【世にも奇妙な物語’22秋の特別編】全4話のキャストとネタバレ感想

世にも奇妙な物語 スペシャルドラマ
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2022年11月12日に放送された【世にも奇妙な物語’22秋の特別編】全4話のキャストとネタバレ感想をまとめています。

今回は「元カレと三角関係」「コンシェルジュ」「わが様」「ちょっと待った!」の4話構成となります。

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第1話「元カレと三角関係」

キャストとスタッフ

  • ミカ…土屋太鳳
    アキラと現在交際中
  • アキラ…上杉柊平
    ミカの現在の彼氏
  • ジュン…木村昴
    ミカの学生時代の彼氏
  • 原作:「元カレと三角関係」(「死んだ彼氏の脳味噌の話」より)
  • 脚本:いながわ亜美
  • 演出:水戸祐介

あらすじ

ミカ(土屋太鳳)アキラ(上杉柊平)は交際しているが、倦怠期を迎えていた。ある日、玄関のドアを叩く大きな音が聞こえ、2人は恐る恐る開けてみる。そこにいたのは小さなロボットだった。ロボットはミカの元カレであるジュン(木村昴)だという。

困惑するミカだが、やがて以前と変わらぬ優しさに惹かれていき……。

ネタバレ

ロボットはジュンが遠隔操作をしているという。ジュンはバイク事故を起こし、今病院で死にかけているという。だが、今は順調に治っているらしい。生死をさまよった時、喧嘩別れをしたままじゃ死ねないと思ったジュンは、ミカの元へロボットとしてやってきたのだ。

脳波で動くというこのロボットは、見舞いに来た人たちが同情して貸してくれたものだった。見舞いに行こうかとミカが言い出すと、駄目だと言ってジュンは拒む。なぜなら、カッコ悪い姿を見られたくないということだった。

突然のことに困惑するミカは、今はアキラと付き合っていると紹介する。しかしジュンは諦めきれず、「隣にいさせてくれねえか?俺が唯一ガチで愛したミカの隣に!」と食い下がる。困ったミカはアキラが嫌じゃなければといい、アキラはミカのしたいようにしたらと許可した。

それからジュンとアキラとミカの奇妙な生活が始まった。ロボットの体でありながら、ミカの好きな甘いミルクコーヒーを淹れるジュン。時にはミカの好きなアジサイの花を買ってきたりもした。そんな2人のやり取りをアキラはどこか冷めた目で見ていた

ミカが買いものに出かけ、2人きりになった時ジュンは突然テレビを消す。むっとするアキラに「お前はミカのどこが好きなんだ?」と問いかける。アキラは「別に、どうでもいいだろ」とはぐらかした。

ミカはお笑いがあまり好きじゃないの知っているか、納豆チャーハンが好きなのを知っているかと、ジュンは次々に問いかける。何も答えられないアキラに「お前さ、ミカのこと喜ばせてやったりとかしてねえだろ」と突っ込んだ。

答えに窮したアキラは「あいつは俺といるだけで、幸せなんだからいいんだよ」とぶっきらぼうに言う。それならペットや服と変わらない、「お互い大事にするから、恋人なんじゃねえのか?」とジュンが告げると、アキラはむかついてロボットの電源を切ろうとする。しかしうまくいかず、部屋を出て行った。

戻ってきたミカにアキラが帰ったことを伝えると、ミカは慌てて電話をかける。だがアキラは出てくれなかった。悲しむミカにジュンは「俺だったらミカに、こんな思い絶対させねえのに」と声をかける。確かにジュンは寂しい思いや不安な思いをさせなかった、ミカは交際していた時のことを思い出す。

アキラのどこを好きになったのかとジュンに問われ、「どんなときも冷静なとこかな」とジュンとは正反対なところに惚れたと答える。もしあの時別れなかったら、今頃私たちはどうなっていたのだろうとミカがつぶやくと、ジュンは眠ることを促した。

