【MIU404】2話「切なる願い」のネタバレと感想をまとめました。
夫婦を人質に逃げる殺人犯は、車の中で監禁して移動するというなんとも不思議な話です。
それに偶然気づいた伊吹と志摩が東京からはるばる山梨まで追跡していきました。切なる願いは届くのか?
【MIU404】2話のあらすじ
車を破壊してしまったため、新たに支給された車はメロンパンの販売車だった。志摩(星野源)も伊吹(綾野剛)も文句を言うが、他のチームが車を貸すはずがないと隊長に言われてしまう。
仕方なくメロンパンの車で任務につく伊吹と志摩、偶然隣の車線に止めた車の窓から見える女性が、何かを訴えかけてくるような様子だった。よく見ると黄緑色の袖が見え、夫婦以外にも誰かが乗っているようだった。
無線で殺人事件発生の連絡が入り、容疑者の加々見(松下洸平)が着ていた服が黄緑だったことから、さっきの車に乗っていたのが逃亡犯なのではないかと伊吹は主張する。志摩は疑念を持ちながらも確認をするために後をつけ、タイミングを見計らって車を止める。
その際、中にボイスレコーダーを仕掛け、中の様子を盗聴していくことにする。人質になっている夫婦と逃亡犯の加々見の会話は、まるで脅されているとは思えないほど打ち解けているようだった。
伊吹も話を聞いているうちに、加々見は無実なのではないかと思い始める。
神奈川から山梨へ向かい加々見を乗せた車は道の駅に止まり、それぞれトイレへ向かう。伊吹と志摩は殺害現場に残されていた物証が、加々見のものという連絡を受け確保しようとする。
しかし、田辺夫婦が確保の邪魔をして加々見を逃がしてしまう。加々見はどこへ向かったのか?
【MIU404】2話のネタバレ
前回車を大破させてしまったため、メロンパンの販売車で伊吹と志摩は行動します。流している最中偶然見かけた夫婦の乗る車に野生の勘が何かを察し、伊吹はその車を尾行することを提案しました。
無実だと信じたい夫婦と伊吹、果たして容疑者は本当に無実なのか?少々泣ける回です。
1:事件概要
事件の連絡が入る前に、伊吹が隣の車線に並んで走る車の中を見て様子が変だと気づきます。
夫婦が2人で乗っている車なのですが、後部座席に乗る妻の背後から黄緑の袖が見えるのです。
まるで姿を隠して脅しているような、そんな雰囲気を感じ取ります。
そこで車を追尾していくことにしました。
すると、無線で事件発生の連絡が入ります。どんな事件なのか?
- 被害者:専務の松村幸弘
- 容疑者:入社8年目の加々見崇
- 死因:刺殺
- 第一発見者:社員の仙田
容疑者の着ている服と同じ黄緑。さっきの車に乗っていたのが実は逃亡犯なのではないか?伊吹の勘がそう告げます。
志摩は信じてはいませんが、自分の目で見て確かめたいようで、追尾していくことに同意します。
夫婦の乗る車を追尾する
2:現場検証
陣馬と九重は現場に向かい別行動となります。
容疑者の加々見は無遅刻無欠勤の真面目な社員でした。荷物はそのままで財布も中に入っています。
車の運転はできないといいます。そのため、車ごと拉致したのではないか?となります。
遺体の周りには掌紋が沢山あるのに、ドアノブには全く血がついていない。
加々見の手はドアを開けるときには、汚れていなかったことがここからわかります。
もしかしたら加々見は犯人ではないのでは?第一発見者も刺すところを見ていないので、可能性はゼロではありません。
血の掌紋が誰のものか?それが重要になります。
血の掌紋は犯人のもの
3:車の様子
車を走らせていくと検問が敷かれていました。当然、逃亡犯の加々見は、自分のことをチクらないよう命じます。
夫が警官に話を聞かれ、どう答えるのかと思ったら、自分の息子だと告げます。
それも妙に具体的に、なぜか中学時代の写真まで見せてその場を切り抜けていきました。
後方に控えていた志摩たちの車に警官が来たとき、その話を聞かされますが無理に追い掛け回したりはしません。
本当に逃亡犯なのか、この目で確かめてからにするようです。
そしてそのチャンスが訪れます。
信号待ちで車が止まっている間、志摩は夫婦の車に向かい、バックドアが開いていて長いものが垂れ下がっているといいます。
ドアを開けた志摩は男を確認しても、その場では何もいわずに車を行かせます。
戻って来た時に伊吹に確認してきたことと、ボイスレコーダーを仕込んできたことを告げます。
そして車内にあった花束の包装紙から、ここに来る前に寄った花屋に話を聞いてもらうよう陣馬に伝えます。
夫婦の車にボイスレコーダーを仕込んで盗聴する
4:加々見の過去
早速置いてきたボイスレコーダーから音声が聞こえてきます。
どうやら加々見には辛い過去があったようです。
- 父親と確執があった
- 高校卒業してすぐ東京に出た
- あてがないから日雇いの仕事をしていた
- ネットカフェで寝泊りしていた
- 岸という中学の同級生に誘われて今の会社に入った
- ようやく人間らしい暮らしができるようになった
- 岸は恩人
厳しく価値観を押し付ける父親だったようで、加々見のことは一切認めていなかったことがわかります。
父親に抑圧されて育ったため、父親に対して強い憎しみを感じているのもわかります。
岸という中学の同級生のお陰で仕事に就きますが、その岸が殺された専務に先週クビにされています。
岸は専務の悪口をツイートしていました。岸が犯人なのか?そんな雰囲気も出てきます。
岸は会社を辞めた後、実家の山梨に帰るといっていたらしいです。
専務はパワハラをするらしく、社員はみんな被害にあっていました。
そこで岸が怒って専務を殴ってしまい、クビになったということです。
岸は専務のことを“殺されても仕方のない人間だ”といっていました。
犯人は岸だとしたら、加々見はなぜ逃げているのか?
