【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】3話のネタバレと感想|不倫相手を殺害する妻の恐れ

2024秋ドラマ
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【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜Season2】3話のネタバレと感想をまとめています。

夫の浮気相手を刺し殺した妻は、浮気相手への憎しみや怒りを語っていた。だが、彼女の目から見えたのは【恐れ】の感情だった。彼女の【恐れ】はやがて【恐怖】へと変わっていく。彼女が本当に【恐れ】ていたものとは……?

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【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】3話のあらすじ

夫・染谷迅(落合モトキ)の不倫相手である成田ゆず季(景井ひな)を殺害した罪で、逮捕された妻・染谷夏帆(佐藤玲)は、取調べで口では不倫相手への怒りを滲ませるが、見えた感情は【恐れ】の感情だった。

夫に話を聞きに行くと、彼から見えたのはゆず季に対する【怒り】と妻に対する【軽蔑】の色だった。

やがて夏帆から見える感情は【恐怖】に変わる。彼女が本当に恐れていたものとは?

←2話4話→

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【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】3話のネタバレ要約

夫の浮気相手を殺害した妻・夏帆の目から見えたのは【恐れ】の感情だった。そして夫から見えた感情は、浮気相手には【怒り】を妻には【軽蔑】の感情が見えた。

夫のことを愛しているというが【愛】の感情が見えるどころか、より恐れた【恐怖】の感情を見せる夏帆。

彼女は夫に依存していたため捨てられることを極度に【恐れ】ていた。それを分かっていた夫は、妻を誘導し浮気相手を殺害させた。

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【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】3話の詳細なネタバレ

容疑者紫織

心野朱梨(飯豊まりえ)は薄暗い取調室の椅子に座っていた。目の前には無愛想な刑事2人が、姉の紫織(松井玲奈)の居場所について問い詰めている。朱梨はただ、手元の冷たく滑らかな机の表面を見つめるしかなかった。

「姉の紫織が二見智子を殺した、そう言われている」と、刑事が切り出した言葉は鋭く、容赦がなかった。

「映像以外に物証はないんですか?」朱梨はなんとか冷静さを保ちながら訊ねた。

刑事の顔が歪む。「お前がそんなことを言える立場か?」と彼は嘲笑の色を滲ませて言い返した。

朱梨は小さく息を吐いた。だが、彼女は嘘をつけなかった。「姉の行方には心当たりがありません。それに、二見さんを殺害する動機も…思い当たりません。二人の間にトラブルなんてなかったんです」

刑事は冷ややかな目で朱梨を見つめ、再び言葉を投げかけた。「紫織は精神的に不安定だっただろう?ちょっとしたきっかけで、二見智子への殺意を行動に移すことだってあるんじゃないのか?」

「ありえません」と、朱梨は強く言い切った。

刑事の顔が険しくなる。「姉から殺意につながる感情を見たことがありません」

その言葉に刑事は苛立ちを隠せなかった。「ふざけてるのか?」彼は納得できない様子だった。

取調べが終わり、すぐに風早涼(浅香航大)がやってきて朱梨を労った。

「捜査の進展は俺が確認して、君に伝えるよ」と、風早は約束した。朱梨は少し安堵しつつも、心の中には依然として姉に対する不安が渦巻いていた。

朱梨は休職せず、働き続けることを決意していたが、心の奥では揺れるものがあった。風早が心配そうに尋ねる。「お姉さんは、本当に大丈夫なのか?」

「正直、わからないんです。姉の感情には、何か不具合のようなものがあるのかもしれない」と、朱梨は唇を噛んだ。

少し間を置いて、彼女は再び言葉を口にする。「姉が取り戻した感情は、本当に正しい感情だったんでしょうか?」

その言葉は、まるで朱梨自身が答えを求めているかのように静かに響いた。

【恐れ】の感情

朱梨が部署に戻ると、同僚たちのひそひそとした囁きが耳に入ってきた。彼女が取調室で姉のことで聴取を受けている間、すでに噂が広がっているようだった。滝沢美空(影山優佳)だけが朱梨をかばってくれていた。

