【笑うマトリョーシカ】10話のネタバレと感想をまとめています。
清家を裏で操る人物は誰なのか?母親の浩子か、それとも?裏取りを続ける香苗は、まさかの人物の存在にたどりつく。だが、それも空振りに終わってしまい……。
【笑うマトリョーシカ】10話のあらすじ
清家一郎(櫻井翔)を裏で操る人物は誰なのか?道上香苗(水川あさみ)は清家浩子(高岡早紀)の夫である小松政重(堀内正美)のヘルパー・田所礼子(和田光沙)が気になり調べ始める。
一方、鈴木俊哉(玉山鉄二)は佐々木光一(渡辺大)の所へ行くと、浩子が清家の様子を報告するよう、長年頼まれていたと佐々木から明かされる。それを鈴木から聞いて知った香苗は、ある推論を導き出す。
愛媛に行った香苗は、佐々木の店に浩子を呼び出し、さらに小松と田所も招いた。関係者がみな集まる中、香苗の口から語られた話は、驚きの連続で……。
【笑うマトリョーシカ】10話のネタバレ要約
3行でネタバレ
清家は議員になった時に母親と縁を切り、それ以来連絡を取り合っていなかった。
真中亜里沙は顔を変えて田所礼子になり、清家の論文を盗んで鈴木に送りつけていた。
しかし3年前に清家は亜里沙から離れ、それからは別の誰かに操られているようだった。
500字ぐらいでネタバレ
清家一郎を裏で操っていたと思われていた母親の浩子だが、清家が議員になった時に既に縁を切られていた。それ以来、浩子は息子の様子を佐々木に頼んで報告してもらっていた。
香苗は愛媛に行って関係者を集め、自分が調べた結果、導き出した答えを語り始める。香苗はここへ来る前、真中亜里沙の母親にヘルパーの田所礼子の写真を見せると、娘だと即答した。整形して顔を変えてもなお、一発で母は娘と見抜いた。
その話を田所にすると彼女は自分が亜里沙だと認めた。亜里沙は清家を自分だけのものにするため、失踪したふりをしてこっそり2人で会っていた。そしてずっと清家のことを裏でコントロールしていた。武智議員の愛人になって近づいたのも、彼を殺して清家を議員にするためだったと話す。
しかし、3年前に清家は亜里沙から離れてしまう。当初は浩子が取り戻したのかと思い、顔を変えて田所として近づいた。だが浩子が一向に尻尾を出さないのを見て、亜里沙は清家の論文を鈴木に送りつける。そうすることで、鈴木が動き出すのではないかと思ったからだった。亜里沙は全て話したのは、自分から清家を奪った人物を見つけてもらうためだという。
一方、浩子は香苗に持っていたカセットテープを託した。それを再生してみると、鈴木の父が諸橋に賄賂を渡す代わりに、国有地を工面してもらう約束を交わしていた。さらに現総理の羽生も加わろうとしていた。今清家を操っている人物は、羽生なのかもしれないと香苗は考え始めた。
【笑うマトリョーシカ】10話の詳細なネタバレ
論文の行方
道上香苗(水川あさみ)は小松政重(堀内正美)に話を聞きに行った。しかし、小松は「話すことは何もない」と答え、論文のことについても知らないと言い切った。一方、鈴木俊哉(玉山鉄二)は「論文は間違いなく浩子が持っていたはずだ」と断言する。なぜなら、清家一郎(櫻井翔)が初当選して議員宿舎に引っ越した日に、浩子(高岡早紀)がその論文を持ち帰るのを自分の目で見たというのだ。
その後、諸橋育夫大臣(矢島健一)は体調不良を理由に姿を消した。鈴木は諸橋の周辺を探ってみると言い、もし富樫稜(吉岡睦雄)との関係を裏付ける情報が得られれば、諸橋を追い込むことができると考えた。
香苗は東京に戻り、調べたことを山中尊志(丸山智己)に報告する。小松は元精神科医であり、かつてクリニックを経営していた。香苗はヘルパーの田所礼子(和田光沙)のことも調査していた。浩子以外で論文を送ることができる人物は、自宅に出入りできる可能性のある人物に限られると考えたからである。田所について東京の専門学校に話を聞きに行くことにした。
香苗が調べた結果、ヘルパーと清家の繋がりは見つからなかった。しかし、どういうわけか、いくら調べても田所の専門学校入学前の情報が出てこなかった。そして、彼女が1979年生まれであることが、香苗の心に引っかかっていた。
佐々木と鈴木
鈴木の携帯に佐々木光一(渡辺大)から電話が入ったが、鈴木はそれに出ようとしなかった。清家に切られたとき、佐々木も浩子に操られているのではないかと疑っていたからだ。