自分の無実を証明するためだと伊吹は主張します。どこか共感も覚えている勢いです。
岸が犯人なのか?
5:田辺夫婦の過去
陣馬に頼んで調べたフラワーショップの防犯カメラに、拉致監禁の一部始終が映っていたといいます。
その後、車はさらに進み富士吉田の道の駅に停車しました。チャンスとばかりに志摩と伊吹も降りて向かいます。
すっかり田辺夫妻は加々見と打ち溶け、息子のように思っているような状態です。
息子の秀則は中学三年のときに自殺し、生きていれば加々見と同じぐらいの歳だったそうです。
なぜ、息子は自殺したのか?
- 学校で財布が盗まれた
- 父親は話も聞かずに怒鳴りつけて頭を下げさせた
- でも実際は無実だった
- 犯人は別の子だった
この事件があった後、息子は自殺してしまいます。遺書などなかったようで、どうして死んだのか理由はわかりません。
- 疑われたことに耐えられなかったのか
- 父親へのあてつけだったのか
- 悔しかったのか
- 絶望したのか
そのいずれでもないのか、その全てだったのか。一切わからないのです。
もしも戻れるなら「俺はお前を信じる。誰が何と言おうと信じる」といってやりたかったと後悔します。
そこへ伊吹がやってきて加々見を捕らえますが、田辺夫妻に邪魔されて志摩も取り逃がしてしまいます。
2人は完全に加々見のことを信じ、「無実の証明をしに行け!」と逃がしました。
その後、志摩たちに事情を聞かれても、人質ではなく合意の上だったと証言します。
しかし、志摩がもし殺人事件の容疑者と知って逃がしたなら、犯人隠避の罪に問われるといいます。
それはたとえ、加々見が無実だったとしてもです。
田辺夫妻が加々見を逃がすのを手伝う
6:加々見の向かった場所
逃げた加々見はどこへ向かったのか?本当に岸の実家なのか?
陣馬から連絡が入り、岸は東京にいて女の家で寝ていたことがわかります。
そこで、田辺夫妻に話を聞くと、岸に会って自首を促すといっていたといいます。
志摩はここで一つの結論を導き出し夫妻を説得します。
- 人は信じたいものを信じる
- 加々見がやっていないと信じたかった
- 犯人がやっていないというとき、犯人自身がやってないと思いたいからだ
- 自分のやってしまったことを認めたくないからだ
- 罪を犯す前に戻りたいと、なかったことにしたいと思っている
でも、時は戻らない。加々見は自殺するかもしれないと訴えます。
すると、ホームセンターへ行き、その先は自分の足で歩いていくといっていたと告げます。
最終的にどこに行こうとしていたのかは、やはりわからないようでした。
その後、現場にあった血の掌紋と、加々見の自宅から採取した掌紋が一致します。
加々見は専務を刺した犯人だったのです。
岸は電話で加々見に自首を促していると、「あいつ殺して僕も死ぬ」と彼はいいます。
加々見は自分の実家へ向かっていました。
- 加々見が犯人だった
- 加々見は自分の実家へ向かっていた
7:加々見のトラウマ
加々見は実家に入り父親の姿を探します。“あいつ”とは父親のことだったのです。
父親への恨みはこうです。
- ゲームしてたらぶん殴られた
- ゲーム壊されてマンガも捨てられた
- 怒られては「怒らせてごめんなさい」と反省文を書かされた
- 父親は一度だって謝らなかった
今ではありえない父親ですが、昭和の時代にはこんな親父も普通に存在していました。
殺された松村はまるで自分の父親そっくりだ、加々見はそう感じていました。
岸との電話もまだ繋がってまして、だから殺したのか?そんなこと頼んでないといいます。
しかし、もう加々見のスイッチは入ってしまい、今さら冷静にも戻れません。
こうなったのは全部父親のせい。自分がこうなった責任を父親が取るべき。
と、いい歳して言い出します。
父親の姿はいくら探しても見つからず、そこに伊吹と志摩が来て教えます。
父親は2年前、交通事故で死んだと。そしてここにはもう誰も住んでいないことも。