朱梨は早速仕事を始める。被疑者は染谷夏帆(佐藤玲)、彼女の取調べが始まる。夏帆は2日前、夜9時頃に高架下で大学生・成田ゆず季(景井ひな)を殺害し、死体遺棄の容疑で逮捕された。ゆず季は夏帆の夫・染谷迅(落合モトキ)と不倫関係にあった女性だった。

夏帆の供述は冷静だが、その裏に複雑な感情が渦巻いていた。「夫とは大学の同窓会で再会したのがきっかけで、交際が始まって3年前に結婚しました。あの女、ゆず季は夫の会社で受付をしていて、そこで知り合ったんです」

「事件当夜、夫のことで話があるといって彼女を呼び出し、事前に用意していたナイフで殺害したんですね」と朱梨が確認する。

夏帆は軽く頷く。「そうです。その後、家に帰って夫も刺しました。でも、すぐに救急車を呼びました。夫のことは今でも愛していますから

朱梨は表情を変えずに質問を続ける。「不倫のことはどうやって知ったんですか?」

「夫のスマホを見たんです。ショックでした。まさか、夫があんな女に騙されるなんて…」夏帆は苦しげに顔を歪めながら答える。

「周囲の話では、ご主人の方から成田さんに声をかけたという証言もありますが」と朱梨が指摘すると、夏帆は即座に否定した。「あの女が周りにそういってたんですよね。夫はそんなことしていません」

「成田さんから誘惑したと?」と朱梨が問いかける。

夏帆の目が鋭く光る。「そうです。夫にとってはちょっとした気の迷いだったんです。悪いのはあの女です」

「だから今もご主人を愛しているんですね」と朱梨が言うと、夏帆は少し口元を緩めた。「夫を刺したのは、少し反省してもらおうと思ったからだけです。これで目を覚ましてくれたと思います」

「では、もうご主人を許しているんですね?」朱梨がさらに問うと、夏帆は力強く頷いた。「じゃなきゃ、助けたりしません!夫に会わせてくれないんですか?彼には私が必要なんです」

しかし、美空が冷静に告げた。「ご主人はもう退院していますが、成田さんを殺害した件がある以上、しばらくは面会できません」

取調室を出た朱梨は美空と歩きながら話す。夏帆は取り調べ中、ずっとゆず季への怒りと苛立ちを口にしていたが、彼女から見えている感情は【恐れ】の感情だった

【怒り】と【軽蔑】の感情

朱梨と美空は、染谷夏帆の自宅へと足を運んだ。夫に直接話を聞くためだった。2人がリビングに案内されると、夫はゆっくりと口を開いた。

「正直、自業自得だと思っています」と彼はため息をつきながら言った。「ゆず季とすぐに別れられなかったから、こんなことになったんです。スマホを見られて発覚したとき、謝って関係を終わらせれば済むだろうと考えていました。でも、妻がここまで彼女のことを恨むなんて、思いもしませんでした」

「責任を感じていますか?」と朱梨が静かに尋ねると、夫は深く頷いた。「ええ、もちろんです」

「ゆず季さんの死亡推定時刻、あなたはオフィスにいたんですね?」

「はい、確かにその時間はオフィスにいました」

「ゆず季さんとの関係はどうやって始まったんですか?」朱梨の問いに、夫は少し黙り込んだが、やがて語り始めた。「就職活動の相談があるって、彼女が僕に話しかけてきたんです。最初は、男女の関係になるなんて思ってもみませんでした。でも、気がつけば、そうなっていたんです」

朱梨はさらに追及した。「不倫の事実が明るみに出て、仕事に影響は?」

「仕方がないと思っています。妻はそれだけのことをした。家族として、僕にも責任があります」

そして夫は「彼女の遺族にはしっかり賠償して、妻が出てくるのを待つつもりです」とまとめた。

夫が静かに話し終えると、朱梨は少し躊躇しながらも言った。「一つお願いがあるんですけど……」

朱梨はクローゼットに入る。色とりどりの服やカバンがずらりと並んでいた。朱梨は軽くその中を見渡しながら、ふと夫に問いかけた。「奥さんは結婚を機に仕事を辞められたんですね?」

