2020年10月6日に放送された【ガイアの夜明け】大戸屋買収劇の真相~人気定食チェーンはなぜ狙われたのか?~の、ネタバレと感想をまとめました。
コロワイドが大戸屋を買収するまでの6ヶ月を、ガイアの夜明けの取材班が追っていきます。
そこには『半沢直樹』や『ハゲタカ』も顔負けの真相がありました。【ガイアの夜明け】屈指の面白い回です。
買収成立までの時系列
買収成立に至るまでの時系列をまとめました。
- 2019年
10月三森智仁氏が所持していた株をコロワイドに売却 - 2020年
4月14日大株主のコロワイドが大戸屋に提案 - 5月25日大戸屋が提案に反対の記者会見を開く
- 6月25日大戸屋の株主総会で採決し提案は否決
- 6月30日コロワイドの株主総会で会長吼える
- 7月9日コロワイドがTOBを発表
- 7月10日コロワイドTOB開始
- 7月17日大戸屋の従業員有志が記者会見でコロワイドを非難
- 8月29日大戸屋がオイシックスと業務提携、出資を期待
- 9月8日TOBの期限 コロワイド47%の株を取得
- 9月23日大戸屋フランチャイズオーナーにコロワイド傘下になることを通達
- 11月未定臨時株主総会で取締役11人中10人を解任
番組ではまず4月14日の話から始まりますが、事の発端は創業者の長男である三森智仁さんが、大戸屋の株を売却したことがきっかけになったと最後にわかります。
もっといえば、大戸屋創業者の三森久実さんが亡くなったことから始まったのでしょう。
誰が一番の悪者なのか?ドラマだったらそんなことを考えたくなる、見事な番組構成で進みます。
大戸屋の定食「高い」「遅い」で苦境に
定食チェーン店の大戸屋が買収以前、どういう状況かをまず説明します。
- 大戸屋は約6割が女性客
- 開店3時間前に準備を始める
- 仕込みから料理まで店でやる“店内調理”がおいしさの秘訣
- 豆腐まで作っている
- 出汁などをとったりするかつおぶしを削る機械もある
豆腐まで店内で作るとか、最早定食屋というより料亭みたいな店です。
こだわっているわりに、かつおぶしやキャベツの千切りは機械にやらせていて、何がしたいのかよくわかりません。
当然コストがかさむため、定食屋という本来の形態を忘れ、客にそのコストを負担させます。
再三のメニューの値上げをし、平均客単価は880円という定食屋の域を超えます。
さらにコロナ禍の影響もあり、昨年の4月は998万4千円の売り上げが、今年の4月は404万3000円となり昨年対比40.5%という状態です。
また大戸屋ホールディングス自体、2020年4月~6月期の最終損益は過去最大の15億円の赤字です。
そんな状況の大戸屋に買収を仕掛ける会社が出てきます。
外食初の“敵対的買収”
今年4月14日にある企業が「大戸屋ホールディングスに対する株主提案に関するお知らせ」というものを発表します。
そこには大戸屋取締役12名を選任し、経営陣の刷新が記されていました。
将来的には子会社化する、大戸屋を買収したいという提案だったのです。
提案した企業は大株主のコロワイドで、大戸屋の10倍の売り上げがある巨大外食企業です。
大戸屋ホールディングスの社長である窪田健一氏は、抵抗する道を選択します。
コロワイドとは?なぜ大戸屋が欲しい?
コロワイドについて簡単に説明します。
- 1977年に現会長の蔵人金男氏が居酒屋「甘太郎」を創業
- 関東地方を中心に全国に店舗を拡大
- 2002年居酒屋以外の業態を次々と買収
- 業界4位の一大勢力になる
詳しくはコロワイド公式HPをご覧ください。
牛角、かっぱ寿司、フレッシュネスバーガー、温野菜、ステーキ宮、ラパウザなど多岐にわたる店舗を買収してきました。
フードジャーナリストの三輪大輔氏に話を聞きます。
どんな狙いがあるのか?
- 居酒屋単体だと居酒屋がダメになったら会社もダメになってしまう
- 何かあったときのためのリスクヘッジ
- 外食産業全体で人件費や物流費・原材料が高騰している
- 規模を大きくして効率化し、“お得”にお客においしい料理を届ける
という狙いがあると言います。
しかし、外食産業と別の産業をするというリスクヘッジは頭にないようです。大丈夫なのか?
