大富豪同心の4話目は吉原が舞台の話でした。普段強面の小沢さんが、今回はお茶目なところを見せてくれます。お忍びで吉原に通っていた与力の沢田ですが、事件に巻き込まれてしまい囚われてしまいます。助けるために卯之吉や菊野が吉原に乗り込み、真犯人を捕まえるべく奔走します。さらにその裏では不穏な計画が持ち上がっており…。
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ドラマ【大富豪同心】4話あらすじ
密かに吉原遊びを楽しんでいた内与力・沢田彦太郎(小沢仁志)が遊女殺しに巻き込まれ吉原に監禁状態となる。沢田の窮地を救うため卯之吉(中村隼人)たちは集まるが、吉原では卯之吉は三国屋の若旦那として顔が通り過ぎているため、同心として乗り込むことができない。そこで卯之吉が、売れない役者・由利之丞(柳下大)をニセ同心・八巻卯之吉したて吉原に潜入。はたして卯之吉たちは沢田を助け出せるのか…。
公式HPより引用
ドラマ【大富豪同心】4話のネタバレ
犯人
火男ノ禄太郎(武野功雄)
動機
安太郎が春駒に企てを話してしまったため殺害
解決の道筋
卯之吉が殺害現場を見て、もう一人死んでいることに気付く。そこで店の遊女たちに話を聞くと、春駒と恋仲だった安太郎という下男の行方がわからないことを教えてもらう。
安太郎の家に行くと、押入れの中から安太郎が遺体で発見される。そのそばには油が置いてあった跡があり、卯之吉は風の強い今日に火付けが行われる可能性があると推理する。
そして丁字屋に囚われていた沢田を説得し、吉原の大門を閉じてもらうよう頼む。そこに丁度やってきた荒海に話すと、今すれ違った男は火付けの火男ノ禄太郎だという。
吉原に火をつけて、その隙に寛窓寺にある金を盗もうとする企てを知って捕らえる。
ドラマ【大富豪同心】4話の感想
吉原を舞台にした話ですが、今回の主人公は沢田です。
町人のフリをしてお忍びで贔屓の遊女の所へ向かいますが、そこで事件に巻き込まれ下手人の疑いをかけられてしまいます。立場上、自ら名乗れない沢田は卯之吉を呼び、なんとか真犯人を捕まえて欲しいと頼みます。
話はシリアスな話なのですが、どうにも沢田演じる小沢さんの強面なのにお茶目な姿が面白く、所々笑いながら楽しんで視聴しました。
ドラマ【大富豪同心】4話の事件概要
今回起きた事件はこんな感じになります。
- 紋日のため春駒が沢田を店に呼ぶ
- 風呂から戻った沢田が春駒の遺体を発見
- そのまま捕まり丁子屋に囚われる
- 正体を明かせないため、“三國屋”の卯之吉を呼んで欲しいと頼む
- 卯之吉が殺害現場の見立てをする
- 春駒と接触していた怪しい男を調べる
- 情報を聞き出すために菊野を呼んで花魁として接待
- 銀八にもその隙に調べさせる
といった感じの流れです。紋日とは客が散財をねだられる遊郭の祝日となります。この紋日に客が取れない遊女は面目が立たないため、みんな必死に客を取ります。
卯之吉の推理
誰も出入りをしていないはずの場所での殺害に、卯之吉は状況を見て推理します。
- 現場に残された血の量が多い
- 血の色が鮮やかで香ばしい匂いがするから、春駒は労咳病みだったはず
- 窓枠にある血を見て若い男の血だと察する
- 屋根にも血痕があって辿っていくと、木材が立てかけてあり、そこから来たに違いない
- 天水桶のそばにある血を見て、既に死んでいた人をここに置いていたはず
そしてこう結論づけます。
他の誰かが春駒と若い男を殺し、その男の死骸だけを何かに包んでこの屋根伝いに運んで、この天水桶のそばにしばらく隠していた。
血だけを見て全て推理する卯之吉がすごいです。卯之吉いわく「食べ物や年齢や病が血に出る」そうです。蘭方医の修行をしていただけあって知識もあります。
今回の作戦にかかった経費