ミカはどうしてもジュンに会いたくなってきてしまう。どこの病院にいるのか教えて欲しいと願うが、ジュンはやっぱり教えてくれなかった。ジュンは自分に会いたくないのかときくと、会いたいとジュンも願う。やがてロボットの電源が落ち、反応がなくなってしまった。

翌朝、ロボットは再び起動する。ジュンはもう時間がないと気付く。唐突に海辺で結婚式がしたいと言い出すジュン、さすがにすぐにはミカも返事ができなかった。そのことをアキラに話すと呆れた。ミカはやってあげてもいいと思っていると言い出す。そして、アキラがどうして欲しいのか教えてという。ジュンが来た時にも追い返さず、どういうつもりなのかと逆に言われるアキラ。

ミカはジュンのことをこのままだと好きになるかもしれないと言い出した。そもそもジュンは本当にケガをしているのか、アキラは冷静にミカに問う。するとミカは帰ってしまった。

アキラは1人で調べ始める。確かに事故は起きていた。入院先の病院名が書いてあったので、受付でジュンが入院しているかをたずねる。しかしそういう記録はないと言われた。帰ろうとするとスーツを着た男が、「被験者3号のロボットの搬入です」と言ってやってくる。男の鞄にはロボットの胸に描かれたマークがあった。

アキラはこっそりと男の後をつけていく。ある部屋の前に通りかかると、装置に繋がれた患者がいた。患者はジュンだった。「お前は…こんなになってまで…他の誰の所でもなく、ミカの所に来たのか…」アキラはジュンの強い思いに驚いた。そして意識がないはずのジュンの目が開き、アキラをじっと見つめた。

アキラは車を借りてミカを迎えに行く。真っ白なドレスも借りてきたという。それを着て2人の地元に行って、海辺で式を挙げようという。「2人の思い出、俺にも分けてくんないかな?」とアキラは告げた。

湘南へと走り出す車、ミカとジュンの思い出の場所を巡る。ジュンが子供たちに囲まれて人気になっている間、アキラは病院へ行ったことを話した。治ってきているというのは嘘で、いつ何があってもおかしくない状況だったと説明する。きっとジュンは本当にミカに今の姿を見られたくないと思う。だから、あいつの願いを最後にかなえてあげようと、アキラはミカに提案した。

砂浜に流木をベンチにして座るミカ、その隣にはロボットが座る。アキラは結婚式のように誓いの言葉を読み上げた。その頃、ジュンの体は心停止をし、医者が除細動器で呼び戻そうとしていた。ジュンは無言でいたが、ようやく「ミカ、アキラありがと。今日一日最高だったな」と言う。そして「アキラ…ミカをよろしくな」とアキラにミカを託す。

「ミカ。俺はしてやれなかったけど、幸せに。幸せになれよ、ミカ」と告げるのを最後、ロボットは反応をなくした。ミカは車の中でロボットを抱きながら涙した。アキラは「今日は俺が納豆チャーハンでも作るよ」と言い、ミカはジュンに「おやすみ。いい夢見てね…」と別れを告げた。

感想とまとめ

感動系の話です。元カレとの三角関係は、今の2人の愛をより深めた結果になりました。

今の彼であるアキラとあまりうまくいってなかったミカが、昔の彼であるジュンの優しさに惹かれていきます。そんなミカを見ていたアキラは、次第にやきもちをやいてジュンの真実を探りました。意識もなく機械に繋がれているジュンが、最後に会いたいのがミカだったと知り、アキラは願いをかなえてやろうと奮起します。

2人の思い出を一緒にたどっていくうちに、ミカとアキラの仲も深まっていきました。ジュンの願いはもちろん、ミカに会いたかったというのもあります。しかし、ジュンの一番の願いは恐らくミカに幸せになってもらうことです。つまり、今一緒にいるアキラとミカが結ばれて幸せになること、それがジュンの一番の願いだったのではないかと最後に思いました。

