日本テレビで3月26日に放送されたスペシャルドラマ【ダマせない男】のネタバレと感想をまとめています。
騙されて詐欺の片棒を担ぐ事になってしまった普通のサラリーマンは、絶対に人を騙す事ができない男だった!?
期日までに10億を集めなければ殺されてしまう状況の中、男が最後に選んだ答えとは?
【ダマせない男】のキャストとスタッフ
キャスト
- 絹咲正…堺雅人
真柴商事のサラリーマン - 浅香澪…門脇麦
詐欺師 - 貴島源一郎…生瀬勝久
貴島建設社長 - 大森詩子…広末涼子
グランデフォレストリゾート社長 - 前原ゴードン大輝…光石研
大地主 - 小山紗枝…村川絵梨
清掃員 - 栗山…小手伸也
真柴商事の課長 - マサ…皆川猿時
情報屋 - マスター…阿部たかし
バーのマスター - 百面のジョー…???
伝説の詐欺師
スタッフ
【ダマせない男】の見逃し配信
4月2日(土)20:59までは無料でTVerで配信されます。それ以降はHuluでの配信となります。
Huluでは初回登録時にお試し期間があり、2週間無料で視聴できます。
【ダマせない男】のあらすじ
#ダマせない男
— 今夜9時??『ダマせない男』4/3・10放送『名探偵ステイホームズ』【日テレSPドラマ公式】 (@ntvdrama) March 22, 2022
3月26日(土)よる9時!
放送まであと4日!
ドラマの見どころを
ちょっとだけお見せしちゃいます??#堺雅人 #門脇麦 #広末涼子 #生瀬勝久
他にも楽しい動画ありますよ。
コチラからどうぞ????https://t.co/nSiYjX8yZw pic.twitter.com/1J44k7RWuY
絹咲正(堺雅人)は婚活パーティーでカップルになった浅香澪(門脇麦)に「両親に会って欲しい」と言われ、貴島源一郎(生瀬勝久)の元へ行く。
しかし、それは貴島から5億を奪った詐欺師、百面のジョーを連れて来るという約束を果たすためだった。
全く話が分からないまま、ジョーと勘違いされてしまう絹咲。10億円を大森詩子(広末涼子)から取って来たら許すと言われ、腕に爆弾が内臓されたブレスレットをはめられてしまう。
澪と一緒に詩子に土地の売買を持ちかけ、地面師詐欺的なことを行おうとするが、絹咲には絶対に人を騙せない致命的な欠点があった。
それは、何でも正直に話してしまう性格の持ち主だったのだ。
期日までに10億円を揃えなければならない状況の中、絶対に騙せない男・絹咲の運命はどうなる……?
【ダマせない男】ネタバレ詳細
正直者の絹咲がどうやって詐欺を働くのか?人を騙すはずが人助けをしてしまうという、ドタバタコメディです。
物語は絹咲が澪と詩子に偽の土地取引を持ちかけ、契約させようとするところから始まりますが、こちらでは時系列通りに記載しています。
人違い
絹咲は婚活パーティーに出席しても、自分1人だけ誰とも結ばれず取り残されていた。それでも、周りを祝福して拍手をするような超お人よしだった。
会社でも課長の栗山にイビられながらも、文句も言わずに笑顔で応じる絹咲。任されたプレゼンに行く途中、トランクの鍵をなくして困っている老人を助け、遅刻してしまう始末だ。
再び婚活パーティーに参加する絹咲は、気に入った女性と会話をするが、自分に700万円の借金があることを正直に話す。すると意中の女性は別の男性の所へ行ってしまう。
遠巻きに様子をうかがっていた浅香澪が近付いてきて、なぜ正直に話すのかとたずねる。絹咲は人をダマしたくないと答えた。
借金の理由も寄付を募る系のフィッシング詐欺にダマされ続けた結果、できてしまったものだった。
そんな絹咲の事を褒める澪、漂う香りに惹かれて絹咲は彼女に好意を寄せる。そして晴れて澪とカップル成立した。
澪は両親に会って欲しいといい、絹咲は喜んで会いに向かう。豪邸の一室で待っていると現れたのは、大手ゼネコン貴島建設の社長・貴島源一郎だった。
結婚の許可を早速申し込む絹咲だが、貴島は娘なんていないという。呆気に取られる絹咲を尻目に、澪は貴島に百面のジョーを連れてきたから解放して欲しいと願う。
どうやら自分が人違いをされていると気付いた絹咲が否定するが、貴島は全く話を聞かず決め付けてきた。
5億円を返せと迫る貴島に返せないと答える絹咲。すると部下の1人が銃口を向けてきた。返せないならこの場で殺すという貴島に、絹咲は怯えながらも持ち前の観察眼を発揮する。
貴島はそんな絹咲に興味を抱いてチャンスを与えることにした。それは、10億円をグランデフォレストリゾート代表の大森詩子から奪ってくれば、命を助けてやるというものだった。
猶予は1ヶ月、澪と組んで奪ってくるよう命じ、腕に爆弾が内臓されたブレスレットをはめられて解放された。
百面のジョーとは?