なぜ大戸屋をターゲットに?
- コロナが打撃になり「甘太郎」も大量閉店している
- 居酒屋という業種が曲がり角を迎えている
- 今注目が集まっているのは「非アルコール業態」の定食
- コロワイドは定食業態を持っていなかったので、大戸屋を魅力的に感じたのでは?
生き残りを賭けて決断した企業買収だと、三輪氏は語ります。
大戸屋が狙いでやよい軒とかではない理由、それは大戸屋の株を取得したことにあると後ほどわかります。
捨てられない“定食魂”
5月25日大戸屋の窪田社長が報道陣を集め記者会見をします。
- 大戸屋の未来を作るのは現経営陣
- コロワイドの子会社化に大戸屋の未来はない
と、コロワイドの提案に反対を表明します。
その1番の理由は提案書に書かれていた“セントラルキッチン”の活用でした。
セントラルキッチンとは?
- 食材を1ヶ所に集め加工や下ごしらえをする工場のこと
- 加工や下ごしらえ後、各店舗に送る
コロワイドは全国に10ヶ所このセントラルキッチンを持っています。
大戸屋もこれを活用すれば、コストの大幅な削減ができるとコロワイドは主張したのです。
大戸屋は店内調理にこだわり、手作りの味を店で再現したいという考えです。
手作りは自分たちの心臓部であり、お客様との約束だと窪田社長は語ります。
豆腐まで作って欲しいとは、誰も思ってないような気がしますが、とにかく手作り=優しいが社長のモットーです。
以前、同じガイアの夜明けで大戸屋の各店舗のブラック環境を放送してましたが、社長はそんなことは忘れているようです。
ここで大戸屋の歴史を軽く振り返ります。
- 1958年 創業 池袋の大衆食堂が始まり
- 1992年 「女性も入りやすい定食屋」に転換。飛躍のきっかけに
- 2001年 株式公開
- 2005年 海外進出。東アジアやアメリカなど約120店舗
- 2015年 創業者の三森久実氏が死去
創業者の三森久実氏は元料理人だったため、新商品を作るときは自らキッチンに立ったそうです。
現社長の窪田氏は三森氏のいとこにあたり、皿洗いから徹底的に叩き込まれます。
窪田氏は「志を立てて以て万事の源と為す」という吉田松陰の言葉を天井に貼って、毎朝心の中で唱えてから出社していました。
その結果、この状況です。志はどこかへ消えてしまったのか?
約6割の個人株主が決め手
コロワイドからの株主提案を決着する場は株主総会です。
ここで大戸屋の株主に賛成か反対、過半数を取ったほうに決まります。
コロワイドはこの時、約20%の株を保持していました。残り30%を集めれば提案が通るという状況です。
大戸屋は6割が個人株主で、彼らがどちらにつくかで決まります。
大戸屋の個人株主は大戸屋ファンの人が多いので、どうなるのか?
6月25日大戸屋株主総会、窪田社長がコロワイドに説明をするか呼びかけますが、挙手しないため採決へ移ります。
賛同される方は拍手をと言うと、誰も拍手はしません。コロワイドもしないのか?
その結果、提案は否決されます。窪田社長はこの後、ほっとしたのか泣いてました。
しかし、コロワイドは引き下がりません。逆襲が始まります。
大戸屋をどう改革する?コロワイド会長の「肉声」
6月30日コロワイドの株主総会が行われました。マスコミには非公開ですが、ガイアは株主から音声データを入手します。
内容が面白かったので引用します。
セントラルキッチンがいいと何べんも言ってましたよ。
工場で作ろうが店舗で作ろうが、安全で安心でおいしくてそれ相応の価格ならどこで作ろうと変わらない。
ただ、早く出なければサービス業としてダメ。店舗調理なんかやっていたら日が暮れちゃうよ。
僕は大戸屋さん買う前からたまに行ってね、でも出てくるのが遅い。話にならんのですよ。うちなら倒産するね。M&Aは優勝劣敗であり…
コロワイド会長の蔵人金男氏の声は、まるで昭和の悪者に聞こえます。
この会社悪い会社なんじゃないか?金に物言わせて大戸屋を乗っ取ろうとしているんじゃないか?そう思えてきます。
そしてコロワイドはガイアの取材も拒否し、7月9日にTOB(敵対的買収)を発表します。
お客様に真摯に向き合う大戸屋VS金に物言わせて乗っ取るコロワイド。のような図式になってきました。
半沢でいうところのスパイラルvs電脳みたいな関係なのか?