このまま感動話で終わってしまうのかと、見終えた後にちょっと驚きました。てっきりジュンが生きる代わりに今度はアキラがロボットになってしまうとか、病院に行った時にアキラもロボット化されるのかと思っていたら、1話目からまさかの感動話でした。

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第2話「コンシェルジュ」

キャストとスタッフ

  • 松久保真希…観月ありさ
    女優。夫と離婚して娘を育てる
  • 大神マサテル…金子ノブアキ
    マンションのコンシェルジュ
  • 根岸美代子…池谷のぶえ
    真希のマネージャー
  • 松久保七海…落井実結子
    真希の娘
  • 脚本:金子洋介
  • 演出:松木創

あらすじ

夫が不倫をしたことが理由で離婚した女優の松久保真希(観月ありさ)は、娘の七海(落井実結子)を引き取り、新居のマンションに引っ越して来た。テレビを繋ぐことすらできずに困っていた真希、するとマンションのコンシェルジュの大神マサテル(金子ノブアキ)が現れ解決してくれた。

大神は何をやらせても完璧で、何でも願いをかなえてくれた。真希は大神に家事や育児まで任せ始め、頼りきりになってしまう。ある日、真希が言った一言が原因で、大神の行動がエスカレートしていき……。

ネタバレ

夫と離婚した女優の松久保真希(観月ありさ)は、娘の七海(落井実結子)を連れて新居のマンションに引越した。テレビを繋ぐ作業すらよくできない真希が困っていると、コンシェルジュの大神マサテル(金子ノブアキ)という男がやってくる。マンションの各入居者につく専属のコンシェルジュだという。

「お望みならば、何なりと」と言う大神に、真希はテレビが映るようにしてもらった。さらに大神は引越しの荷解きを始め、片付けも勝手にし始める。困惑する真希だったが、完璧な仕事に感激した

真希はスキャンダルが原因で仕事が減っていた。そんな中、長年マネージャーをしてくれてる根岸美代子(池谷のぶえ)がとってきた仕事は、慣れない通販番組だった。それでも仕事があるだけマシだと真希は、美代子に感謝した。

真希に弁護士から連絡が入り、今になって七海の親権が欲しいと言ってきているという。渡す気がない真希は思わず「もう、ホントいなくなってほしい」と愚痴った。その後、美代子から電話が入り、テレビを見るよう促される。見ると夫が何者かに刺されて死亡したというニュースが流れていた。驚いた真希は七海にはその事を告げられず、学校に行くのを作り笑いで見送った。

学校から戻って来た七海が授業参観の知らせを持って来る。学校では両親で参加する人たちが多く、夫が亡くなってしまった真希は困りながらも参加する。じろじろとこちらを見る保護者たち、それでも真希は表情を変えずにいた。すると教室の戸が開き「すみません、遅れまして。松久保七海の父です」といって大神が入ってきた。真希は驚くと同時に感謝した。

美代子のミスで真希は通販番組を降ろされてしまった。新しい仕事を見つけないとと真希がつぶやくと、大神はうってつけの情報があると言って飲料水のCMに起用されている女優がスキャンダルで降板したという話を持って来る。そんな簡単に決まるものではないと言う真希だが、見事CMに起用された

真希は次第スケジュールが埋まり始め、美代子はスケジュールの把握ができなくなっていた。真希はそんなマネージャーに文句を言うと、大神がさらっと次の予定を教える。ドラマのセリフ読み合わせの相手役をやったり、収録現場にも立ち会うようになっていた。

仕事と子育ての両立は難しいという真希、どっちかに集中できればいいがそうもいかないと愚痴を零す。大神は「誰のせいでしょう?思い当たることがあるのでは?」と問いかけた。その後、真希は美代子にクビを言い渡し、代わりに大神がマネージャーになった。

