2021年8月27日に放送されたドラマ【冤罪犯】のネタバレと感想をまとめています。
7年前に起きた事件と似たような事件が起こり、当時逮捕された犯人に冤罪の疑いが出てくる。冤罪は本当にあったのか、それとも模倣犯の犯行なのか。事件の真相は……?
【冤罪犯】のスタッフとキャスト
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— テレビ東京宣伝部 (@TVTOKYO_PR) August 30, 2021
🌙今夜8時から放送です👮🚨
冤罪か❓模倣犯か❓刑事が暴く驚愕の真相🚓❗️
お見逃しなく‼️#小泉孝太郎 #瀧本美織 #前野朋哉 #前田亜季 #三浦誠己 #田中俊介 #吉満寛人 #西尾まり #橋本じゅん #高橋克実 pic.twitter.com/VjH7Gr0JS8
- 香山亮介…小泉孝太郎
千葉県警船橋北署主任刑事 - 増岡美佐…瀧本美織
船橋北署刑事課刑事 - 三宅義邦…前野朋哉
船橋北署刑事課刑事 - 末崎修…三浦誠己
現場作業員 - 田宮龍司…田中俊介
田宮事件の犯人として逮捕され獄中で自殺 - 久保雄三…吉満寛人
千葉県警捜査一課長 - 蒲谷字一…大迫一平
船橋北署刑事課刑事 - 新座俊成…佐野和真
船橋北署刑事課刑事 - 矢沢靖…沢井小次郎
「セブンウィーク」記者 - 初美…安倍花凜
香山の娘 - 香山朱美…前田亜季
香山の妻・5年前に病死 - 田宮晴美…西尾まり
田宮龍司の姉 - 入江正義…橋本じゅん
千葉県警本部係長 - 安川伸治…高橋克実
船橋北署地域課巡査部長
- 原作:翔田寛『冤罪犯』
- 脚本:寺田敏雄
- 演出:木下高男
【冤罪犯】のあらすじ
女子高生の遺体がビニールハウス脇で発見され、ブルーシートに覆われていた。臨場した香山亮介(小泉孝太郎)は、その状況を見て7年前に起きたある事件を思い出す。通称“田宮事件”と呼ばれるその事件の犯人・田宮龍司(田中俊介)は、無罪を訴えながら獄中で自殺していた。
香山は田宮事件を解決した入江正義(橋本じゅん)と、当時一緒に捜査に当たっていた安川伸治(高橋克実)に話を聞く。犯人は間違いなく田宮だと安川は言う。
だが、今回の事件の被害者から、田宮事件の時に発見されたある証拠が検出される。7年前の事件と同一犯なのか?そして田宮事件は冤罪だったのか?香山は増岡美佐(瀧本美織)と共に、田宮事件の真相を探る。
【冤罪犯】の事件詳細
7年前の事件と今回の事件、どちらも同一犯の犯行だとしたら、7年前の事件は冤罪だったのではないか?というのが、ストーリーの根幹にあります。2つの事件の詳細と真相を掲載しています。
田宮事件と今回の事件の共通点
- 女子高生がターゲット
- 遺体にはブルーシートが被されている
- ビニールハウスの近くで発見
- 水曜日の夜に発生
どちらの事件も被害者が拉致された後、ビニールハウスの近くで絞殺されて発見されます。犯人に繋がる遺留品は見つからず、捜査は難航しました。しかし、別の事件がきっかけで田宮事件は進展します。
今回の事件のタイムライン
- 事件発生
深沢美穂(16歳・高1)の遺体がビニールハウス脇で発見
- ブルーシートを被せた人物を特定
実は第一発見者だったが不法就労者のため警察に通報せず
- 7年前の遺留品が検出
ウサギの毛が被害者の着衣から検出
- 末崎の張り込み開始
増岡が末崎に刺される
- 末崎の張り込み開始
増岡が末崎に刺される
- 末崎を逮捕
田宮事件の第一発見者のDNAがナイフから検出
- 取り調べで殺害を自供
深沢美穂の殺害は認めるが、7年前の殺害は否認
田宮事件のタイムライン
- 2014年9月橘知恵(16歳・高1)殺害
- 2週間後徳山真弓(15歳・高1)殺害
第一発見者が犯人と遭遇しナイフで切りつけられる
- 2ヵ月後空き巣事件発生
被害者宅から30万円盗まれ、隣室の田宮の部屋も空き巣被害にあう
田宮は何も盗られていないと証言 - 11月26日田宮逮捕
安川と入江で張り込んでいた際、誘拐未遂を起こして逮捕
- 12月17日事件現場で不審者目撃
事件現場で怪しい男が立ち去るのを第一発見者が目撃
- 拘留期限間際2回目の家宅捜索で証拠発見
被害者の持っていたストラップのウサギの毛が付着したシャツを発見
- 公判開始田宮は無罪を主張
- 一審判決死刑判決
