながら答えた。「自分はそんな器じゃないですし、代表が『自分がやる』って言ってくれたので、任せたんです」

その頃、麗音から新たな情報がもたらされた。被害者の亀山が石油貿易部に所属していたことはなく、帝堂商事に「亀山薫」という名前の社員は被害者ただ一人しかいなかったという。右京は被害者がなぜ石油貿易部の名刺を作っていたのか、不思議に思う。

右京は亀山に「何か気になることはなかったか」と尋ねた。すると亀山は、役所の亀山(羽野晶紀)がパーティー中に代表にワインをこぼしてしまったことを思い出す。その際、役所の亀山は謝りながら「うちのやろこじゃない」と小声でつぶやいていたという。

右京は遺体の靴下に付着していた赤い染みが、ワインによるものではないかと推測し、その事実を頭の中で整理し始める。「なるほど…ワインの染みですか」と静かにうなずきながら、右京は少し気になると呟いた。

怪しい亀山たち

右京と亀山は、役所の亀山に話を聞きに行った。まず右京は、自己紹介に「お酒が弱い」と書いてあったにもかかわらず、なぜアルコール度数の高いワインを飲んだのかと尋ねた。役所の亀山は少し戸惑いながら、「今日は試しに飲んでみただけです」と答えた。

右京はさらに彼女のカバンに目をやり、お守りに気づいた。それは「庄内稲作神社御守」と記されたものだった。不意に右京は「身分証を拝見できますか?」と頼み、彼女は鳥取県市町村職員共済組合員証を見せた。右京はそれを確認すると「だんだん」と言って返した。しかし、役所の亀山は「は?」と困惑した様子だった。右京は続けて説明した。「『だんだん』は出雲弁で『ありがとうございます』という意味です」と。

右京はお守りについて疑問を抱いていた。鳥取に住んでいると言っている彼女のカバンに、山形の神社の御守が入っているのは不自然だと感じていたのだ。そして、試しに出雲弁を使ってみたが、その反応から彼女の素性に疑念を抱いた。「やっぱり怪しい」という亀山の視線の先には、大学生の亀山(赤木耀)がいた。「あいつも…」と、役所の亀山が大学生の亀山を指差した。

次に右京と亀山は大学生の亀山に話を聞くことにした。右京が「パーティー中、トイレでカメラのシャッター音が聞こえたと証言がありますが?」と尋ねると、大学生の亀山は「たまたまです」とそっけなく答えた。また、何度もトイレに立った理由を聞かれると、「お腹を壊してしまって…」と弁明した。だが、その態度に亀山は不信感を募らせ、「やっぱりあいつも怪しい」と疑念を口にした

足りない1人

伊丹たちはシェフに再び聴取を行っていた。その様子を見た他の参加者たちが口を開き、代表とシェフがパーティーの前に何か揉めていたと証言した。

芹沢は被害者のパソコンを調べ、ネットバンキング経由で被害者がシェフの口座に500万円を送金していたことを突き止めた。シェフは店の経営資金として何度か借りた金だと説明し、麗音から「揉めていたのはその件ですか?」と問われると、「はい。いつになったら借りた金を返すんだと迫られました」と認めた。しかし、自分は殺害していないと強く主張した

その場に亀山と右京が現れ、「三ヶ月前の事件についてはどうなのかな?」と問いかけた。三ヶ月前、代表は何者かに襲われたが、その日のシェフのアリバイについて尋ねると、シェフは「その日は店を開けていて、深夜までここにいました」と答えた。しかし、そのアリバイを証明できる人物はいなかった

その時、突然火災報知器が鳴り響いた。伊丹たちは参加者を避難させようとしたが、亀山が避難を待つよう告げた。「この報知器はボタンが押されたものです。火災ではありません」そう断言する亀山に、右京も頷いた。

その場の混乱の中で、右京は一つの異変に気づく。「一人足りませんね」欠けていたのは役所の亀山だった。役所の亀山がその場を抜け出していることが判明し、二人はすぐにその動きを追った。