完璧なスケジュール管理をする大神に、真希も頼りきりになる。七海が日曜日に買い物に行きたいというと、真希は一緒に行く約束をした。真希が撮影をしている間、大神は七海を迎えに行く。真希が夜中まで仕事だと七海に伝えると、「ママがずっとおうちにいたらいいのにな」と七海はつぶやいた。

買い物に行く日曜日、真希はあくびをしながら起きてきた。大神の姿がないことに気付き、ふとテレビを見ると大神が映画の主演に決まったというニュースが流れていた。慌てて真希は監督に文句を言いに行く。子育てで忙しいから降板したいと言ったのはそっちだという監督。真希はそんなこと言っていないと否定した。

全員クビにしてやると息巻く真希は、大神にも勝手に仕事盗むなと怒った。大神は真希が疲れていたから手助けをしようと思ったと説明するが、「私の一番大切なものを取らないで!」と怒りは収まらなかった。それを聞いた大神は思わず「えっ?」と混乱した。

マンションに戻るとエントランスで七海は待っていた。一緒に買い物をするというのを忘れていたことに対して、七海は怒っていた。なんとか宥めながら部屋に戻ると、大神が巻きずしを作って待っていた。なぜいるのかと怒る真希、七海はすっかり大神に懐いていた

真希は七海に近付かないでと大神に警告し、七海が巻きずしを食べようとすると叩き落した。その仕打ちに七海が怒り「ママなんか、嫌い!」と言って大神のところへ逃げる。何とか取り戻そうと必死な真希と揉み合いになっているうちに、七海はテーブルに頭をぶつけて出血してしまう。

病院に七海は運ばれ大事には至らなかった。大神が真希に謝罪をすると、真希も大神に謝罪した。ほとほと疲れた真希が自宅に戻ると棺が置いてあった。さらに驚くことに中から大神が出てきて「寝心地を確かめておりました。そろそろ必要かと思いまして、ご用意いたしました」と言い出す。

意味が分からず混乱する真希に大神は「私は、お望みになられたことを、かなえているだけです」という。真希がふと今までのことを思い返してみると、全て大神の仕業だったのかと戦慄する。大神が構わず葬儀の話をすると「やめて!七海だけは」と言って病院に急いで戻ろうとする。

大神は「お望みならば、何なりと」と叫びながら真希を追いかけた。恐怖に怯える真希は何とか物陰に隠れてやり過ごす。大神がいないことを確認し、高架下のトンネルを抜けて行こうとすると、誰かがぶつかってきた。ふと見ると腹には包丁が刺さり、驚いた真希に向かって「私が何年マネージャーやってたか知ってる?27年よ。全てあなたに捧げてきたのに…」と美代子が告げた。美代子は刺した包丁を引き抜いて地面に落とす。地面に倒れ薄れいく意識の中、真希は「七海…ごめんね」とつぶやいた。

部屋の壁に今まで排除してきた人物の写真が貼られ、赤いマジックで×と消されていた。大神はマジックをにぎり真希の写真を×で消す。それぞれの人物から赤い線が引かれ、その中心にいたのは七海だった

翌日、真希がマネージャーに刺されて死亡したというニュースが流れる。部屋に置かれた棺に真希は入っていた。大神は「これで、ママと一緒にいられるね」と七海に語りかける。七海は「パパ、チェスでもする?」と大神に言った。

感想とまとめ

ホラー系の話でした。大神がかなえていたのは、真希の願いではなく七海の願いだったと最後に分かります。真希の幸せが七海の幸せだったようで、真希に仕事を与えたり、ストレスの原因を取り除いてあげます。しかし、真希は勘違いしていたようで、自分の願いを大神はかなえてくれていると思っていました。

なので真希はつい仕事が一番大切と言ってしまい大神も驚きます。その後七海は「ママなんか嫌い」と言い、大神は七海の願いをかなえるべく棺を用意します。それでもまだ真希は分かっておらず、七海用の棺だと思っていました。大神が入っていた時点で、子供用にしては大きいとは思えなかったのです。そして切り捨てたマネージャーに刺されて死んでしまいました。