田宮は拘置所で首吊り自殺
- 数日後差出人不明の手紙が県警に届く
「田宮龍司は無罪だ」と書かれていた
空き巣事件は元々田宮の隣の家の人が、30万円盗まれたということで通報します。窓ガラスを“焼き破り”という、ガスバーナーで熱してから冷却スプレーをかけて窓を割るという手口で破られていました。
隣の家も見たところ、同じ手口で破られてます。そこで何か被害があったか聞きますが、自分で割ったと言い何も被害にはあっていないと田宮は答えます。破られた窓はブルーシートで塞がれてました。入江と安川は直感で田宮が犯人だと察します。
そこで田宮に張り付いていると、女子高生を拉致しようとしたので現行犯逮捕しました。しかし、2人を殺害したという物的証拠が出てきません。田宮の拘留期限ぎりぎりで、2回目の家宅捜索をした際に、屋根裏に隠されていた赤いチェックのシャツが発見されます。
このシャツは第一発見者が見たというシャツで、調べた結果、着衣からウサギの毛が発見されます。この毛は一人目の被害者が持っていた携帯ストラップの毛でした。被害者が海外の土産でもらったストラップなため、日本では発売されていないものです。
これが決定的証拠となり、田宮は起訴され裁判が始まります。しかし、ずっと一貫して田宮は無罪を主張します。一審の判決では死刑となり、その後、田宮は拘置所で首を吊って自殺しました。
今回、当時と似たような手口の事件が発生したため、田宮は冤罪だったのではないか?という疑問が浮上します。
【冤罪犯】のネタバレ
今回の事件と7年前の事件の犯人と真相です。
今回の事件の真相
捜査を進めていくと、今回の事件はブルーシートを被せたのは、最初に遺体を発見した不法就労者だったとわかります。よって、田宮事件とは無関係の可能性が出てきました。
しかし、被害者の着衣を調べたところ、7年前の事件とまったく同じウサギの毛が発見されます。やはり田宮事件は冤罪だったのではないか?と警察内部は大騒ぎです。
さらに、田宮龍司の姉の晴美が、事件情報を入手しテレビで冤罪を訴えます。誰が内部情報をもらしているのか?香山たちは姉に直接話を聞きますが当然教えません。
当時、田宮にはアリバイがあるといい、バーに勤めている中国人女性といたと言います。この女性の行方を追いましたが、彼女は不法就労者だったため国に戻ってしまい、消息不明の状態でした。香山は田宮がバーの常連や中国人女性と写っている写真を借ります。
防犯カメラ映像から末崎修という人物が、深沢美穂を拉致した可能性があると考え、増岡と三宅が張り込むことになります。
張り込みをしていた増岡がこの写真を見て気づきます。後ろに写っているバーテンが末崎だと。逮捕に行こうとしたところ、増岡は末崎に刺されてしまいます。立てこもる末崎を駆けつけた香山たちが逮捕しました。
末崎の部屋にあるナイフのコレクションのDNA鑑定をした結果、田宮事件の第一発見者のDNAが検出されました。それともう一つ、ナイフの柄から田宮のDNAも検出されたのです。
香山が取り調べをして、もし3人殺害しているなら死刑だと脅します。すると、末崎は自供を始めました。7年前、店に来た田宮が持っていたナイフを見て欲しくなり、田宮の家に空き巣に入ってナイフを盗んだのです。田宮に怪しまれないよう、隣の家にも空き巣に入ったと自供します。
あの日、田宮が盗まれたものは事件に使用したナイフだったのです。では今回発見されたウサギの毛はなぜついたのか?疑問がまだ残ります。
田宮事件の真相
ウサギの毛がついた理由について、香山は7年前の家宅捜索をした際の写真を見てひらめきます。クリーニング屋の伝票が写っていたのです。香山は入江と安川の2人を呼び出し、たどり着いた真相を話します。
当時、入江と安川は田宮はクロだと確信していました。なぜなら、空き巣にあった時に不審だったからです。しかし、物的証拠が何も見つかりません。凶器は空き巣被害で盗られていましたし、シャツはクリーニングに出していたからです。
家宅捜索をした際に伝票を発見し、クリーニング屋からシャツを回収します。そして、12月17日の日に安川は鑑識が採取しきれなかった、ウサギの毛をビニールハウスに拾いに行きました。その毛をシャツに付着させて事前に天井裏に隠したのです。証拠はねつ造されたものだったのです。