澪は渋々絹咲と組むことを決め、詐欺師が集まる顔なじみのバーへ向かう。そこにいた情報屋のマサから百面のジョーの話を聞いた。
ジョーは変装の名人で神出鬼没なため、会ったことすら気付けない人物だという。澪の師匠で長年の相棒だったが貴島をダマした際、ジョーは5億を持ち逃げして姿を消してしまった。
残された澪が貴島の部下に捕まり、ジョーを連れて来たら命は助けてやるといわれた。そこで澪はジョーを捜すが変装の名人なため見つけられず途方に暮れていた。
偶然見かけた絹咲が超のつくお人よしだったのを知り、背格好もジョーに似ているため近付いて彼をジョーの身代わりにしたのだ。
話を聞いた絹咲は澪を責めるではなく、むしろ同情して彼女に協力することにした。
詐欺計画
ターゲットの詩子の会社は次々とリゾート施設を建設して勢いに乗っていた。彼女が次にホテル建設計画を立てている土地は、前原ゴードン大輝という大地主が持っていた。
現在前原は日本にはいない状態だったため、成りすまして土地の空売りをし10億をもらおうと澪は考えていた。
そこで絹咲に前原役を演じてもらうことにするが、絹咲は人をダマすなんて無理だと拒む。しかし澪は絹咲こそ詐欺師に向いているという。
なぜなら、細かい所によく気付く上に、絶対にウソをつかなさそうな雰囲気があるからだ。そうはいわれても無理だと断る絹咲だが、澪から漂う香りと説得にほだされて引き受けてしまう。
リゾート開発は表向きの話で、実際は闇カジノを建設しようとしていると、詩子が悪者だと吹き込む。すっかりその気になった絹咲は詐欺を行うことに決めた。
澪の用意した台本通りに演じる絹咲。18億の土地をキャッシュですぐ支払うなら10億で売るといい、詩子も購入する気になってくる。
いざ契約書にサインをしようとすると、絹咲は突然購入を思いとどまったほうがいいと言いだす。詩子が極悪人だとは思えないからだった。
そこでこの土地で何をする予定かたずねると、詩子は児童擁護施設を建設しようと思っていると答えた。自分が施設で育ったからだということだった。
ますます絹咲は彼女が悪い人に思えず、この土地には18億もの価値はないといってしまう。さらに自分は前原ではないと言い出しそうになり、澪は慌てて腹にパンチを入れた。
悶絶する絹咲に代わり澪が説明をする。価格は変動するので今は18億の価値はないかもしれないといってごまかした。
詩子は正直に話す絹咲を信頼し、10億で購入するとその場で決めた。詐欺計画は成功したかに見えた。
まさかのピンチ
絹咲は詩子をダマしたことを後悔し、本物の前原に会いに行って土地を売ってもらおうと考えていた。その権利を詩子に渡せば10億を失ったことにはならないからだ。
澪は絹咲が前原の家にやってくるのを見計らい、何とか説得して止めようとする。2人が揉めているとそこに本物の前原がやってきた。
絹咲はとっさに自分がグランデフォレストリゾートの者だと名乗り、澪は社長の詩子だと名乗った。なぜなら社長が「買わない」といえば売買は成立しないからだった。
絹咲が土地を売って欲しいという話を切り出すとチャイムが鳴り、本物の詩子たちがやってきた。慌てる絹咲たちだが逃げるわけにもいかず、本物の前原と詩子が面識がないのを利用することにした。
前原と絹咲を隣に座らせ、向かい合った席に澪と詩子が並んで座る。まるで本人に話しかけているようで、そうではない違和感を何とか和らげるためだった。
前原は澪を社長だと思って話しかけ、詩子は絹咲を前原だと思って話しかける。その隣にいる本人たちは部下だとそれぞれが小声で吹き込んだ。
10億をキャッシュで持って来た詩子に驚く前原。土地の話も今聞いたばかりなのに、さすがに受け取ることをためらう。
なぜ部下の男が口を挟むのかと詩子は不審に思い、前原もまたさっきから話がおかしいと思い始めた。そして2人は口論になり自分が本物だといい、絹咲たちの正体がバレてしまう。