七海は母親が死んだ事について悲しんでいる様子もなく、何でもかなえてくれる大神と遊ぶほうに興味がいっていました。子供の無邪気な感じが余計に恐ろしさを際立たせるオチでした。

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第3話「わが様」

キャストとスタッフ

  • 友枝秋斗…沢村一樹
    デザイン会社の社長
  • 友枝真美…荻野友里
    秋斗の妻
  • わが様…佐藤遙灯
    蔵にいる神様
  • 友枝隼斗…山田暖絆
    秋斗の息子
  • 脚本:保木本佳子
  • 演出:河野圭太

あらすじ

デザイン会社の社長である友枝秋斗(沢村一樹)は、家庭を顧みず仕事を最優先にしていた。ある日、母が亡くなったと連絡が入り、実家へ妻の真美(荻野友里)と息子の隼斗(山田暖絆)と一緒に帰省する。

実家にある蔵が気になった秋斗が中に入ると、そこにはわが様(佐藤遙灯)という少年の姿があった。秋斗は子供の頃母親にわが様の欲しいものをあげることができれば、願いをかなえてもらえるという言葉を思い出す。

そこで秋斗はわが様に様々なものを差し出すが……。

ネタバレ

母の訃報を聞いた友枝秋斗(沢村一樹)は、妻の真美(荻野友里)と息子の隼斗(山田暖絆)と一緒に帰省する。実家にある蔵が気になった秋斗が中に入ると、わが様(佐藤遙灯)という少年の姿があった。幼い頃、母親が言っていた「この家の蔵には、わが様という子供の神様がいるの」という話を思い出す。

さらに「わが様の欲しい物ををあげることができれば、願いをかなえてもらえるんだよ」と言っていたことに気付いた。そこで持っていた飴を差し出すが、わが様は「これじゃないです」と否定した。秋斗が戻るといきなりグラスが倒れて上着にビールがかかってしまう。幽霊か座敷わらしの仕業だと、親戚は笑っていた。

秋斗は真美を連れて蔵に行く。しかし、真美にはわが様の姿は見えてなかった。わが様は信じない人には見えなかったことを思い出す。つまり、自分はわが様を信じているのかと秋斗は呆れた。

それから秋斗はわが様の欲しい物を渡すため、子供が好きそうなおもちゃや菓子を与え続ける。だがわが様はどれを持って行っても「これじゃないです」と否定した。その度に秋斗は災いが起きた。きっと隼斗の仕業だと思い、秋斗は真美にいたずらをしないよう言ってもらう。

同じ子供なら欲しいものが分かるのではないかと思った秋斗は、隼斗に欲しい物がないかきく。隼斗が逆に父は何が欲しいか聞き返すと、秋斗はいらついた。隼斗は怒らせてしまったと思い、萎縮して「ごめんなさい」と謝った。なぜ隼斗も真美も自分に怯えているのか。秋斗は不思議でならなかった。

秋斗の父は6歳の時に母と離婚して家を出て行った。シングルマザーとなった母はいつも忙しく、ほとんど家にいなかった。秋斗には家族で一緒に食事をした思い出がなかった。今さらどうでもいいとつぶやく秋斗。すると会社から連絡が入り、デザインのパクリが発覚したという。

秋斗は仕事を部下に丸投げしていたため、その事実を知らなかった。最終決断をしたのが秋斗だったため、社員は秋斗が大丈夫といったからと口走る。秋斗はキレて文句を言い、そばにあった花瓶を倒してしまう。そのせいでパソコンが水浸しになり、隼斗のせいに違いないと息子を声を荒げて叱った。ショックを受けた隼斗は泣き出し、真美はいたずらなんかしていないとかばった。

なら誰がやったのか、ふと思い出したのはわが様のことだった。否定されるたびに災いが起きていると気付き、わが様に願い事なんてどうでもいいからいたずらをやめろと叫ぶ秋斗。だが、わが様は何も答えない。やがて階段から隼斗が落ち、救急車を呼ぶ事件が起きてしまう。

