ドラマ【ここは今から倫理です。】2話のネタバレと感想をまとめています。
どの授業でも寝ている生徒はなぜ寝てしまうのか?高柳は彼に「対話がしたい」と願い、携帯電話の番号を教えます。彼の抱える問題をキルケゴールの言葉が解決に導きます。
【ここは今から倫理です。】2話のあらすじ
間幸喜(渡邉蒼)は眠かった。どの授業でも寝てばかりいていたため、小林先生に呼び出されて注意される。しかし、注意をされている時も眠かった。
倫理の授業でも起きていたことがない。高柳(山田裕貴)は幸喜に「不快です」と告げ、起きていられない理由を教えて欲しいと言うが、授業がつまらないからだと言って幸喜は去ってしまう。
自宅に戻った幸喜を迎える家族は誰もいない。シングルマザーで遅くまで働いている母は、深夜にならないと戻って来なかった。散らかった部屋にいても何もやることがない、幸喜は友人たちと夜遊びしに外へ行ってしまう。すると、高柳と偶然出会ってしまい……。
【ここは今から倫理です。】2話のネタバレ
2話のネタバレは3つです。
- 彼はなぜ眠いのか?
- キルケゴールの教え
- ドラマの結末
結論から言うと、高柳と電話で話すことで幸喜の生活が変わります。
高柳は彼へどんなヒントを与えたのか?
1.彼はなぜ眠いのか?
どの授業でも寝てしまう幸喜は注意を受け、注意をされている時でも眠いと思っていた。ある日の倫理の授業で、みんなで対話をしようということになり円座に座る。机に突っ伏すこともできない状態であっても、幸喜はやはり眠ってしまった。
起きると高柳が隣にいて、なぜ寝てしまうのかを問う。正直不快だと告げると幸喜は「あんたの授業がつまんねえからだよ」と言って出て行ってしまった。
自宅に戻っても誰もいない、部屋は散らかり放題で滅入るばかり。幸喜は友人と遊びに深夜の街へ繰り出した。カラオケ屋から出たところ偶然通りがかった高柳と遭遇してしまう。幸喜は慌ててその場を立ち去った。
翌日、高柳は幸喜に昨日はよくない言葉を選んだと謝罪する。幸喜はどうでもいい気分で話を聞いていた。すると、「あなたと話したい。対話をしてみたいんです」と高柳は言って、携帯番号を書いたメモを渡す。ただし、一度でもイタズラ電話をしてきたら二度と出ない。と条件をつけた。幸喜は電話するつもりなんてないと、高柳のことを気味悪がった。
その日の夜も友人たちと夜遊びをしていた。携帯の番号を渡された話をすると、友人がかけてみようと言い出し勝手にかけ始める。高柳は電話に出るが、友人がからかってすぐに切ってしまった。朝方自宅に戻った幸喜は「とんでもねえ損をしたような気がした」と思った。
夜遊びしたり毎日寝る時間がめちゃくちゃだから眠かった
2.キルケゴールの教え
今日も自宅で暇な時間を過ごす幸喜は、高柳に電話をしようかと考える。しかし、一度イタズラ電話をしたからもう出ないだろうと諦めた。遊びに行く前に玄関先で再び電話をしようと考える幸喜。どうせ出ないと思いながらも電話をする。すると、高柳は電話に出た。
これはイタズラ電話ではないと、何を話したらいいのか分からないまま、話し始める幸喜。すぐに切ろうとしたら高柳が「今何をしているんですか?」と聞いてきた。別に何もと答える幸喜は、先生は何をしているのかをたずねる。すると高柳は映画を見ていたと答えた。
そこから会話が弾み始め、幸喜にも映画を見るよう勧める。彼は自宅にある母親のDVDを読み上げていくと、『雨に唄えば』はいい映画だと高柳は教えた。そして、その映画を見たら遊びに行ってもいいと付け足す。2時間ある映画を見てから出かけるのはダルいという幸喜に、高柳はそれが狙いだと、こんな時間に外に行って欲しくないと言う。「俺の自由じゃん」と反論する彼に高柳は「あなたは今、きっと不安なのですね」と告げた。
そこで高柳はキルケゴールの言葉に「不安は自由のめまいだ」というものがあると語りだす。それは、自分を引き止めるものがなく、どこまでも高く飛べる自由さは、あまりにもどこまでも行け過げてあなたを不安にさせる。と、言葉の意味を教えた。
そして、電話はこれっきりだと言い、そのかわり明日学校で映画の感想を教えて欲しいと告げた。映画に縛られる2時間は自由はないが不安もない、それはただ単純に楽しい時間だと告げて電話を終えた。