絹咲は成りすましていたことを平謝りをし、正直に詐欺師だといいそうになると澪が割って不動産会社の者だと名乗った。
土地の売買契約を何とか結ばせるためにしたことであり、決して詐欺ではないと主張する澪。話を聞いた前原は契約しても構わないといい、晴れて交渉成立となった。
ピンチを何とか乗り切った絹咲たちだが、10億円は手に入れられなくなってしまった。澪は前原とどこかで会った気がすると思っていた。
結婚詐欺作戦
後日、絹咲と澪は詩子に呼び出される。会いに行くと詩子は絹咲を自分の会社に欲しいとスカウトしてきた。
断る絹咲だが澪はチャンスと考え、一緒に雇ってもらうのを条件に勝手に雇われることを決めた。
詩子は恐らく絹咲に気があるといい、恋愛・結婚詐欺を仕掛ける条件が整っているという。そこで絹咲を使い再び10億を奪う計画を立てる。
無理だと拒む絹咲だが詩子のことを好きになっていた。絹咲は惚れやすくいい人を見ると好きになってしまうのだ。
児童養護施設を建設する話を本当だと信じていた絹咲だが、澪が調べたところ彼女は施設育ちでも何でもなかった。あの場で適当についたウソだと暴く。
あの時、草むらに隠れていたバッタを踏まないようにするため、詩子は転倒しそうになったと絹咲は思っていた。
澪はその写真をバーにいる客に見せるが、誰も草むらに隠れているバッタを見つけることはできない。つまり絹咲だけが気付いていて、詩子は偶然転びそうになっただけだと指摘する。
よって詩子は優しさゼロの自己チューで、厚化粧の金の亡者の極悪人だから、結婚詐欺に加担するよう説得された。
会社に潜入
翌日から詩子直属のチームで働くことになった2人。澪が社員たちに話を聞いて詩子について探りを入れる。そこで得た情報はこうだった。
- 絵を見るのが好き
- 伊豆高原美術館に月1で通っている
- 恋人はいない
- 異性にも興味がない印象
- 長いこと片思いをしているようだ
- 貴島の愛人という噂があった
- 資金援助を受けた後に別れたっぽい
貴島が詩子から金を奪ってこいといったのは、そういう理由があったからかと澪は察する。
一方、絹咲は何もせず目立たぬようにしていた。ペットボトルをゴミ箱に捨てにいった絹咲は、そばにいた清掃員に挨拶しちゃんと分別して捨てる。
それを見ていた清掃員の小山紗枝は絹咲に感心した。紗枝は絹咲の手が荒れているのを見て、ナッツを食べるといいと勧める。
いつものバーで澪が絹咲に得た情報を話すが、絹咲はナッツを食べるばかりで上の空だった。今度は紗枝に惚れてしまったのだ。
詩子に集中するよう注意される絹咲だが、心は浮ついたままだった。
紗枝とのデート
後日、絹咲は紗枝が来るのを待ってゴミを捨てに行く。そして思い余って食事に誘うと、紗枝は応じてくれた。
夜景の見える高層階のレストランで食事をする2人。絹咲の薄ら寒いダジャレにも紗枝は笑ってくれた。
くしゃみをする紗枝に絹咲はティッシュを差し出すが断る。彼女は花粉症なため、常にティッシュを持ち歩いていた。
紗枝は元々グランデフォレストリゾートに勤めていたという。詩子の右腕とまで呼ばれていた人物だったが、ある日詩子にクビにされてしまった。
紗枝がいうには詩子は気に入らない人間を構わずクビにするそうだ。自分が辞めた後には、違法なカジノを作ろうとしている話も聞いたという。
絹咲はやはり詩子は悪い人なのかとつぶやくと、「少なくとも私はこの世で一番憎んでます」と紗枝はいった。
その後、澪に会った絹咲は詩子をダマすプランができたか聞く。詩子が悪人だと紗枝から聞いたことで、やる気になっていたのだ。
澪は呆れながらもプランを話し、絹咲はその通りに詩子に近付くことにした。
詩子とのデート
澪のプランは詩子をまずデートに誘うことから始まる。きっかけはさりげなく、偶然を装うことが必要だった。
絹咲はまずプレゼンの終わり頃に、自分のノートパソコンのデスクトップ画面にある絵画の壁紙を見せる。そこで絵に興味があると思わせるためだ。