母が「わが様に出会ったらくれぐれも気をつけてね。間違えると悪い事が返ってくることもあるから」と言っていたのを思い出す。自分が間違えたから災いが起きているのかもしれないと秋斗は考えた

幸い、隼斗のケガは大事に至らなかった。安堵する秋斗に隼斗は「ごめんなさい。お花置いたの僕です」と花瓶を置いたことを謝罪する。隼斗は秋斗のために花を摘んでいた。2階に上がろうとしていたのも、父への謝罪の手紙を渡そうとしたからだった。

自分は自分の父とは違いってちゃんと家族を養っているのに、なぜ泣かせてしまうのか。わが様のせいなのか。違う、全部俺がやったことだと考え直す。そして怒鳴ったことを息子と妻に謝り、東京に帰ることにした。

東京に戻った秋斗は仕事中も考えていた。わが様は何が欲しかったのだろうと。昔、母に聞いた事がある。わが様の欲しいものは何なのかと。すると母は「言ったら楽しみがなくなるじゃん。いつか彼女に会えば分かるから」と言っていた。しかし自分が会ったのは男の子だった。どういうことなのだろうと悩んだ。

四十九日の法要で再び秋斗たちは実家へ行った。仏壇に飾る遺影をアルバムを見て叔父と探す。棚に飾ってあった人形を見ると、母親は子供の頃ずっと欲しがっていたが買えず、大人になって集めたものだという。秋斗はそれを見てある事に気付く。

わが様の正体、それは幼い頃の自分だと。もう戻って来ない父と最後に、自宅で母親と3人で撮った写真、そこに写っていた幼い自分がわが様だった。だから母には女の子に見えていたし、自分には男の子に見えていた。これはきっと母がくれた最後のチャンスだ、そう思った秋斗は蔵へ向かう。

わが様を呼んだ秋斗は「君の欲しい物が分かったよ」と言って蔵から連れ出す。そして親戚が集まっている場に連れて行って座らせた。他のみんなにはその姿は見えていないが、秋斗はそれでも構わず座らせた。子供の頃の自分が欲しかったもの、それは家族みんなで笑って食事する事だった。

秋斗は人が変わったように優しく隼斗に接する。子供の時に父親にしてもらいたかったように、隼斗と一緒に食事をしているうちに、妻も嬉しそうに笑った。

感想とまとめ

感動系の話でした。家庭を顧みない父親は、妻と息子が望んでいるものが分かりませんでした。何不自由なく養っているのに、なぜ家族は遠巻きなのだろうか。秋斗は理由が分からず悩みます。

わが様が幼少期の自分だと気付くと、欲しかったものが分かりました。それを与えたことにより、秋斗も家族と仲良くなるという願いがかないました。幼い頃に自分が欲していたものが、息子も望んでいることだったのです。

秋斗が人が変わったようになったことを、家族や社員が不審に思わないのかとも思いますが、いいように変わったのので、むしろ歓迎かもしれません。

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第4話「ちょっと待った!」

キャストとスタッフ

  • 広川悟…渡辺翔太(Snow Man)
    会社員
  • 澤田里奈…高田里穂
    悟の会社の後輩
  • 脚本:赤松新
  • 演出:植田泰史

あらすじ

広川悟(渡辺翔太)はレストランで意中の会社の後輩・澤田里奈(高田里穂)に告白のチャンスをうかがっていた。彼女が席を外し戻って来た時に告白をしようと決心する悟。思いを告げた途端、「ちょっと待った!」との声の後、「ごめんなさい」と断られてしまう。

戸惑っていると里奈が2人いた。断ったのは10年後の里奈だという。2人が付き合わないように止めに来たという10年後の里奈、それを止めようと現れたのは何と15年後の悟だった。