敵対的買収の号砲が!大逆転の“100倍返し”に
TOBって何?
TOBとはTake Over Bitのことで直訳すると「値段をつけて獲得する」です。
通常株式は市場で取引されますが、TOBは市場を通さず買い手が値をつけて株主から広く株を買い集める方法となります。
コロワイドがこの時提示した買値は、普通株式1株につき3081円でした。
大戸屋の前日の終値が2113円だったので、約1.5倍の破格の設定で買収を始めます。
『ハゲタカ』ではこの時、ホワイトナイトという買収防衛する人物が登場し、お互いに買値を釣り上げて金で頬をビンタするような流れになります。
結果からいうと大戸屋にホワイトナイトは現れません。なので最終日まで3081円のままでした。
市場関係者はこの日本の外食産業で成功例のまだない買収劇をどう見てたのか?
auカブコム証券の山田勉アナリストにガイアが聞きます。
- 金に物を言わせる買収は“不義理”に思われ、“無作法”と見られる
- しかし今日のコロナ禍により、この先もコロワイドのような選択をする企業は増えるだろう
- 業績悪化・株安の局面を利用してM&Aを仕掛け、来るべきいい時代にもっと会社を大きくする
との分析です。小金持ちでは生き残れない、不況でも金を持っている人のみが生き残る。そう言っているようです。
買収を仕掛けられた大戸屋はどうするのか?その足掻きとも呼べる対応はこうです。
7月17日
- メディアを集めて従業員の有志が会見
- 「コロワイドの強引な子会社化のやり方に明確に反対しております」と宣言
8月29日
- オイシックス・ラ・大地と業務提携
- 料理キットを販売
- 改革に積極的なことをアピール
なんともトホホな対応です。
そもそも、店内調理にあれだけこだわっていたのに、なぜ家庭で作る料理キットなどを販売するのか?
キットの食材や調味料はそれこそセントラルキッチンで作っているのではないのか?
自らコロワイドのやり方を認めるような、トンチカンな対応をする大戸屋です。
勝負はTOB期限を待たずともわかってしまうような、経営のプロvs理想だけの経営のアマチュアの対決でした。
当然、出資の話はないと窪田社長はガイア取材班に答えます。そりゃそうでしょう。
9月8日のTOB期限当日、窪田社長にガイアは突撃です。
しかし、「これから確認する」と言葉を濁して去っていきます。
実はこの直前、コロワイドがTOBの結果を発表していました。
全体の47%になったといい、大戸屋の経営権を握れる水準にまでなったのです。
10分だけの制限つきで窪田社長がインタビューに答えます。
- 「店内調理を大切に」とこだわって株主に説明してきた
- 結果としてこうなったのは素直に受け止めなくてはならない
- こだわりの店内調理はどうなるのか?→ゆっくり考えるかな
まあ、なんというか……こういう社長が経営する会社は、従業員の方が大変だなと思います。
正義の大戸屋が負けてしまった、今後悪のコロワイドの支配に変わる。
視聴者はここまで見ているとそう思えるかもしれません。しかし、この窪田社長、結構なクセ者でした。
なぜ買収は成功したのか?