父親を殺して自分も死のうと考えていた
8:事件の真相
今朝の事件の真相はこうでした。
専務が加々見に「ごめんなさいは?」とバカにするよういってきます。
それを聞いた加々見は父親のトラウマと重なり、手近にあった凶器で専務の胸を突き刺してしまいました。
溢れる血を見て我にかえる加々見、必死に止血しようと傷を押さえます。
しかし、間に合わずに絶命してしまいました。
血のついた手を洗って放心状態になり、事務所に座り込んでいたところを、第一発見者に見つかって逃げ出します。
全部こいつのせいと、父親の写真を何度も買った包丁で刺します。
自分の息子が殺人者だと知らずに死んだ父、何の復讐にもならないと。
まだ一度も謝ってもらってないと、加々見は叫びます。
そんな加々見を見て志摩は冷静に、理由はどうあれ人を殺した。命は取り返しがつかないと告げます。
そして無実を信じていた伊吹は、殺しちゃダメなんだよ、無実でいて欲しかったな…と悔やみます。
加々見を乗せていく車に、田辺夫妻は何度も「ごめんね」といい、いつかまたドライブしようと声をかけました。
9:【MIU404】2話のネタバレまとめ
専務刺殺犯
加々見崇
動機
加々見は小さいころから父親に抑圧されていたことがトラウマになっていた。専務が父親とダブるように、謝罪の言葉を求めてくるのを聞き、手近にあった凶器で刺し殺してしまう。
その後、田辺夫妻を来るごと拉致し、実家へ向かい父親を殺して自分も死のうと考えた。しかし、父親は既に亡くなっていて、加々見の復讐も叶うことなく終わった。
【MIU404】2話の補足
今回は志摩の過去について少し話が出てきます。現時点でわかっていることはこうです。
- 捜査一課時代に失敗した
- 相棒を殺した
やたら“時は戻らない”や“人の命はかえらない”というセリフが、ドラマ内のセリフで出てきます。
相棒を殺したということが、いったいどういう状況だったのか?
事故のような間接的な死なのか、志摩の手で直接殺してしまったのか?まだまだわかりません。
ただ、最後に伊吹に向かい「お前は長生きしろよ」と告げます。
志摩が誰も信用しない理由もこの時からなのか、いずれ判明すると思います。
【MIU404】2話のその他気になったこと
- きゅるっとした顔を思い出して寝たい伊吹
- まるっとメロンパンには丸ごとメロンは入っていない
- 口回るパート2は九重
- うどんの湯きりをしたせいで場所移動
- メロンパンに400円は出せない志摩
- 袖袖魔神といわれる志摩
- 「かもかも」ばかりでふんわりしている
- ベローンってしているバックドア
- 志摩もクビにならないとおかしいとボヤく伊吹
- 刑事になっても職質を受ける伊吹
- 加々見無実派な伊吹
- 事情聴取中も警察か疑われる伊吹
- 乾麺のことを乾いたのと表現する伊吹
- メロンパンデカというパワーワード
【MIU404】2話の感想とまとめ
いわゆるストックホルム症候群な夫妻と、トラウマを抱えた青年の逃避行です。
過去に犯した過ちを次は犯さないと誓った夫妻は、人を信じようとします。
過去に囚われた青年は、トラウマが呼び起こされて人を殺害し、その元凶である父親を殺しに行こうとします。
一度も謝らなかった実の父親と、何度も謝る他人の父母。その対比がなんとも空しさを際立たせます。
人を殺すことについての善悪で最後は話をまとめますが、その裏側にあるのは過ぎた時は戻らないという意味が含まれているように感じました。
父親を殺したところでトラウマは払拭されないでしょうし、他人を信じたことで息子は生き返りません。
過ぎた時は、やはり戻らないのです。
しかし、“今”を生きるために傷ついた人たちの懸命にもがき苦しむ姿は、心に響くものがありました。
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