「ええ、そうです。結婚した後、好きなものを買っていいと言っていました。妻は仕事を辞めたのも、僕との時間を増やすためだったんです。彼女は本当に良い妻でした」

「そんな素敵な奥さんを裏切ったんですね」不意に美空がつぶやくと、夫はその言葉に顔を曇らせ、申し訳なさそうに頷いた。

「浮気しといて偉そうに…」家を出た後、美空が憤る声が響いた。美空は苛立ちを隠せず問いかけた。「それで、なぜクローゼットを確認したの?何か気になるものがあったの?」

朱梨は静かに答えた。「夫の感情が気になった。彼の感情は【怒り】の感情だった」それはゆず季の話をしている時に見えた。

「そして、夏帆さんの話になると、紫色の【嫌悪】が混ざっていた。その二つが混ざると、【軽蔑】の感情に変わる。それが気になって、クローゼットを見せてもらったんだけど…」

「何も変わったものはなかったわね」と美空が肩をすくめる。「強いて言えば、いい服ばかりだったけど」

恐喝

二人はそのまま部署に戻り、同僚たちと今回の捜査状況を共有した。坂東俊之介(浜野謙太)が朱梨の話を聞いて、思案顔で言った。「もしかして、妻が犯罪者になったから、夫は彼女を軽蔑しているんじゃないか?」

風早が考え込むように続けた。「仕事が順調な中、事件を起こされて迷惑をかけられたと思っているとか?」

坂東がさらに質問を重ねた。「被害者に対する怒りはどうだろう?彼女が原因でこんな事態になったから、怒っている可能性はあるか?」

風早は冷静に答えた。「アリバイは完璧だし、夫の関与をどこまで疑うべきかは微妙だ」

美空が新たな情報を報告した。「それに、被害者のスマホがまだ見つかっていない。妻は証言で、現場付近の川に捨てたと言っている」

被害者の周辺を捜査することにすると、坂東と今西が新たな報告を持ち込んだ。「被害者の大学で聞き込みをしていたところ、彼女が最近『近いうちに金が入る』と友人に話していたらしい」と坂東。

「さらに詳しく聞いてみると、友人は、ゆず季が染谷迅を脅していたんじゃないか、と感じたそうだ。直接的な言及はなかったけど、そのニュアンスだったらしい」と今西湊人(岩瀬洋志)。

「染谷迅は被害者から、金銭をねだられていたということか」風早は思案した。

【恐怖】の色

二度目の取り調べが始まると、朱梨と美空は対峙する染谷夏帆に鋭い視線を向けた。取調室の空気は重く、張り詰めていた。

美空が口を開く。「本当に成田さんが憎くて殺したの?それとも、夫を脅迫から守るために殺したの?その両方の可能性もあるけど」

夏帆は一瞬、表情が曇ったが、すぐに平然とした顔を取り戻した。「わかりません。夫が脅されていたなんて初耳です」

朱梨は少し身を乗り出し、優しく問いかけた。「あなたは、何を恐れているんですか?」

夏帆は目を細め、「別に…何も恐れてなんかいません。邪魔な女を殺しただけです。むしろ満足しています」と平然と言い放った。

朱梨はその言葉を一度飲み込みながら、さらに説得を試みた。「もし事情があるなら、正直に話してください。情状酌量の余地があれば、刑期が短くなります。そうすれば、おうちにも早く帰れますよ」

すると、夏帆の表情が一瞬硬直し、朱梨にはその瞬間に「恐れよりも強い恐怖の色」が浮かんだのが見えた。

「今、あなたは怖がっていますね」と朱梨が指摘すると、夏帆は激しく頭を振り、「怖がってなんかいません!」と強く否定した。

朱梨は静かに続けた。「家が怖いのですか?」

「違います」と、夏帆は即座に返答したが、その言葉には力がなかった。

「では、ご主人が怖いのですか?」と朱梨が尋ねた瞬間、夏帆の表情がさらにこわばり、朱梨が感じ取った恐怖の色はより濃くなった。

その変化を見逃さず、美空が追及した。「ご主人に言われて殺したのでは?ご主人は金銭を成田さんにねだられて、邪魔に思った。だから、あなたに殺すよう命令したのでは?