6割の個人投資家は大戸屋ファンなのになぜ株を売ったのか?そこには“マネーの力”が潜んでました。
- 株を売らなかった人
- 株主総会で否決されてみんな大戸屋の味方だった
- 今でも思い出すと涙が出る「みんなどうしちゃったの?」って
- 株を売った人
- 大戸屋の株は元本で1000万円以上使った
- 最終的にプラス150万円になった
株を好きな企業を応援するために買う人、株を投資目的で買う人。それぞれ買う目的が違います。
今回、コロワイドは1株の買値を3081円にしました。大戸屋の株はTOB発表から期限までの間、1度も3081円を越えませんでした。
ここにコロワイドの秘策があり、大戸屋の過去20年の株価を見ると、直近10何年に株を買った人は全て儲かる値段だったのです。
新規上場した2001年~2002年の間に買った人以外、みんながハッピーになれる値段だったのです。
さらに買い付けを発表してからも超えなかったため、期限までの間に急いで買って売った人もいました。
コロワイドは今回の買収のため70億円を用意していたそうです。
買収を成功させるためには何をすべきか、コロワイドは過去M&Aで大きくなった会社のため、熟知していました。
店内調理にこだわっているだけの会社など、簡単に買収できる算段が最初からあったのです。
恐るべきコロワイド!狙われたらさっさと高値で売りつけて、別の会社を起こしたほうが得策かもしれません。
“外食日本一”を目指す。そのために「定食」というラインを持つ。
コロワイドには並々ならぬ覚悟と決意と資金力があったと、先の山田氏は言います。
その頃、窪田社長はオイシックス……。覚悟も決意も資金力もどこへやら、そりゃ負けます。
買収のきっかけ「お家騒動」
ここからが今回のガイアの夜明けが面白いところです。まさにドラマのような話があったのです。
話は大戸屋創業者の三森久実氏が存命だった頃までさかのぼります。
2012年に三森久実社長は海外展開に専念するため、社長業を現社長の窪田健一氏に譲ります。
三森智仁氏は久実氏の長男で、大学卒業後、2年間銀行に勤め大戸屋に入社しました。
その後、2年間店舗で修行し、26歳の時に社内ナンバー4の常務になります。『半沢直樹』でいえば以前の大和田です。
それは久実氏が智仁氏を後継者にと考えていたからでした。
しかし、常務就任のわずか1か月後、久実氏が57歳で亡くなってしまいます。
これを境に創業者と経営陣の対立が始まり、お家騒動が勃発です!
久実氏の告別式の2日後、窪田社長が智仁氏に再来月から香港に赴任して欲しいと切り出します。
どうやらもっと経験を積むべきという思惑があったそうですが、智仁氏はなぜこのタイミングなのか?と反論。
関係が悪化し智仁氏は大戸屋を去ります。
久実氏の死後、大戸屋の株約20%が智仁氏と久実氏の妻へ相続されます。
しかし、10億円の相続税を払わなければならないため、株を担保に銀行から借金をして払いました。
そして2019年10月、全株をコロワイドに約30億円で売却し、コロワイドは筆頭株主になったのです。
コロワイドの案は窪田社長含む10人の取締役を解任し、智仁氏を含む7人の取締役を入れるというものです。
一度は追い出された智仁氏、再びこうして返り咲いたのです。
まるでドラマのような倍返し、土下座があったか知りませんが、自分を追い出した憎き相手を追い出します。
カリスマ経営者の長男、“大戸屋再生”で何をする?
智仁氏とはどんな人物なのか?ガイアが迫ります。
父・久実氏について
- 父は優しい父だった
- 家族でどこかに出かけたとか、食卓を囲むことはあまりなかった
- でも節々で自分の生き様を背中で見せてくれた
コロワイドに株を売却した理由
- 大戸屋ブランドに高い評価をしてくれてた
- 「日本一の定食屋に必ずする」と言われたことが響いた。思わず涙が出た
あの蔵人氏が言ったのかはわかりませんが、人は見かけによらないのかも知れませんし、うまいこと言いくるめているのかもしれません。
いずれにしても智仁氏はコロワイドに託そうと思ったというわけです。
そんな智仁氏、大戸屋を辞めてから何をしていたのか?
- 現在31歳で「スリーフォレスト」代表
- 東京や大阪に拠点を持つベンチャー企業
- 高齢者施設への宅配サービスを運営
- シニアに特化して外食企業とシニアを繋ぐ仕事
- 外食に出かけられない人も、施設で外食企業の食事が楽しめる
詳しいことはスリーフォレスト公式HPをご覧ください。
“ハッピーテーブル”が一押しらしく、外食チェーンの商品が定価で予約可能だそうです。
大手を中心に35社、そこには大戸屋はありません。
現在ハッピーテーブルは約3000の施設で導入されています。
こうした事業の経歴を買われ、大戸屋の取締役(非常勤)として打診されたのです。
打診されたときどう思ったのか?
