東京二十三区女 4話 港区の女 ドラマ感想 お台場に漂流するものとは?

東京二十三区女 WOWOW
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今回の東京二十三区女は港区の女です。乗ったタクシーが目的地と違うところへ向かうのはなぜか?お台場を舞台にした怖い話となっています。

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東京二十三区女概要

WOWOWプライムで4月12日から毎週金曜の0時より放送されています。東京の裏側にある様々な話を、各区ごとに解き明かしていくことで、想像を絶する恐怖に襲われてしまうホラーミステリードラマになっています。

キャスト

  • 原田璃々子(島崎遥香)
  • 島野仁(岡山天音)

スタッフ

監督・脚本・原作:長江俊和

第4話ゲスト

  • 壇蜜
  • 大西信満
  • 竹中直人
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あらすじ

「お客さん、お台場ってなぜ“お”を付けるのか、知っていますか?」服飾デザイナーの希恵(壇蜜)は不思議な問い掛けをする運転手(竹中直人)のタクシーに乗り込むが、その運転手は目的地に向かわずに夜の港区の各地を徘徊する。そして、走馬灯のように希恵の人生がよみがえる。一体なぜ、目的地にたどり着けないのか……。次第に明らかになる、希恵の残酷な真実と衝撃の結末とは!?

公式HPより引用
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ネタバレ


続きはこちら

希恵はタクシーに乗って自宅のある六本木を目指していた。車中でお台場ってなぜ“お”がつくか知っているか?と話す運転手は説明をする。台場は幕府直轄の施設だから、権威を示すために“お”をつけるのだと。他にもお殿様、お城、地名ならお茶の水とかがそういう理由だと説明する。

そんな話を聞き流しているとさらにきいてくる運転手、六本木ヒルズということはそこに住んでいるのか?もしかして社長か?などをきく運転手に適当に返答をする希恵だったが、「お連れの男性は旦那さんですか?」という問いに驚く。見間違いでしょと言うと、運転手は歳のせいか勘違いが酷くてと答える。

運転手はお台場ってワケありな場所なんですよ、お台場の防波堤の辺りは潮流の関係で、よく水死体が流れ着くようだと話す。しかし希恵はそういう話には興味がないといって話を遮って眠ってしまう。

運転手にもうすぐ目的地だと起こされるが、そこは白金トンネルで目黒を目指しているという。自分が指示したのは六本木だというと、運転手はまた勘違いでといって六本木を改めて目指す。

さっきお客さんを乗せる前、休憩しようと思ってお台場の埠頭にいたんだけど、お客さんも埠頭にいたでしょときく運転手に、希恵は埠頭には行っていないし、ずっとオフィスにいたと否定して、再び眠り始める。

再び運転手にもうすぐ着くといって起こされた時、そこは六本木ではない場所だった。また間違えたとかおかしいと怒る希恵に運転手は、六本木に行ったけどこの場所を指定されたと答える。

そして埠頭の話をし始める運転手は、実は一部始終見ていたという。こんな時間になんだろうと思っていたら、どうしてあんな怖いことをしたのかという。警察に通報したのかときく希恵に、していないと答える運転手、自分をどうするつもりだと心配する希恵に、どうもしないという。自分の仕事はお客様を目的地まで連れて行くことだからと。

そして到着した場所は希恵がかつて夫と生活していたアパートだった。思い出の場所なのかと問う運転手に、希恵はあの頃は楽しかったと過去を思い出す。駆け出しの服飾デザイナーだった自分を夫は信じて支えてくれて、貧乏だったけど希望しかなかったという。昔を懐かしむ希恵に「一つ質問していいですか?」ときく運転手、「あなたはどうしてあんなことをしたんですか?」と。希恵は仕方がなかったという。

自分と夫で会社を興してファッションブランドを立ち上げ、最初は大変だったが死に物狂いで働き、六本木に居を構えるようになった。しかし、それも長く続かずブランドの人気は衰え、気がつけば会社も傾き始めた。多額の負債を抱え社員も次々と去っていってしまった。借金はもう自分ではどうしようもできないぐらいの額に膨れ上がってしまったと。

目的は保険金なのかと問う運転手に、希恵は小さく頷く。「罪の意識はなかったのか、あんな暗く冷たい夜の海にあなたは尊い命を投げ捨てた。ご主人がどんなに苦しかったか考えなかったのか」と。夫はずっと希恵を支えてくれていたのに、なぜあんな恐ろしいことを。どうして?と聞き続ける運転手、希恵は責められて困惑していた。