ネタバレ

15年後の悟はとにかく付き合ったほうがいいという。なぜなら、15年後の悟は独立して会社の社長になっていたからだ。再びどこからか「ちょっと待った」の声がかかる。現れたのは25年後の里奈だった。現在の里奈に付き合ったほうがいいという。なぜなら、悟の作った会社は大当たりし、実業家として大成功していたからだった。

すると今度は26年後の悟が現れる。絶対里奈と付き合うんじゃないという。里奈は後に不倫をしていた。それも里奈の同期の浜中とだった。悟が里奈をほったらかしにしていたため、2人は不倫関係になったのだという。浜中の話によると実は悟も別の女性と遊んでいたらしい。

それぞれの年代の里奈と悟が交際しろ、するなと言い争い、現在の悟と里奈は困惑する。堪りかねた悟は「いいかげんにしてください!」と一喝し、自分たちのことは今の自分たちで決めると言って追い返した

現在の里奈に告白しようと思っていたのにとぼやく悟、里奈も困ってしまい結局交際するのをやめようとする。するとまた「ちょっと待った」と声がかかる。店にいた男女の客からだった。

彼らがいうには2人はつきあったほうがいいという。なぜなら大切なのは今の2人の気持ちだからだ。気持ちに素直になり、自分たちを信じろとアドバイスをする。背中を押された悟は改めて里奈に告白をする。里奈は交際に応じてくれた。

2人の男女は遠巻きに里奈と悟を見ていた。「27年前の今日ここで、父さんと母さんが付き合わなかったら、俺たちが生まれないところだったもんな」という。実は2人は里奈と悟の子供たちだった。父から届いたメールを見ると、母とハワイに来ているという楽しげな姿があった。そんな予定はなかったはずだが、早速未来が変わり始めたのだろうと子供たちは思った。

感想とまとめ

シュールな話でした。次から次へと未来の2人が現れ、その時々の理由を言って交際をするな、交際しろと迫ります。結婚後の夫婦生活は順風満帆ではなかったようで、家庭を顧みない夫に愛想を尽かして浮気します。夫は夫で女性遊びが盛んでした。お互いにお互いを罵りあう未来の2人、それを実はこっそり聞いていたのが子供たちでした。

交際するのをやめようかと思っていた悟ですが、未来の子供たちに背中を押されて告白します。里奈も未来がどうなったとしても、今の気持ちを優先して告白を受け入れました。子供たちは2人が交際スタートさせたのを見てほっと安堵します。

こういった展開はありがちと言えばありがちですが、他の話よりも短くテンポよく進むので飽きずに見る事ができました。

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【世にも奇妙な物語’22秋の特別編】感想とまとめ

ここ数年間、秋は割と面白い話が多かったのですが、今回は微妙な構成でした。ホラー系の話が「コンシェルジュ」しかなく、残り3本はハッピーエンドで終わります。この割合が逆の時のほうが、個人的には満足度が高いです。

1話の「元カレと三角関係」は普通の恋愛話で終わったのがびっくりしました。まさか1話目からこういう話を見せられるとも思ってなく、肩透かしを食らった感じです。この番組でやるにはあまりに普通の話で、もう少しブラックな展開を入れてもらいたかったです。しかし、原作付きの話なので変えるわけにもいかなかったのかもしれません。

2話の「コンシェルジュ」が唯一のホラーなのですが、この話が一番面白いのかと言えば、それもまた微妙な感じでして、前にもこんな話あったような気がするなと感じる展開でした。ですが、昔の作品を見ていない人なら、これはこれで楽しいと思います。

3話の「わが様」は最終的にハッピーエンドで終わりますが、所々にトラブルが起きるので1話に比べたら面白かったです。4話目の「ちょっと待った!」もありがちな展開の話ですが、初めて見たら楽しいのではないかと思います。

今回は全体的に微妙なラインナップだったので、次回はもう少しホラー系を多めにお願いしたいところです。

タモリさんのまとめ

たとえ願いがかなったように見えても、それはあなたの願いとは全く別の何かかもしれません。

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