コロワイドの戦略と合致する部分が非常にあったので、取締役を引き受けようと思ったと言います。
そして、「コロワイドからご恩をいただいたので、仇で返すわけにはいかない」施されたら施し返す、恩返しです。
買収・社長解任で新体制へ「6ヶ月抗争」の果てに
9月29日、大戸屋本部で窪田社長は引継ぎに追われていました。
大戸屋のフランチャイズオーナーへ、コロワイド傘下に入ったことを伝えます。
スムーズな引継ぎをし、オーナーの不安を解消できるよう、尽くしていきたいと語ります。
11月の臨時株主総会で取締役11人中、10人が解任されます。残る1人はなぜ解任されないのかはわかりません。
窪田社長は語ります。「ルールにのっとた結論が出る以上、それ以降大戸屋と関わることはない」と。
智仁氏は会社近くの大戸屋へ向かいます。
大戸屋を追い出された後も毎日のように通っていた智仁氏、ほとんどのメニューは食べ尽くしていました。
930円の定食は大戸屋にしては高い、コストを抑えることができると思うと、コロワイドと共同で作る新たな店舗作りを見据えていました。
9月29日同日、山梨市にある久実氏の墓前に報告です。
この選択を父がどう思っているかはわからない。「お前の好きなように、考えたようにやったほうがいい」と言ってくれているような気がする。と涙ながらに語ります。
命を削って世界を回っていた父、もう一度世界ブランドと圧倒的にお客様に支持してもらった店に必ず戻すと誓いました。
【ガイアの夜明け】大戸屋買収劇の真相のその他気になったこと
- 40種類のメニューを試食しなければならず文句言う窪田社長
- 味は“優しい”が現場には“厳しい”大戸屋
- 提案が否決されて声が震える窪田社長
- ほっとしていると突っ込まれてもあくまで否定
- 「大戸屋は店内調理をやめない!」とポスターを貼って会見する従業員有志
- 大戸屋本社のドアに「押し売り一切お断り」のプレート
- 株を売って儲けた人が食べているのは“大戸屋”
- 大戸屋の山梨トレーニングセンターには創業者が祭壇で祭られている
- 食卓は囲まないが店では手作りにこだわる先代
- モノタロウのダンボールが目立つ智仁氏のオフィス
- 流した涙がマスクの染みになる偶然の演出
【ガイアの夜明け】大戸屋買収劇の真相の感想
大戸屋買収劇の真相は純粋に買収という意味では2019年10月に、三森智仁氏が保持していた株をコロワイドに売却した時から始まります。
しかし、その火種はもっと以前の2015年に創業者の三森久実氏が死去した時からあったのです。
父親の告別式の2日後に左遷を言い渡すとか、いかなる理由があったとしても納得いかないでしょう。
智仁氏がウザいから左遷しようとワザと言っているならまだマシで、本気で良かれと思って左遷を告げてたとしたらどうかしてます。
なぜなら自分は人の気持ちが本当にわからないと、カミングアウトしているようなものなので。サイコパスです。言い訳するほどボロが出る気の毒な人です。
当初、みんな大好き大戸屋vs悪の帝国コロワイドみたいな展開で話が進み、視聴者にはコロワイドは傲慢な会社だと思わせます。
だが、徐々に雲行きが怪しくなり、大戸屋の経営シロウトぶりが露呈します。
店内調理にあれだけこだわっていたのに、自宅で作らせてどうするのか?家で豆腐作れと、かつおぶしから出汁も取れと?料理キットを販売という、謎の買収対応策を編み出しました。
さらに実は過去に先代の長男である智仁氏を追い出していて、結局自分で自分の首を絞める結果となりました。
以前、ガイアの夜明けで放送していた大戸屋のブラック環境の話は、こんな経営陣がやっていたからかと腑に落ちます。
そもそも大戸屋は“定食屋”ということを忘れてはいないか?料亭でもやりたいのか?謎過ぎます。
コロワイドの蔵人会長はある意味、ハッキリしていてその辺をわかっています。それがまた、あの言いかたなので昭和のフィクサーみたいな怖さがありますが。
そんなわけで大戸屋ののんびり経営陣では当然太刀打ちもできず、明確な覚悟と決意と資金力を持ったコロワイドに買収されました。
最終的には智仁氏も大戸屋へ非常勤ですが戻り、施されたら施し返す恩返しをする予定です。
このまま窪田社長はやられたままなのか?今度は窪田社長の倍返しにも期待したいですが、そこまでの気概が果たしてあるのかは不明です。
価格が下がって本来の“定食屋”の形を取り戻した大戸屋になるのか、今後に期待です。