今になって鈴木は、もしかすると浩子が佐々木を使って清家を支えるように誘導していたのではないかと思い返していた。しかし、鈴木の妻・由紀(真飛聖)は「本当に浩子と繋がっているなら、連絡なんてしないはず。あなたから会いに行ってあげたら?」といい、妻に勧められた鈴木は、春吉に行って直接佐々木と話すことを決めた。
店に行った鈴木は佐々木に電話に出なかったことを詫びた。すると、佐々木は「実は清家の後援会長を辞めた」と伝えてきた。ずっと支えてきた鈴木を切ったからだった。清家に切ったた理由を問い詰めても、ただ「上に言われたから」と曖昧な返答しか得られなかったという。「当たり前やろ。立場が違っても俺たち3人は友達だろ?」と話す佐々木の言葉に、鈴木は心が救われる思いだった。
その後、鈴木は佐々木に浩子について何か知らないかと尋ねた。清家をコントロールしていたのは母親かもしれないと話すと、実は浩子に頼まれて清家の様子を何年も前から報告していたと佐々木が明かした。「喧嘩でもして直接連絡できないのかもと思っていた」という佐々木の言葉に、鈴木は驚きを隠せなかった。
そのことを鈴木は香苗に報告した。その頃、香苗は真中亜里沙(田辺桃子)の実家に来ていた。彼女は山中に電話をかけ、「清家一郎のハヌッセンが誰なのか、はっきりする」と一緒に愛媛に行こうと誘った。
浩子の秘密
愛媛に到着した香苗は、浩子を春吉の本店に呼び出した。そこには山中、佐々木、そして佐々木の妻も同席していた。しばらくして遅れて小松と田所もやって来た。香苗は集まった人々に向かって、浩子はすでに清家から縁を切られていたのではないかと切り出した。
香苗は事前に小松に対して、なぜ浩子が直接清家に連絡をしないのかを尋ねていた。すると、小松は「あんたなら、明らかにできるんかな?」と逆に問うた。香苗は「はい」と力強く答えた。
小松の話によれば、浩子は清家が代議士になった年に縁を切られていた。それが原因で彼女の精神状態は悪化し、患者として小松の病院に通うようになったのだという。その傷はまだ癒えておらず、浩子は現実を受け入れられず、心のどこかでまだ一郎を信じているのだと小松は語った。
さらに、小松は浩子がある病を患っており、もう長くはないことを明かした。そのことを知らせるために清家に手紙を出したが、何の返事もなかったという。「お願いします。浩子のためにも真実を明らかにしてくれんかね」と、小松は香苗に深く頼んだ。
ヘルパーの正体
続いて香苗は田所のもとに歩み寄り、「清家さんの論文を浩子から盗み出し、鈴木に送ったのはあなたですよね?真中亜里沙さん。それとも三好美和子と言ったほうが分かりやすいでしょうか?」と告げた。驚愕の声が一同から上がった。
香苗はここに来る前に、田所の母親である西川礼子(山野海)に話を聞きに行っていた。そして田所礼子の写真を見せた瞬間、西川は「ほらね、絶対生きてるって言ったでしょ?」と言い、写真の人物が娘であることを確信していた。亜里沙であるかどうかを問うと、西川は「たった一人の娘よ。間違えるわけないじゃない」と答え、なぜ自分の旧姓を名乗っているのかと不思議がりながら涙を流した。整形して顔が変わっても、母親は娘であることを見抜いたのだ。
田所は香苗の指摘を認め、「そうですよ。私、美和子です。本名は亜里沙ですけど。ご無沙汰ですね、鈴木さん。だましていてごめんなさい、驚きましたよね、浩子さん」と冷静に言った。その表情や声色は、かつての亜里沙そのものだった。
「一郎くんが本当に心を許し、頼り、全てを預けていたのは私なんです」と田所は笑いながら続けた。「言いましたよね、もう彼には鈴木さんは必要ありません。私がきっちり引き継ぎますから」と、鈴木に向かって挑発的に笑みを浮かべた。そして浩子にも向き直り、「浩子さんが作り上げた素晴らしい作品だと。私はそれが欲しくなりました」と語った。
田所は、あの頃の清家が浩子と鈴木に疑問を抱き始めていたのは、自分がそう仕向けたからだと明かした。彼を手に入れることはできたが、浩子と鈴木がそのまま素直に手放すとは思えなかった。そこで、姿を消すふりをしたのだという。「姿を消せばあの二人は私のことをいずれ忘れる。私に任せて」と清家に話し、あえて失踪した。
ハヌッセンは誰?