人は自由過ぎると不安になる
3.ドラマの結末
幸喜は遊びに行かず高柳に言われた通り『雨に唄えば』を見ていた。散らかっていた洗濯物をたたみ、溜まっていた食器も洗ってから見始めた。そこに母親が帰宅し、息子が自分の好きな映画を見ていたことに喜ぶ。そして、片づけをしていてくれたことに感謝した。
母は幸喜の好きなプリンを一緒に食べようと誘い、自分の好きなシーンが見たいと言って巻き戻す。幸喜は母に文句を言いながらも楽しげに映画の話をする母親と一緒に映画を見た。
翌朝、彼は自ら起きて学校に行く支度をする。出際に玄関で「行ってきます」と言って出かける姿を、母は陰ながら嬉しげに見送った。
廊下で高柳と擦れ違った幸喜は、母親の邪魔が入って見れなかったから、映画の感想明日まで待って欲しいと告げる。高柳は「はい。ではまた。倫理の時間に会いましょう」と答えた。
映画を見たことで朝も起きれ、母との会話もできた
【ここは今から倫理です。】2話に登場した教え
今回はキルケゴール(キェルケゴール)というデンマークの哲学者・思想家の教えでした。
不安は自由のめまいだ
セーレン・キェルケゴール
自由とは何か?倫理の授業で対話をすると、生徒たちはいち子を除いて発言することができません。自由に語っていいと言われると逆に何も言えなくなってしまいます。そこで高柳は例として携帯電話の自由さを話します。こんなに小さいもので、SNSに誹謗中傷を書いて人の人生を破滅させることもできる、恐ろしいと思わないかと。
自宅に戻ると自由過ぎるがゆえに幸喜は何をしていいのか分からず、友人たちと夜遊びしに行っていました。そこで、高柳がこの言葉を教えます。何も引き止めるものがなく、どこまでも自由だと人は不安に駆られる。幸喜も今その状況だと。代わりに映画という時間を縛るものを勧め、不安を無くしてあげました。
キルケゴールの書籍で一番有名な本『死に至る病』をピックアップしました。死に至る病=絶望について考えた内容です。
【ここは今から倫理です。】2話に登場した映画
幸喜の母が持っていたDVDは、どうやらミュージカル好きなようで、こんなラインナップでした。
- オズの魔法使い
- バンド・ワゴン
- 踊る大紐青
- パリの恋人
- マイ・フェア・レディ
- サウンド・オブ・ミュージック
- 雨に唄えば
- 私を野球につれてって
- エビータ
- 野郎どもと女たち
- ザッツ・エンタテイメント
その中から幸喜が見たのは『雨に唄えば』です。
母親が好きなシーンだと言って見たシーンの歌詞が、幸喜の心境の変化を示すような歌詞になっています。
おはよう夜更かしは最高 とても上機嫌 映画が終わると未来は暗い
でも夜が終われば朝がくる ショーが始まる さあ声を出しておはよう
デビー・レイノルズは『スター・ウォーズ』のレイア姫役のキャリー・フィッシャーの母だと豆知識も語る母です。幸喜は朝起きて「行ってきます」と母に声をかけて、学校というショーに向かいました。
ちなみに高柳が見ていた映画は『ローマの休日』でした。
【ここは今から倫理です。】2話のまとめと感想
暇な時間を持て余している生徒に、映画で時間の自由を奪うかわりに不安を取り除くという話です。
自由に何でもできる反面、何をしていいか分からない、不安になってしまうという問題を解決に導きます。映画は時間を束縛されますが、不安を感じることもなくむしろ楽しいと高柳は教えてくれました。これが、人によっては読書だったりゲームだったりすると思いますが、時間の制限をかけるという意味で高柳はあえて映画を選んだのでしょう。
映画を見たことで母との会話も増え、家の片付けもするという良い方向へ幸喜は導かれます。そして朝もちゃんと起きて学校へ行く、本来の姿に戻ることができました。今後彼が不安を感じたら、映画を見て自ら解決するようになるのかもしれません。
高柳の押し付けがましくなく相手の話に耳を傾け、良い方向へ導くためのヒントを与えてくれるやり方は、自主性を高めてくれます。こういう教師に出会えた生徒は幸せだなと、思わせてくれるドラマです。