逃げようとしていた役所の亀山は、人目を避けて身を隠し、誰かに電話をかけていた。その声は小さく、周囲を警戒しながらの緊張した様子だった。

凶器の行方

益子はパーティー会場に置いてあった瓶をすべて調べたが、どれもルミノール反応は出なかった。しかし、右京はその中に一本だけラベルが日焼けしていない瓶を見つける。日焼けしていない瓶の賞味期限は2027年6月4日となっており、他の瓶の賞味期限である2026年11月5日と一致しないことに気づいた。

右京は推測を述べた。犯人は2026年の瓶を凶器として使用し、その瓶を2027年の瓶とすり替えてケースに戻した可能性があるという。そして、殺害に使われた瓶がまだ店の中に隠されているかもしれないと考え、亀山とともに再び瓶を探し始めた。しかし、2026年が賞味期限の瓶は見つからなかった

瓶を調査していた最中、右京の目にテーブルの上に置かれたミネストローネが留まる。スープに使われている具材が珍しいものであることに気づき、右京はシェフに「これは芋煮の具材を使い、スープを和風にアレンジしていますね。あなたは山形出身ではないですか?」と問いかけた。シェフはしばしの沈黙の後、5歳まで山形に住んでいたことを認めた。現在の両親に養子として引き取られる前、実の母と暮らしていたが、その後一度も会っていないという。

その時、麗音が駆け込んできて、ビルの裏で遺体が見つかったとの通報があったと知らせた。その騒ぎの中で、芹沢が役所の亀山が階段を急いで上がっているのを目撃した。芹沢が彼女の後を追うと、役所の亀山は逃げるようにさらに上階へと向かっていた。

一方で、右京はシェフの過去に何か重要な手がかりがあると考え始めていた。彼の山形での幼少期、そして実の母との別れは、今回の事件にどう関係しているのか。次第に事件の背景が浮かび上がっていく中、役所の亀山の行動もまた、新たな謎を呼び起こしていた。

母の思い

役所の亀山は屋上で袋を持ちながら捕まった。その袋を屋上から投げ捨てようとしていたのだ。駆けつけた右京と亀山がその袋を確認すると、中には割れた空き瓶が入っていた。「私が殺しました」と役所の亀山は主張したが、右京は「さあ、それはどうでしょうね」と彼女の言葉を簡単には信じなかった。

右京は、これまでの彼女の行動を振り返りながら指摘した。「お酒が弱いはずなのに、ワインを飲んで代表にこぼした。そのときに言った『うちのやろこじゃない』という言葉――これは庄内弁で『男の子』を指しますね」亀山は続けて、「つまり、『うちの息子じゃない』と言っていたんです」と補足した。

右京は役所の亀山がこのパーティーに参加したのは、養子に出した息子に会うためだったのではないかと推測した。彼女はパーティーで配布された参加者リストを見て、息子と同じ年齢である代表の亀山やシェフに目をつけたのだ。そして、代表にワインをこぼしたのは、自分の息子かどうか確かめるための行動だったのではないかと考えた。

右京はシェフの左足を確認していた。そこには、生まれつきのあざがあった。それを見て、右京は確信を深めた。「あなたは亀山薫の会のことを知り、そこに参加することで息子に会えるかもしれないと期待していた。そして自分も『亀山薫』になりすましてパーティーに参加したのですね。実際には鳥取ではなく、山形に住んでいるのでしょう」

さらに、火災報知器のボタンを押し、混乱に乗じて逃走を図り、瓶を処分しようとしたのは、息子であるシェフの亀山さんをかばうためだったのではないかと右京は指摘した。「あなたは息子を守るために全力を尽くしたのですね」役所の亀山は静かにうなずいた。

亀山は「シェフにはそのことは伏せている」と伝え、彼女がシェフに母親だと打ち明けない何かしらの事情に配慮した。

右京と亀山は、彼女の行動の背景にある深い母親としての思いを理解しながらも、事件の真相を追求する中で、さらなる手がかりを求めていった。

人違いで襲われる

右京と亀山たちは会場の一角にパーテーションで区切られた場所を設け、役所の亀山――本名鈴木純子――に事情を聞いた。純子は右京の指摘通り、自分がシェフの実母であることを認めた

純子は、シェフが自分の子であると確信していると語った。それは、割れた瓶を片付けている際に偶然彼の左足にある生まれつきのあざを目にしたためだった。その時は瓶のことなど気にも留めていなかったが、後に博多の亀山(前田莉瑚)から「鑑識がミネラルウォーターの空き瓶を調べているらしい」と聞き、焦りを感じたという。そして、もしかしたらシェフが代表の殺害に関与しているのではないかと思い詰めたと明かした。