「彼が27歳で代議士になったら、浩子を切り捨て、鈴木は利用するだけ利用して、必要なくなったら切り捨てる。そして官房長官になったら、晴れて私と一緒になる。全部、私が書いたシナリオどおり」と田所は冷静に言いながら、一同にそのシナリオ『笑うマトリョーシカ』を見せた。
しかし、田所は続けて、「そのはずだった。なのに3年前、突然彼は、私を捨てた」と語り、声に微かな怒りを滲ませた。「誰かが彼を狂わせたんです。私の知らぬ間に彼を奪った人がいるんです」と言う田所の表情には、悲しみと悔しさが交じっていた。
ハヌッセンは田所ではなかった。当初、田所は浩子が清家を取り戻したと思い込み、顔を変え身元を偽って近づいた。すべては清家を取り戻すためだった。しかし、浩子が全く尻尾を出さないため、田所は鈴木にあの論文を送った。浩子でないなら鈴木かもしれない、あの論文を見れば彼が何か行動を起こすかもしれないと思ったからだ。香苗が動いたのは予想外だった。
清家一郎のハヌッセンが誰か、それが知りたくて田所は話したという。そして田所は香苗に向かって、「絶対に見つけ出してくださいね。3年前、私の一郎くんを奪った人を」と圧を掛けてきた。
続けて、香苗は「武智議員の事故はあなたがやったの?」と田所に問いかけた。亜里沙は自分が武智議員の愛人であり、殺すために近づいたと明かした。しかし、鈴木の事故については自分ではないと否定した。香苗が鈴木の年齢や事故の状況が、シナリオに一致していると指摘しても、田所は頑なに否定した。
その時、香苗はふと、「誰かが彼女に罪を着せようとしたのではないか?」と考えた。そして、その人物こそが本当のハヌッセンであり、まだ他に誰かがいるに違いないと考えた。
託されたテープ
香苗は浩子と二人きりで話をした。浩子は「息子に欺かれているなんて、思ってもいなかった」と静かに語った。「子どものことを何にも分かっていなかった」と嘆く浩子に対し、香苗は自分の経験を話し、「自分の子だからといって、何を考えているのか簡単には分からないことに気付かされた」と共感を示した。
『僕を見ていてください』と清家が言ったのを聞き、助けを求めているのだと香苗は感じたと話す。おそらくコントロールから逃れたいのだろうと。「あの子にとって、やっぱりあなたは特別な存在だったのね」と浩子は語り、過去のことや母のことを香苗に話したのは、香苗に知ってほしかったからだと打ち明けた。
現実を突きつけられて、ようやく悲しみに向き合える気がすると浩子は言った。そして、バッグから封筒を取り出し、香苗に差し出した。封筒の中にはカセットテープが入っていた。「いつか役に立つ日が来るんじゃないかと思って持っていた」と浩子は言った。
浩子は父の事故にも、諸橋にも関係がないと告げた。すぐに渡さなかった理由は、香苗が清家を操ろうとするのではないかと警戒していたからだ。しかし、香苗の話を聞いて、そうではないことが分かったと安堵の表情を見せた。
「道上さん、あなたは私とは違う。お願い。彼を助けてあげて」と浩子は涙ながらに頼んだ。それを受けて、香苗は「はい」としっかりと約束した。
【笑うマトリョーシカ】10話の結末
東京に戻った香苗たちは、集まってカセットテープを再生した。そのテープには、宇野耕介(河野達郎)が諸橋に対して未公開株をもらう代わりに、国有地を購入できるよう手配すると約束する会話が録音されていた。さらに、宇野は「もう一人紹介したい男がいる」と言い、そこに現れたのは羽生雅文(大鷹明良)だった。羽生もまた、この取引に加わりたいと言っていた。
その内容を聞いた山中は、「大スクープだ。これで政権がひっくり返る」と興奮を隠せなかった。香苗の父を襲ったのは富樫で、鈴木を襲ったのも富樫。鈴木を襲った人物がハヌッセンだとすると、諸橋か羽生が操っているのかもしれないという推測に至った。
その時、香苗の携帯に清家から電話が入り、「今から会えないか?」と言われた。香苗は清家の事務所へ向かうことにした。清家は香苗に対し、これまでのことを謝りたいと口を開いた。「諸橋にこれ以上近づけるなと言われた」と告白したが、香苗はすかさず「清家さんの背後には誰がいるのか?ハヌッセンは誰なのか?」と問い詰めた。そして、鈴木でも亜里沙でも浩子でもないことは分かっていると続けた。しかし、清家は無言のままだった。
香苗は続けて「あの時の『僕を見ていてください』という言葉の意味は何だったのですか?」と尋ねた。その質問に対して、清家は「僕のブレーンになってくれないか?」と突然提案し、さらに「僕のそばにいてくれませんか?」と頼んだ。その言葉に、香苗は一瞬言葉を失い、困惑を隠せなかった。
【笑うマトリョーシカ】10話の感想
浩子の夫のヘルパーは、実は生きていた亜里沙だったという話でした。
清家の背後にいるのは、最初は鈴木かとミスリードし、亜里沙の存在を匂わせた後、ずっと浩子が裏で操っていたようにミスリードを繰り返します。しかしハヌッセンはその3人の誰でもありませんでした。
では誰なのか?香苗の予想では、鈴木を消そうとした人物=富樫=諸橋or羽生という雰囲気です。亜里沙のそばを離れたのは3年前だと言います。3年前にあった何かが原因で、清家は亜里沙ではなく別の人に乗り換えたのか?それとも背後には誰もいなく、清家本人がいるだけなのか?
ここに来て唐突な人が出てくるぐらいなら、いっそ香苗が知らない内に操っていたor誰も操っていないというエンディングのほうが納得いきそうです。
田所役の和田さんと亜里沙役の田辺さんがシンクロするような、整形しても裏に亜里沙がいるような、そんな演技が見ごたえある回でした。いずれにしても次回で最終回となります。最後に笑うマトリョーシカは果たして?