気付いた詩子が絹咲に声をかけてきた。そこで絹咲は伊豆高原美術館に時々行くという話をする。詩子が好きだと知った上での発言だ。
意気投合したところで絹咲が美術館デートに誘う。その気になった詩子はまんまと引っ掛かった。
デート当日、耳に澪の指令を聞くためのイヤフォンをはめて絹咲は向かう。この日のために絹咲は美術史を猛勉強し、絵を見ながら豆知識を披露する。詳しい説明をする絹咲に詩子は感心した。
絵を見た後、絹咲は詩子に一番好きな画家は誰かきく。せ~ので一緒に言おうと提案し、共に口にしたのはアンリ・マティスだった。
偶然に驚きながらも喜ぶ詩子、さらにどの作品が好きかを一緒に言う。2人が答えたたの『赤い部屋』という作品だった。
これは以前、詩子が雑誌のインタビューで答えていた記事から知った情報で、澪はちゃんと台本に入れておいたのだ。
偶然の一致に喜ぶ詩子、次のステップに移るため美術館内にあるカフェへ異動した。澪が室温を勝手に下げ、寒気を感じた詩子に絹咲はジャケットをかけてあげた。
澪いわく「男は視覚で恋に落ち、女は聴覚で恋をする」ので、話す時は心臓がある左側から耳元で囁くように夢を語れという指示だった。
指示通り絹咲は耳元である夢を語り始める。日本の喧騒を離れて海外で趣味の絵を描きたい、その隣にはあなたがいてほしいと。
困惑する詩子は「ごめんなさい、それはできないの」と断る。詩子には忘れられない人がいたのだ。あの時、もう少し勇気を出せたらと後悔している相手がいたのだ。
しかし、それは澪の計画では想定内のことだった。構わず積極的に行く絹咲、背後から詩子を抱き締めて「僕では代わりになれませんか?」と囁く。
さらに詩子が好きな鳥の鳴き声を聞かせ、その気にさせようとした瞬間、窓の外に紗枝の姿を絹咲は発見する。
慌ててトイレに行くといってその場を離れる絹咲を、澪は追いかけて事情を聞く。そんなことは今どうでもいいという澪だが、絹咲は他の女性とデートをしているのを見て、紗枝がショックを受けるかもしれないという。
やがて、紗枝に声をかけた絹咲は一緒に展示品を見て回り始めた。
絹咲の恋の行方は?
紗枝と一緒に見て回る絹咲だが、詩子のことも忘れていなかった。紗枝が別の企画展示を見に行こうとすると、慌ててそっちには行かせないようにする。詩子がそっちにいたからだ。
そうして無理に連れて行った企画展は「迸れ、エロス」なる展示で、裸体の絵が中心の催しだった。下心でもあるのかと怪しむ紗枝、裸体は絵画の基本だともっともらしいことを言ってごまかした。
澪からの連絡でこっちに詩子が向かっていることを知らされると、絹咲はトイレに行くといってその場を離れた。
詩子に駆け寄って社長にはエロスは合わないといい、世間にエロスな社長というイメージを与えるからダメだとむちゃくちゃな理由をつけて下に連れていく。
そして見に行った展示は石が置いてある展示会だった。ある石の前に行くと心が落ち着くと言い始める絹咲、深呼吸を100回繰り返すことで石からパワーが得られるといい、詩子にそうするよう勧めた。
再び澪から貴島の手下が来たという連絡が入り、絹咲は澪に対応を任せて紗枝の元に向かう。
澪は展示物の石をくすねてから得意の香水をつけて手下を手玉に取り、彼らのポケットに石を忍ばせる。そして警備員にチクり、手下たちはそのまま連れて行かれてしまった。
待たせていた紗枝の元に戻った絹咲だが、石の展示が見たいと彼女は言い出す。それはダメだと言って絹咲は、喫茶店に連れて行こうとした。
そこでトイレに忘れ物をしたと絹咲は告げ再び詩子のところへ。石を見ている彼女の背後から抱きつき、再び囁き始める。だが、その姿を紗枝に見つかってしまう。
ショックを受けた紗枝は走って行ってしまい、絹咲は澪の制止を振り切って追いかける。紗枝は泣きながら放っておいてくれというが、絹咲は彼女を放っておけなかった。