さらに純子は、パーティーの最中に代表が「1時半に非常階段に来い」と電話をかけているのを耳にし、それがシェフへの呼び出しだと思い込んだ。そして、何としても息子を守ろうと行動を起こしたのだと語った。

右京はここで、新たな仮説を提示した。3か月前に代表を襲ったのは、同じ「亀山薫」の名を持つ人物――つまり「帝堂商事 食品産業部の亀山薫」を「帝堂商事 石油貿易部の亀山薫」と勘違いしたのではないかという。

右京は続けて説明した。「そもそも石油貿易部の亀山薫は存在しません。何者かが偽の名刺を作り、その名義で架空の人物として振る舞っていた可能性が高いのです」この事実が浮き彫りになる中、亀山は疑問を口にした。「では、なぜ代表はそんな偽の名刺を持っていたんでしょう?」

右京は意味深に微笑みながら答えた。「あの亀山さんが、その答えを知っているかもしれませんね。」亀山は怪訝そうに眉をひそめた。「どの亀山さんのことです?」

それが誰を指しているのかはまだ明かされていなかったが、事件の真相に向けた重要な手がかりが、再び「亀山薫」という名前の人物にあることが示唆された。全員の目がその謎に引き寄せられる中、物語はさらなる展開を迎えようとしていた。

偽の名刺

右京と亀山は大学生の亀山に話を聞くため再び対面した。右京の冷静な問いかけにより、大学生の亀山は次第に口を開き、パーティー中に他の参加者の財布を盗み、それらの保険証やクレジットカード番号をトイレで撮影していたことを認めた。右京は「同姓同名であることを利用し、それらを悪用しようとしたのでしょう」と推測した。実際、彼には過去に同じ手口でのクレジットカード窃盗の前科があったのだ。

さらに、右京は大学生の亀山に例の名刺入れに見覚えがないか尋ねた。彼はそれを覚えていると答えた。代表の亀山がカバンを拾い上げた際、その中に名刺入れがあり、中を見た代表が「石油貿易部」の名刺に驚いていたという。しかし、その名刺入れが誰のものだったのかまでは覚えていないとのことだった。

右京は状況を整理し、代表の亀山がその偽の名刺を見つけたことで、3か月前に自分が襲われた理由に気づいたのではないかと推測した。そして、偽名刺の持ち主に電話をかけ、「あれは人違いなんだ。とりあえず1時半に非常階段に来い」と呼び出したのだろうと亀山も考えを共有した。

「犯人は偽の名刺を作った人物で間違いないでしょう」と右京は断言した。話し合いの後、右京と亀山はパーティー中に撮影された参加者たちとの写真を再び見直した。そして、右京はある一枚の写真で目を留め、「これは…」とつぶやき、何かに気付いたようだった。

その後、鑑識が調べていた瓶から血液反応が確認され、シェフの指紋も発見された。一課はシェフに任意同行を求める準備を進めた。それを知った純子は「何かの間違いではないか?」と必死に止めようとしたが、右京は冷静に、「採取された指紋はシェフのものだけですか?」と伊丹に尋ねた。伊丹は「そうだ」と答えると、右京は「だとすると言い逃れはできませんね」と告げた。そしてシェフはそのまま連行されていった

一課がシェフを連れて行った後、博多の亀山は「犯人が捕まったから、もう帰ってもいいですか?」と尋ねた。それを受けて、麗音が参加者全員を解放し、混乱していたパーティーはようやく幕を閉じた。事件の表面上の決着はついたかに見えたが、右京の表情にはまだ何かを考えている様子が浮かんでいた。

スポンサーリンク

事件の真相

しばらくして、ある人物が川沿いでポケットチーフに石を包み、何かをしようとしていた。その手を亀山が素早く掴み止めると、それは営業の亀山だった。パーティーが始まった直後、彼はポケットチーフを胸に挿していたが、右京たちが来た時にはそれがなくなっていたことに右京は気づいていた。