ですが、結局田宮は犯人でした。7年後に末崎が盗んだナイフから、犯行を裏付ける第一発見者のDNAが検出されました。よって、冤罪ではありません。
安川の葛藤
田宮が獄中死したことで安川は揺らぎます。もしかしたら冤罪だったのではないか?と。事件の再捜査をして欲しいがため、田宮の死後に県警に手紙を送ったのでした。ですが、県警は手紙をもみ消してしまいます。
今回、似たような事件が起きたので安川は再び動きます。事件発生後、現場保存を終えた安川は、科捜研に被害者の着衣が回される前に、こっそりと7年前に採取して取っておいた毛を付着させます。そして、捜査情報をもらして田宮の姉に伝えます。そうして世間が騒げば、再捜査せざる終えなくなるという判断でした。
香山が再捜査をした結果、田宮事件の真相も今回の事件の真相も明らかになりました。
入江の罪
7年前、安川に指図して証拠をねつ造させたのではと香山は考えてました。実際のところ、入江が田宮を逮捕したいため、安川に証拠ねつ造の話を持ちかけます。最初は反対していた安川ですが、田宮を野放しにしていたら、第3、第4の犠牲者が出るという説得に応じました。入江は優秀な刑事で将来もある。そう思った安川が自分がやると決め、証拠のねつ造をしたのです。
今回の事件を張り込んでいた三宅に電話をし、増岡を一人の状態にします。それから末崎に電話をし「今なら女刑事一人だから逃げれる」と伝えます。それを聞いた末崎が凶行に及び、増岡は刺されてしまいました。
香山はそんな入江に対して許せないと憤ります。こんなやり方をしていてはいつかはしくじるし、いつかは部下を殺す。そして無実の人間に罪を着せて冤罪を生み出すだろうと。それでも正義だと開き直る警察官を許さないと怒りました。
ドラマの結末
その後、安川は出頭して拘留されます。香山は安川に面会して話をしました。安川はすい臓がんを患い、余命宣告をされている状態でした。妻をがんで亡くした香山は妻が死んだのは、自分のせいなのではと後悔します。そんな香山に同じく妻を亡くした安川は言葉をかけます。
亡くなった人間を思い続けることは、後悔を背負い続けることじゃない。その人と過ごした時間がかけがえのないものだった。そう思っていられることが何よりの供養になる。俺はそう思う。そう思うしかなかった。
そして命が短いから過去の清算をしたのかと問う香山に、自分が楽になりたかったからだと語って感謝をしました。
登場人物のその後
すべての真相が判明して、登場人物たちはどうなったのかを記載します。
- 入江正義:田宮事件の証拠ねつ造で出頭
- 安川伸治:田宮事件の証拠ねつ造で出頭
- 末崎修:増岡殺人未遂・深山美穂殺害容疑で逮捕
- 増岡美佐:一命を取り留める
- 田宮晴美:弟が冤罪でないことがわかり、国から賠償金が取れず記者と揉める
- 矢沢靖:田宮が冤罪でないことがわかり、スクープ記事を逃す
入江と安川がどういう罪に問われ、警察を懲戒免職になるのかはわかりません。安川にいたっては余命も短いようです。
末崎は増岡を刺した罪で現行犯逮捕され、自供により今回の事件の被害者殺害の罪でも再逮捕されるでしょう。
【冤罪犯】のまとめと感想
実は警察官が証拠をねつ造していた事件は、冤罪のようで冤罪ではなかったという話でした。
ずっと冤罪があったのではないか?という雰囲気で話が進みます。しかし、所々おかしな点があり、その理由が最後になって分かります。2時間でやるにはちょうどよく、ダレずにスッキリと終わる話でした。なかなか面白いドラマです。
主人公は以前は優秀な刑事だったのに、どこか情熱を失ってしまった人物として描かれます。新たにコンビを組んだ増岡に感化され、次第に情熱を取り戻していきます。しかし、小泉さんが演じているため、どうみてもエリート刑事に見えてなりません。
事件の謎を解いていくという部分もありますが、どちらかというと話としては警察の闇を描いた話です。正義を執行するため、限りなくクロに近い犯人を無理矢理挙げます。結果的に冤罪ではありませんでしたが、香山が言うようにこのやり方は危ういですし恐ろしいです。
証拠をねつ造してしまえばシロもクロになりますし、その逆も可能です。警察が捕まえたい人を犯人にするだけなのです。恐ろしすぎます。
調べたところ、この『冤罪犯』は船橋警察署シリーズの1作目で、ほかに『黙秘犯』という作品が出ています。そちらも映像化されるのを期待しています。