祖父に頼んで今回の作戦を成功させる卯之吉ですが、最後に祖父が沢田と話していた会話が面白かったので抜粋します。
- 丁子屋の借り上げに1500両
- 菊野を座敷に出すのに250両
- 由利之丞に演技してもらうのに100両
- 合計1850両
これだけ今回かかったが、役に立てたなら安いものだと祖父は言います。そしてこれからも卯之吉と三國屋をどうぞよろしくと言います。
お互い顔は笑っていても、腹の中で探り合いな一場面です。沢田は卯之吉にきっと頭が上がらないでしょう。
ドラマ【大富豪同心】4話のその他気になったこと
- 「沢田が下手人ということで」と言う卯之吉に即反論する沢田
- 由利之丞の八巻は歌舞伎役者風の見得を切る
- 倉庫みたいな所に縛られて置いとかれる沢田
- 奉行所で沢田は病欠扱い
- 考え事をしている内に寝る卯之吉
- 由利之丞がやられてキレる水谷
- 籠に乗って捕物の場に行く卯之吉
- 卯之吉は相変わらず戦わずして勝つ
- 美鈴がいると安心して吉原に出かけられる卯之吉
ドラマ【大富豪同心】4話の補足
劇中で丁子屋の遊女たちが自分の身の上を話し、吉原という場所は外界から完全に遮断された場所だとわかります。葬式さえもあげてもらえず、ここで死ぬしかない遊女たち。実際どんな場所だったのでしょうか?
吉原とは?
遊郭が幕府によって公認されていた場所です。ドラマ同様に門があり、そこを通って入っていく場所となります。
明暦の大火前は現在の日本橋人形町辺りにあり、大火後は浅草寺裏の日本堤へと移動します。元吉原・新吉原と呼んでいたそうです。
吉原の歴史
1617年 元吉原で営業開始
1640年 夜間営業禁止
1656年 移転を命じられる
1657年 明暦の大火。全て新吉原に移転完了
1668年 取り締まりにより検挙された私娼が新吉原に移される
1957年 売春禁止法により吉原遊郭が廃止
- 新吉原での火災は延宝4年から慶応2年の191年間に22回あった
- 明治以降は中心地に近い芸者町に移っていった関係で規模が縮小されていく
- 340年間営業していた
現在もその名残が見れます。今でも風俗店が並んでいますし、大門の名残として「吉原大門交差点」という名の交差点やバス停名として残っています。
また安政江戸大地震で600人余の遊女が死亡した際、遺体を投げ込まれた浄閑寺や明治に作られた吉原神社などもあります。
遊女について
ドラマ内でもここで一生終えるとか、葬式も出してもらえないと言っていましたが、どんな状況だったのか調べてみました。
- 一定の年限働くか、売られた時の金を払えれば解放
- 年季を明けた率は8割超え
- ただし性病やその他病気により、商品価値がないとして解放されてた可能性もある
- 一部の遊女は再雇用され、遊女の管理者、食事の世話、縫い物担当などに雇用されていた
- 掟を破った遊女の遺体は弔わず、裸のまま浄閑寺に投げ込まれた
- 遊女の最高ランクは宝暦までは“太夫”それ以降は“花魁”
- 一人の遊女と馴染みになると、他の遊女と遊ぶのは禁止されていたが、掟は宝暦以降は廃れた
- ランクの高い見世は、引手茶屋に入ってから茶屋男の案内で行く必要があった
病気で解雇といったような形で出るだけで、まともな状態では出れなかったのかもしれません。
参考元:wikipedia
ドラマ【大富豪同心】4話のまとめ
前回の話と違って今回はいつもの大富豪同心でした。
沢田を演じる小沢さんがどうにもお茶目で可愛らしく見えてしまう回です。
物語の大半は縛られたままで、小沢さんなら無理矢理脱出しそうですが大人しくしています。しかしそこはやはり男沢田、菊野に言われて奮起します。その際の小沢さんはやっぱり格好いい、頼れる兄貴でした。
コミカルな中にちゃんと推理もあり、最後は何もしないで勝つ卯之吉。剣の達人とは戦わずして勝つものです。