右京が「凶器からシェフの指紋しか採取されなかったのはおかしい」と指摘すると、営業の亀山は「でも、犯人はシェフなんでしょ?」と開き直った。しかし、右京は冷静にこう続けた。「凶器から指紋がシェフのものしか出なかったのは、あなたが他の指紋を拭き取ったからです。亀山薫…犯人はあなたですね」

さらに右京は営業の亀山が持っていた偽名刺について言及した。「この名刺は、女性の気を引くためのアイテムだったのですね。しかし、そのせいで3ヶ月前に代表の亀山さんが襲われたのです」営業の亀山は、半グレの女性に手を出したことがきっかけでトラブルを招き、彼女の仲間が名刺を手がかりに帝堂商事を探し、代表の亀山を営業の亀山と勘違いして襲ったのだという。

その後、代表の亀山は営業の亀山を非常階段に呼び出し、問い詰めた。「何度も謝ったのに、警察に突き出すと言うんですよ!」と営業の亀山は不満げに語った。代表は「人の肩書を利用してプライドもないのか。そんなものないか」と営業を蔑んだという。それに対し、営業は「あなたの人生を味わってみたかった。それぐらいいいだろ?」と反発した。

「こんな名刺作ったって、お前は俺にはなれないんだ。出来損ないの亀山薫なんだよ、お前は!」と代表に言われ、営業は逆上。もみ合いの末に手に取った瓶で代表の頭を殴り、代表はそのまま川へ転落してしまった。そして、営業はポケットチーフで鉄柵についた血を拭い、凶器の瓶をすり替えて店に戻した。さらに、瓶を割り、シェフに片付けさせることで、万が一凶器が見つかった時にシェフに罪を着せようと企んでいたのだった。

「なんでそんなことで殺したんだ!」と怒りを抑えられない亀山に、営業は逆上して叫んだ。「お前に何がわかる!同じ名前で生きてきて、こんなに人生に差がつくことが、どれだけ惨めかわかるか!」

「お前な!」と亀山が胸ぐらを掴むと、右京が間に入り、静かに制した。そして、冷静な声で語りかけた。「ご自分の仕事や収入が惨めだと思っているなら、それは大きな間違いですよ。本当に惨めなのは、自分を卑下するあなたの心ですよ!

右京の厳しい言葉に、営業の亀山は何も言い返せず、ただ項垂れるしかなかった。

スポンサーリンク

【相棒23】11話の結末

事件が一段落した後、純子は右京に警察署で事情を聞かれることになった。保険証の偽造や虚偽の通報が問題となっていたが、本物の犯人が捕まったことで一部事情は考慮されるようだった。一方で、解放されたシェフが亀山たちに礼を言いに来た。そこには純子もいたが、自分が彼の母親であることは名乗らず、黙っていた。亀山が「いいのか?」と尋ねると、純子は「私にそんな資格はありませんから」と答えた。

純子は語り始めた。17歳で薫を産んだこと、周りに頼れる人がいなくて一人で育てたこと、しかし薫の幸せを考え裕福な家庭に引き取ってもらうほうが良いと判断し、養子に出したこと。「薫という名前はあなたがつけたのですか?」と右京が尋ねると、純子は少し遠い目をしながら答えた。「あの子を産んだ5月の晴れた日、気持ちいい風が吹いていました」右京は「その時期に吹く風は薫風といいますからね」静かに頷き、その由来に納得した。

純子は立ち上がり、遠くにいるシェフに「薫」と呼びかけた。そして駆け寄りながらもう一度「薫」と名前を呼び、涙ながらに「ごめんね、ごめんなさいね!」と頭を下げて謝った。驚いた様子だったシェフだが、やがて母の肩に手を置き、その思いを受け止めた。

事件解決後、右京と亀山は小手鞠で小出茉梨(森口瑤子)とともに酒を酌み交わしていた。女将が「親子が再会できて良かったですね」と微笑むと、右京は「保険証の偽造についても不起訴になる見通しです」と答えた。ふと女将が言う。「亀山薫さんが殺されて、犯人も亀山薫さんだったなんてねぇ…」すると亀山が苦笑しながら「捜査したのも亀山薫です」と付け加えた。