さらに運転手は言う。どうしてあなたは、あんな暗い海に身を投げたのか。どうしてあなたは自ら命を絶ったのか、と。希恵は楽になりたかった、生きている苦しみから一刻も早く逃れたかったという。自分が死ねば死亡保険で借金も返せる、会社の負債もなくなるはずだから。と、自ら命を絶った理由をいう。

「やっと気づいてくれましたね、もうすぐあなたはこの世の者ではなくなるということを」と運転手が希恵に教える。そして乗車を促すが、どこへ行くのかという希恵に、自分の仕事はお客様を目的地に送り届けることだってと答える。このタクシーに乗ることで、自分の魂はこの世に別れを告げるのだと、ようやく悟った希恵はタクシーに乗る。

今は別れを告げる過程にいて、さっきから見ていた線香花火の夢は、懐かしい夫との思い出だと。この花火が消える時、自分も現世との別れになるのだろうと。水中でもがく希恵の姿と線香花火の火が次第に小さくなり、希恵の体が動かなくなった時に、花火の火も同じように消えるのだった。

その頃璃々子は病院に来ていた。医師に案内されてある一室に向かう。時間は10分程度にして欲しいと言われて室内に入ると、そこにはベッドに横たわる希恵がいた。医師に呼びかけられても反応の薄い希恵、璃々子は彼女に取材をしに来ていたのだった。

外で待っていた島野に彼女の様子をきかれた璃々子は、精神的後遺症がまだ残っていることを教える。さらに彼女は自分は既に死んでいて、この世の者ではないと頑なに信じているという。彼女は一ヶ月前にお台場の海に身を投げて自殺を図ったのだが、一命を取り留めていた。でも自分が生き残ったとは絶対に認めようとしないということだった。

なぜ璃々子は取材に来たのかと問う島野、編集長に何か記事になるかもしれないから取材してこいといわれたと答える。島野は確かに璃々子の書いているようなタブロイド雑誌にはうってつけだという。“呪われたお台場の海、借金苦に身を投げた女セレブ社長”なんて低俗で扇情的なタイトルでもつけるのだろうと皮肉をいう。

璃々子は実際彼女に会ってみると、記事にするのは気の毒だという。医師の話では発見された当初は、自分が生きているという事実が受け入れられず、治療は絶望視されていたという。多額の借金を抱えて現実から逃避したかったのだと思うと璃々子はいう。だが、最近は回復の兆候が現れているらしい。

病室で夫と二人でいる希恵、周囲に視線をやっていると夫が名を呼びかける。「あたし生きている?」と問いかける希恵に「ああ」と答えて手を握り、体を抱き寄せる夫。

お台場の海は呪われているという話は本当かときく璃々子に、島野は得意の説明を始める。呪われているかは知らないが、台場の防波堤辺りは潮の流れの関係で、隅田川の河口から流れて来たものがよく引っ掛かるらしい。関東大震災や東京大空襲の時は多くの犠牲者が流れ着いたという。だからお台場の海の辺りは、無数の怨霊が漂っているとまことしやかな噂が飛び交っているらしい。

そういえば希恵に会った時、何かこの世のものではない恐ろしい存在に取り付かれているように思ったと、璃々子は話すのだった。

病室にいた夫は「じゃあ行こうか」と希恵に声をかける。「行くってどこへ?」ときく希恵、抱いた身体を離して顔を見ると夫はずぶ濡れで水死体のようだった。病室に置いてあった新聞には「お台場の海上 自殺未遂のデザイナーの夫 水死体で発見 後追いか?」という見出しが載っていた。

実はあの夜、希恵が先に飛び込んだ後、夫も追って海へ飛び込んだ。だが、希恵は救出されて一命を取り留めたが、夫はそのまま帰らぬ人となってしまった。

「行こう、さあ早く」と促す夫に戸惑う希恵だったが、覚悟を決めて夫の手を握り返すのだった。

その後再びあのタクシーに乗っている希恵、お台場はなぜ“お”をつけるか知っているかときかれ、知っていると答えると、「ああ、そうでした」と運転手がいう。希恵の顔はどこか幸せそうな顔をしていた。


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感想

今回題材となった場所はお台場でした。お台場の砲台があった場所そのものというより、お台場辺りの海の話となっております。お台場はなぜ“お”がつくのか?そんな理由も劇中で教えてくれました。

お台場の“お”

かつて黒船が来た時に、お台場に迎え撃つために砲台が設置されました。幕府直轄の施設ということで、権威を示すために“お”をつけたということです。

他にも劇中では“お”をつけるものとして

  • お城
  • お殿様
  • お茶の水

などを挙げていました。

他に地名で東京にはないかと思って探したところ、「お花茶屋」「御徒町」などありました。
御徒町の“お”は下級武士である御徒という、江戸城や将軍の護衛を勤める人が大勢住んでいたので、その名前になったという由来です。
よってお台場と同じ“お”だと思います。