美空はさらに踏み込んだ。「そして、あなたはその後、家に戻って夫を刺した。本当は、もう彼に命令されたくなかったんでしょう?だから、彼を刺したのでは?」

その瞬間、夏帆の目に何かが崩れたように見えた。そして、まるで自分に言い聞かせるように、呪文のように繰り返し始めた。「私は彼を愛している。彼には私が必要…私は彼を愛している…彼には私が必要…」

その言葉は冷たい取調室の中に、虚しく響き渡ったが、そこには感情の欠片も感じられなかった。夏帆の視線は遠くを見つめ、朱梨と美空は言葉を失ったまま、彼女の崩壊を静かに見守っていた。

朱梨たちが部署に戻ると、捜査チームはすぐに会議を開いた。美空が苛立たしげに言う。「これ、DVがあったんじゃないですか?」

坂東は深く考え込んでから答える。「一生脅され続けると思って、ついに殺害を計画した…そういう可能性もあるな」

今西も同意しながら口を開く。「普段から言いなりになっている奥さんに、夫が指示してやらせたんじゃないか?」

「要するに、この男、クズってことですよ」と美空が厳しい口調で言い放つと、風早は冷静に彼女を制した。「刑事が簡単にそう要するな」

しかし、風早もまた夏帆の言葉に違和感を覚えていた。夏帆は依然として「自分の意思でやった」と主張し、夫の関与を認めようとはしていないのだ。

朱梨が考え込む。「今の取り調べで、彼女が見せた恐怖は明らかにDVによるものだってわかるんです。でも、最初の取調べからずっと、恐れの色が見えていたのはどうしてなのか?」

「もしかしたら、夫に言われたことがちゃんとできるかどうか、心配していたのかもしれない」と坂東が推測した。

「とにかく、夫婦関係をもう一度徹底的に調べ直す必要があるな」と風早が決断を下した。

その後、朱梨がふと尋ねた。「どこか、開いている部屋はありますか?」

押収品を集めて空き部屋に移動し、夫婦が共用していたPCを確認し始めた。最初に目に入ったのは、夫婦の笑顔が写る写真の数々だった。しかし、フォルダをさらに開いていくと、夫の過去の恋人たちの写真が保存されていることに気づいた。

「奥さんもよく、こんなものを削除しないで置いておいたな…」朱梨はつぶやいた。

写真を一枚一枚見ているうちに、朱梨の表情が変わった。何かが閃いたようだった。急に彼女はスケッチブックを取り出し、その中のページを一枚ずつ丁寧に床に並べ始めた。美空は彼女の動作を見守るしかなかった。

「見えました…夏帆さんの色」と朱梨は小さく、しかし確信に満ちた声で言った。

色の理由

取調室の空気は重く、夫が呼び出された。モニターに彼の昔の女性との写真が映し出されると、美空が静かに問いかけた。「こちらの写真に見覚えは?」

夫は一瞬戸惑いを見せたが、すぐに平然とした表情に戻った。「ええ、昔の恋人たちですね」と答えた。しかし、朱梨にはその答えに違和感を感じていた。

「わかりませんか?」朱梨が間を置かずに言った。「この写真には、あなたたちご夫婦の関係がよく描かれていると思います」

その言葉は夫に直接的な意味を伝えなかったようだったが、朱梨はそのまま言葉を続けた。

同じように、朱梨と美空は夏帆にも夫の写真を見せて話を聞いていた。朱梨はある一枚の写真に目を留め、それを夏帆に見せた。「ここに写っているあなた、今とは少し違いますね。派手な服装をしています」