美和子(鈴木砂羽)が「同姓同名の亀山美和子が世界的なジャーナリストだったら、嫉妬しちゃうかも」と冗談を言うと、女将が「右京さんの同姓同名もいるんですかね?」と興味を示した。亀山が「亀山薫よりは少なさそうです」と言うと、女将がさらに突っ込んで尋ねた。「右京さんの名前の由来って、なんなんですか?」右京は一瞬考える素振りを見せて、「知りたいですか?……またいずれ」とはぐらかした。その返答に、一同は微笑みながら杯を傾けた。

←10話|12話→

スポンサーリンク

亀山薫大図鑑

「亀山薫大図鑑」にどんな亀山薫がいたのか、ドラマ内で分かった亀山薫を掲載します。

1 不明
2 ヘビメタ好きの亀山薫
人生も音楽もヘビーで行きます!亀山魂でヘドバン
3 代表の亀山薫
皆さんに会えるのを心から楽しみにしていました。
4 ドライバーの亀山薫
走るのが生きがいです。
5 弁護士の亀山薫
法律相談、人生相談、恋愛相談。なんでも受け付け
6 大阪の亀山薫
おもろい話いっぱい持ってきたで
7 シェフの亀山
亀山薫コースをどうぞご堪能ください。
8 不明
9 不明
10 営業の亀山薫

無事に今日を迎えられて本当に嬉しいです。楽しみましょう!
11 経理の亀山薫
会計処理が必要なら、声をかけてください。
12 フライトアテンダントの亀山薫
人見知りです、話しかけていただけると助かります。
13 タクシー運転手の亀山薫
トークは任せてください!
14 役所の亀山薫
お酒が弱い私ですが、最近ビールの味を覚えて大人になった気がします。
15 保育士の亀山薫
この会を通じてたくさんのお友達ができればと思ってます。
16 神主の亀山薫
今日はご利益多めに持参しました。
17 博多の亀山薫

18 帰国子女の亀山薫
It’s finally ??? ???? I’ve been waiting for
19 北海道の亀山薫
寒さも吹き飛ぶ熱い会にしましょう
20 人事の亀山薫
皆さんの名前の由来を知りたいです。
21 本屋の亀山薫
本のおすすめは任せてください!
22 学者の亀山薫
この会の未来について研究します。
23 秘書の亀山薫
プロポーズされたのでもうすぐ苗字が変わりますが、仲良くしてください。
24 ソムリエの亀山薫
最高のワインとともに、亀山薫の会を堪能!
25 大学生の亀山薫
よろしくおねがいしまーーーす
26 ハチミツの亀山薫
蜜のように濃い時間を!
27 パティシエの亀山薫
目指せ!亀山薫の会100人突破!
28 名古屋の亀山薫
名古屋代表として全力で楽しみます!
29 インフルエンサーの亀山薫
この会をSNSでバズらせます!
30 社長の亀山薫
亀山薫の会にKANPAI☆
31 ニートの亀山薫
時間だけはたっぷりあります。
32 ダンサーの亀山薫
2次会は私のダンスで盛り上げます!!
33 総帥の亀山薫
総帥なんて柄じゃ無いっスけど、よろしくお願いします!

他にプロゲーマーの亀山薫などがいるようなので、不明のどこかしらに入るものと思われます。自己紹介の一言があるあるな感じで面白いです。

スポンサーリンク

【相棒23】11話のまとめと感想

同姓同名の人物になりすましていたのがバレて、口論になり殺害したという話でした。

全く同じ名前の人物が方や成功し、方や惨めな人生を送っていました。そこで肩書きを騙っていたら、バレて喧嘩になった末に殺害しました。

右京さんがいうように、肩書きを騙るような人物だから惨めなのであり、惨めだから肩書きを騙ったわけではないのです。案の定、代表の亀山に名刺を作ったところで、自分にはなれないのだと図星をつかれて逆ギレしました。

しかも営業の亀山は、自分はそんなに悪いことはしていないと思っていました。貧すれば鈍するのか、惨めな人だから思考が惨めなのか分かりませんが、こういう人がそばにいると危険です。必ず害を及ぼします。すぐ離れましょう。

同じ名前というだけで、人生は別です。妬む暇があったら、自分の人生にちゃんと向き合いたいものです。

【相棒23】11話のいいセリフ

ご自分の仕事や収入が惨めだと思っているなら、それは大きな間違いですよ。本当に惨めなのは、自分を卑下するあなたの心ですよ!

←10話|12話→

タイトルとURLをコピーしました