紗枝の過去
恋人に多くを求めてしまうという紗枝、詩子も自分の気持ちを受け取ってくれなかったという。絹咲はなぜ今詩子の話をするのか不思議に思ってたずねる。
すると紗枝は以前、詩子と交際していたのだという。元々は部下と上司の関係だったが、やがて仕事を通じてパートナー以上の関係になっていったそうだ。
ある日、紗枝は秘密裏な関係に不満を抱き、詩子に自分と仕事のどちらを取るのか迫った。その結果、詩子は仕事を選んだ。
紗枝は詩子に別れを告げて会社を辞め、出入りの清掃業者で働き始めた。自分を捨ててまで選んだ会社を壊すためだった。
だが、紗枝は詩子に復讐をしたいのではなく、未練があるのだということに気付く。絹咲に近付いたのも詩子から引き離そうと思ってのことだった。しかし、今日ここに来たのは偶然だった。詩子との思い出の場所だから来ただけだった。
やがて詩子が現れどういうことなのか説明を求める。絹咲は状況を説明する前に1つだけ聞かせて欲しいといい、「社長であるあなたと、一人の人間としてのあなた。どちらが大切ですか?」とたずねた。
戸惑う詩子に絹咲は続けて、今でも過去の恋を後悔しているといっていた話を引き合いに出す。そして2人の話を聞いた上で「大森社長、あなたは紗枝さんと一緒になるべきです」と告げた。
澪は何を言っているのかと怒るが、絹咲はイヤフォンを自ら外して詩子を説得する。詩子は紗枝が好きだが、世間体をまだ気にしていた。
そんな詩子がなぜ今でもたくさんのポケットティッシュを持ち歩いているのか、絹咲はその理由を推察する。花粉症がひどい紗枝のために持ち歩いていたのではないかと。
さらに、詩子が肌身離さずつけているネックレスの石と同じものを、紗枝はブレスレットにつけていた。ガーネットの石言葉は「変わらない愛情」で、今でも彼女を愛しているという証拠だと指摘する。
こんな奇跡を失っていいのか、好きな人と一緒になりたくてもなれない人もいる。紗枝はあなたのことが好きなんだと絹咲は熱く語る。
詩子は紗枝に謝ると「またやり直せるかしら」といい、紗枝は「ずっとそれを望んでました」と泣きながら答えた。2人は絹咲の説得もあり、再びよりを戻した。
絹咲の過去
10億の金を奪うチャンスを絹咲自ら潰してしまったことに対して、澪は心底呆れていた。当の絹咲はまた失恋しまったとのんきなことを言っていた。
どうしたら絹咲のような人が生まれるのかと、澪は不思議でならなかった。絹咲は学生時代、母が病にふせていたことを思い出す。
母の病気に気付いてあげられなかった自分を責め、母にそのことを謝った。母は息子に自分は大丈夫だからと語りかけた。
以来、絹咲は人の気持ちに気付いてあげたいと思って生きてきた。今回も詩子と紗枝の気持ちに気付いてあげられて良かったと喜んだ。
しかし澪は全員がハッピーエンドなんてあり得ないといい、この世界には勝ちと負けしかないと言いきる。だが絹咲は別にそれでも構わなかった。なぜなら、誰かを悲しませてまで勝ちたくなかったからだ。
そういう絹咲だったが、目から自然と涙があふれて流れ出す。ハッピーエンドを求めているから泣いている、だからすぐに人を好きになるんだと澪は指摘する。
人を傷つける覚悟がないならハッピーエンドはつかめないという澪に対し、絹咲は「それでも僕は…気付けてよかった」と語った。
【ダマせない男】の結末
貴島の手下が戻ってきて10億が手に入ったかを問う。澪は何とかごまかそうとするが、絹咲は正直に「失敗しました」と告げる。
そして、全て自分の責任なので殺すなら自分だけを殺して欲しいと願った。だが、貴島からは失敗したら2人とも殺すよう命じられていた。
銃口を向けられる絹咲たち、その手に以前絹咲が助けたクモが現れ、驚いた手下は騒ぎ出す。その隙に2人は逃げ出すが、追いかけてくる。
とうとう追い詰められ、続々と集まってきた手下に囲まれてしまう。そこにヘリコプターが現れ、中から貴島が出てくる。