夏帆は静かに頷いた。「ええ、結婚を機に、洋服の趣味も変わりました。生活環境が変わったから、よくあることです」

「そうでしょう。でも、私が気になったのは、あなたの服装が、ご主人の昔の恋人たちとあまりにも似すぎていることです」と朱梨が指摘すると、夏帆の顔が強ばった。

「つまり、あのフォルダはご主人が思い出を振り返るためのものではなく、あなたがご主人の好みを研究するためのものだったのではないでしょうか?

夏帆は何も言わずに視線を落とした。

夫は突然口を開いた。「確かに、妻は僕の好みに合わせてくれることが多かった。でも、それが何か?」

朱梨は優しく続けた。「取り調べの間、夏帆さんはずっと気にしていました。あなたのことを。DVはしていないとおっしゃいますが、彼女は明らかにあなたを恐れていた」

夫は苛立ちを見せた。「事件に関係しているとでも言いたいのか?」

美空がすぐに否定した。「そうではありません」そして間髪入れずに朱梨は「あなたが殺すように指示をした、というより、夏帆さんがそう行動するように仕向けたんです」

朱梨が静かに夫を見つめて話を続けた。「あなたは妻に、困惑や悩みをこぼしたのでしょう。『あの子がいる限り、君との生活は続けらんないかもしれない。どうしよう、僕には君が必要なのに』と」

夫は「妻はそれで決意したんですか?でも、彼女がしたのは殺人ですよ。そんな簡単に決められるはずがありません」と反論する。

「それが決めたんです。夏帆さんはあなたを恐れていたから」と朱梨は告げた。

一方夏帆との取調べでは、彼女は激しく否定した。「だから私は怖がってなんかいません!」

しかし、朱梨は優しく、しかし断固とした声で言った。「夏帆さん、それは違います。あなたがご主人について話す時、見えているのは「愛」の感情ではなく、「恐れ」「恐怖」の感情です」

朱梨はさらに続けた。「人が恐れを抱く時、それはなにも、暴力や暴言といった攻撃を受ける時だけではありません。大事なものや大切な人を失うときにも、人は恐れを抱きます

夏帆の顔に動揺が走った。

「あなたはご主人を思って恐れていた。それはご主人を失ってしまうことや、失った状態にいることへの強いストレスと感じているからです」

朱梨は夏帆を見つめて最後に言った。「禁断症状と言い換えてもいいかもしれません。あなたのはその感情のために成田さんを殺害した。そうしなければ、ご主人を失ってしまうかもと恐怖したから」

夏帆はしばらく黙り込んだままだったが、徐々にその表情は崩れ、やがて彼女は肩を震わせながら泣き始めた。

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事件の真相

「だったら私が…私がその女を殺す。私できるよ、あなたを愛してるから…」夏帆のその言葉に、夫は彼女を抱きしめてほくそ笑む。

呼び出されたゆず季は、予想もしなかった言葉を夏帆に浴びせた。「あなたのことを迅さんから聞いている。何でも合わせてくれる、理想的な妻なんだって。私信じらんないです。いっつも旦那の顔色窺って、着たくもない服を着て生きてくなんて。あんな男のどこがそんなにいいんですか?」

その言葉に夏帆は必死に反論した。「彼だめなの、私がいないと。あなたがいたら、彼が困るの。彼を困らせないで!私達の邪魔をしないで!」そう叫びながら、彼女は手に持っていたナイフをゆず季に突き刺した。

その後、夏帆は家に戻り、「夏帆、ありがとう。愛してるよ、やってくれ」と夫は微笑みながら言った。戸惑う夏帆の手を握り、腹にナイフを突き刺させた。

朱梨の説得

朱梨は静かに語りかけた。「あなたは成田さんを恨んでいたわけでもなく、ご主人に命令されて仕方なく従っていたわけでもない。ご主人のそばにいるために、彼女を殺害したんです。」