しかし、お花茶屋の“お”は違います。
かつて八代将軍吉宗が、腹痛に襲われた時、茶屋の娘である「お花」が手厚く介抱したことに感動した吉宗が、この地を「お花のいる茶屋」として、お花茶屋にしたということです。お花すごいです。

お台場周辺の海について

あちこち埋め立てられているので、結構入り組んでいます。劇中では隅田川の河口から流れて来たものがよく引っ掛かると説明されています。
関東大震災と東京大空襲の際に、色々と流れてきたということも含めていっているようです。

関東大震災の時

関東大震災のときは、お昼に起きたことが原因で、火の手があちこちから上がり焼け出された人が多かったようです。
中でも現在横網町公園となっている陸軍被服廠跡地は、方々から焼け出された人が集まったところに火災旋風が巻き起こり3万8千人が犠牲となったそうです。そう思うとここを舞台にしてもよかったのではないかと思いますが、ここは港区ではなく墨田区でした。
この公園の中に震災と空襲の犠牲者を供養している慰霊堂があります。自分が行った時には誰もおらず、ゆっくり見れるのはいいですが逆に心細くなったことを思い出しました。

隅田川沿いでこの火災旋風が何ヶ所か起きたようで、川に飛び込んだ人も多かったのかもしれません。
この辺りの詳細は検索すると、実際の被害の写真も残っております。筆舌に尽くしがたい光景でした。

東京大空襲について

日本は木造家屋が多いということで、通常の爆弾ではなく焼夷弾という燃やすための爆弾が大量に落とされました。
言問橋という隅田川にかかる橋があるのですが、ここが浅草方面で焼け出された人たちと、橋の逆側である本所方面で焼け出された人が、橋の上でお互いに右往左往してしまいます。そこへまた焼夷弾が落ちてきたり、震災でも起きた火災旋風が起きたもので、川に飛び込む人も続出しました。
この時、3月ということもあって、川に飛び込んだ人は凍死し、橋の上にいた人は焼死体となったそうです。

そしてこの橋の親柱は一部未改修のため、現在も空襲の際に橋の上で焼け死んだ人の血液や脂が焼きついて残っています。またこの近所にある隅田公園には、この空襲での犠牲者を追悼する慰霊碑があります。

以上のことがあったため、隅田川から流れてきた怨念がお台場に溜まるということなのかもしれません。

白金トンネル

こちらは有名な心霊スポットとなっています。
なぜそんな噂が出るようになったのかといいますと、トンネル内が緩いカーブになっていて、事故がどうしても起きやすいというのはもちろんあります。
事故が起きやすいだけで心霊スポットになることもあるのでしょうが、やはり心霊スポットとはちょっとした物語というのがあるとなりがちです。

ここは以前旧日本軍の衛生材料廠の後、旧日本海軍大学校となり、その後が心霊の話題になる原因となる国立予防衛生研究所となります。この予防衛生研究所というのはその名の通り、色々な細菌やウィルスの研究がされています。その結果「人体実験をしていたのではないか」とか、妙な噂が立ったのもなんとなく想像できます。
よって、このトンネルには幽霊が出るという話になり、事故が起きるとなおさら幽霊のせいだとなるのだと思います。

ちなみに現在は新宿区戸山に移り、国立感染症研究所と名前も変わっています。

心霊タクシー

最初は希恵が夫を殺したのかと思いきや、実は希恵が死んでいたという流れになります。しかし、希恵は生きていて、夫が実は死んでいます。このタクシーの運転手自体、生きているのか死んでいるのか、正直わかりません。
ただ、タクシーの運転手は「お客様を目的地に送り届けるのが仕事」ということです。
一回目に乗ったときは死に掛けていたので乗りはしたものの、結局生きています。
二回目に乗ったときは、お台場の“お”の話をしますが、知っていると希恵が答え、そうでしたねと運転手もいいます。

そしてタクシーの扉に書かれている文字は「ジョーイム交通」です。ジョー仏交通→成仏(じょうぶつ)交通と読めます。

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まとめ

今回は港区にある心霊スポットをいくつか巡るという話でした。お台場は港区ですが、隅田川からの怨念が流れてくるということになると、墨田区や台東区の話でもいいんじゃないのかと思いますが、お台場が行き着く先ということなのでしょう。

今回の心霊スポット

お台場&白金トンネル

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