金は確かに受け取ったといって口座に10億振り込まれた画面を見せる貴島、2人はブレスレットを外されて解放された。
あっという間にヘリで消える貴島を見送りながら2人は不思議に思う。誰が10億を貴島に振り込んだのだろうか?と。
絹咲のポケットからメモが落ち、見てみるとそこには「恩は返した 上」と書かれていた。それを見た澪はジョーだという。「上」と書いて「ジョー」と読むのだと。
百面のジョーは“上”がトレードマークで、服に“上”という字を入れるのがこだわりなのだ。ふと、今までのことを思い返してみる絹咲、すると様々な人物に文字が入っていたことに気付いた。
プレゼンに行く途中で会った老人、前原ゴードン大輝、バーにいた外国人などなど、すべてジョーの変装だったのだ。つまり、詩子の10億はジョーの手に渡っていたのだ。
その頃、貴島は手下から報告を受けて怒っていた。高所恐怖症の自分がヘリになんて乗らない、金の振込みなんてなかったとわめいていた。
前原はこの3年間、日本に帰ってきていなかったのだ。それを知らされた詩子はダマされたと知り、そばにいた紗枝に事の顛末を伝える。
紗枝は「よかったじゃない。そのおかげであなたは悪いことをしなくて済む」といい、詩子ならすぐに10億なんてまともな方法で取り返せると励ました。
こうして絹咲は晴れて自由な身となり、ネットニュースで「グランデフォレストリゾート・大森社長 LGBTQフレンドリーな新規事業計画を発表。同性パートナーの存在を公表」という記事を見ていた。有休を使って休んでいた元の会社でまた栗山にイビられていた。
まんまと逃げたジョーは滞在先で仲間の詐欺師と話していた。絹咲を助ける必要はあったのかと問われ、詩子から金を奪えたのはあの男のおかげだといった。
それに澪には絹咲が必要だといい、自分の元を離れて成長して欲しいと願った。その頃澪はジョーを何とか見つけ出そうと怒っていた。
仕事を終えた絹咲のもとに謎の人物がやってくる。百面のジョーだと絹咲のことを勘違いして、新たな詐欺依頼が舞い込んできたのだ。絹咲は「だ~か~ら~!」と呆れていた。
【ダマせない男】の感想
正直者の冴えないサラリーマンが、持ち前の観察眼と気遣いを武器に、なぜか最後はうまくいくという話でした。
超お人よしな絹咲は今まで恋愛もうまくいかず、自分より年下の上司にイビられたりする冴えない男でした。
しかし、その人のよさが転じてなぜか最後はうまくいってしまいます。母の病に気付けなかった後悔から、人の気持ちに気付いてあげたいと思うようになりました。
そして人を傷つけてまでダマしたり、得をしたりしようとはしない男です。なので詐欺にあって借金をしたりといった調子です。
ですが、その生真面目さと人の気持ちに気付きたいという思いが、異常なまでの観察眼を養います。他の人では気付けないことも気付けるのです。
詐欺師になるより探偵や刑事にでもなったほうがよさそうですが、この生来の人のよさが信頼を得れるので、ダマすのに向いていると澪はいいます。
絹咲自身はまったく乗り気ではありませんが、相手が悪い人なら頑張ろうとします。さらに、人を傷つけないようにするために、紗枝と詩子の2人を遭遇させないようにしたりのウソはつきます。
災い転じて福となすといった感じの物語で、ピンチに陥りながらも最後はハッピーエンドで終わります。
人をダマせない詐欺師という相反するキャラクターは、人を殺さない殺し屋など似たような話を思い出させます。
しかし、堺さんの喜怒哀楽のギャップが面白く、ありきたりな話でも楽しく見ることができました。また、門脇さんとのコンビも合っていて、連続ドラマ化しても楽しそうな雰囲気です。
「コンフィデンスマンJP」のような話ですが、こちらのほうは最後のネタバレも一応前振りしています。とはいえ、絹咲並の観察眼がないと気付けないでしょう。
今後もスペシャルドラマで放送してくれたら見てみたいドラマでした。