夏帆は顔を上げ、「いけませんか?夫のためじゃ」と訴えた。

「彼のような完璧な人が、私みたいな女を必要としてくれる。私はその気持ちに応えたい!これが愛じゃなくて何だって言うんですか」夏帆の声は激しく揺れていた。

「彼にふさわしい女でいないとって、いつも恐怖しています。でもこの思いが私にとっての…」朱梨は言葉を遮った。

そして優しく、しかし厳しい口調で言った。「夏帆さん、それは愛ではありません。あなたはご主人に依存しているだけです。そしてその満たされることのない思いを、ご主人に利用されたんです」

朱梨がさらに「このままでは、あなた1人で罪をかぶって…」と諭そうとした時、夏帆は机を叩き、怒りに震えながら叫んだ。「うるさい!!どうして!?どうしてあなたが、私の気持を決めるんですか?これが私の愛なんです。彼しか、彼しかいないのに…」涙が止めどなく溢れ、彼女は泣き伏せた。朱梨は気の毒そうに、彼女を見つめた。

その後、夫に対して殺人教唆の容疑がかけられることになった。取調室で美空が告げる。「夏帆さんが証言してくれました。凶器や犯行場所の詳細は、あなたがアドバイスしていたんですよね?」

夫は余裕を見せ、無表情でとぼけたように答えた。「彼女が望むことをさせてあげただけですよ」

しかし、朱梨はじっと夫を見つめ、鋭い目つきで言った。「夏帆さんから見えた感情の色は変わっていました。「後悔」の色です。あなたのためと信じて、成田さんの命を奪ってしまったことを、後悔してるんです。私は彼女にあんな感情を抱かせたあなたを、絶対に許しません」

その言葉には、怒りと冷たい決意が込められていた。

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【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】3話の結末

「ありがとうございました」と朱梨は、夏帆の感情を理解できたことを美空に感謝した。

美空は「仕事だから、そんな堅苦しいのは抜きで」と答えた。

その後、少し真剣な表情で美空は続けた。「心野さんも、怖いときは怖いっていってくださいね。家族が突然いなくなったんです。私ならめちゃくちゃ怖いです。私にできることがあったら、何でも言ってください」

朱梨は美空の優しさに少し驚いたが、黙って頷いた。美空はさらに笑って、「規則とか気にしないで、こっそり調べるとか手伝ってあげますよ。怒られるのは風早さんだし、私は全然平気ですから」と冗談めかして言った。

その言葉に、朱梨は思わず微笑んだ。彼女は静かに席を立ち、「お疲れ様です」と言ってゼリービーンズを美空に差し出した。美空は少し戸惑ったが、受け取ると嬉しそうに笑った。

高架下の薄暗い場所で、朱梨の弟・滝沢晴馬(高野洸)が誰かに殴られていた。別の場所では風早が、同僚から一つのファイルを受け取っていた。

そのファイルは、二見智子が運営していた支援団体に関する捜査報告書だった。風早が中を確認すると、そこには紫織が写っている写真が含まれていた。そして、さらに奥の端の方には、あのクリット・ウォンラット(Sapol Assawamunkong(Great))が立っているのが確認できた。

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【オクトー 〜感情捜査官 心野朱梨〜2】3話のまとめと感想

【恐れ】ていたのは夫を失うかもしれない、という恐怖だったという話でした。

夫の昔の恋人が着ていた服を着るため、その写真を見て参考にしていたとか、かなりぶっ飛んでいる妻です。朱梨にもそれは愛ではなく依存だと諭されてました。夫もそれを知ってか、彼女を使って浮気相手を殺害させます。

殺人をすることで自分が犯罪者になり、夫を失うとは思えなかったのか?人間恐怖に駆られると、何をしでかすか分かりません。

そんなに夫のために尽くしていた夏帆ですが、結局浮気されてしまいます。しかも、よっぽど浮気相手のほうが自立していたという、なんとも皮肉な話でした。

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